外食ニュースクリップ「銀座三越のレストラン街」(商業界 月刊コンビニ2011年6月号)

昨年10月に増床改装した銀座三越のレストラン街を訪問した。残念ながら東日本大震災の影響で高額消費の百貨店の訪問客は激減しており、銀座の街もネオンが消えてさびしい限りだ。銀座の百貨店をにぎわしていた外国人客、特に、中国人の顧客はほとんど見ることが出来ない。
しかし、銀座三越のレストラン街は日本初や関東初と銘打ったお店を誘致した気合の入ったレストラン街だ。
11~12階は「ギンザ ダイニング」と言う名称で新規店舗ばかり18店舗。その中でも百貨店の食堂街としては初めての沖縄鉄板焼きステーキ碧(へき)と言うお店がある。
鉄板焼きステーキと言うと男性向けの接待需要向けが多いが、このお店はスタッフ全員が女性できめ細かいサービスをする家族向けの業態だ。料理もお肉だけでなく沖縄の野菜を多く使い健康的なイメージだ。9品のコース料理の内容は、先付け、新鮮サラダ、野菜のオリーブ炒め、島豆腐と紅芋の鉄板焼き、ステーキ、人参シリシリー、沖縄豚の中身おすまし、コシヒカリご飯、お漬物、沖縄ぜんざいだ。ステーキの質と量によって値段が変わるが、一番安い黒毛和牛サーロインで5800円から一番高いもので黒毛和牛ヒレステーキと久米島車海老2尾で11000円とリーズナブルな価格だ。ランチは3800円からある。
その他の店舗は、エリックカイザージャポンのピザ生地を使用したピッツァ&ドルチェの「マエストロ ケイズ」、米国歴代3大統領の晩餐会を取り仕切った山本秀正シェフのパスタ&アンティパストの「セスト センソ」、シンガポール発のモダン飲茶専門店の「ディムジョイ」の新業態、讃岐うどんの名店「長徳」、箱根湯本ホテル直営の蕎麦屋「箱根暁庵」、神戸・六甲の独創的な鉄板焼で知られる「ぎゅんた」、食肉の小川畜産が「レストラン大宮」の大宮シェフと組んだ洋食・ハンバーグ「銀座サンジューシー」、”上州豚とことん”を使った福岡のとんかつ名店「和心あんず」、創業80年の築地の魚問屋と寿司屋の三代目がタッグを組んだ「築地青空三代目」、仏バスク地方の一ツ星「レ ロジェ」の女性シェフ・アンドレ・ロジェのフレンチ「レ ロジェ エギュスキロール」、MOF(フランス国家最優秀職人章)を世界最年少で取得した実力シェフの「ル・ブール・ノワゼット」、シンガポールの老舗フカヒレ土鍋煮込み料理専門店「サイアミーズ フィン」、代々木上原の名店四川料理「老四川 飄香」、沖縄料理名店「うりずん」が沖縄県物産公社とオリオンビールと組んだ「琉球料理 御茶屋御殿」、京都の老舗名料亭「美山荘」四代目中東氏による独創的な京料理「京都花背 石楠花(しゃくなげ)」等、素晴らしいお店が軒を連ねている。

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