weekly Food104 Magazine 2024年11月13日号

メルマガバックナンバー

このマガジンは王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社

有限会社清晃(せいこう)が提供しています。

https://www.food104.com/発行人の王利彰は、

その他に2011年4月より2015年3月まで関西国際大学教授に就任し、

新しく発足した人間科学部経営学科のフードビジネスを担当していました。

2004年4月から2009年まで立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の教授を務め、

F&Bマーケティング、サービス・マーケティングなどを教えていました。

立教大学観光学部、杏林大学外国語学部応用コミュニケーション学科観光文化コース、

韓国のSejong大学大学院フランチャイズ学科、女子栄養大学・短期大学、会津大学・短期大学等でも非常勤講師の経験があります。

2012年9月に脳梗塞で倒れ、重い嚥下障害を患っており、その顛末と嚥下対策は「月刊厨房」で1年間記事を連載しました。

フードコンサルタント王利彰は長年「メーリングリストfspro」で業界関係者と双方向のコミュニケーションをしてきました。現在は、Facebookのオンラインサロンへ移行。

FSPROメーリングリスト(外食産業情報“無料”オンラインサロン)

(https://www.facebook.com/groups/280530300281763)

外食産業でご活躍の皆さまはもちろん、卒業された方々の経験や知識も共有していただける場になるよう、皆様からの投稿をお待ちしています。

● 世界・日本各地の食情報

● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー

● 食ビジネスニュースリリース

● 日本外食ニュースと米国外食ニュース

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● 世界・日本各地の食情報

1)食の宝庫九州から上田さんです

【ノーチロリアン】

福岡空港の搭乗口前には福岡銘菓の店が並びます。

その中で目を引いたのが黒いサインに白い文字で「NO TIROLIAN」とプリントした缶が積んであるコーナーでした。千鳥饅頭のブランド「チロリアン」と福岡のコーヒーショップのコラボ商品です。老舗と新進気鋭のコーヒー店の組合せに惹かれました。味は竹炭を練り込んだ生地にコーヒークリーム、苦味が感じられて、いつものチロリアンとは違って面白いと思いました。限定品らしいので見かけたら買ってみてください。

NO COFFEEの代表的なドリンクである、ブラックラテをイメージしてクッキー生地に竹炭パウダーを混ぜてブラックにし、コーヒークリームは何度も試作を重ね、ホワイトなのにしっかりとコーヒー味がするというチロリアン初の試みです。

千鳥饅頭総本舗プレスリリース

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000051738.html

チロリアンサイト

https://tirolian.com/oem/nocoffee.html

NO COFFEEサイト

https://www.nocoffee.jp/items/88553653

さて、チロリアンを製造する千鳥饅頭総本舗。

創業は寛永七年(西暦1630年)に佐賀で創業した老舗菓子舗です。炭都飯塚で繁盛し福岡市を中心に展開しています。カステラ生地で白餡を包んだ千鳥饅頭とロールクッキーにクリームを詰めたチロリアンがメインです。チロリアンは1962年に発売開始、開発、繁盛させた女性社長の息子4人がそれぞれ事業を引き継ぎ、総本舗、本家、宗家、総本家と分れ、商標権について裁判も起きています。こちらは甘い話ではすまないようです。

「チロリアン」訴訟、総本舗と本家が和解…本家が商品名を「ヨーデルン」に変更へ

読売新聞2023/01/17

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230116-OYT1T50234

株式会社千鳥饅頭総本舗

https://www.chidoriya.co.jp

株式会社千鳥屋宗家

https://www.chidoriya.jp

株式会社千鳥屋本家

https://www.chidoriya.net

千鳥屋総本家

廃業

【プロフィール】

上田和久

kazz@studiowork.jp

スタジオワーク合同会社 代表

1959年熊本県生まれ、京都、福岡で暮らし、都城の単身生活を終え福岡に戻っています。

国際HACCP同盟認定リードインストラクター、JHTC認定リードインストラクター

上田和久 facebookは

https://www.facebook.com/kazz.ueda

経歴と仕事分野     

 厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年コンサルタントとして独立。

 主に、HACCPの認証取得が目的ではない、あるいは安全安心な食品を提供することを目的にした企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。

 具体的には、食品工場に対し、これまでの計画施工から現場運営まで経験を生かした新築・増改築についての助言を行う他、製造現場に対して、クレーム対応、異物混入の原因の究明と対策、再発防止の仕組み作りの提案を行っている。

 食品工場の抱える問題やこれからますます厳しくなる要求への対応、それらを一緒に解決していくことを使命とし、精力的に活動している。

2)南イタリアプーリア便り イトリアの谷の食卓から 第394回

プーリアのソウルフードは、プレ・ディ・ファーヴェ(乾燥そら豆のピューレ)ですが、佐伯のソウルフードは「ごまだし」でしょう。 私のキッチンにも常備されています。

農水省の郷土料理百選や文化庁の「100年フード」にも選ばれている「ごまだし」は焼いた魚を胡麻、みりん、砂糖と一緒にすり合わせ醤油を足して仕上げた万能だしとも言える調味料です。大分県の漁獲量の70%が水揚げされる佐伯ならではの保存食と言えます。元々大量に獲れた魚を余さず食べる漁師の家庭料理でありその家それぞれの味があったということです。佐伯市内の食堂でも食べられるようになったのは100年以上前とのことで、お土産用の瓶詰めが販売され始めたのは1967年だそうです。少なくなったとはいえ今でも手作りするご家庭もあるようです。

ごまだしの元祖は年間を通して獲れる白身魚のエソを使ったものですが、アジやタイなどを使ったものもあります。茹でたうどんにごまだしと薬味を加えお湯をかけてかき混ぜる「ごまだしうどん」が一番ポピュラーな食べ方ですが、私はオリーヴオイルとかぼす汁を加えた自家製ごまだしドレッシングがとても気に入っています。もちろんパスタソースにもなりますし、マヨネーズと混ぜて野菜スティックのディップとしても美味しいです。 アラブ系の料理に多用されているタヒニに魚と醤油の旨みが加わった味は、海外でも受け入れられるポテンシャルはとても高いと思います。

18軒のごまだし製造販売者がメンバーの「佐伯ごまだし暖簾会」は各メーカーがそれぞれの味を追求していますが、「素材は安心・安全なものにこだわる」「使用する魚は地元産にこだわる。」「made in 佐伯に誇りを持ち、郷土の味を後世に伝える」という会則はイタリアでポピュラーなスローフード運動の指針とも重なります。

未来に残したい味として国際スローフード協会の「味の箱舟」に登録されている食品の数は本家イタリアではなんと現在1202品。それに比べて日本国内では83品です。同じように伝統的食品・料理の継承を目指すために作られた文化庁の「100年フード」への登録は250件。一度失われてしまった味を復活させるのは至難の技だと思いますが、数だけ見ると、日本にはまだまだ掘り起こすべき伝統の味がありそうに思われます。

「佐伯ごまだし」を検索してみると、カルディでも売っているようですし、無印良品のネット通販にも載っています。Amazonでも買えます。その中でも「漁村女性グループめばる」というメーカーのものが多くヒットします。このメーカーさんは最近、地元出身ではなく元々近畿大学で養殖用の餌の開発などを研究なさっていた30代の方を社長に迎えられたとのこと。

個人的には勝手に海外進出も含め将来の展開を大いに期待しております。

大橋美奈子 Facebook

https://www.facebook.com/minako.ohashi

メール・アドレス

minako@da-puglia.com

大橋美奈子さん経歴

 演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人のジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストランのビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業したビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。

 そのジョバンニ・パンフィーノと、日本で知り合い結婚し長女を授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したのです。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報発信をし、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っております。

 また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報をお届けします。

 ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺りがプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダプーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人のヴァカンス先として大変注目を浴びています。

https://www.facebook.com/1438029856464276/photos/a.1438031556464106.1073741828.1438029856464276/1523683344565593/?type=1&theater

 プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウをはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。

 また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山あります。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係にあります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、飲み物たちをご紹介させていただきます。

 我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好きなアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。

有限会社ダプーリア

http://www.da-puglia.com/

大橋美奈子プロフィール

http://www.da-puglia.com/archives/000047.html

プーリア州の説明

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E

ダプーリア

大橋美奈子

3)FBプロデューサー日記  335回目

地域や自然と、ゆるやかに繋がるレストラン「Maruta」

この店に入ると、初対面でも、ホームパーティに招かれたような感覚になり、親しく話ができるのが不思議です。食材の持つ力を最大限に引き出し、東京の豊かな自然を焚き火で調理。正直、食べたことの無い食材がありましたが、野生味を感じるスパイスでもあり、組み合わせが絶妙で、素晴らしいハーモニーです。

自然とのつながりを感じながら過ごす時間、来客をもてなし店内を隅々まで紹介してくれるサーヴィス、焚き火調理を眺められる大きなテーブルは、サスティナブルな食を通じて、新しい形のコミュニティーが育まれる場所となっています。

そこに暮らす人と生き物と自然環境の全てが緩やかに繋がる「深大寺ガーデン」の一角にあるレストラン。空間緑化事業を営む株式会社グリーン・ワイズ(東京都調布市)がオーナーです。

「深大寺ガーデン」は560坪の敷地にレストラン1棟、住居1棟、賃貸住宅1棟がゆとりを持って建てられた複合型の空間で、ゆずやジューンベリーなどの果樹や四季を彩る紅葉やシンボルツリーとなっているケヤキの巨木、野草と菜園があります。ディナーの時間は、蝋燭の炎がゆらめく、素敵な空間でした

2018年のオープンから約6年半ヘッドシェフを務めた石松一樹さんは11月でMarutaを卒業して、北海道へ。2024年11月から就任する後任の山口雄平シェフと石松シェフのお二人が共に店で料理を作る残りわずかな日に、お邪魔することができました。

天神山須藤園(三鷹市)でオリーブの収穫と搾油をご一緒したご縁です。須藤さん、素敵なご縁をありがとうございます!

さとみさんは、私たちのツッコミにも丁寧に答えてくださいました。美瑛に2年間住んだことがあるそうで、また美瑛に来て欲しいです!

乾杯はラベンダーのシロップ入りのお酒を選びました。ワインセラーには、ワインよりも野菜や果実の発酵エキスを作る瓶がズラリと並んでいました。

<2024年11月 Maruta>

淡雪かやたけの茶碗蒸し クレソン からしな 人参の葉 蕪の葉

青パパイヤサラダ アオリイカ 唐辛子 どくだみ フィンガーライム ピーナッツ

サワラ ヒマラヤスギ 針葉樹オイル メタセコイヤのクルスディアン 餅米のリゾット サワラスパイスのミル

薪火オイル 米油の5時間燻製 星塩 オリーブ

紫しめじ 白しめじ 発酵じゃがいも しめじフリットのピューレ のびる

里芋 金木犀の蜂蜜 みたらし醤油 マリーゴールド

かぼちゃ バターナッツ ろろんかぼちゃ

野草の根のスコーン

岡山 竹の谷蔓牛ランプ アラブロッシュ

カラス山椒アイス

金木犀のジュレ 蜂蜜 落花生サブレ ピーナッツバター サワラのパウダー 薪火のパウンドケーキ どんぐりロースト 魚の骨煎餅 藪枯らしのチップス

ラルブル あきる野市

レストラン「Maruta」

〒182-0011東京都調布市深大寺北町1-20-1

Tel : 050-1720-7006

reservation@maruta.green

Instagram

@maruta_restaurant

< 営業日 >

毎週 土、日のみ

2023年1月より土、日、月ディナー

<営業時間>

ランチ 11:30 ドアオープン

ディナー 17:30 ドアオープン

予約受付時間 : 木・金 11:00-18:00、月 11:00-16:00

2018年4月調布市深大寺にオープン

GOOD DESIGN 賞 2020 受賞

アメリカの環境認証LEED for Homes のプラチナ認定

【プロフィール】

石川史子 Ishikawa Fumiko (旧姓 戸田)

株式会社FOOD FIELD CREATIVE

facebook  https://www.facebook.com/ffcnippon/

HPとblog  http://ffcnippon.com/

 東京都生まれ。立教女学院中学・高校を経て立教大学理学部化学科を卒業後、東京ガスに入社。2010年、業務用厨房ショールーム「厨BO!SHIODOME」開業を担当、王先生と最適厨房研究会などでご一緒させていただきました。

お客様へのプレゼンや、HCJなどの展示会では、有名なシェフの方にご出演いただき、厨房設計を支援できる私はフランス料理界のシェフにかわいがられるようになりました。

 フードビジネスプロデューサーとして独立して8年、おかげさまで活動の幅を広げています。リケジョとしての能力を活かし、厨房機器メーカー、フランス料理界、東京都や北海道、福島県などの生産者支援や、オーガニック農業の推進、観光、料理、厨房業界のPRに幅広く取り組んでいます。

さらに、農林水産省 令和5年度農山漁村振興交付金(農山漁村発イ令和ノベーション対策)受託事業、北海道びえい農泊 DX推進協議会の事務局長になりました。丘のまちびえいから、美味しいものの情報をお届けします。

王先生のFSPROでニュースクリップを担当するインターン生、募集中です!

びえい農泊 DX推進協議会 事務局長

東京都農林水産振興財団 チャレンジ農業支援センター販路開拓ナビゲータ

福島県楢葉町6次産業化アドバイザー

MLA豪州食肉家畜生産者事業団 ラム肉PR大使「ラムバサダー」

全日本司厨士協会 埼玉県本部 広報企画部長

全日本司厨士協会 東京地方本部 協賛会員

フランス料理文化センター アミティエグルマンド 会員

ホテル&ホスピタリテイビジネス衛生管理実践研究会 監事

立教学院諸生徒礼拝堂ハンドベルクワイア OBOG会会長

立教大学観光クラブ理事、校友会企画委員

調理技術教育学会 会員

一般社団法人 日本商環境デザイン協会 正会員

深沢アート研究所 マネージャー

東京お米サロン

4)飯田真弓さんより56回目の記事です

【モスクワのグルメ体験】

「モスクワ線」

現在のロシアになったのは1991年の事ですから、それより前、ソ連と呼ばれていた時代のお話です。

その頃、モスクワへの便は羽田発で、成田に移ったのは第二ターミナルができてからと記憶しています。さらに、モスクワ線は単独便ではなく、ヒースローやパリへの燃料補給の中継地点の便となる事が多く、ステイは短いものしかありません。また、このパターンがアサインされるとクルーは2週間近く一緒にいますのでメンバーはとても重要で、特に新人の自分にとっては怖い先輩でなく、できれば食いしん坊の先輩達と一緒になりますようにと願いながら怖々、クルーのメンバー表を見たものでした。

モスクワについてはクルーの間でもありきたりな情報しかなく、グルメというより、タバコを持って行くとキャビアの缶と交換してくれるとか、チョコレートはもっと喜ばれるとか、まるで戦後の日本のような扱いでした。

観光も定番のクレムリンや赤の広場に行ったくらいでしょうか。赤の広場は、ソビエト各地からレーニン廟にお参りする人で行列ができていました。顔を見るとソビエト国内の色々な人種の人が来ていました。その当時、ソビエトが崩壊すると考えていた人は皆無だったと思います。

赤の広場を出て、向かいのグム百貨店に入ります。グムは国営の百貨店で大きなアーケードが特徴です。パリのパッサージュの様な感じです。ソビエトでは商品が欠乏していると聞いていましたが、グムの中では豊富な食品をはじめ色々な物が売られていました。政府が特別扱いをしていたようです。

頼まれたキャビアもたくさん置いてあり、キャビア通の先輩が狂喜して買えるだけ買っていました。

一度だけ、チャーター便でサハリンを日帰りで往復した事があります。北海道のすぐ先ですので2時間少しだったと思います。北海道上空を通過すると大地は海に点在する地形となり、人間の生活の気配がしない景色となりました。

雲の中を下降したと思ったら小さな飛行場が見え、着陸。滑走路も駐機場までの走路も舗装がでこぼこで、飛行機のタイヤがガタガタと動き、上下左右に揺れました。

政府関係者の渡航でしたので、到着すると歓迎ムードで地上係員が丁寧に休憩室に案内してくれました。その休憩室でタバコはないかと聞かれ、用意しておいたタバコとチョコレートをあげると大層喜んで、キャビアの缶をくれました。外国人と言えばキャビアや琥珀を喜ぶと思っていたのでしょう。

帰りは乗客のいない回送フライトでしたので、気は楽でしたが、再びガタガタと揺れる滑走路から無事に飛び立ち、北海道の地形を見た時に、ずいぶん安堵しました。

手に入れたキャビアを知り合いのフランス料理店に持っていくと、何やら最高級のシロモノという事で、大騒ぎです。色はパールグレイで大粒。海塩だけを使用した生キャビアの塩漬け。添加物も加熱殺菌も無し。濃厚でクリーミー、複雑な味わいと冷涼なシャンパーニュとのマリアージュの素晴らしさは今でも忘れられません。

次回はこれも忘れられないロールキャベツのお話しをします。

【飯田真弓プロフィール】

東京で生まれ、10歳より千葉で育ちました。

35年にわたり、国内外の大手外食チェーンをはじめとするグローバルな食産業と、ホスピタリティサービスの代名詞である航空会社に勤務してまいりました。この経験を活かし、現在、成長を目指す企業様にさまざまなアドバイスをさせていただいております。専門分野は、お客様および従業員様を主役にしたブランディングを起点とする企業戦略の策定と結果につなげる実践です。さらに、マーケティングとイノベーションを掛け合わせた商品開発と、何より欠かせないグローバルレベルの品質管理と食の安全は得意分野です。これらを一気通貫させ、企業様の規模に合わせたバリューチェーンのデザインと創出、そしてチェーンのグローバル化やフランチャイズ化の手法など多岐にわたり、お役立ちの引き出しを多く備えております。これらの分野はどちらかというと企業様の成長過程においてなかなか手の届かない、後回しになりやすい領域です。どのように企業運営に組み込んで行くのかについても企業様の状態に応じてアドバイスができます。少し固いお話になりましたが、次の経歴をご覧いただくと、王先生がおっしゃるところの「面白い」を感じていただけるかと思います。

【経歴】

「世界中の美味しいものを食べ歩きたい!」

幼い頃から、よく言えば食への探求心が強く、本当のところただの喰意地のはった究極の食いしん坊で、さまざまな専門料理を「食べる、作る」経験を積んでまいりました。10歳の頃には近所のお母さんたちに公民館で料理を教えるほどの特異な子供でした。そしてそんな喰意地の夢を叶えるために最初に選んだ職業はなんと航空会社の客室乗務員、CA。JALに入社し、目的の食はもちろん、最高峰のホスピタリティとチームワーク、徹底したマニュアルオペレーションと教育システム、ブランドエンゲージメントを習得することができました。国内および国際線パーサーまでを経験できたのはありがたいことです。

思いのほか真面目にフライトする一方で、ついたあだ名は「空飛ぶ胃袋」。お給料のほとんどとフライト以外の余暇はすべて食べることに費やしていました。当時はバブルのさ中でしたので、高価な食事をご馳走になる機会もありましたが、とにかく自腹でピンからキリまで胃袋と時間の許すかぎり食べ歩きました。国内のみならず、CAの特権を活かし、「飛んで行ける全ての地」においてさまざまなジャンル、規模のレストラン、ストリートフード、市場や小売店などを訪れることに多くの時間を費やし、食体験を深めていきました。帰国するスーツケースの中はいつもスーパーで買った食材でいっぱい、検疫で時間がかかるので先輩たちにはとても気を遣いました。同期が蝶よ花よと扱われ、いわゆる玉の輿に乗っていく中、「エンゲル係子」のあだ名もつき、とても対照的な20代を過ごしました。

その後、当時経験する機会の少なかったインド料理と文化をどうしても学びたいと、一念発起、なんとインドの財閥系商社に転職し、2年間を30年前のニューデリーで過ごしました。30年前のインドは想像を絶する世界、生活の近代化のレベルで言えば、若い女性が住むにはかなり厳しい環境でした。そのような中、インドだけでなく、周辺国チベットなどまで足を運び、食を経験しました。追ってこのお話もお伝えしたいと思います。

帰国後、創業者との縁あって日本発祥、海外にもモスバーガーを展開するモスフードサービスに入社しました。「世の中にないものを作る」をモットーに、当時圧倒的なプロダクトアウト力を備えると有名でしたこの会社の商品開発部門の黄金期に加わることができたのです。世界中での食体験を発揮するに最高の環境をいただきました。また、多様な新規事業のメニュー開発、商品企画、海外事業など幅広い経験を積むことができました。このお話も興味深いかと思います。

一方でプロダクトアウトとは真逆の世界、ブランディングとマーケティング戦略を軸に経営戦略を策定、実践を学ぶ環境に身を置き、スキルを身に着けました。その結果、一度は自身のブランドを立ち上げ、経営を行うことが必要と考えて独立。オーナーシェフとして東京都中央区に、無名のところから飲食店を開業しました。2年近くほとんど休みも取らず毎日オープンキッチンに立ち、生のお客様と対峙することで多くの事を学びました。努力が実り、短期間で複数店に展開しました。何より嬉しかったのが、後輩シェフ達を育てることができたことです。同時に専門誌への執筆や企業様へのブランド立ち上げ、業態、メニュー開発などコンサルタントとしての事業も開始いたしました。

このコンサルティング事業をきっかけに、米国大手ハンバーガーチェーンのWendy‘s、世界最大店舗数のサンドイッチチェーンSubwayの国内展開のみならず、アジア地域においてのR&Dイノベーション、調達物流サプライチェーン、品質管理と食の安全を統括する機会をいただきました。世界に展開する米国2大チェーンの本社と働くことで世界の最先端を知ることができました。また、食材だけでなく、包装資材や衣類、消耗備品などのべ2000以上の工場を視察、監査した実績がありますので世界中のあらゆる工場や生産現場、圃場を熟知しています。

さらに、Subwayにおいては店舗、現場を主役とするための営業、オペレーションの統括も任され、約10年にわたる負のスパイラルからの脱出、V字回復を2年間で成し遂げました。グローバルレベルのチェーンビジネス、FCビジネス、その手法とさまざまなパターンを横断的に熟知するに至りました。

現在は飯田真弓事務所を開設し、バリューチェーンの専門家として、サプライチェーンの上位概念であるバリューチェーンおよび各機能の評価、課題解決、戦略策定や実行など、外食のみならず、さまざまな企業様の成長を目指して寄り添い、お役立ちをさせていただいております。

趣味は筋トレとゴルフ。どちらも変態レベルでストイックに攻め、体脂肪率10%未満を常にキープ。ゴルフは2年で90切り。「健やかにしなやかに歳を重ねるコツ」や、「食べても太らない身体作りのヒント」もお伝えできると思います。どうぞよろしくお願いいたします。

飯田真弓

飯田真弓事務所 代表/ フードサイエンティスト/バリューチェーン構築プロフェッショナル

miida@craft-wine.com

https://www.facebook.com/iida.mayumi

(一般社団法人)全日本食学会会員

http://aj-fa.com/

(公益社団法人)日本ヘルスケア協会会員

https://jahi.jp

ライザップBODY MAKEアンバサダー

【特記】

・品質管理、食の安全分野における専門性/GFSIの主要認証、BRCG(旧BRC)ASIAアドバイザリーボード(HACCP,ISOなど食の安全、管理領域含む)

https://www.brcgs.com

・フードサイエンスおよび官能評価技術/英国グローバルリソースであるLEATHERHEAD FRにて取得

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● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー

 読者の皆様のご意見・要望・質問・情報・欄を作成しました。皆様のご意見・要望をぜひお送りください。匿名で掲載させていただきますので忌憚のないご意見をお聞かせください。また皆様が見聞き体験した外食・食材情報もお知らせください。

 このFOOD104を支えてくださっている組織にFSPROと言う食の世界の専門家の方が500名ほどいらっしゃいます。皆様のご質問・疑問に答えられるようになっておりますので、ご遠慮なくご質問などをお寄せください。ちょっと時間はかかりますが回答させていただきます。

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● 食ビジネスニュースリリース ————————————■□

11月7日-11月13日

■ワタミ/米国TGIフライデーズ破産申請、日本の店舗に影響せず

流通ニュース

■松屋フーズ 決算/4-9月増収増益、出店数・既存店売上増で通期上方修正

流通ニュース

■王将フード 決算/4-9月増収増益、新規出店・DX推進

流通ニュース

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● 日本外食ニュースと米国外食ニュース

<日本外食ニュース>

柏原光太郎(カッシー)さん発行の飲食業界ニュースまとめのリンクです。

 柏原さんは、文芸春秋の編集者として活躍され、2023年3月末で定年退職。1967年から続くグルメガイド『東京いい店うまい店』(私が愛用していた信頼のおけるグルメ本です)の編集長を務め、自身もグルメとして知られる有名な方です。

2018年1月に「日本ガストロノミー協会」を設立し会長に就任しています。

食べログフォロワー数5万人。

https://tabelog.com/rvwr/kotarokashiwabara

飲食業界ニュースまとめ #1687 2024/11/7

https://note.com/kassie/n/na6c94da312b4

飲食業界ニュースまとめ #1688 2024/11/8

https://note.com/kassie/n/nb25470a983e2

飲食業界ニュースまとめ #1689 2024/11/9

https://note.com/kassie/n/n4670428d259d

飲食業界ニュースまとめ #1690 2024/11/10

https://note.com/kassie/n/n4a060a321a40

飲食業界ニュースまとめ #1691 2024/11/11

https://note.com/kassie/n/n5367714eb13d

飲食業界ニュースまとめ #1692 2024/11/12

https://note.com/kassie/n/n1d1c14263f2c

飲食業界ニュースまとめ #1693 2024/11/13

https://note.com/kassie/n/n2cf27cc4049c

みんなの経済新聞

https://minkei.net

日本食糧新聞社

https://info.nissyoku.co.jp

プロの視点(日本食糧新聞社)

https://news.nissyoku.co.jp/column

東洋経済オンライン 外食

http://toyokeizai.net/category/restaurant

フードスタジアム

http://food-stadium.com/

フードリンク

http://www.foodrink.co.jp/news/

フーズチャンネル

https://www.foods-ch.com/gaishoku

日本経済新聞

https://www.nikkei.com

流通ニュース

https://www.ryutsuu.biz

M&A NEWS 食品・外食

https://ma-times.jp/category/manews/food

日本能率協会展示会(FOODEX、HCJ他)

https://www.jma.or.jp/website/exhibition.html

リテールテック

https://messe.nikkei.co.jp/rt

<米国外食ニュース>

QSR マガジン

NRN紙

http://www.nrn.com/

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新製品情報、新店情報、イベント情報、各種キャンペーン、ビジネス情報などお知らせ下さい。

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週刊Food104 Weekly Food104 Magazine

米国外食情報、トピックス、国内外アグリ情報、食関連ビジネス企業プレスリリース、王利彰のレストランチェック等、最新の食情報をお送りするだけでなく、食関連のあらゆる悩みの解決をいたします。

Food104マガジンスタッフ

発行人:有限会社清晃 代表取締役 王利彰

編集:石川史子、金子佐和美

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このマガジンを発行する王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社有限会社清晃(せいこう)は、海外から日本に進出する外食企業、日本から海外に進出する外食企業のサポート、及び、チェーンレストラン、フランチャイズチェーン展開をする企業へのサポートを行っています。

日本の外食企業では、大手ファスト・フードの殆ど、大手居酒屋、大手ファミリーレストラン、大手ホテル旅館、大手食品メーカー、大手食品卸売業、サービス業等へのコンサルティングを行っています。

有限会社清晃(せいこう)業務内容

王利彰 経歴

ご質問、ご相談はeditor@food104.comにお寄せ下さい。

実務的な仕事だけでなく、外食産業を基礎から学びたい、家業の飲食業を企業にしたい、家業の飲食業を継承したい、外食産業に将来就職したい、

将来独立して飲食業を経営したい、将来外食企業の経営者になりたい、

と思っている方にお勧めするのは、

関西国際大学人間科学部経営学科

http://www.kuins.ac.jp/old_faculty/management.html

立教大学大学院ビジネスデザイン研究科

https://business-school.rikkyo.ac.jp

立教大学ホスピタリティ・マネジメント講座(毎年9月~12月、30回、受講料5万円)

http://www.rikkyo.ne.jp/grp/kanken/

大学で外食を含む観光分野をきちんと学びたいという方は

立教大学観光学部

杏林大学外国語学部観光交流文化学科

等で学ぶことをお勧めします。

https://www.rikkyo.ac.jp/undergraduate/tourism

http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/faculty/foreign/

王利彰の長年蓄積した調理機器開発のノウハウは最適厨房研究会

http://saitekiken.jp/saitekichubo/

————————————————– 週刊Food104 —–

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