このマガジンは王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社
有限会社清晃(せいこう)が提供しています。
その他に2011年4月より2015年3月まで関西国際大学教授に就任し、
新しく発足した人間科学部経営学科のフードビジネスを担当していました。
2004年4月から2009年まで立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の教授を務め、
F&Bマーケティング、サービス・マーケティングなどを教えていました。
立教大学観光学部、杏林大学外国語学部応用コミュニケーション学科観光文化コース、
韓国のSejong大学大学院フランチャイズ学科、女子栄養大学・短期大学、会津大学・短期大学等でも非常勤講師の経験があります。
2012年9月に脳梗塞で倒れ、重い嚥下障害を患っており、その顛末と嚥下対策は「月刊厨房」で1年間記事を連載しました。
フードコンサルタント王利彰は長年「メーリングリストfspro」で業界関係者と双方向のコミュニケーションをしてきました。現在は、Facebookのオンラインサロンへ移行。
FSPROメーリングリスト(外食産業情報“無料”オンラインサロン)
(https://www.facebook.com/groups/280530300281763)
外食産業でご活躍の皆さまはもちろん、卒業された方々の経験や知識も共有していただける場になるよう、皆様からの投稿をお待ちしています。
● 世界・日本各地の食情報
● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー
● 食ビジネスニュースリリース
● 日本外食ニュースと米国外食ニュース
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● 世界・日本各地の食情報
1)食の宝庫九州から上田さんです
【きらすまめし】
大分県臼杵市の名物は、醤油と味噌、そして海産物です。海のものでは特にふぐが有名で、名店と呼ばれる料亭が名前を連ねます。
ふぐをメインとしたコースの先付けとして、おからを使った料理が出てきました。
「きらすまめし」 「きらす」はおから「まめし」はまぶすという意味で、臼杵藩の倹約料理として始まった郷土料理だそうです、刺身や中落ちにおからでかさ増ししたのが始まりだそうですが。料亭で出てくるものは、鯛の刺身を醤油に漬けこみ、味のしみたところで、おからをまぶし、ネギやショウガを絡め、器に盛り、これも大分名産のカボスを飾って提供されます。おからの下処理、まぶし加減は、店の女将自らの塩梅らしく、さっぱり美味しくいただきました。おからだからと馬鹿にしてはいけません。歴史のある、ちゃんとした料理でした。もちろん家庭で調理する場合は、魚の種類はさまざま、おからの扱いもあるでしょうが、九州の甘い醤油で漬けるのでしっかり味もしみて美味しくなると思います。
生魚を漬けるといえば、大分には以前紹介した「りゅうきゅう」という料理もあります。こちらは丼飯なので味付けがもう少し濃いめだった記憶があります。大分の関アジ・関サバを筆頭とした魚食文化の、少しも無駄にしないという気持ちが現れているのでしょうね。
【プロフィール】
上田和久
kazz@studiowork.jp
スタジオワーク合同会社 代表
1959年熊本県生まれ、京都、福岡で暮らし、都城の単身生活を終え福岡に戻っています。
国際HACCP同盟認定リードインストラクター、JHTC認定リードインストラクター
上田和久 facebookは
経歴と仕事分野
厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年コンサルタントとして独立。
主に、HACCPの認証取得が目的ではない、あるいは安全安心な食品を提供することを目的にした企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。
具体的には、食品工場に対し、これまでの計画施工から現場運営まで経験を生かした新築・増改築についての助言を行う他、製造現場に対して、クレーム対応、異物混入の原因の究明と対策、再発防止の仕組み作りの提案を行っている。
食品工場の抱える問題やこれからますます厳しくなる要求への対応、それらを一緒に解決していくことを使命とし、精力的に活動している。
2)南イタリアプーリア便り イトリアの谷の食卓から 第384回
以前から身近にあったものの、特に気にしてもいなかったのですが、久しぶりに食べてみて「おっ、これはいいかも!」とちょっとハマっているのがカッルーバ(Carruba) です。
地中海沿岸地域原産で、古代エジプトの遺跡からも発見されたり、聖書にも記載があったり古くからこの地方では親しまれている食品です。現在主な生産地はモロッコなどの北アフリカやギリシャ、キプロスなど。イタリアでは南部にしかなくシチリアやサルデーニャでは栽培もされていて伝統的な食材として色々な使われ方があるようです。
夏の今ちょうど木についたまま乾燥した実を収穫する時期で、我が家にある大木にはたわわとなっています。豆科の植物でサヤの部分が甘く、カカオに似た風味があります。種子は固くそのままでは食べられないので、我が家では乾燥したサヤをそのままボリボリかじります。
主な成分はデンプンと糖ですが、タンパク質や食物繊維も豊富です。仕事中にちょっと口さみしい時など、市販のお菓子やスナックを食べるより断然ヘルシー。自然の甘さと噛みごたえで満足感もあり食物繊維のおかげで整腸効果もあると言います。
日本ではイナゴマメ、またはキャロブと呼ばれています。硬い種子の部分はキャロブガムと呼ばれ増粘剤として食品や化粧品などの添加物として使われているとのこと。
種を除いたサヤの部分はキャロブパウダーとしてチョコレートの代わりにケーキやクッキー作りに使われます。シロップやチップなどの商品もあります。グルテンフリー、栄養満点、スーパーフードと呼ばれています。
また、ペットのウサギやハムスターのスナックとしてホールのまま売っているのも見かけました。ネット通販では、ペット用の「まるごとイナゴマメ」が80gで358円。人間用の「有機キャロブパウダー」が200g で421円。あれっ、どういうこと?とちょっと考えさせられます。
私が初めてキャロブを知ったのは80年代のニューヨーク。芸術家志望の友人たちに混じって自分でもマクロビやヴィーガンといった食生活を試したりしていたころでした。自然食品店でエネジーバーのようなスナックに入っているものがありカフェインを取りたくない自然派嗜好の人=ヘルスナッツ(健康オタク)向けの商品というイメージでした。値段もそこそこした記憶があります。それが、今はプーリアの我が家にある自生の木からそのまま採ってきて、この記事を書きながらかじっているというのも、月日の流れと一周まわって今がある奇遇を感じます。
大橋美奈子 Facebook
メール・アドレス
minako@da-puglia.com
大橋美奈子さん経歴
演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人のジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストランのビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業したビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。
そのジョバンニ・パンフィーノと、日本で知り合い結婚し長女を授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したのです。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報発信をし、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っております。
また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報をお届けします。
ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺りがプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダプーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人のヴァカンス先として大変注目を浴びています。
プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウをはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。
また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山あります。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係にあります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、飲み物たちをご紹介させていただきます。
我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好きなアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。
有限会社ダプーリア
http://www.da-puglia.com/
大橋美奈子プロフィール
http://www.da-puglia.com/archives/000047.html
プーリア州の説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E
ダプーリア
大橋美奈子
3)FBプロデューサー日記 324回目
美瑛ジンギスカンの開発
色合いの異なる作物の畑が、まるでパッチワークのように連なる美瑛の丘は、観光名所として有名です。
これは「四輪作」という農法で、畑の健康と良い農作物を作るため「じゃがいも・豆・ビート・小麦」4種の作物を育てているからです。
ポテトチップスの原料になる「じゃがいも」は白い花が咲き、砂糖の原料「ビート」の葉は濃い緑です。やや薄い緑色は豆で、美瑛ではボランティアで無添加の手作り味噌を作り、給食に提供されています。黄金色に輝く秋蒔き小麦は「きたほなみ」と「ゆめちから」、春蒔き小麦は食パン用「春よ恋」です。薄い緑色から徐々に黄金色に変わります。
また、美瑛のトマトは北海道内で生産量が第2位。真っ赤な大玉トマトが採れます。
さらに、ブロッコリー、とうもろこし、きゅうり、ナス、パプリカ、メロン、スイカなど、夏野菜がたくさん採れます。
そんな美味しい野菜と羊肉を一緒に焼いて食べるのが、北海道の郷土料理「ジンギスカン」です。
兜の形をした鍋にタレ付きの羊肉を乗せ、野菜を重ねて焼きます。すると、羊肉の旨みが野菜に染み込んで、さらに美味しくなります。最近、北海道では厚切りの肩ロースが人気です。肩ロースの薄切りや、サーロイン、ショルダーと食べ比べてみたのですが、断然、厚切り肩ロースが食感もよく、オススメです!
現在、ジンギスカンのタレで有名なソラチさんにご協力いただき、美瑛ジンギスカンの「味付きジンギスカン」パックを開発中です。美瑛の野菜がおいしく食べられることをコンセプトにしていて、農泊で宿泊してくださる皆さまに、郷土料理のジンギスカンで、美瑛野菜を楽しんでいただきたいと考えています。
10/13(日)11:00-15:00 ふれあい館ラヴニール前の広場で、美瑛ジンギスカンフェスティバルを開催予定です。詳細は改めてご連絡します。遊びにいらしてくださいね。
今回はオージーラムを使ったジンギスカンですが、ファームズ千代田には、可愛い羊たちが放牧されている姿を見ることができます。牧場にも遊びに来てください!
お盆の美瑛は、家族や友人と屋根付きの車庫で、楽しそうにジンギスカンや焼肉を食べている姿を見かけました。夜空には、満点の星空が見えます。ちょうどペルセウス座流星群の日に、低緯度オーロラが見えました。千代田の丘から眺める満点の星空は、天の川も輝いて、息をのむほど美しかったです。
「星のソムリエ」崎山さんが撮影した写真をいただきました。流れ星と、北極星の方向に赤いオーロラが写っています。
【プロフィール】
石川史子 Ishikawa Fumiko (旧姓 戸田)
株式会社FOOD FIELD CREATIVE
facebook https://www.facebook.com/ffcnippon/
HPとblog http://ffcnippon.com/
東京都生まれ。立教女学院中学・高校を経て立教大学理学部化学科を卒業後、東京ガスに入社。2010年、業務用厨房ショールーム「厨BO!SHIODOME」開業を担当、王先生と最適厨房研究会などでご一緒させていただきました。
お客様へのプレゼンや、HCJなどの展示会では、有名なシェフの方にご出演いただき、厨房設計を支援できる私はフランス料理界のシェフにかわいがられるようになりました。
フードビジネスプロデューサーとして独立して8年、おかげさまで活動の幅を広げています。リケジョとしての能力を活かし、厨房機器メーカー、フランス料理界、東京都や北海道、福島県などの生産者支援や、オーガニック農業の推進、観光、料理、厨房業界のPRに幅広く取り組んでいます。
さらに、農林水産省 令和5年度農山漁村振興交付金(農山漁村発イ令和ノベーション対策)受託事業、北海道びえい農泊 DX推進協議会の事務局長になりました。丘のまちびえいから、美味しいものの情報をお届けします。
王先生のFSPROでニュースクリップを担当するインターン生、募集中です!
びえい農泊 DX推進協議会 事務局長
東京都農林水産振興財団 チャレンジ農業支援センター販路開拓ナビゲータ
福島県楢葉町6次産業化アドバイザー
MLA豪州食肉家畜生産者事業団 ラム肉PR大使「ラムバサダー」
全日本司厨士協会 埼玉県本部 広報企画部長
全日本司厨士協会 東京地方本部 協賛会員
フランス料理文化センター アミティエグルマンド 会員
ホテル&ホスピタリテイビジネス衛生管理実践研究会 監事
立教学院諸生徒礼拝堂ハンドベルクワイア OBOG会会長
立教大学観光クラブ理事、校友会企画委員
調理技術教育学会 会員
一般社団法人 日本商環境デザイン協会 正会員
深沢アート研究所 マネージャー
東京お米サロン
4)飯田真弓さんより45回目の記事です
【台湾のグルメ体験3】
「自助餐」
「自助」はセルフサービス「餐」は食事の意味で、自分で好きなだけ料理を盛ることのできる惣菜店です。庶民の台所的存在で、ちょっとした商店街には必ずあります。「自助餐」という看板を見ると、わくわくします。最高のローカルグルメだからです。
昼と夜、この「自助餐」のレストランはサラリーマンや近所の人達で賑わいます。ローカル度の高い行列に並ぶのは勇気が要りますが、湯気の出た、美味しそうな料理につられ、いつの間にか列に加わってしまいます。店の規模はさまざまですが、商店街の人気店となると中々の充実ぶりで、肉や魚、玉子、豆腐や野菜など、さまざまな種類の家庭的な惣菜がずらりと並ぶので壮観です。
とろとろに煮込んだ皮つきの豚の角煮や、香ばしく揚げた骨付きのパーコー、つやつやの鶏もも肉の照り焼き、豚肩の豆鼓焼き、トマトと玉子に炒めもの、空芯菜の上湯炒めやゴーヤの炒めもの、素揚げしたインゲンに干しエビをさっと合わせた一品、細い茄子の揚げ浸しなど、次から次へと出来立ての料理が追加されます。そのシズル感は半端なく、いつの間にか山のように惣菜を盛ってしまいます。
おかずを選んだ後、レジへと進みます。ご飯は付けるのか、黒米入りのブラウンライスにするのかなど聞かれます。言葉はまったく通じないので、身振り手振りですが、食いしん坊に対する態度は親切です。最後に無料のスープをとってレジに進みます。料金は重量を計るか、会計係の目視による量×種類の暗算で決まります。盛られた総菜を一目見て、金額を即伝えるのです。野菜や豆腐の惣菜は安く、肉や魚、海老を選ぶと高くなります。この会計係の目算は大雑把なようで、実はものすごく公平で正確です。おかずの下にこっそり他のおかずを忍ばせてもすぐ見抜き、トングで上のおかずをめくって確認します。店舗にとって会計はいちばん重要で、熟練の目が必要ですので、店主か家族のエースが担当します。
買った惣菜は、持ち帰りはもちろんですが、出来立てを店内で食べることができます。店内には大体TVがあります。台湾語のワイドショーを見ながら、皆モリモリと自分の選んだ料理を食べています。台湾の人達の健康と栄養の源はこういった野菜と肉魚のバランスのとれた家庭料理なのです。さらに食べる量ですが、台湾ではどのレストランに行っても、日本の1.5倍くらいの量が提供されます。台湾の友人が日本に来ると、一人前の量が少ないと文句を言います。台湾人の旺盛な食欲は生き抜く力を象徴しているようだなといつも思います。喰意地の張った私も台湾では目立たない、普通の存在です。
「自助餐」のレストランですが、「素食」系の店舗も多くあります。台湾素食は、元は仏教の精進料理で、植物性の食品のみ食べるというものです。現在では動物愛護や環境保全などの視点から新しい広がりを見せています。自助餐業態においても、「全国健康素食自助餐」などがチェーン展開をしています。
台湾の家庭料理や素食をいちどに体験してみたいなら、こういった「自助餐」を訪れることをお勧めします。あちこちのレストランを視察しなくとも、ひとりでも、さまざまな料理を経験することができます。
【飯田真弓プロフィール】
東京で生まれ、10歳より千葉で育ちました。
35年にわたり、国内外の大手外食チェーンをはじめとするグローバルな食産業と、ホスピタリティサービスの代名詞である航空会社に勤務してまいりました。この経験を活かし、現在、成長を目指す企業様にさまざまなアドバイスをさせていただいております。専門分野は、お客様および従業員様を主役にしたブランディングを起点とする企業戦略の策定と結果につなげる実践です。さらに、マーケティングとイノベーションを掛け合わせた商品開発と、何より欠かせないグローバルレベルの品質管理と食の安全は得意分野です。これらを一気通貫させ、企業様の規模に合わせたバリューチェーンのデザインと創出、そしてチェーンのグローバル化やフランチャイズ化の手法など多岐にわたり、お役立ちの引き出しを多く備えております。これらの分野はどちらかというと企業様の成長過程においてなかなか手の届かない、後回しになりやすい領域です。どのように企業運営に組み込んで行くのかについても企業様の状態に応じてアドバイスができます。少し固いお話になりましたが、次の経歴をご覧いただくと、王先生がおっしゃるところの「面白い」を感じていただけるかと思います。
【経歴】
「世界中の美味しいものを食べ歩きたい!」
幼い頃から、よく言えば食への探求心が強く、本当のところただの喰意地のはった究極の食いしん坊で、さまざまな専門料理を「食べる、作る」経験を積んでまいりました。10歳の頃には近所のお母さんたちに公民館で料理を教えるほどの特異な子供でした。そしてそんな喰意地の夢を叶えるために最初に選んだ職業はなんと航空会社の客室乗務員、CA。JALに入社し、目的の食はもちろん、最高峰のホスピタリティとチームワーク、徹底したマニュアルオペレーションと教育システム、ブランドエンゲージメントを習得することができました。国内および国際線パーサーまでを経験できたのはありがたいことです。
思いのほか真面目にフライトする一方で、ついたあだ名は「空飛ぶ胃袋」。お給料のほとんどとフライト以外の余暇はすべて食べることに費やしていました。当時はバブルのさ中でしたので、高価な食事をご馳走になる機会もありましたが、とにかく自腹でピンからキリまで胃袋と時間の許すかぎり食べ歩きました。国内のみならず、CAの特権を活かし、「飛んで行ける全ての地」においてさまざまなジャンル、規模のレストラン、ストリートフード、市場や小売店などを訪れることに多くの時間を費やし、食体験を深めていきました。帰国するスーツケースの中はいつもスーパーで買った食材でいっぱい、検疫で時間がかかるので先輩たちにはとても気を遣いました。同期が蝶よ花よと扱われ、いわゆる玉の輿に乗っていく中、「エンゲル係子」のあだ名もつき、とても対照的な20代を過ごしました。
その後、当時経験する機会の少なかったインド料理と文化をどうしても学びたいと、一念発起、なんとインドの財閥系商社に転職し、2年間を30年前のニューデリーで過ごしました。30年前のインドは想像を絶する世界、生活の近代化のレベルで言えば、若い女性が住むにはかなり厳しい環境でした。そのような中、インドだけでなく、周辺国チベットなどまで足を運び、食を経験しました。追ってこのお話もお伝えしたいと思います。
帰国後、創業者との縁あって日本発祥、海外にもモスバーガーを展開するモスフードサービスに入社しました。「世の中にないものを作る」をモットーに、当時圧倒的なプロダクトアウト力を備えると有名でしたこの会社の商品開発部門の黄金期に加わることができたのです。世界中での食体験を発揮するに最高の環境をいただきました。また、多様な新規事業のメニュー開発、商品企画、海外事業など幅広い経験を積むことができました。このお話も興味深いかと思います。
一方でプロダクトアウトとは真逆の世界、ブランディングとマーケティング戦略を軸に経営戦略を策定、実践を学ぶ環境に身を置き、スキルを身に着けました。その結果、一度は自身のブランドを立ち上げ、経営を行うことが必要と考えて独立。オーナーシェフとして東京都中央区に、無名のところから飲食店を開業しました。2年近くほとんど休みも取らず毎日オープンキッチンに立ち、生のお客様と対峙することで多くの事を学びました。努力が実り、短期間で複数店に展開しました。何より嬉しかったのが、後輩シェフ達を育てることができたことです。同時に専門誌への執筆や企業様へのブランド立ち上げ、業態、メニュー開発などコンサルタントとしての事業も開始いたしました。
このコンサルティング事業をきっかけに、米国大手ハンバーガーチェーンのWendy‘s、世界最大店舗数のサンドイッチチェーンSubwayの国内展開のみならず、アジア地域においてのR&Dイノベーション、調達物流サプライチェーン、品質管理と食の安全を統括する機会をいただきました。世界に展開する米国2大チェーンの本社と働くことで世界の最先端を知ることができました。また、食材だけでなく、包装資材や衣類、消耗備品などのべ2000以上の工場を視察、監査した実績がありますので世界中のあらゆる工場や生産現場、圃場を熟知しています。
さらに、Subwayにおいては店舗、現場を主役とするための営業、オペレーションの統括も任され、約10年にわたる負のスパイラルからの脱出、V字回復を2年間で成し遂げました。グローバルレベルのチェーンビジネス、FCビジネス、その手法とさまざまなパターンを横断的に熟知するに至りました。
現在は飯田真弓事務所を開設し、バリューチェーンの専門家として、サプライチェーンの上位概念であるバリューチェーンおよび各機能の評価、課題解決、戦略策定や実行など、外食のみならず、さまざまな企業様の成長を目指して寄り添い、お役立ちをさせていただいております。
趣味は筋トレとゴルフ。どちらも変態レベルでストイックに攻め、体脂肪率10%未満を常にキープ。ゴルフは2年で90切り。「健やかにしなやかに歳を重ねるコツ」や、「食べても太らない身体作りのヒント」もお伝えできると思います。どうぞよろしくお願いいたします。
飯田真弓
飯田真弓事務所 代表/ フードサイエンティスト/バリューチェーン構築プロフェッショナル
(一般社団法人)全日本食学会会員
(公益社団法人)日本ヘルスケア協会会員
ライザップBODY MAKEアンバサダー
【特記】
・品質管理、食の安全分野における専門性/GFSIの主要認証、BRCG(旧BRC)ASIAアドバイザリーボード(HACCP,ISOなど食の安全、管理領域含む)
・フードサイエンスおよび官能評価技術/英国グローバルリソースであるLEATHERHEAD FRにて取得
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● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー
読者の皆様のご意見・要望・質問・情報・欄を作成しました。皆様のご意見・要望をぜひお送りください。匿名で掲載させていただきますので忌憚のないご意見をお聞かせください。また皆様が見聞き体験した外食・食材情報もお知らせください。
このFOOD104を支えてくださっている組織にFSPROと言う食の世界の専門家の方が500名ほどいらっしゃいます。皆様のご質問・疑問に答えられるようになっておりますので、ご遠慮なくご質問などをお寄せください。ちょっと時間はかかりますが回答させていただきます。
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● 食ビジネスニュースリリース ————————————■□
8月8日-8月21日
■すかいらーく/7月既存店売上高4.5%増
流通ニュース
■ハングリィジョーズ/米国発チキンバーガーの日本1号店、秋葉原に8/8オープン
流通ニュース
■ゼンショーHD 決算/4-6月増収増益、すき家・はま寿司が好調
流通ニュース
■日本マクドナルド 決算/1-6月増収増益、マーケティング活動など投資強化
流通ニュース
■松屋フーズHD 決算/4-6月売上高21.9%増、新規17店舗オープン
流通ニュース
■モスフードサービス 決算/4-6月増収増益、店舗数の増加が貢献
流通ニュース
■ワタミ 決算/4-6月営業利益2.6%増、飲食需要が回復
流通ニュース
■米スタバCEO更迭 後任は外食大手の敏腕、株価2割急騰
日本経済新聞
■すかいらーく 決算/1-6月売上収益12.7%増、新規出店・業態転換を推進
流通ニュース
■トリドールHD 決算/4-6月営業利益10.2%減、海外事業の減損損失など計上
流通ニュース
■日本KFC 決算/4-6月売上高2.3%減、物価上昇で消費者の節約志向続く
流通ニュース
■大分県由布市の旅館で食中毒、458人が下痢や嘔吐などの症状…ノロウイルス検出
讀賣新聞オンライン
■大手飲食チェーン店で、廃食油を回収し、SAFの原料とする取り組みが広まっています。
それぞれの大手チェーン店から、株式会社吉川油脂などの企業が廃食油を回収し、2026年を目標にENEOSが事業化を進める、SAFの製造プラント(和歌山製造所)で原料として使用する予定です。ENEOSは和歌山製造所でのSAF製造において技術を駆使し効率的な精製を行う計画で、これにより廃食油から高品質な航空燃料を安定的に供給することが可能となります。
現在、事業系廃食油の一部は飼料用途等にリサイクルされている一方で、活用されず輸出・廃棄されているものもあります。その廃食油をSAFの原料とすることで有効利用が可能となり、CO2排出削減にも寄与するそうで、これを各企業、自社の環境への取り組みの一環として行う予定です。
[ENEOSと提携して取り組みを行う企業]
・一風堂などを手掛ける「力の源ホールディングス」
・焼肉きんぐ、丸源ラーメンなどを手掛ける「物語コーポレーション」
・すき家、はま寿司などを手掛ける「ゼンショーホールディングス」
・がってん寿司、函太郎などを手掛ける「アールディーシー」
[SAFについて]
「Sustainable Aviation Fuel(持続可能な航空燃料)」の略称で、循環型の原料で製造された航空燃料を指します。現在一般的に使用される航空燃料は、地下に埋蔵されている原油を精製して作られており、その使用に伴いCO2が排出されるため、地球温暖化や資源枯渇の観点で環境問題の要因となっています。これに対し、SAFは植物などバイオマス由来の原料や、飲食店などから排出される廃食油などに含まれる炭素から製造されます。原料となる植物は光合成を行うことでCO2を吸収する性質を持つことからカーボンニュートラルという点で、SAFを用いることで、大気中のCO2を実質的に増やすことなく、航空機を利用することが可能になります。
その他にも、丸亀製麺などを手掛ける「トリドールホールディングス」でもSAF製造を行う企業と提携し、廃食油の有効利用を行う予定だそうです。世界でもこのような動きが広まりつつあり、国内では2030年時点で国内航空産業による燃料使用量の10%をSAFに置き換えるという導入目標が掲げられています。これを受け、紹介した企業等をはじめとして、今後さらに廃食油を有効利用するための取り組みが進んでいくのだろうと思います。【A】
持続可能な航空燃料「SAF」って何? 使用済みの食用油やゴミから燃料ができるってホント!?
JOGMEC NEWS PLUS
[参考]
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● 日本外食ニュースと米国外食ニュース
<日本外食ニュース>
柏原光太郎(カッシー)さん発行の飲食業界ニュースまとめのリンクです。
柏原さんは、文芸春秋の編集者として活躍され、2023年3月末で定年退職。1967年から続くグルメガイド『東京いい店うまい店』(私が愛用していた信頼のおけるグルメ本です)の編集長を務め、自身もグルメとして知られる有名な方です。
2018年1月に「日本ガストロノミー協会」を設立し会長に就任しています。
食べログフォロワー数5万人。
飲食業界ニュースまとめ #1603 2024/8/15
飲食業界ニュースまとめ #1604 2024/8/16
飲食業界ニュースまとめ #1605 2024/8/17
飲食業界ニュースまとめ #1606 2024/8/18
飲食業界ニュースまとめ #1607 2024/8/19
飲食業界ニュースまとめ #1608 2024/8/20
飲食業界ニュースまとめ #1609 2024/8/21
みんなの経済新聞
日本食糧新聞社
プロの視点(日本食糧新聞社)
東洋経済オンライン 外食
http://toyokeizai.net/category/restaurant
フードスタジアム
フードリンク
http://www.foodrink.co.jp/news/
フーズチャンネル
日本経済新聞
流通ニュース
M&A NEWS 食品・外食
日本能率協会展示会(FOODEX、HCJ他)
リテールテック
<米国外食ニュース>
QSR マガジン
NRN紙
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Food104マガジンスタッフ
発行人:有限会社清晃 代表取締役 王利彰
編集:石川史子、金子佐和美
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このマガジンを発行する王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社有限会社清晃(せいこう)は、海外から日本に進出する外食企業、日本から海外に進出する外食企業のサポート、及び、チェーンレストラン、フランチャイズチェーン展開をする企業へのサポートを行っています。
日本の外食企業では、大手ファスト・フードの殆ど、大手居酒屋、大手ファミリーレストラン、大手ホテル旅館、大手食品メーカー、大手食品卸売業、サービス業等へのコンサルティングを行っています。
有限会社清晃(せいこう)業務内容
王利彰 経歴
ご質問、ご相談はeditor@food104.comにお寄せ下さい。
実務的な仕事だけでなく、外食産業を基礎から学びたい、家業の飲食業を企業にしたい、家業の飲食業を継承したい、外食産業に将来就職したい、
将来独立して飲食業を経営したい、将来外食企業の経営者になりたい、
と思っている方にお勧めするのは、
関西国際大学人間科学部経営学科
http://www.kuins.ac.jp/old_faculty/management.html
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科
立教大学ホスピタリティ・マネジメント講座(毎年9月~12月、30回、受講料5万円)
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/kanken/
大学で外食を含む観光分野をきちんと学びたいという方は
立教大学観光学部
杏林大学外国語学部観光交流文化学科
等で学ぶことをお勧めします。
http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/faculty/foreign/
王利彰の長年蓄積した調理機器開発のノウハウは最適厨房研究会
http://saitekiken.jp/saitekichubo/
————————————————– 週刊Food104 —–