日本にもインセンティブ制(日本食糧新聞社 外食レストラン新聞1999年4月19日)

夢のインセンティブ制 日本にもいよいよ登場

強まる店長権限 給料も実績次第
アウトバックステーキハウスが今年日本に上陸する。ここで注目すべきは社員出資(社員持ち株制)の企業運営と、固定給プラス利益10%を歩合給とする給与体系だ。良し悪しは別として、このハイリスクハイリターンのマネジメントは、今後わが国の飲食店業界に大きな影響をもたらすはず。
米国では10年ぐらい前からチェーン本部を身軽にして現場裁量を強める試みが始まった。ア社も当時発足した企業だが、最初から本社機能を軽くして、現場に権限を与え、チェーン展開だけれども「店長に移動がない」というシステムを構築した。店長は25,000ドル出資して45,000ドルの給料と利益10%の歩合給を享受し、本社には人事部がないという画期的なシステムで、現場の労働マインドを飛躍的に高めた。わが国でも店長権限が強く給与がインセンティブ制のところに繁盛店が多い。

生涯店長で給料は実績次第というインセンティブ制の店長に就くか、独立してフランチャイジーになるか、これからは店長を主体とするハイリスクハイリターンマネジメントが主流になるのではないか。

従来のような、店長からスーパーバイザー、それから本社に上がるといった出世方式は崩壊するだろう。今よりは人間性を帯びたチェーン経営になるのではないか。

企業界に共通してサービス業化が色濃くなってきている。外食業界でいえば、おいしいものはもはや当たり前で、いかにして楽しませるかが課題となっている。つまりサービスに当たる従業員の役割が重要になっている。企業は従業員のマインド喚起を真剣に考える時期を迎えているのではないか。

王利彰(おう・としあき)

昭和22年東京都生まれ。立教大学法学部卒業後、(株)レストラン西武(現・西洋フードシステム)を経て、日本マクドナルド入社。SV、米国駐在、機器開発、海外運営、事業開発の各統括責任者を経て独立。外食チェーン企業の指導のかたわら立教大学、女子栄養大学の非常勤講師も務めた。 有限会社 清晃(せいこう) 代表取締役

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