NEWSな外食2007「日米ネズミ騒動」(商業界 飲食店経営2007年5月号)

鉄道子会社の外食会社が駅構内で経営するカレー鍋の中にネズミが入っていて10数名にそのカレーを提供したと言う内容のショッキングなニュースが新聞に掲載された。情報公開の観点から厳しい情報公開を義務付けているためだ。その迅速な情報公開と対策の開始から、その報道は一回だけで収まった。見事な危機管理だった。

同じ頃、ニューヨークでもネズミ騒動が勃発した。2007年2月、ニューヨークにあるKFCとタコベルの複合店舗内(大手フランチャイジー)を夜間にテレビ局のカメラが店内をガラス越しに撮影したら、ネズミが大運動会を開いており、キッチンからテーブルの上まで駆けずり回っていたのだ。その映像が、テレビに流れ、その後、ユーチューブと言う動画配信サイトで流されて大騒動となった。

フランチャイジーのADF社は創業10年ほどで米国数州に350店舗のファストフード店を経営しており、米国で最大のピザハット店のフランチャイジーでもある。市衛生当局は同店舗グループに焦点を当てて検査を実施した。市衛生当局はテレビに撮影された同店をその数日前に衛生検査で合格証を発行して面目が丸つぶれとなり、市の衛生当局責任者は衛生検査担当官がその状態に気づかなかったのは遺憾であり、担当した衛生担当官を職からはずし、他の担当官もその仕事振りをチェックすると発表した。その結果、同グループの店舗の営業停止を命じられてしまった。

その後、市の衛生チェックは極端に厳しくなり、閉店を命ぜられるケースも増えてきており、レストラン経営者から厳しすぎるとクレームがでているほど影響がでている。元々ニューヨーク市は衛生検査をした結果をネット上で閲覧できるようになっているほど厳しく衛生検査をしていたが、これからもより厳しくなるだろう。

現在まで、5店に1店が年に1回の検査に不合格だ。(ニューヨーク市の6万店のレストランの内500店が不合格と言うことになる)。不合格になると臨時に店を閉めなくてはならず、市でも有名な店舗が閉店を命ぜられており、過去2年間の衛生検査の結果、不合格による罰金の総額は38ミリオンドルに上る。

市の衛生局のHP
http://www.nyc.gov/html/doh/html/rii/index.shtml#alert
ユーチューブで「Rats KFC-Taco Bell restaurant」と入力するとニュースを閲覧できる。
http://www.youtube.com/
Googleで「Rats KFC-Taco Bell restaurant」とイメージ検索すると画像が出てくる。

王利彰(おう・としあき)

昭和22年東京都生まれ。立教大学法学部卒業後、(株)レストラン西武(現・西洋フードシステム)を経て、日本マクドナルド入社。SV、米国駐在、機器開発、海外運営、事業開発の各統括責任者を経て独立。外食チェーン企業の指導のかたわら立教大学、女子栄養大学の非常勤講師も務めた。 有限会社 清晃(せいこう) 代表取締役

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