長くて短い

食の宝庫九州から

宮崎の友人を訪ねた帰り道、午前中の早い時間だったので立ち寄った店があります。

「高岡名物 長饅頭」

平成の大合併で宮崎市になりましたが、もともとは東諸県郡高岡町で、宮崎市の西に位置し大淀川沿いに広がるこじんまりとした町が広がっています。戦国時代から薩摩藩の領地であり、立派な天ヶ城と城下町が残ります。人口は12,000人ほど、合併したとはいえ地域自治区として旧来のアイデンティティを残している町です。

その町の入口の国道10号線沿いに「長饅頭」ののれんを掛けた店があります。朝7時30分から開いています。塩味を感じるこし餡を米粉の皮で巻いた饅頭は、柔らかく大人の親指と人差し指で作る輪の大きさ、親指と人差し指を拡げたくらいの長さです。

この日の到着は10時過ぎ、まだ空いてると駐車場に止めていると、次々に車が入ってきます。ショーケースに並んでいるのが、その日の販売分、売り切れたら閉店です。みんな考えることは同じのようです。

もう何十年もこのスタイル。買えて良かった。と喜ぶのです。

饅頭は長いのですが、消費期限は短く、販売当日が期限。翌日には固くなってしまいます。長く楽しむには冷凍しておき、そのまま焼いて食べると良いのだとか。

その日に作って、売り切れごめん。無理をせずに長く続ける良い仕事だと思います。

上田 和久

上田 和久

スタジオワーク合同会社 代表。熊本県生まれ。厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年1月コンサルタントとして独立。安全安心な食品を提供することに日々、注力する企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。 JHTCリードインストラクター

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