weekly Food104 Magazine 2024年12月11日号

メルマガバックナンバー

このマガジンは王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社

有限会社清晃(せいこう)が提供しています。

https://www.food104.com/発行人の王利彰は、

その他に2011年4月より2015年3月まで関西国際大学教授に就任し、

新しく発足した人間科学部経営学科のフードビジネスを担当していました。

2004年4月から2009年まで立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の教授を務め、

F&Bマーケティング、サービス・マーケティングなどを教えていました。

立教大学観光学部、杏林大学外国語学部応用コミュニケーション学科観光文化コース、

韓国のSejong大学大学院フランチャイズ学科、女子栄養大学・短期大学、会津大学・短期大学等でも非常勤講師の経験があります。

2012年9月に脳梗塞で倒れ、重い嚥下障害を患っており、その顛末と嚥下対策は「月刊厨房」で1年間記事を連載しました。

フードコンサルタント王利彰は長年「メーリングリストfspro」で業界関係者と双方向のコミュニケーションをしてきました。現在は、Facebookのオンラインサロンへ移行。

FSPROメーリングリスト(外食産業情報“無料”オンラインサロン)

(https://www.facebook.com/groups/280530300281763)

外食産業でご活躍の皆さまはもちろん、卒業された方々の経験や知識も共有していただける場になるよう、皆様からの投稿をお待ちしています。

● 世界・日本各地の食情報

● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー

● 日本外食ニュースと米国外食ニュース

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● 世界・日本各地の食情報

1)食の宝庫九州から上田さんです

【新宮フードパーク】

トライアルは、ニッポンのごちそう 寿司、焼肉、カレー、ラーメン、ハンバーグ、スイーツで、新しい挑戦をはじめます。

味、食材、鮮度のクオリティを料理人たちの『熱気』とともにお客様へ。

ここは、驚きと感動のごちそう空間。

誕生 新宮フードパーク

プロの本気が価格以上の「おいしさ」をつくる。

こはく本舗×トライアル

こう掲げて11月29日にオープンした、新宮フードパークに出掛けてきました。

場所は、トライアルメガセンター新宮店の2階です。

トライアルというのは、福岡に本社を置くディスカウントストアで全国に318店舗展開しています。以前、宮若市にある、研究拠点と、そこに移転開業した「宮若颯香亭」を紹介しました。また惣菜がとても美味しくなったことも取り上げたと思います。

ディスカウントストアの中でも、自社開発のレジカートや、セルフレジ、カメラを駆使した補充システムなど新しいシステムを構築しています。

大型のメガストアと、周辺にコンビニクラスのトライアルマート、トライアルクィックの組合せで、バックヤードの無い小型店でも大型店から加工したての惣菜や弁当を配送する仕組みを作っています。

その惣菜、弁当も系列の惣菜店が開発した、コスパの良い、美味しい物が並びます。

新宮フードパークに並ぶテナントも、こはく亭やグロサリオ、颯香亭のシェフが監修したメニューが並びます。

カレーコーナーは36カリーとネーミングされています、在籍する36人のシェフが順番にスペシャルなカレーを提供する計画になっているのだそうです。

今回は、颯香亭金丸シェフ監修のスパイシーバターチキンカレーをいただきました。コクと甘みが絶妙なスパイスの効いたカレーでした。

スーパーのフードコートとしては、充実したという以上に本格的な飲食店が揃っているという印象でした。トライアルが同じ規模のフードコートを自社の店舗に展開していくと、かなりインパクトがあると思います。それを実証実験している一店目なのかもしれません。

出店している店舗名

36サンロクカリー

焼肉SEN

らーめんらぼ

GROCERIA

魚寅

https://www.trial-net.co.jp/foodpark/shingu

【プロフィール】

上田和久

kazz@studiowork.jp

スタジオワーク合同会社 代表

1959年熊本県生まれ、京都、福岡で暮らし、都城の単身生活を終え福岡に戻っています。

国際HACCP同盟認定リードインストラクター、JHTC認定リードインストラクター

上田和久 facebookは

https://www.facebook.com/kazz.ueda

経歴と仕事分野     

 厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年コンサルタントとして独立。

 主に、HACCPの認証取得が目的ではない、あるいは安全安心な食品を提供することを目的にした企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。

 具体的には、食品工場に対し、これまでの計画施工から現場運営まで経験を生かした新築・増改築についての助言を行う他、製造現場に対して、クレーム対応、異物混入の原因の究明と対策、再発防止の仕組み作りの提案を行っている。

 食品工場の抱える問題やこれからますます厳しくなる要求への対応、それらを一緒に解決していくことを使命とし、精力的に活動している。

2)南イタリアプーリア便り イトリアの谷の食卓から 第398回

「能登半島地震から学ぶ命を守る研修会」に参加しました。これは佐伯から継続して能登半島地震の被災者救援ボランティア活動を行なっている「志縁や」の柴田真佑さんが企画したものです。

柴田さんは各地の被災地で長年活動を続けているベテランです。

もうすぐ一年が経つというのに道路の修復や瓦礫の撤去もされず避難所生活を強いられている方々が多数いる様子に本当に心が痛みました。なぜ放置されたような状態が続いているのか、納得のいく公の釈明を聞きたいものです。しかし、国が動かないからとただ文句を言っているだけでは生きていけません。自分の身は自分で守るためにはどんなことを日頃意識して生きていけば良いのかという柴田さんの非常に有益な提案には大きく頷くことばかりでした。

その一つは、栄養豊富で薬効もある身近な野草を知ること。田舎だからこそこの自然の恵みはそこらじゅうに溢れているのに、食用できることを知らないとまさに宝の持ち腐れです。

野蒜やよもぎ、たんぽぽなど野草料理研究家の海野千恵子さんがその日に佐伯の野山で採取してきた野草を試食しました。同様の野草はプーリアの我が家の庭にもたくさん自生していて日常的に食べていますので、馴染み深い味です。特にたんぽぽに似たチコリの葉は、プーリア人が大好きな野菜で、栽培もされています。茹でたものを乾燥そら豆のピューレと合わせてオリーヴオイルと一緒に食べます。

プーリアの郷土食の滋味深さはこれらの野草料理が根本にあると知り、プーリアで育つことによって野草や木の実、果物、きのこなどの自然の恵みを採取出来る人に育って欲しいというのが子育てのためにプーリアへ移住した大きな理由でもありました。

プーリアにも佐伯にもまだこのような自然の恵みがあるし、それを享受する知識を持った人がいるので、それらの大人が意識的に次の世代に繋いで行く努力をしなければならないと実感します。それらの知識と経験は一夕一朝に得られるものではありません。親や親戚などの大人と一緒に何度も何度も取りに行って初めて身に付くものです。上手く言いくるめてでも半ば強制的に子供達を自然の中に連れ出すぐらいのことが必要なのではと思います。

被災地での食糧事情はインスタント系のものがメインになりがちで栄養的にも問題が生じるとのこと。また今回のように飲料水が足りない状況では非常食も役に立たないこともあると言われました。不安に駆られて非常食を備蓄するより、山に入って食べられるものを取ってくる経験をする方が良いのではないでしょうか。その方が健康的だし建設的な防災準備と言えるのではないかと思います。

大橋美奈子 Facebook

https://www.facebook.com/minako.ohashi

メール・アドレス

minako@da-puglia.com

大橋美奈子さん経歴

 演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人のジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストランのビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業したビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。

 そのジョバンニ・パンフィーノと、日本で知り合い結婚し長女を授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したのです。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報発信をし、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っております。

 また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報をお届けします。

 ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺りがプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダプーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人のヴァカンス先として大変注目を浴びています。

https://www.facebook.com/1438029856464276/photos/a.1438031556464106.1073741828.1438029856464276/1523683344565593/?type=1&theater

 プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウをはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。

 また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山あります。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係にあります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、飲み物たちをご紹介させていただきます。

 我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好きなアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。

有限会社ダプーリア

http://www.da-puglia.com/

大橋美奈子プロフィール

http://www.da-puglia.com/archives/000047.html

プーリア州の説明

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E

ダプーリア

大橋美奈子

3)FBプロデューサー日記  339回目

鮨割烹「西入る」(nishiiru)

海の京都、宮津市の漁港に近い花街の「蔵」がお店です。

ポルトガル生まれのリカルドさんと、小森美穂さんのご夫婦が目の前で料理を作っていく様子を見ることができる舞台型のカウンターキッチン。日本各地で修行したご夫妻が、京都・丹後エリアの食材を使い、日本料理をベースに、これまでに培った様々な調理法と自身のアイデンティティを取り入れたおまかせコースを楽しめるお店です。

先付、お椀、お造り、野菜料理、肴、揚げ物/炊き物、焼き物、鮨7貫、デザート おまかせコース18,700円(税込)

飯尾醸造の富士酢を使い、お酢を作るときと同じ新米で寿司を握ってくれます。とっても贅沢な地産地消の組み合わせに感動した夜でした。

宮津漁港から徒歩圏内のお店で提供される新鮮な魚介類は

冬サワラ、コッペ蟹、ミシマオコゼ、クロシビカマス、イシダイ、エボダイ、ウスハギの肝、シラコ、アオリイカ、シマアジ、サワラ、マアジ、そして鯖寿司。

お酒は色々楽しませていただきましたが、伊根町の向井酒造「世屋のひとやすみ」温燗との相性は抜群で、美味しかったです。

デザートの半熟パォンデローも絶品で、手づかみでパクッと完食です。

ゴエミヨ2024掲載店で予約困難です。旅行計画を立てたら、真っ先に予約してくださいね。

英語、ポルトガル語が堪能なご夫妻なので、外国人のお友達を紹介したいお店です。鮨、お酢、米作り、発酵文化を、地域の食文化と共に学べる宮津は10回目くらいだと思いますが、何度来ても新しい発見があり、飽きませんね。

店名:鮨割烹「西入る」

https://nishiiru.com

営業時間:18:00から

定休日:水・木

住所:〒6260016 京都府宮津市新浜1968

完全予約制 最大7席 

【プロフィール】

石川史子 Ishikawa Fumiko (旧姓 戸田)

株式会社FOOD FIELD CREATIVE

facebook  https://www.facebook.com/ffcnippon/

HPとblog  http://ffcnippon.com/

 東京都生まれ。立教女学院中学・高校を経て立教大学理学部化学科を卒業後、東京ガスに入社。2010年、業務用厨房ショールーム「厨BO!SHIODOME」開業を担当、王先生と最適厨房研究会などでご一緒させていただきました。

お客様へのプレゼンや、HCJなどの展示会では、有名なシェフの方にご出演いただき、厨房設計を支援できる私はフランス料理界のシェフにかわいがられるようになりました。

 フードビジネスプロデューサーとして独立して8年、おかげさまで活動の幅を広げています。リケジョとしての能力を活かし、厨房機器メーカー、フランス料理界、東京都や北海道、福島県などの生産者支援や、オーガニック農業の推進、観光、料理、厨房業界のPRに幅広く取り組んでいます。

さらに、農林水産省 令和5年度農山漁村振興交付金(農山漁村発イ令和ノベーション対策)受託事業、北海道びえい農泊 DX推進協議会の事務局長になりました。丘のまちびえいから、美味しいものの情報をお届けします。

王先生のFSPROでニュースクリップを担当するインターン生、募集中です!

びえい農泊 DX推進協議会 事務局長

東京都農林水産振興財団 チャレンジ農業支援センター販路開拓ナビゲータ

福島県楢葉町6次産業化アドバイザー

MLA豪州食肉家畜生産者事業団 ラム肉PR大使「ラムバサダー」

全日本司厨士協会 埼玉県本部 広報企画部長

全日本司厨士協会 東京地方本部 協賛会員

フランス料理文化センター アミティエグルマンド 会員

ホテル&ホスピタリテイビジネス衛生管理実践研究会 監事

立教学院諸生徒礼拝堂ハンドベルクワイア OBOG会会長

立教大学観光クラブ理事、校友会企画委員

調理技術教育学会 会員

一般社団法人 日本商環境デザイン協会 正会員

深沢アート研究所 マネージャー

東京お米サロン

4)飯田真弓さんより60回目の記事です

【インドのグルメ体験】

この記事もあと3回という事で何を書こうか、とびっきり興味深いお話しにしなくてはと考えています。

予定では2年かけてCA時代のグルメ話し、その後のモス、ウエンディーズ、サブウェイでの商品開発やグローバル外食のお話し、さらには2年間インドニューデリーに滞在し、遭遇した料理や食文化のお話しを順番にお伝えするはずでした。

選ぶのはなかなか難しいですが、今回は2年間のインド滞在のお話しをします。30年以上前ですから、若い女性が長期間滞在するにはなかなか過酷な環境で、インフラ整備さえ絶望的に途上という状態でした。

縁あってニューデリーに本社がある大きな財閥本部の事業開発部日本担当として着任しました。財閥の力を持ってしても、日本人がストレスなく生活できる家や設備など、環境を整えるのに時間がかかるという事で、最初の半年はニューデリーにあるタージマハルホテルという5つ星のホテルに滞在しました。

会食以外の毎日の食事は、ほぼホテルでとりました。当時西洋的なメニューが提供されるのはこういったホテルのみで、アルコールもホテルのバーでしか飲む事ができませんでした。

さすが5つ星のホテルの料理は素晴らしく、特にタンドールや北インド料理は絶品でした。喰意地が張っているものですから、食べるだけでなく、作り方を覚えて、日本でもこの美味しいインド料理を再現して楽しみたいと考えました。

願いは叶いました。毎日顔を合わせるわけですから、ホテルのメインレストランのスタッフやシェフと仲良くなったのです。こっそり厨房に入り、タンドールの使い方やさまざまなタンドール料理のレシピ、スパイスの使い方の基礎、いわゆるカレーを中心としたインド料理のレシピを教えてもらいました。

ところでこの時代、カースト制度はまだ色濃く存在し、本来なら、厨房に外国人の女性が入るなどもっての他です。禁忌を破ってこっそり厨房に通っていたわけですが、カースト制度のむごさは、目の当たりにする度にショックを受け、少しも慣れる事はありませんでした。

ある日、忘れ物をして夜遅くに厨房に行くと、暗い中、床に何かがいる事に気がつきました。よく見ると人間です。位の低い掃除係が厨房片隅の床で寝ていたのです。固い石の床です。親子代々この床で寝る事が彼らの定めで、これを変えようとしてはいけないのです。与えられた身分は一生変わる事なく、本人の能力や希望により職業や身分を変えたいと希望を持つこともないと聞かされました。

一方で自身は、タージマハルホテルの上層階に滞在していましたが、最初に案内された日に大きな窓の外に見た景色は忘れられないものです。ホテルをぐるりと囲む様にスラム街があり、バラックの灰色の建物がびっしりとひしめきあっていました。この豪華なホテルの世界は現実ではなく、外に広がる世界が正なのだ、と悟りました。

毎日の通勤も精神的に辛いものでした。運転手付きの車でオフィスに通っていましたが、車が渋滞で止まると、物乞いの手がびっしりと車の窓を叩くのです。まるでゾンビの手の様に見えました。目を合わせてもいけないし、ましてや物乞いに施しをしては絶対にいけないと教えられます。痩せ細った少女が妹なのか赤ん坊を抱いて窓を叩いても、前を向いて無視しろと教えられました。もしもその少女に施しをしても、その後よってたかって略奪が起こり、結果少女は酷い目に合うと言うのです。

そんな日々でしたが、インド料理の習得は着々と進みました。インド料理に日本人が思うような「カレー」の概念はなく、あくまでも調理の過程でスパイスを使い分け、使いこなす、「スパイス料理」がインド料理だ、と段々と理解して行きました。

また、ニューデリーは北にあるので乳製品やナッツを使ったリッチ濃厚な料理が多く、王朝風の豪華なレシピを得る事ができました。例えばバターチキンカレー。北インドに位置するパンジャーブ地方の料理で、ヒンディ語ではムルグ(Murgh:鶏)マッカーニ(Makhani:バター)と呼びます。スパイスとヨーグルトソースに漬け込んだ鶏肉を金串(シーク)に刺し、タンドールの中で焼いてから別に調理したカレーソースと合わせる料理で、カレーの中で鶏を煮込みません。1947年にデリーで開業したモティ・マハル(Moti Mahal)というパンジャーブ料理レストランが発祥とされています。その後北の材料を使いながらレシピが発展し、トマトや牛乳、カシューナッツやカスメリティなどの特徴的なスパイスを合わせていき、最後に生クリームやギーなどをふんだんに加えて仕上げるようになりました。このまろやかで芳醇なソースをタンドリーチキンに絡めた料理がバターチキンですので、タンドール窯の無いレストランではこのバターチキンを提供することはできません。

さて、半年後にホテルから邸宅に移っての生活が始まりましたので次回はそのお話をします。

【飯田真弓プロフィール】

東京で生まれ、10歳より千葉で育ちました。

35年にわたり、国内外の大手外食チェーンをはじめとするグローバルな食産業と、ホスピタリティサービスの代名詞である航空会社に勤務してまいりました。この経験を活かし、現在、成長を目指す企業様にさまざまなアドバイスをさせていただいております。専門分野は、お客様および従業員様を主役にしたブランディングを起点とする企業戦略の策定と結果につなげる実践です。さらに、マーケティングとイノベーションを掛け合わせた商品開発と、何より欠かせないグローバルレベルの品質管理と食の安全は得意分野です。これらを一気通貫させ、企業様の規模に合わせたバリューチェーンのデザインと創出、そしてチェーンのグローバル化やフランチャイズ化の手法など多岐にわたり、お役立ちの引き出しを多く備えております。これらの分野はどちらかというと企業様の成長過程においてなかなか手の届かない、後回しになりやすい領域です。どのように企業運営に組み込んで行くのかについても企業様の状態に応じてアドバイスができます。少し固いお話になりましたが、次の経歴をご覧いただくと、王先生がおっしゃるところの「面白い」を感じていただけるかと思います。

【経歴】

「世界中の美味しいものを食べ歩きたい!」

幼い頃から、よく言えば食への探求心が強く、本当のところただの喰意地のはった究極の食いしん坊で、さまざまな専門料理を「食べる、作る」経験を積んでまいりました。10歳の頃には近所のお母さんたちに公民館で料理を教えるほどの特異な子供でした。そしてそんな喰意地の夢を叶えるために最初に選んだ職業はなんと航空会社の客室乗務員、CA。JALに入社し、目的の食はもちろん、最高峰のホスピタリティとチームワーク、徹底したマニュアルオペレーションと教育システム、ブランドエンゲージメントを習得することができました。国内および国際線パーサーまでを経験できたのはありがたいことです。

思いのほか真面目にフライトする一方で、ついたあだ名は「空飛ぶ胃袋」。お給料のほとんどとフライト以外の余暇はすべて食べることに費やしていました。当時はバブルのさ中でしたので、高価な食事をご馳走になる機会もありましたが、とにかく自腹でピンからキリまで胃袋と時間の許すかぎり食べ歩きました。国内のみならず、CAの特権を活かし、「飛んで行ける全ての地」においてさまざまなジャンル、規模のレストラン、ストリートフード、市場や小売店などを訪れることに多くの時間を費やし、食体験を深めていきました。帰国するスーツケースの中はいつもスーパーで買った食材でいっぱい、検疫で時間がかかるので先輩たちにはとても気を遣いました。同期が蝶よ花よと扱われ、いわゆる玉の輿に乗っていく中、「エンゲル係子」のあだ名もつき、とても対照的な20代を過ごしました。

その後、当時経験する機会の少なかったインド料理と文化をどうしても学びたいと、一念発起、なんとインドの財閥系商社に転職し、2年間を30年前のニューデリーで過ごしました。30年前のインドは想像を絶する世界、生活の近代化のレベルで言えば、若い女性が住むにはかなり厳しい環境でした。そのような中、インドだけでなく、周辺国チベットなどまで足を運び、食を経験しました。追ってこのお話もお伝えしたいと思います。

帰国後、創業者との縁あって日本発祥、海外にもモスバーガーを展開するモスフードサービスに入社しました。「世の中にないものを作る」をモットーに、当時圧倒的なプロダクトアウト力を備えると有名でしたこの会社の商品開発部門の黄金期に加わることができたのです。世界中での食体験を発揮するに最高の環境をいただきました。また、多様な新規事業のメニュー開発、商品企画、海外事業など幅広い経験を積むことができました。このお話も興味深いかと思います。

一方でプロダクトアウトとは真逆の世界、ブランディングとマーケティング戦略を軸に経営戦略を策定、実践を学ぶ環境に身を置き、スキルを身に着けました。その結果、一度は自身のブランドを立ち上げ、経営を行うことが必要と考えて独立。オーナーシェフとして東京都中央区に、無名のところから飲食店を開業しました。2年近くほとんど休みも取らず毎日オープンキッチンに立ち、生のお客様と対峙することで多くの事を学びました。努力が実り、短期間で複数店に展開しました。何より嬉しかったのが、後輩シェフ達を育てることができたことです。同時に専門誌への執筆や企業様へのブランド立ち上げ、業態、メニュー開発などコンサルタントとしての事業も開始いたしました。

このコンサルティング事業をきっかけに、米国大手ハンバーガーチェーンのWendy‘s、世界最大店舗数のサンドイッチチェーンSubwayの国内展開のみならず、アジア地域においてのR&Dイノベーション、調達物流サプライチェーン、品質管理と食の安全を統括する機会をいただきました。世界に展開する米国2大チェーンの本社と働くことで世界の最先端を知ることができました。また、食材だけでなく、包装資材や衣類、消耗備品などのべ2000以上の工場を視察、監査した実績がありますので世界中のあらゆる工場や生産現場、圃場を熟知しています。

さらに、Subwayにおいては店舗、現場を主役とするための営業、オペレーションの統括も任され、約10年にわたる負のスパイラルからの脱出、V字回復を2年間で成し遂げました。グローバルレベルのチェーンビジネス、FCビジネス、その手法とさまざまなパターンを横断的に熟知するに至りました。

現在は飯田真弓事務所を開設し、バリューチェーンの専門家として、サプライチェーンの上位概念であるバリューチェーンおよび各機能の評価、課題解決、戦略策定や実行など、外食のみならず、さまざまな企業様の成長を目指して寄り添い、お役立ちをさせていただいております。

趣味は筋トレとゴルフ。どちらも変態レベルでストイックに攻め、体脂肪率10%未満を常にキープ。ゴルフは2年で90切り。「健やかにしなやかに歳を重ねるコツ」や、「食べても太らない身体作りのヒント」もお伝えできると思います。どうぞよろしくお願いいたします。

飯田真弓

飯田真弓事務所 代表/ フードサイエンティスト/バリューチェーン構築プロフェッショナル

miida@craft-wine.com

https://www.facebook.com/iida.mayumi

(一般社団法人)全日本食学会会員

http://aj-fa.com/

(公益社団法人)日本ヘルスケア協会会員

https://jahi.jp

ライザップBODY MAKEアンバサダー

【特記】

・品質管理、食の安全分野における専門性/GFSIの主要認証、BRCG(旧BRC)ASIAアドバイザリーボード(HACCP,ISOなど食の安全、管理領域含む)

https://www.brcgs.com

・フードサイエンスおよび官能評価技術/英国グローバルリソースであるLEATHERHEAD FRにて取得

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● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー

 読者の皆様のご意見・要望・質問・情報・欄を作成しました。皆様のご意見・要望をぜひお送りください。匿名で掲載させていただきますので忌憚のないご意見をお聞かせください。また皆様が見聞き体験した外食・食材情報もお知らせください。

 このFOOD104を支えてくださっている組織にFSPROと言う食の世界の専門家の方が500名ほどいらっしゃいます。皆様のご質問・疑問に答えられるようになっておりますので、ご遠慮なくご質問などをお寄せください。ちょっと時間はかかりますが回答させていただきます。

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● 日本外食ニュースと米国外食ニュース

<日本外食ニュース>

柏原光太郎(カッシー)さん発行の飲食業界ニュースまとめのリンクです。

 柏原さんは、文芸春秋の編集者として活躍され、2023年3月末で定年退職。1967年から続くグルメガイド『東京いい店うまい店』(私が愛用していた信頼のおけるグルメ本です)の編集長を務め、自身もグルメとして知られる有名な方です。

2018年1月に「日本ガストロノミー協会」を設立し会長に就任しています。

食べログフォロワー数5万人。

https://tabelog.com/rvwr/kotarokashiwabara

飲食業界ニュースまとめ #1715 2024/12/5

https://note.com/kassie/n/n285a3b5993fc

飲食業界ニュースまとめ #1716 2024/12/6

https://note.com/kassie/n/nf97b556cef29

飲食業界ニュースまとめ #1717 2024/12/7

https://note.com/kassie/n/n7bfe7efc1015

飲食業界ニュースまとめ #1718 2024/12/8

https://note.com/kassie/n/n6f2fde3d84d9

飲食業界ニュースまとめ #1719 2024/12/9

https://note.com/kassie/n/na1f1f37bca1b

飲食業界ニュースまとめ #1720 2024/12/10

https://note.com/kassie/n/n78ad43866c18

飲食業界ニュースまとめ #1721 2024/12/11

https://note.com/kassie/n/ne1fff5bcebea

みんなの経済新聞

https://minkei.net

日本食糧新聞社

https://info.nissyoku.co.jp

プロの視点(日本食糧新聞社)

https://news.nissyoku.co.jp/column

東洋経済オンライン 外食

http://toyokeizai.net/category/restaurant

フードスタジアム

http://food-stadium.com/

フードリンク

http://www.foodrink.co.jp/news/

フーズチャンネル

https://www.foods-ch.com/gaishoku

日本経済新聞

https://www.nikkei.com

流通ニュース

https://www.ryutsuu.biz

M&A NEWS 食品・外食

https://ma-times.jp/category/manews/food

日本能率協会展示会(FOODEX、HCJ他)

https://www.jma.or.jp/website/exhibition.html

リテールテック

https://messe.nikkei.co.jp/rt

<米国外食ニュース>

QSR マガジン

NRN紙

http://www.nrn.com/

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米国外食情報、トピックス、国内外アグリ情報、食関連ビジネス企業プレスリリース、王利彰のレストランチェック等、最新の食情報をお送りするだけでなく、食関連のあらゆる悩みの解決をいたします。

Food104マガジンスタッフ

発行人:有限会社清晃 代表取締役 王利彰

編集:石川史子、金子佐和美

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このマガジンを発行する王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社有限会社清晃(せいこう)は、海外から日本に進出する外食企業、日本から海外に進出する外食企業のサポート、及び、チェーンレストラン、フランチャイズチェーン展開をする企業へのサポートを行っています。

日本の外食企業では、大手ファスト・フードの殆ど、大手居酒屋、大手ファミリーレストラン、大手ホテル旅館、大手食品メーカー、大手食品卸売業、サービス業等へのコンサルティングを行っています。

有限会社清晃(せいこう)業務内容

王利彰 経歴

ご質問、ご相談はeditor@food104.comにお寄せ下さい。

実務的な仕事だけでなく、外食産業を基礎から学びたい、家業の飲食業を企業にしたい、家業の飲食業を継承したい、外食産業に将来就職したい、

将来独立して飲食業を経営したい、将来外食企業の経営者になりたい、

と思っている方にお勧めするのは、

関西国際大学人間科学部経営学科

http://www.kuins.ac.jp/old_faculty/management.html

立教大学大学院ビジネスデザイン研究科

https://business-school.rikkyo.ac.jp

立教大学ホスピタリティ・マネジメント講座(毎年9月~12月、30回、受講料5万円)

http://www.rikkyo.ne.jp/grp/kanken/

大学で外食を含む観光分野をきちんと学びたいという方は

立教大学観光学部

杏林大学外国語学部観光交流文化学科

等で学ぶことをお勧めします。

https://www.rikkyo.ac.jp/undergraduate/tourism

http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/faculty/foreign/

王利彰の長年蓄積した調理機器開発のノウハウは最適厨房研究会

http://saitekiken.jp/saitekichubo/

————————————————– 週刊Food104 —–

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