本誌限定!ここだけの業界ネタ「外食M&A本格始動」(日本食糧新聞社 外食レストラン新聞2000年8月7日)

外食M&A本格始動
裏に専門家の動きも チャンスとらえ企業活性化
経営者もドライに
ついにM&A(企業合併売買)の外食の専門家が出てきた。これまであまりマーケットがなく、効率も悪かったが、外食業界もいよいよ本格的なM&Aが始まりそうだ。

M&Aで成功している典型的な例は、給食企業の「グリーンハウス」。昨年だけで200施設ぐらいを買っているが、一番大きいのは日産で、日産がリストラした子会社の給食施設をそっくりグリーンハウスが譲り受けた。

企業が福利厚生だから赤字でも我慢するという時代は終わった。代わりに大手に売って運営してもらうほうが効率がいい。グリーンハウスは企業の給食を大きなビジネスチャンスとして積極的に取り組んでいる。

米国の給食企業はM&Aをずっとやってきた。「マリオット」と「ソデックス」が合併するなど、本体が大きくなれば購買力が上がってくるためコストダウンが図れる。強いとこはどんどん占化してパワーが増強し買う力が出てくる。

これからは居酒屋などの上位のところが狙われる。ファミリーレストランも危ないところはたくさんあり、資産内容を見たら簡単に買えてしまう。これまで他の業界のM&Aをやっていた専門家が外食も手がけるようになって、技術的にもうまくなってきた。

M&Aをやれば活性化につながる。先ごろ「モスバーガー」と「KFC」と「和民」が共同で新会社を設立したが、それを考えているなら、「すかいらーく」に対抗できる勢力になるだろう。米国ではすでにファミリーレストランが売買の対象になっている。

日本も経営者はドライにならざるを得ない。企業を売り買いする時代になって、これまでは売らない方向で考えていたものが、売りやすい方向にあらかじめ会社をつくるというのもひとつの手だろう。

会社の作り方や株の持ち方、土地の契約の仕方などを売りやすい形態にし、自分の資産と会社をしっかり分け、ブランドも含めて自分の名前を付けない。

大きくなったら売ってまた違うビジネスをするというように割り切る。そういう時代になってきた。売りたいニーズがあって、買いたいニーズは潜在しているから、専門の仲介業ができると、M&Aは一気に加速するだろう。

王利彰(おう・としあき)

昭和22年東京都生まれ。立教大学法学部卒業後、(株)レストラン西武(現・西洋フードシステム)を経て、日本マクドナルド入社。SV、米国駐在、機器開発、海外運営、事業開発の各統括責任者を経て独立。外食チェーン企業の指導のかたわら立教大学、女子栄養大学の非常勤講師も務めた。 有限会社 清晃(せいこう) 代表取締役

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