Ekinico南久留米

食の宝庫九州から

10年間書かせていただいた、このコラムも最終回、今回で488回目です。本当にローカルな話題にお付き合いいただきありがとうございました。

自分で食べたものを書くことをマイルールにしてきました、行かずに書いたのはコロナ禍の最中でも、数回だと思います。

連載の最初の回で書いたのが久留米市田主丸町にある「レストラン スプーン」、連載でも何度か登場していますが、最終回も取り上げて終わりたいと思います。

スプーンも開業して12年目に入り、今週から新たなプロジェクトが始まるという話です。

田主丸町は福岡から湯布院、大分に向かう鉄路としてJR久大線が通っています。スプーンの直近の駅が田主丸駅。外観が河童の形をしているで有名です。スプーン監修の河童のマカロンを販売していたこともありました。

鹿児島本線から久留米駅で分岐して(久大線というのは久留米と大分を結ぶことから付いた名前です)田主丸駅方面に進んで2つ目が南久留米駅です。つい先日、無人駅になってしまいました。木造の小さな駅舎ですが、なんとか駅前を賑やかにしたいとプロジェクトがスタートしました。九州では大きい方のスーパーの大型店が建ってはいるものの、駅の乗降は、学生がほとんどなのです。一家に軽自動車が2台というのがスタンダードな交通事情ですから仕方ありません。

そんな駅をなんとかして欲しいと、スプーンの井上シェフに声を掛けたのがJR九州です。地元の大学の学生を巻き込みながら、出来上がったのが「ekinico(えきにこ)」です。駅の事務室だったスペースに調理場を作り「シェアキッチン」を作り、日替わりで出店するテイクアウト専門のテナントをスプーンも含めて5店舗集めたそうです。

JR九州の新しい取り組みは、管内571ある駅のうち、約6割の336駅もある無人駅をなんとかしたいという想いから始まっているそうです。地元の若いシェフを巻き込み、地元を巻き込んだプロジェクトに期待したいと思います。

「Ekinico南久留米」に出店する店

(1) Restaurant Spoon(レストラン スプーン)

福岡県久留米市田主丸にある地産地消を大切にした創作フレンチ店

(2) KANADE YAN CURRY(カナデヤンカレー)

福岡県久留米市にあるスパイスカレー店

(3) Olivier Rain(オリビエレイン)

福岡県八女市にある地産地消にこだわり、八女の新鮮な食材を使った無添加のパン販売

(4) AROI(アロイ)

福岡県筑後市にあるタイ料理を中心とするアジアンレストラン

(5) TOBIKATAYA(トビカタヤ)

福岡県八女市にある無添加にこだわり素材にこだわる

手作りハム・ソーセージ専門店

南久留米の他にも開業しているようです

「ekinico」

https://www.jrkyushu.co.jp/company/esg/ekinico

JR九州プレスリリース

https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2024/12/09/241209_ekinico_Share_Kitchen_Minamikurume_open.pdf

上田 和久

上田 和久

スタジオワーク合同会社 代表。熊本県生まれ。厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年1月コンサルタントとして独立。安全安心な食品を提供することに日々、注力する企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。 JHTCリードインストラクター

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