weekly Food104 Magazine 2024年11月20日号

メルマガバックナンバー

このマガジンは王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社

有限会社清晃(せいこう)が提供しています。

https://www.food104.com/発行人の王利彰は、

その他に2011年4月より2015年3月まで関西国際大学教授に就任し、

新しく発足した人間科学部経営学科のフードビジネスを担当していました。

2004年4月から2009年まで立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の教授を務め、

F&Bマーケティング、サービス・マーケティングなどを教えていました。

立教大学観光学部、杏林大学外国語学部応用コミュニケーション学科観光文化コース、

韓国のSejong大学大学院フランチャイズ学科、女子栄養大学・短期大学、会津大学・短期大学等でも非常勤講師の経験があります。

2012年9月に脳梗塞で倒れ、重い嚥下障害を患っており、その顛末と嚥下対策は「月刊厨房」で1年間記事を連載しました。

フードコンサルタント王利彰は長年「メーリングリストfspro」で業界関係者と双方向のコミュニケーションをしてきました。現在は、Facebookのオンラインサロンへ移行。

FSPROメーリングリスト(外食産業情報“無料”オンラインサロン)

(https://www.facebook.com/groups/280530300281763)

外食産業でご活躍の皆さまはもちろん、卒業された方々の経験や知識も共有していただける場になるよう、皆様からの投稿をお待ちしています。

● 世界・日本各地の食情報

● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー

● 食ビジネスニュースリリース

● 日本外食ニュースと米国外食ニュース

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● 世界・日本各地の食情報

1)食の宝庫九州から上田さんです

【長くて短い】

宮崎の友人を訪ねた帰り道、午前中の早い時間だったので立ち寄った店があります。

「高岡名物 長饅頭」

平成の大合併で宮崎市になりましたが、もともとは東諸県郡高岡町で、宮崎市の西に位置し大淀川沿いに広がるこじんまりとした町が広がっています。戦国時代から薩摩藩の領地であり、立派な天ヶ城と城下町が残ります。人口は12,000人ほど、合併したとはいえ地域自治区として旧来のアイデンティティを残している町です。

その町の入口の国道10号線沿いに「長饅頭」ののれんを掛けた店があります。朝7時30分から開いています。塩味を感じるこし餡を米粉の皮で巻いた饅頭は、柔らかく大人の親指と人差し指で作る輪の大きさ、親指と人差し指を拡げたくらいの長さです。

この日の到着は10時過ぎ、まだ空いてると駐車場に止めていると、次々に車が入ってきます。ショーケースに並んでいるのが、その日の販売分、売り切れたら閉店です。みんな考えることは同じのようです。

もう何十年もこのスタイル。買えて良かった。と喜ぶのです。

饅頭は長いのですが、消費期限は短く、販売当日が期限。翌日には固くなってしまいます。長く楽しむには冷凍しておき、そのまま焼いて食べると良いのだとか。

その日に作って、売り切れごめん。無理をせずに長く続ける良い仕事だと思います。

【プロフィール】

上田和久

kazz@studiowork.jp

スタジオワーク合同会社 代表

1959年熊本県生まれ、京都、福岡で暮らし、都城の単身生活を終え福岡に戻っています。

国際HACCP同盟認定リードインストラクター、JHTC認定リードインストラクター

上田和久 facebookは

https://www.facebook.com/kazz.ueda

経歴と仕事分野     

 厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年コンサルタントとして独立。

 主に、HACCPの認証取得が目的ではない、あるいは安全安心な食品を提供することを目的にした企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。

 具体的には、食品工場に対し、これまでの計画施工から現場運営まで経験を生かした新築・増改築についての助言を行う他、製造現場に対して、クレーム対応、異物混入の原因の究明と対策、再発防止の仕組み作りの提案を行っている。

 食品工場の抱える問題やこれからますます厳しくなる要求への対応、それらを一緒に解決していくことを使命とし、精力的に活動している。

2)南イタリアプーリア便り イトリアの谷の食卓から 第395回

プーリアの我が家にはマルメロの木があって、毎年この時期食べきれないほど実がつきます。マルメロとよく似たカリンが佐伯にもあります。

昨年、地域おこし協力隊として着任して1ヶ月ぐらい経ったこの時期、道の駅で売られていたカリンを使ってジャムを作り、クロスタータと呼ばれるタルトを作りました。地元で農泊を営む皆さんにお出ししたところ、「あーこんな食べ方したことなかった!」と喜んでいただきました。「うちでもたくさん採れるから貰ってちょうだい。」と言われわざわざお持ちくださいました。今年もお声がかかりいくつかいただいてきました。

カリンとマルメロは実の外側にうぶ毛がついているかいないかぐらいの違いで味も風味もよく似ています。独特の甘い香りは実を一つでも部屋や車の中に置いておくと芳香剤になるくらい強いです。どちらも生では食べられないので、ジャムやコンポートの他、果実酒にしたりシロップ漬けにして食されます。プーリアの我が家ではジョヴァンニが作る赤ワインと砂糖をかけてオーブン焼きにしたマルメロをチョコレートチップのアイスクリームと一緒に食べるのが大好きです。

調べてみるとカリンは中国、マルメロはイラン、トルコが原生地で、日本には経路は違うが両方とも1000年ほど前に渡来したとのこと。歴史は長いのに「名前は聞いたことあるけど見たことはない」と言う人も多いのかも知れません。庭木としてはあってもカリン酒とかカリンシロップとか毎年作っている家庭は今は多くはないでしょう。

カリンと言えばのど飴を思い浮かべる人が多いかもしれません。カリンのど飴を1985年から発売しているロッテと1000年以上前に空海が唐から持ち帰ってカリンを植えたとされる文献が残り、カリンの町として活性化を試みてきた香川県と徳島県の県堺にあるまんのう町が提携協定を結んでカリンの認知度を広げよう活動しているという記事を見つけました。国産のカリンの需要はこれから上がって行くかも知れません。カリン・マルメロファンとしては嬉しい限りです。

加工しないと食べられない果物なので、手が出しにくいこともあるでしょうが、手がかかるからこそ思いがのせられるということもあると思います。そう考えるとプーリアでは食べきれないほど成る季節の果物をジャムにして毎年クリスマスプレゼントに配っていたことを思い出しました。ジャムは自家製が基本で店で買うということが全くありませんでした。農産物を売って生計を立てている訳ではなくてもたくさんの果実や野菜に囲まれて生活しているだけでお金には換算できない心と体を豊かにする恵みを享受していると感じます。自然は至る所に手をかけることが喜びに変わる魔法を秘めていると思います。

大橋美奈子 Facebook

https://www.facebook.com/minako.ohashi

メール・アドレス

minako@da-puglia.com

大橋美奈子さん経歴

 演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人のジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストランのビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業したビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。

 そのジョバンニ・パンフィーノと、日本で知り合い結婚し長女を授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したのです。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報発信をし、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っております。

 また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報をお届けします。

 ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺りがプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダプーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人のヴァカンス先として大変注目を浴びています。

https://www.facebook.com/1438029856464276/photos/a.1438031556464106.1073741828.1438029856464276/1523683344565593/?type=1&theater

 プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウをはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。

 また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山あります。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係にあります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、飲み物たちをご紹介させていただきます。

 我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好きなアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。

有限会社ダプーリア

http://www.da-puglia.com/

大橋美奈子プロフィール

http://www.da-puglia.com/archives/000047.html

プーリア州の説明

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E

ダプーリア

大橋美奈子

3)FBプロデューサー日記  336回目

服部幸應先生への感謝

先日、フランス大使館公邸で行われた「故・服部幸應氏 フランス農事功労章コマンドゥール叙勲式およびその功績を称える会」に参加させていただきました。

この会を主催したのが、フランス農事功労章 MOMAJです。

フランス農事功労章は農業・水産大臣より与えられる勲章のひとつで、1883年に創設されました。農業・水産省が、フランス農産物対外輸出、外国市場での販売促進、および フランスの食文化の普及に特に功績のあったフランス人や外国人に授与する勲章で、等級は、シュヴァリエ Chevalierオフィシエ Officierコマンドゥール Commandeurの3段階があります。100名近い日本人が農事功労章を受章しています。

11月、服部先生は フランス農事功労章コマンドゥールを叙勲する予定でしたが、1ヶ月前に天国へ旅立ってしまいました。

服部幸應先生と、フランス料理のコンクールやガラディナーでお会いすることも多く、三國清三シェフや、上柿元勝とお話をさせていただくことも多々ありました。服部先生のおかげで、巨匠シェフたちとの距離もグッと近く感じることができました。石川はフレンチ巨匠に可愛がられているよね、と王先生からも言われますが、同窓の服部先生のおかげです。

また仕事では講演会への登壇、取材を何度もさせていただきましたが、2022年に植物肉「グリーンミート」に興味を持っていただき、服部先生の動画に宮澤亮さんが出演をさせていただきました。新しいものに興味を持って、積極的に調べようとする姿勢や、長所と短所を見抜く鋭い視点は大変勉強になりました。この時、お世話になった服部学園の皆さまとのご縁は今でも続いていて、美瑛につながっています。

https://www.hattoridiner.jp/columns/detail/153

食材プロモーション活動、ホテル向けの展示会など、私も服部先生に負けず幅広く動いているのですが、ほぼ全ての食業界のイベントには服部先生が来ていて、「僕には休みがないんだよ」と言いながらも、参加者との交流を楽しんでいるお姿をよく拝見しました。

そして、私たちが食育の分野で悩んでいたり、何を教育すべきかアドバイスを求めると、ハッキリと道筋を示してくださる羅針盤のような存在でした。

服部幸應先生のおかげで、フランス料理と食育、地方創生の取り組み方を具体的に学ぶことができました。同じ立教大学を卒業し、フランス料理と食育の分野で仕事ができたことを光栄に思います。

服部先生のご家族とお話ができました。本当にたくさんの仕事でご一緒させていただき、20年以上長きに渡りご指導を頂いた事に感謝をお伝えすると共に、先生から教えて頂いたことをしっかりとバトンを渡さなければと身が引き締まる思いでした。

フランス大使館公邸に集まった日本のトップシェフの皆さまや、フランス料理関係者の皆さまと再会の機会を頂けた事に心から感謝致します。

天国で、私たちのことを温かく見守っていただけたら嬉しいです。しっかりと先生の意志を継いで、後進の育成に取り組んで参ります。

【プロフィール】

石川史子 Ishikawa Fumiko (旧姓 戸田)

株式会社FOOD FIELD CREATIVE

facebook  https://www.facebook.com/ffcnippon/

HPとblog  http://ffcnippon.com/

 東京都生まれ。立教女学院中学・高校を経て立教大学理学部化学科を卒業後、東京ガスに入社。2010年、業務用厨房ショールーム「厨BO!SHIODOME」開業を担当、王先生と最適厨房研究会などでご一緒させていただきました。

お客様へのプレゼンや、HCJなどの展示会では、有名なシェフの方にご出演いただき、厨房設計を支援できる私はフランス料理界のシェフにかわいがられるようになりました。

 フードビジネスプロデューサーとして独立して8年、おかげさまで活動の幅を広げています。リケジョとしての能力を活かし、厨房機器メーカー、フランス料理界、東京都や北海道、福島県などの生産者支援や、オーガニック農業の推進、観光、料理、厨房業界のPRに幅広く取り組んでいます。

さらに、農林水産省 令和5年度農山漁村振興交付金(農山漁村発イ令和ノベーション対策)受託事業、北海道びえい農泊 DX推進協議会の事務局長になりました。丘のまちびえいから、美味しいものの情報をお届けします。

王先生のFSPROでニュースクリップを担当するインターン生、募集中です!

びえい農泊 DX推進協議会 事務局長

東京都農林水産振興財団 チャレンジ農業支援センター販路開拓ナビゲータ

福島県楢葉町6次産業化アドバイザー

MLA豪州食肉家畜生産者事業団 ラム肉PR大使「ラムバサダー」

全日本司厨士協会 埼玉県本部 広報企画部長

全日本司厨士協会 東京地方本部 協賛会員

フランス料理文化センター アミティエグルマンド 会員

ホテル&ホスピタリテイビジネス衛生管理実践研究会 監事

立教学院諸生徒礼拝堂ハンドベルクワイア OBOG会会長

立教大学観光クラブ理事、校友会企画委員

調理技術教育学会 会員

一般社団法人 日本商環境デザイン協会 正会員

深沢アート研究所 マネージャー

東京お米サロン

4)飯田真弓さんより57回目の記事です

【モスクワのグルメ体験】

「モスクワ線2」

ロシアで忘れられない料理はロールキャベツです。

日本にはロールキャベツを特別な料理として提供するレストランは少なく、アカシアかつばめグリル、あるいはコンビニのおでんくらいしか思い浮かびません。

そもそもロールキャベツは、手間が掛かる割にこだわって差別化するポイントも少なく、コンソメで煮ましたレベルの家庭レシピにとどまりがちな料理です。圧倒的に専門的でご家庭料理とは違う、というひと皿を体験した人は少ないのではないでしょうか。

筆者も幼い頃から大家族のために、キャベツを3玉も買い、葉を下茹でして、味付けをした挽肉を巻いて楊枝で留め、ストーブの上に置いてコトコト煮込み、大量のロールキャベツを作っていました。家庭的なロールキャベツですがキャベツがとろけるくらいに煮込まれ、それなりに美味しく、家族の好物となっていました。

そんなご家庭ロールキャベツで育った24歳が、モスクワで衝撃を受けます。これまで食べたロールキャベツの概念を覆す、至極美味なひと皿に出会ったのです。

食いしん坊の先輩がモスクワで連れて行ってくれたのは、少しお行儀の良いロシア料理のレストランです。布のテーブルクロスがかけられ、ナイフフォークがセットされ、背筋を伸ばして食事をするロシア料理に期待が膨らみます。

前菜に魚の酢漬けのような料理、スープは真っ赤なビーツ色のボルシチを選び、メインを待ちます。運ばれて来た真っ白なお皿の中央にどーんと大きなロールキャベツが盛られています。汁気は少なく、ロールキャベツの表面が少し茶色に焦げたようになっています。ナイフを入れると、スッと軽い力で切れます。断面はキャベツと挽肉がみっちり分厚く層になっています。口に運ぶと、中だねの牛肉は、肉そのものの味わいを損なう事無く、スープを含んでジューシー、ふくよかでリッチな肉料理そのものです。層に重ねたキャベツは肉と一体となり、全体を柔らかく包みます。ソースはトマトの赤と深くソテーしたオニオンが溶け合い、酸味とクリームのコクがあります。このレストランの看板料理にふさわしい素晴らしい味わいでした。

さて、この味を再現したいと、どうしても思い、シェフに作り方を聞いたところ、優しく教えてくれました。

中の肉だねには25%にソテーしたスライスオニオンとトマトソース、サワークリームが入ること。パン粉ではなくご飯を入れてふくよかに仕上げること。大きなたねを3枚以上のキャベツの葉でぎゅっと固く巻き、ぎっしりと隙間のない深いバットに並べる事。上からトマトソース、ソテーオニオン、サワークリームを混ぜたソースをかけて、バットに蓋をしてオーブンでゆっくりと焼く事。

これまでのロールキャベツとはまるで別物のレシピですが、何度も家で繰り返して作る内に、あの味が再現できました。いつかこのレシピをどこかのレストランで出してくれないかな、と思っていますのでご興味のある方はどうぞ。ロールキャベツの専門店ができますよ。

【飯田真弓プロフィール】

東京で生まれ、10歳より千葉で育ちました。

35年にわたり、国内外の大手外食チェーンをはじめとするグローバルな食産業と、ホスピタリティサービスの代名詞である航空会社に勤務してまいりました。この経験を活かし、現在、成長を目指す企業様にさまざまなアドバイスをさせていただいております。専門分野は、お客様および従業員様を主役にしたブランディングを起点とする企業戦略の策定と結果につなげる実践です。さらに、マーケティングとイノベーションを掛け合わせた商品開発と、何より欠かせないグローバルレベルの品質管理と食の安全は得意分野です。これらを一気通貫させ、企業様の規模に合わせたバリューチェーンのデザインと創出、そしてチェーンのグローバル化やフランチャイズ化の手法など多岐にわたり、お役立ちの引き出しを多く備えております。これらの分野はどちらかというと企業様の成長過程においてなかなか手の届かない、後回しになりやすい領域です。どのように企業運営に組み込んで行くのかについても企業様の状態に応じてアドバイスができます。少し固いお話になりましたが、次の経歴をご覧いただくと、王先生がおっしゃるところの「面白い」を感じていただけるかと思います。

【経歴】

「世界中の美味しいものを食べ歩きたい!」

幼い頃から、よく言えば食への探求心が強く、本当のところただの喰意地のはった究極の食いしん坊で、さまざまな専門料理を「食べる、作る」経験を積んでまいりました。10歳の頃には近所のお母さんたちに公民館で料理を教えるほどの特異な子供でした。そしてそんな喰意地の夢を叶えるために最初に選んだ職業はなんと航空会社の客室乗務員、CA。JALに入社し、目的の食はもちろん、最高峰のホスピタリティとチームワーク、徹底したマニュアルオペレーションと教育システム、ブランドエンゲージメントを習得することができました。国内および国際線パーサーまでを経験できたのはありがたいことです。

思いのほか真面目にフライトする一方で、ついたあだ名は「空飛ぶ胃袋」。お給料のほとんどとフライト以外の余暇はすべて食べることに費やしていました。当時はバブルのさ中でしたので、高価な食事をご馳走になる機会もありましたが、とにかく自腹でピンからキリまで胃袋と時間の許すかぎり食べ歩きました。国内のみならず、CAの特権を活かし、「飛んで行ける全ての地」においてさまざまなジャンル、規模のレストラン、ストリートフード、市場や小売店などを訪れることに多くの時間を費やし、食体験を深めていきました。帰国するスーツケースの中はいつもスーパーで買った食材でいっぱい、検疫で時間がかかるので先輩たちにはとても気を遣いました。同期が蝶よ花よと扱われ、いわゆる玉の輿に乗っていく中、「エンゲル係子」のあだ名もつき、とても対照的な20代を過ごしました。

その後、当時経験する機会の少なかったインド料理と文化をどうしても学びたいと、一念発起、なんとインドの財閥系商社に転職し、2年間を30年前のニューデリーで過ごしました。30年前のインドは想像を絶する世界、生活の近代化のレベルで言えば、若い女性が住むにはかなり厳しい環境でした。そのような中、インドだけでなく、周辺国チベットなどまで足を運び、食を経験しました。追ってこのお話もお伝えしたいと思います。

帰国後、創業者との縁あって日本発祥、海外にもモスバーガーを展開するモスフードサービスに入社しました。「世の中にないものを作る」をモットーに、当時圧倒的なプロダクトアウト力を備えると有名でしたこの会社の商品開発部門の黄金期に加わることができたのです。世界中での食体験を発揮するに最高の環境をいただきました。また、多様な新規事業のメニュー開発、商品企画、海外事業など幅広い経験を積むことができました。このお話も興味深いかと思います。

一方でプロダクトアウトとは真逆の世界、ブランディングとマーケティング戦略を軸に経営戦略を策定、実践を学ぶ環境に身を置き、スキルを身に着けました。その結果、一度は自身のブランドを立ち上げ、経営を行うことが必要と考えて独立。オーナーシェフとして東京都中央区に、無名のところから飲食店を開業しました。2年近くほとんど休みも取らず毎日オープンキッチンに立ち、生のお客様と対峙することで多くの事を学びました。努力が実り、短期間で複数店に展開しました。何より嬉しかったのが、後輩シェフ達を育てることができたことです。同時に専門誌への執筆や企業様へのブランド立ち上げ、業態、メニュー開発などコンサルタントとしての事業も開始いたしました。

このコンサルティング事業をきっかけに、米国大手ハンバーガーチェーンのWendy‘s、世界最大店舗数のサンドイッチチェーンSubwayの国内展開のみならず、アジア地域においてのR&Dイノベーション、調達物流サプライチェーン、品質管理と食の安全を統括する機会をいただきました。世界に展開する米国2大チェーンの本社と働くことで世界の最先端を知ることができました。また、食材だけでなく、包装資材や衣類、消耗備品などのべ2000以上の工場を視察、監査した実績がありますので世界中のあらゆる工場や生産現場、圃場を熟知しています。

さらに、Subwayにおいては店舗、現場を主役とするための営業、オペレーションの統括も任され、約10年にわたる負のスパイラルからの脱出、V字回復を2年間で成し遂げました。グローバルレベルのチェーンビジネス、FCビジネス、その手法とさまざまなパターンを横断的に熟知するに至りました。

現在は飯田真弓事務所を開設し、バリューチェーンの専門家として、サプライチェーンの上位概念であるバリューチェーンおよび各機能の評価、課題解決、戦略策定や実行など、外食のみならず、さまざまな企業様の成長を目指して寄り添い、お役立ちをさせていただいております。

趣味は筋トレとゴルフ。どちらも変態レベルでストイックに攻め、体脂肪率10%未満を常にキープ。ゴルフは2年で90切り。「健やかにしなやかに歳を重ねるコツ」や、「食べても太らない身体作りのヒント」もお伝えできると思います。どうぞよろしくお願いいたします。

飯田真弓

飯田真弓事務所 代表/ フードサイエンティスト/バリューチェーン構築プロフェッショナル

miida@craft-wine.com

https://www.facebook.com/iida.mayumi

(一般社団法人)全日本食学会会員

http://aj-fa.com/

(公益社団法人)日本ヘルスケア協会会員

https://jahi.jp

ライザップBODY MAKEアンバサダー

【特記】

・品質管理、食の安全分野における専門性/GFSIの主要認証、BRCG(旧BRC)ASIAアドバイザリーボード(HACCP,ISOなど食の安全、管理領域含む)

https://www.brcgs.com

・フードサイエンスおよび官能評価技術/英国グローバルリソースであるLEATHERHEAD FRにて取得

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● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー

 読者の皆様のご意見・要望・質問・情報・欄を作成しました。皆様のご意見・要望をぜひお送りください。匿名で掲載させていただきますので忌憚のないご意見をお聞かせください。また皆様が見聞き体験した外食・食材情報もお知らせください。

 このFOOD104を支えてくださっている組織にFSPROと言う食の世界の専門家の方が500名ほどいらっしゃいます。皆様のご質問・疑問に答えられるようになっておりますので、ご遠慮なくご質問などをお寄せください。ちょっと時間はかかりますが回答させていただきます。

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● 食ビジネスニュースリリース ————————————■□

11月14日-11月20日

■“コロナ後の立ち飲み屋に「若い女性」が増えた理由”

今回は、この記事に関連し、最近のトレンドにもなりつつある「立ち飲み」について、紹介します。

この業態がトレンドになりつつある理由には、以下の2つがあるようです。

1.コロナ禍での人々の意識の変化

 働き方改革やコロナ禍を経て、就業後のプライベートの時間を大切にする人が増えたことにより、タイパ(タイム・パフォーマンス)がこれまで以上に重視する傾向があるようです。さらに、特に若者の間で友人や親しい同僚などとの少人数の飲み会や会社での飲み会は増えているものの、その2次会・3次会まで行かない人が増えていると言います。その中で、“もう少し飲みたいと思ったときに、一人で気軽に行ける店”、“帰宅途中に気軽に立ち寄れる店”として、立ち飲み屋が人気を得ているようです。

2.立ち飲みの「スタイリッシュ&カジュアル化」による抵抗感の減少

ホットペッパーグルメ外食総研のアンケート調査によると、「立ち飲み店に行くことに抵抗はありますか?」という質問に対して、女性では20代で45.7%、30代で46.2%のが「抵抗がない」と答えているそうです。全体的に男性の方が抵抗感がない人が多い結果になっています。このアンケートで面白いのは、男性では年代が上である程、女性では年代が下である程、立ち飲みへの抵抗感がない人が多いという結果です。実際、最近の立ち飲み屋では、オープンな店構えかつ、店の内外装もお洒落な店舗が増えている印象があります。

これらのことから立ち飲みは、“親父サラリーマンが立ち寄る場所”というイメージではなく、若い女性の間で“一人でも、友達とでも入りやすい店”というイメージを持つ人が増えているのではないかと考えます。

コロナ禍を経て、人々の生活スタイルが変化したことにより、外食利用にも変化が生まれています。その中で、現在の若者の生活・消費スタイルにも適合している点で、立ち飲み屋は今後、さらなる成長が期待できるものではないかと思います。【A】

コロナ後の立ち飲み屋に「若い女性」が増えた理由  イマドキの女性&若者の心理を突いた戦略

東洋経済ONLINE

https://toyokeizai.net/articles/-/736175

【参考】

https://www.hotpepper.jp/ggs/trend/article/trend/20240201

■「チル消費」需要の高まりを背景に“シーシャ”の人気が若者の間で高まっています。

このシーシャ(水タバコ)は、トルコなどの中近東が発祥で、長いパイプを通して水で濾過されたたばこの煙を吸うアイテムです。葉タバコには香料や糖蜜がまぶされており、フルーツや花の香りが楽しめます。

2023年5月に1店舗目を開業して以来、現在では全国に20店舗以上をFC展開する、シーシャカフェ&バー museの利用者の7割が20代であるそうです。

加えて、来店者の多くは2軒目として利用しているそうです。ある女性は「おなかいっぱいで2軒目の居酒屋にはいけないけど、まだ話したかった。普段2軒目はカラオケやダーツも行きますが、身体を動かす気分じゃないときにはシーシャに来ます」と回答しています。

シーシャの導入店舗の検索サイト「シーシャスイタイ」によると、9月末時点で全国に1600店舗以上あり、都内では565店舗とスターバックス(約400店)を超える店舗数に達しています。

他にも東京を中心にシーシャカフェを運営するmuschは、こだわりの内装にスイーツやドリンクを充実させ、女性客も上手く取り込んでいます。店内は女性客が6割であり、シーシャを吸わないカフェ利用のみの来店客は店舗によっては30%にも上るそうで、お店の雰囲気が多くの利用者を魅了していることが分かります。

一方で、記事の最後に、シーシャ店や居酒屋を手掛けるFS.shakeの遠藤さんは「不安はシーシャ業態が20年後あるかどうかです。新しい業態のため先が見通しにくい。カラオケのように定着できる存在になりたい」とも回答していました。

これらのことから、シーシャが若者から広がって、さらに上の年代を取り込むことができれば、さらなる成長につながっていくと考えます。また、世界のシーシャタバコ市場規模は2024年から2031年の予測期間中に7.2%のCAGRで成長するというレポートあり、世界的にも注目される業態です。遠藤さんのお話にあるように20年の見通しは分からないものの、シーシャと他の業態を組み合わせたお店も増えていることから、今後のシーシャ業界の動向にさらに注目が集まりそうですね。【A】

2軒目、シーシャでいいよね 都内は店舗数スタバ超え

日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC21BTW0R20C24A8000000

【参考】

https://beauty.oricon.co.jp/pressrelease/2030189
https://www.databridgemarketresearch.com/jp/reports/global-shisha-tobacco-market

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● 日本外食ニュースと米国外食ニュース

<日本外食ニュース>

柏原光太郎(カッシー)さん発行の飲食業界ニュースまとめのリンクです。

 柏原さんは、文芸春秋の編集者として活躍され、2023年3月末で定年退職。1967年から続くグルメガイド『東京いい店うまい店』(私が愛用していた信頼のおけるグルメ本です)の編集長を務め、自身もグルメとして知られる有名な方です。

2018年1月に「日本ガストロノミー協会」を設立し会長に就任しています。

食べログフォロワー数5万人。

https://tabelog.com/rvwr/kotarokashiwabara

飲食業界ニュースまとめ #1694 2024/11/14

https://note.com/kassie/n/n0c8ba10de38e

飲食業界ニュースまとめ #1695 2024/11/15

https://note.com/kassie/n/na5f39df36c61

飲食業界ニュースまとめ #1696 2024/11/16

https://note.com/kassie/n/n29c67c1fcad2

飲食業界ニュースまとめ #1697 2024/11/17

https://note.com/kassie/n/ncefa5ef49f8b

飲食業界ニュースまとめ #1698 2024/11/18

https://note.com/kassie/n/n9f8528fac93b

飲食業界ニュースまとめ #1699 2024/11/19

https://note.com/kassie/n/nad324d9abd0c

飲食業界ニュースまとめ #1700 2024/11/20

https://note.com/kassie/n/n731ca37eb70c

みんなの経済新聞

https://minkei.net

日本食糧新聞社

https://info.nissyoku.co.jp

プロの視点(日本食糧新聞社)

https://news.nissyoku.co.jp/column

東洋経済オンライン 外食

http://toyokeizai.net/category/restaurant

フードスタジアム

http://food-stadium.com/

フードリンク

http://www.foodrink.co.jp/news/

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発行人:有限会社清晃 代表取締役 王利彰

編集:石川史子、金子佐和美

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このマガジンを発行する王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社有限会社清晃(せいこう)は、海外から日本に進出する外食企業、日本から海外に進出する外食企業のサポート、及び、チェーンレストラン、フランチャイズチェーン展開をする企業へのサポートを行っています。

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実務的な仕事だけでなく、外食産業を基礎から学びたい、家業の飲食業を企業にしたい、家業の飲食業を継承したい、外食産業に将来就職したい、

将来独立して飲食業を経営したい、将来外食企業の経営者になりたい、

と思っている方にお勧めするのは、

関西国際大学人間科学部経営学科

http://www.kuins.ac.jp/old_faculty/management.html

立教大学大学院ビジネスデザイン研究科

https://business-school.rikkyo.ac.jp

立教大学ホスピタリティ・マネジメント講座(毎年9月~12月、30回、受講料5万円)

http://www.rikkyo.ne.jp/grp/kanken/

大学で外食を含む観光分野をきちんと学びたいという方は

立教大学観光学部

杏林大学外国語学部観光交流文化学科

等で学ぶことをお勧めします。

https://www.rikkyo.ac.jp/undergraduate/tourism

http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/faculty/foreign/

王利彰の長年蓄積した調理機器開発のノウハウは最適厨房研究会

http://saitekiken.jp/saitekichubo/

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