NEWSな外食2006「食品関係の暴露本」(商業界 飲食店経営2006年5月号)
2005年11月15日東洋経済新報社発行の「食品の裏側」著者安部司と言う食品業界暴露本が3月31日で第11刷というベストセラーとなっている。著者は食品添加物商社に勤務。長年食品加工業者に食品添加物を販売していたが、開発した食品添加物を多用したミートボールを著者の子供が食べるのを見て愕然として会社を辞め、消費者へ警鐘を鳴らすこの本を執筆したと言う。食品添加剤をどの加工食品で使用しているかを詳細に述べている本だ。さらに3月11日東洋経済新報社発行週刊東洋経済の特集で「食の裏側」と言う特集を組んで、食品メーカー、外食、コンビニ、識者、の取材を掲載している。
文中で、コーヒーフレッシュの例が出ている。植物性油脂、乳化剤、増粘剤、香料など作られていると説明されている。ちょっと誇張されているが、乳製品をほんの数パーセントしか使っていないのは事実だ。だから腐るはずがないのだ。昔の喫茶店ではコーヒーに入れるクリームは生クリームを使い、すぐ劣化するので、ステンレス容器に入れ氷容器で冷却をしていた。生クリームも数日で腐敗するので、発注に気を使ったものだ。コーヒーフレッシュは常温で何ヶ月も持つもので、発注管理も容易になり大変便利になったのは事実だ。
食品メーカーは国の指定する食品添加物を規定量使用しているわけで、それが危険であるというデーターはない。食品添加物すべてが悪いわけではなく、食品の安全性を増す必要性から使用している場合もあり、冷静に判断することは必要だ。加工食品の多くは食品添加物などを使用し保存性や安全性を高めているから、全国への配送が可能となり全国チェーン展開が可能になったのだ。安全と経済性のバランスを冷静に考える必要があるだろう。
しかし、経済が回復し消費性向が向上すると低価格志向から食の安全性に目が向くようになるだろう。これだけ、食品加工の技術と冷蔵物流が発達した現在では、食品添加物を極力使用しないで食材を流通させることは可能なはずだ。外食企業もコンビニなどの中食に対抗するためには食品添加物を最小限に使用した料理をうたい文句にする時代がすぐそこに来ていると言えるだろう。