外食ニュースクリップ「銀座三越のレストラン街」(商業界 月刊コンビニ2011年7月号)

ユッケの食中毒
今、外食業界で大きな話題になっているのは4月に発生して5月に大問題となった焼肉チェーン店が提供したユッケを食べて食中毒を発生し、4名が亡くなってしまった不幸な事件だ。
富山、福井、に店舗展開をしている焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」で食事した男児2名、家族で食べた40代女性1名と70歳の2名、合計4名が腸管出血性大腸菌O111に感染して死亡した。食中毒患者は同社の神奈川の店舗にも発生し、合計の重症者は60名以上にのぼるという大事故だ。
原因は食中毒菌に汚染された生の牛肉を食べたことであり、肉を供給した加工会社と販売した店舗で責任のなすりあいをしている呆れた状況にある。基本的に生肉の流通はないにも関わらず、生肉を子供や年配客もいるファミリー向けに提供したことが事故原因だ。従来は生肉などは大人の食べるものであったが、最近の食のテレビ番組の影響で、グルメ食材としてユッケなどの生の料理を子供なども食べるようになったのだ。
この事故は急成長している外食企業にありがちな売上至上主義で、食の安全という基本を忘れたことであるといわれている。2009年には大手のステーキチェーンや若者向けのステーキチェーンで生焼けのステーキを提供し腸管出血性大腸菌による大規模な食中毒を引き起こしている。
コンビニは大手チェーンによる厳格な衛生管理と店舗の管理で食中毒発生は少ないようだが、急成長を目指す外食チェーンの中には顧客の安全性を無視しやすい体質があるようで、業界の健全な発展のためにも基本的な衛生管理は忘れてはいけないだろう。

王利彰(おう・としあき)

昭和22年東京都生まれ。立教大学法学部卒業後、(株)レストラン西武(現・西洋フードシステム)を経て、日本マクドナルド入社。SV、米国駐在、機器開発、海外運営、事業開発の各統括責任者を経て独立。外食チェーン企業の指導のかたわら立教大学、女子栄養大学の非常勤講師も務めた。 有限会社 清晃(せいこう) 代表取締役

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