米国レストランピリ辛情報 「シリコンバレーの新顔レストラン2つ」(綜合ユニコム 月刊レジャー産業資料2004年11月号 NO.458)

筆者はシリコンバレーの中心地、クパティーノ市に2年ほど住んでいたことがあり、その後も毎年数回訪問しクパティーノからサンフランシスコにいたる、ベイエリアを定点観測している。7月に訪問した際に地元の若者に何処が流行っているか聞いたところ、BJ’sを勧められた。280と言うフリーウエイのインターチェンジとアップル本社の間にある便利な場所だ。道路の反対側にはアウトバック・ステーキハウスの超繁盛店がある。
6時頃には客席がうまりだしている。混んでいる繁盛レストランを訪問すると駐車場を探すのが難儀なのだが、召使いサービスValletで玄関に車をつけると従業員が駐車をしてくれる。帰りにはチケットを渡すと車を持ってきてくれる。料金は無料だが、チップを2ドルくらい渡せばよい。このサービスは通常は高級ホテルやレストランのサービスなので、ちょっと驚かされた。
250~300席の巨大な空間のレストランに入ると、地ビールレストランだった。地ビールは10年ほど前に流行ったが、ビールの味が安定しないのと、料理がまずいので廃れてしまった。そんな先入観があったので、何で今頃地ビールと思いながら席に着き、テイスティングセットを注文。地ビールは10種類あり、そのうちの7種類を選んだ。値段は8ドル。ビールが来る前にメニューをチェックすると、売り物はシカゴスタイルのピザとパスタ、そしてお袋の味、カンファタブルフードの、ボリュームのあるベイビーバックリブやローストチキン、ミートローフだ。HPには詳細なメニューが掲載されているので参考にしていただきたい。
http://www.bjsbrewhouse.com/home_page/home_main.html
ビールや料理はまあまあだが、客層を観察すると格好の良い若い女性客比率が高く、ビアーホールと言うよりファッショナブルなデザイナーズレストランの趣だ。
BJ’s社は元シカゴピザ&ブルワリーと言う名称だったが今年に名称を変更し、カリフォルニアを中心に30店舗以上展開し、急成長を遂げている。公開会社だがシェーキーズを買収したJacmars社が大株主という事で注目を浴びている。
http://www.bjsbrewhouse.com/
シリコンバレーに滞在中に一度は行くショッピングモールはヴァレーフェアーという、規模と質ともにシリコンバレー1のショッピングモールだ。米国で繁盛しているショッピングモールのポイントはキーテナントに百貨店のノードストローム、レストランにチーズケーキファクトリーが入っていることだが、ヴァレーフェアーはその両方を備えている。
2002年秋にヴァレーフェアー・ショッピングモールの横にコンドミニアム(マンション)が建設されサンタナ・ローと命名された。
http://www.westfield.com/us/centres/california/valleyfair/
http://www.santanarow.com/
ヨーロッパの古い町並みを模したビル街(ユニバーサルスタジオのようなビル街だ)の階上をモダンなコンドミニアムにして、階下に洒落たレストランやお店を誘致している。米国も日本と同様に飲酒運転の規制が厳しいのだが、これなら安心して食事とワインを楽しめる。旅行者には洒落たブティック・ホテルも備えている。
http://www.hotelvalencia.com/locations/locations_sj.htm
http://www.santanarow.com/dining_restaurants.shtml
サンタナ・ローのレストラン群は米国で大流行のカジュアル・レストランやファスト・カジュアルだが、その中に一風変わったレストランがあった。
Blowfish(河豚) Sushi To Die Forと言う名前のレストランだ。メニューを見てみると寿司とあるので、寿司レストランかと思いきや、店内にはDJがいてヒッピホップをがんがん流すニューヨーク風のクラブなのだ。
壁面にはビデオの多面画像が流れているが、そのビデオが何と日本の劇画だ。メニューにも劇画が印刷してある。米国の食世界では日本の寿司がブームだが、文化面では日本の漫画が大ブームなのだ。
料理はロール寿司を中心に魚料理を取り揃えている。勿論、寿司カウンターを備えているが、日本人客はいない。アメリカ人を対象にしたニューヨーク・スタイルの寿司屋だ。価格は1人40~50ドルくらいと米国人には高く感じるだろう。シリコンバレーのレストランは比較的保守的だったのだが、最近は随分変わってきたと言う印象だった。

著書 経営参考図書 一覧
TOP