カシミールカレーと聞いて思い浮かぶのは、どんなカレーですか。
黒くて、辛くて、サラサラでスパイシー、特に辛さが際立つイメージでしょうか。
では、どちらのお店で食べましたか?
1.上野御徒町のデリー
2.ロイヤルホスト
3.COCO壱番屋
4.その他スパイスカレーの専門店
実は、どの店でも食べることができます。
元祖と言えるのは上野のデリー、64年前だそうです。デリーは銀座店をはじめ各地に支店を出していますし、のれん分けの店舗も全国にあります。スパイスカレーの店でカシミールとして出されているのはデリーが発祥といえそうです。セブンイレブンのスペシャルカレーとしてコラボしたカレーや、おにぎりを出しているので、カレーマニアならずともデリーのカシミールカレーの認知度は高くなっています。
ロイヤルホストは、1983年のカレーフェアから黒くて辛いサラサラのカシミールカレーを提供しています。このフェアを前にデリーにカレーを学びたいと来社され、色々とアドバイスをしていた後、突然フェアにカシミールカレーが登場したのだそう。
カシミール地方はインド北部、ヒマラヤに近いエリアなので、果物も豊富で、カレーにも使われたりしているので、デリー風の辛いカレーは食べられていないのです。ではなぜカシミールカレーが辛くなったのか、これはデリーの初代社長が店舗のメニューを南インド地方のカレーと間違えたからだと。つまり辛くて黒いカレーにカシミールと名付けるのはコピーですよと言っているようなものですよね。
2020年からはカシミールビーフカレーとして黒いけど辛くない、むしろ甘目のカレーにリニューアルしています。
そして、日本で一番のカレーチェーンである、COCO壱番屋が「カシミールチキンカレー」を9月からの期間限定で発売しています。いよいよカシミールカレーは普通名詞化したのでしょうか。まさかデリー由来の名前だと知らなかった?
実食しましたが、タンドリーチキンという唐揚げの乗った、黒くてスパイシーなカレーでした。微妙に甘い感じがしますが、かなり寄せているなあというのが印象でした。
デリーの田中社長もブログに書いていますが、カシミールは都市の名前でもあり商標化できなかったようです。
ここに来て本家争いをしても仕方が無い気はしますね。せめてスパイスカレーのパイオニアへのリスペクトが在って良かったのではないでしょうか。
さて本家、発明品などで九州の話をすると、「辛子明太子」でしょうか、ふくや創業者の川原さんが韓国のたらこのキムチをベースに作ったもの、製造法をどんどん教えたので、現在では150社を超えるメーカーが全国で作っています。
また、洋菓子の「ダックワーズ」これは、浄水通りに店を構える「16区」の三嶋シェフがフランス時代にアーモンド生地を焼いた最中の様な焼き菓子として発想したもの、今では世界中の菓子店で商品化されています。
デリーのカシミールカレーも、同様に普通名詞化していくのでしょうか。すでになっていますかね。
デリー社長ブログ
ロイヤル カシミールビーフカレー
CoCo壱番屋 カシミールチキンカレー