外食ニュースクリップ「ドイツパンがブーム」(商業界 月刊コンビニ2012年1月号)

日本の小麦粉の生産量は平成15年の4,992,000トンをピークに、人口減少と老齢化による消費量の減少が続いている。ところが、ライ麦粉をほぼ独占生産する鳥越製粉は11月11日にライ麦粉生産を2割増産すると発表した。健康志向から消費者の間でライ麦を使うドイツパンがブームになっているからだ。ライ麦粉は繊維質が多く、血糖値も上がりにくいという、健康的なメリットがあることからライ麦や全粒粉を使うドイツパンに人気が出ている。
従来日本のパンは白くて柔らかく、やや甘めの味が人気だ。フランスパンのバゲットは皮がパリッとして堅いのが特徴だが、日本で売られる多くのバゲットはソフトバゲットと言われる柔らかめの日本独自の物が中心だ。食パンもふんわりもちもちした食感でやや甘めのものが好まれている。日本人は欧米人より唾液が少ないので柔らかいパンが好きなのだと長年言われてきた。しかし、健康志向の高まりにより、堅いドイツパンに人気が出ているよう。
ドイツパンはライ麦や小麦全粒粉を多く使い、油や糖分、添加物などを殆ど使わない。食べると堅いのだが噛み締めると本当の旨みが出てくる。筆者は大学に通うため毎週神戸の街に行き、帰りに1924年創業の老舗ドイツパンのフロインドリーブでライ麦の含有量の多いボンパニッケルや、やや軽めのサワー・ライ、全粒粉で作られたずっしりと重いヘビー・グラハムを買い求めるのだが、前の日に注文をしておかないと売り切れてしまうほどの人気だ。フロインドリーブは1995年に阪神淡路大震災で建物に被害を被ったが、その後、有名な設計家フォーブス設計の旧神戸ユニオン教会跡地を購入し、総経費19億円かけて工場移設とカフェ新設を行い、土日の昼には数時間の行列ができる大繁盛店になるほどのドイツパン人気だ。

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