チポトリ(商業界 新飲食店経営2015年6月号)

チポトリChipotle

ファストカジュアルで最強なのはチポトリとパネラブレッドだ。西海岸などヒスパニック(メキシコや中南米などスペイン語を話す人たち)の多い地域で強いのは、メキシカン(肉の少ないテックスメックスといったほうが正確かな?)のチポトリだ。内装はメキシコの朽ち果てた店をイメージした、モダンな内外装だ。恵比寿にあったグローバルダイニングのZESTの小型店舗のイメージだ。
料理はブリトー(Burrito)、丼(Bowl)、タコス(Tacos)、サラダ(Salada)、だけだ。組み合わせるたんぱく質(主に肉類)が、鳥、牛、豚、豆腐など。肉により値段が異なる。付け合せの野菜、豆、ご飯、などを選べ、6~7ドル程度だ。
組み合わせる素材は一緒で、トルティかタコス、トルティア製・ボールなどが異なるだけだ。カウンターでブリトー(Burrito)、丼(Bowl)、タコス(Tacos)、サラダ(Salada)のいずれかを注文すると目の前で流れ作業のように具材を組み合わせる。注意しないといけないのは激辛のソースや調味料を入れられることだ。
一番人気はボリュームたっぷりのブリトーでメキシコの屋台風にアルミフォイルで巻いてある。
豆やとうもろこしの粉で作った皮などの繊維質が多く、ボリュームがあるのに健康的だと大人気だ。でも、日本人にはわからない味だ。現在1700店舗もある急成長しているチェーンだ。
http://www.chipotle.com/

チポトリの歴史
社名
Chipotle Mexican Grill, Inc.

発音 ( chi-poht-lay)

店舗は米国、カナダ、英国、フランスにある。主な料理はブリトーburritosとタコスtacosだ。製造が目の前で流れ作業のように行われる。店名のchipotleはメキシコの劇辛唐辛子ハラペーニョjalapenoを乾燥させたり、燻製にした調味料からきている。会社のモットーは「自然な食材と自主的な真心サービス」だ。
創業者は スティーブ・エリスSteve Ells氏で1993年創業。Steve Ells 氏はニューヨークの料理学校CIA(Culinary Institute of America)を卒業し、サンフランシスコの高級店 高名な Jeremiah Tower 氏のレストラン Stars (Jeremiah Tower at Stars in San Francisco) で見習いコックとしてスタートした。将来は高級なテーブルサービスのお店を持ちたいと夢見ていた。 Steve Ells 氏がサンフランシスコの街(Mission District)で大繁盛のメキシカン料理の屋台を見て起業した。数年後に高級店を開業しようと思ったのだが、資金がないのでメキシカン料理の店舗を開業し資金をためようと思ったのだ。
1993年に故郷のコロラド州デンバー(Denver, Colorado)で閉店したアイスクリーム店の跡地で1号店を開業した(近くにデンバー大学があった)。開業資金は父親から借り入れた8万5千ドル。損益分岐点は1日107個のブリトーを売ればよかったのだが、なんと日に1000個も売れる大繁盛だった。

1995年には1号店の利益で2号店を開業。3号店は借り入れ資金で開業。多店舗展開するため父親が1.5 ミリオンドルを調達してくれた。その後、きちんとした会社組織にして自ら1.8ミリオンドルを調達した。1999にはコロラド州から出て、オハイオ州コロンバス(Columbus, Ohio)ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis, Minnesota)などに店舗を出した。最初は儲けた資金で、高級レストランを開業するはずが本気になった。
その成功を見て1998年に McDonald’s が小額出資をしてくれ、2001年までに主要な株主になってくれた。マクドナルドのバックアップにより1998年に16店舗にすぎなかったのが 2005年には500店舗以上に急成長。そして、2006年の1月26日に,株式上場し、上場後株価は倍になる人気だった。

2006年10月にMcDonald’sはChipotleの株式を本業に専念するため売却した。マクドナルドはChipotle以外に, Donato’s Pizza, Boston Market なども売却した。 マクドナルドは360ミリオンドルを投資して、1.5ビリオンドルで売却と、大儲けした。現在チポトリはニューヨーク上場。競争相手はQdoba Mexican Grill,Moe’s Southwest Grill,Rubio’s Fresh Mexican Grill,Panchero’s Mexican Grill,Baja Fresh等だが、ダントツの首位です。
消費者の人気が高く、消費者向けの評価雑誌Consumer Reportsでメキシカンレストランとして一位と評価され店舗は全て直営店舗展開だ。

メニュー
burritos, fajita burritos, burrito bowls, tacos, salads.
の5種類。

付け合わせは ご飯、豆、4種類のサルサソース、サワークリーム、チーズ、レタス、トマトなど。

店舗調理
店舗でほとんどの食材を調理し鮮度を大事にしている。シカゴのセントラルキッチンでは豆や一部の肉の加熱調理を行うだけだ。どの店舗にも冷凍庫や電子レンジ、缶切りは置いていない。ほとんどの店舗でビール、マルガリータなどの軽いアルコールドリンクを売っている。

栄養 Nutrition
健康的だという評価だが、2003年に Center for Science in the Public Interest が商品分析をしブリトーは1,000 calories以上あると発表し大騒動になっている。MSNBC Health.com も「Big Macより脂肪分、塩分、コレストロール、炭水化物が多い」と非難しています。でも、同時に、植物繊維やたんぱく質は豊富で、健康的な料理だと Health.com は評価している。

ベジタリアン
vegetarianメニューが豊富。

肉の種類
1999には肉の調達を見直し、放し飼いの鳥や、動物虐待のない飼育牛に切り替えた。ホルモン剤や抗生物質も使用しないことを心がけた農場にも切り替えている。

以上

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