weekly Food104 Magazine 2024年8月7日号

メルマガバックナンバー

このマガジンは王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社

有限会社清晃(せいこう)が提供しています。

https://www.food104.com/発行人の王利彰は、

その他に2011年4月より2015年3月まで関西国際大学教授に就任し、

新しく発足した人間科学部経営学科のフードビジネスを担当していました。

2004年4月から2009年まで立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の教授を務め、

F&Bマーケティング、サービス・マーケティングなどを教えていました。

立教大学観光学部、杏林大学外国語学部応用コミュニケーション学科観光文化コース、

韓国のSejong大学大学院フランチャイズ学科、女子栄養大学・短期大学、会津大学・短期大学等でも非常勤講師の経験があります。

2012年9月に脳梗塞で倒れ、重い嚥下障害を患っており、その顛末と嚥下対策は「月刊厨房」で1年間記事を連載しました。

フードコンサルタント王利彰は長年「メーリングリストfspro」で業界関係者と双方向のコミュニケーションをしてきました。現在は、Facebookのオンラインサロンへ移行。

FSPROメーリングリスト(外食産業情報“無料”オンラインサロン)

(https://www.facebook.com/groups/280530300281763)

外食産業でご活躍の皆さまはもちろん、卒業された方々の経験や知識も共有していただける場になるよう、皆様からの投稿をお待ちしています。

● 休刊のお知らせ

● 世界・日本各地の食情報

● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー

● 食ビジネスニュースリリース

● 日本外食ニュースと米国外食ニュース

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● 休刊のお知らせ

8月14日はメールマガジン休刊日とさせていただきます。

次回は、8月21日に配信予定です。

● 世界・日本各地の食情報

1)食の宝庫九州から上田さんです

【航空機内での黄色ブドウ球菌食中毒 昔話】

今週も黄色ブドウ球菌の食中毒の話です。

HACCPが食品衛生管理の手段として、アポロ計画から始まったことは良く知られています。

究極の限定空間である宇宙船の中で病気やケガがあれば命に関わります。安全を担保するためのプロセス毎の衛生管理を高めることが求められています。

宇宙船と同様に安全が求められるのが大陸間を行き来する航空機で提供される機内食です。200人、300人と乗った機内にトイレの数は限られています、複数の感染者が出たときの機内の混乱は想像を超えたものだと思います。

1975年2月3日、羽田をフランス、シャルル・ド・ゴール空港に向けて出発したコカ・コーラ社の社員を乗せたチャーター機ボーイング747型機は、アンカレッジを経由して、明け方2か所目の経由地コペンハーゲンに到着直前に搭乗者の半数以上が嘔吐、下痢などの食中毒症状を訴える事件が発生しました。原因は朝食に提供されたハムの入ったオムレツでした。食中毒を原因菌は黄色ブドウ球菌。機内のギャレーで調理したコックの指のケガから検出されました。344人中197人が吐き気・嘔吐・下痢などの症状を訴え、144人が重症、うち30人が重篤な症状でした。

アメリカ公衆衛生局の役員である、アラスカ州保健局のミッキー・S・アイゼンバーグを中心に調査がすすめられました。

チャーター便は帰りの便も同じ席に着いていたので、発症者の座席位置と喫食した食事の調査を行い、原因食であるオムレツの特定と、作業員の指のケガ、絆創膏の使用を突きとめました。喫食した時間から発症するまでの時間、食事の内容で、黄色ブドウ球菌による食中毒と断定されました。

食中毒の被害者は、数日の入院で退院しています。この事件で唯一の死者は機内食責任者でアンカレッジ支社長だけ原因は責任を感じての拳銃自殺でした。

ニューヨークタイムスの記事。

現在の機内食は、専用の工場で衛生的に作られ、冷蔵状態で飛行機に積み込まれ、喫食直前に再加熱されます。ほぼ人の手に触れないように設計されています。機内食で食中毒というニュースは聞きませんね。

ビジネスクラスやファーストクラスですと、凝った器に乗せられて提供されていますが、盛り付け前にスチームコンベクションオーブンでの再加熱はありますが、ギャレー内で調理されることはありません。

『うちの台所とどう違うの? 空飛ぶキッチン、ギャレーのお話』

航空機のギャレーなどの製造を行うジャムコ社のホームページ

https://www.jamco.co.jp/ja/technology/air/jamco_article01.html

機内食製造を行う、ジャルロイヤルケータリングのホームページ

http://www.jalroyal.co.jp/process/

【プロフィール】

上田和久

kazz@studiowork.jp

スタジオワーク合同会社 代表

1959年熊本県生まれ、京都、福岡で暮らし、都城の単身生活を終え福岡に戻っています。

国際HACCP同盟認定リードインストラクター、JHTC認定リードインストラクター

上田和久 facebookは

https://www.facebook.com/kazz.ueda

経歴と仕事分野     

 厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年コンサルタントとして独立。

 主に、HACCPの認証取得が目的ではない、あるいは安全安心な食品を提供することを目的にした企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。

 具体的には、食品工場に対し、これまでの計画施工から現場運営まで経験を生かした新築・増改築についての助言を行う他、製造現場に対して、クレーム対応、異物混入の原因の究明と対策、再発防止の仕組み作りの提案を行っている。

 食品工場の抱える問題やこれからますます厳しくなる要求への対応、それらを一緒に解決していくことを使命とし、精力的に活動している。

2)南イタリアプーリア便り イトリアの谷の食卓から 第383回

今年のトマトソース作りが完了しました。270Kgのトマトで約4軒が1年間使う分量です。

果肉部分が厚くトマトソース作りに適したダッテリーニという細長い品種とプーリア中部我が家に違いアドリア海沿いが特産のフィスキエットという先端の部分が笛のように細くなっている品種、両方ともミディアムサイズのトマトを使います。

手順としては、まずボトルを煮沸消毒します。トマトはヘタを取り何度も水洗いし傷んだものは取り除き、バジリコを入れた大きな鍋で軽く茹でます。水分をきって電動濾し器にかけ、種と皮を取り除きます。出てきたトマトソースに少量の塩を入れボトリング、その後ボトルを煮沸して真空状態にして出来上がりです。ここまで朝早くから1日仕事です。南イタリアの食に対する思いとこだわりも一緒に詰まった一年に一度の大事なイベントです。一昔前まではどこの家でもやっていたことですが、最近はする家がめっきり少なくなってしまいました。

スーパーに並ぶトマトソースは味も値段もピンキリです。安いものは720ml1ユーロ程度で買えます。高価なものでは無農薬や無添加を謳った7-8ユーロのものもあります。

ホームメイドのものには、保存料などはもちろん入っていませんし、材料費、燃料費、人件費といった原価以外に、家族や繋がりのある人たちとの絆やアイデンティティーを再評価する機会という意味の価値があると考えます。食べるものに対しての安全と美味しさ以外の意味合いがあるのです。子供の頃は祖父母が中心になって行っていた作業の主導権が親の世代に移り、そして自分の親が祖父母になって、今度は自分たちが子供に受け継いでいく伝統です。

今年我が家の分は720mlと500mlの瓶を合わせて104本です。従姉妹の家の分はイタリア北部で大学に通う息子に送る1食分用の小瓶と家族5名分用の大瓶の両方を詰めます。実は、我が家でも娘が秋から大学生になる予定なので、その娘用に小瓶も必要だったかと、後になって気づきました。イタリアの大学生は、共同キッチンのある寮のような施設や2、3人でのルームシェアをするのが一般的です。まだ娘がどういう環境で生活するようになるのかわからず、自炊用の食品の仕送りにまで頭が回っていませんでした。イタリアのマンマとしては失格です。

これから多分孤食の侘しさや親の手作りの料理の有り難味を感じながら、大人になっていく娘が将来親になる時が来るとしたら、私はトマトソースを手作りするお祖母さんになっているかなと想像してみるのもちょっとした楽しいです。

大橋美奈子 Facebook

https://www.facebook.com/minako.ohashi

メール・アドレス

minako@da-puglia.com

大橋美奈子さん経歴

 演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人のジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストランのビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業したビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。

 そのジョバンニ・パンフィーノと、日本で知り合い結婚し長女を授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したのです。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報発信をし、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っております。

 また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報をお届けします。

 ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺りがプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダプーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人のヴァカンス先として大変注目を浴びています。

https://www.facebook.com/1438029856464276/photos/a.1438031556464106.1073741828.1438029856464276/1523683344565593/?type=1&theater

 プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウをはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。

 また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山あります。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係にあります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、飲み物たちをご紹介させていただきます。

 我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好きなアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。

有限会社ダプーリア

http://www.da-puglia.com/

大橋美奈子プロフィール

http://www.da-puglia.com/archives/000047.html

プーリア州の説明

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E

ダプーリア

大橋美奈子

3)FBプロデューサー日記 323回目

近江米「きらみずき」有機JAS

滋賀県農業技術振興センターが何年も努力を重ねて開発に成功した近江米「きらみずき」。夏季の高温等の気候変動による収量や品質の低下等を防ぐことができ、味や品質も高い有機JAS米を作ることができる品種です。さらに滋賀県は「きらみずき」の栽培方法を、栽培期間中に化学肥料(窒素成分)と殺虫・殺菌剤を使用しない“特別栽培”、または“有機JAS”に限定して、2024年秋から新発売します。

今回、五つ星お米マイスターの秋沢毬衣さん(株式会社山田屋本店)と一緒に、滋賀県「きらみずき」首都圏ブランディングプロデューサーとして、「きらみずき」の有機JAS米を生産している中道農園株式会社 中道唯幸さんの圃場見学とお話を伺ってきました。

中道農園(滋賀県野州市)は、お米づくり一筋200年。持続可能な農業で自然との共存すること。そして、未来の子ども達に豊かな自然と食の安全を継承することを目指し、琵琶湖のほとりの自然豊かな大地で、有機JAS米を栽培しています。

中道さんは、有機栽培のメリットや苦労、そして「きらみずき」の魅力についてお話を聞かせてくださいました。

中道:「おいしいお米コンテストでは滋賀県の品種“ゆめごこち”で優勝したのですが、去年試験栽培の“きらみずき”を試食してみて、“きらみずき”の方が美味しかったのです。味はひとくち目からインパクトのある味わいで、大粒でしっかりとした食感。すっきりとした甘さが特徴で、噛むほどに甘さが広がります。さらに、県外の方を含むオーガニック仲間との勉強会で、ブラインド試食会を実施した結果も“きらみずき”がダントツの1位でした。

そんな生産者中道さんイチオシの品種「きらみずき」がいよいよ今年の秋デビューします。

中道:「“きらみずき”は、有機栽培に最適な品種です。私たちは、このお米を通して、滋賀県の自然や文化を皆さんにお届けしたいと思っています。是非、一度ご賞味ください。きっと、お米の新しい魅力に出会えるはずです」

中道農園の「きらみずき」は、ホームページからもご購入いただけます。詳しくは下記URLをご覧ください。

中道農園 有機JAS認証のお米(白米・玄米・発芽玄米)

【プロフィール】

石川史子 Ishikawa Fumiko (旧姓 戸田)

株式会社FOOD FIELD CREATIVE

facebook  https://www.facebook.com/ffcnippon/

HPとblog  http://ffcnippon.com/

 東京都生まれ。立教女学院中学・高校を経て立教大学理学部化学科を卒業後、東京ガスに入社。2010年、業務用厨房ショールーム「厨BO!SHIODOME」開業を担当、王先生と最適厨房研究会などでご一緒させていただきました。

お客様へのプレゼンや、HCJなどの展示会では、有名なシェフの方にご出演いただき、厨房設計を支援できる私はフランス料理界のシェフにかわいがられるようになりました。

 フードビジネスプロデューサーとして独立して8年、おかげさまで活動の幅を広げています。リケジョとしての能力を活かし、厨房機器メーカー、フランス料理界、東京都や北海道、福島県などの生産者支援や、オーガニック農業の推進、観光、料理、厨房業界のPRに幅広く取り組んでいます。

さらに、農林水産省 令和5年度農山漁村振興交付金(農山漁村発イ令和ノベーション対策)受託事業、北海道びえい農泊 DX推進協議会の事務局長になりました。丘のまちびえいから、美味しいものの情報をお届けします。

王先生のFSPROでニュースクリップを担当するインターン生、募集中です!

びえい農泊 DX推進協議会 事務局長

東京都農林水産振興財団 チャレンジ農業支援センター販路開拓ナビゲータ

福島県楢葉町6次産業化アドバイザー

MLA豪州食肉家畜生産者事業団 ラム肉PR大使「ラムバサダー」

全日本司厨士協会 埼玉県本部 広報企画部長

全日本司厨士協会 東京地方本部 協賛会員

フランス料理文化センター アミティエグルマンド 会員

ホテル&ホスピタリテイビジネス衛生管理実践研究会 監事

立教学院諸生徒礼拝堂ハンドベルクワイア OBOG会会長

立教大学観光クラブ理事、校友会企画委員

調理技術教育学会 会員

一般社団法人 日本商環境デザイン協会 正会員

深沢アート研究所 マネージャー

東京お米サロン

4)飯田真弓さんより44回目の記事です

【台湾のグルメ体験2】

小籠包の一択 「鼎泰豐(ディンタイフォン)」

鼎泰豐(ディンタイフォン)はご存知の通り、台湾の老舗レストランのひとつで、小籠包の美味しさを世界に広めた存在と言っても過言ではないでしょう。現在は環太平洋地域を中心に10か国に進出しています。日本にもずいぶん前に高島屋の子会社がライセンスを取得して出店し、人気店として一世を風靡しました。なお、このRTコーポレーションは、マンゴープリンで有名な糖朝も展開している企業です。

本家の台湾の鼎泰豐ですが、半世紀以上の歴史を持ちます。MRT東門駅から歩いて1分のところに、信義店がありますが、こちらが1号店です。長い間ずっと人気店であり、行列が絶えません。現在は台北市を中心に台中、高雄まで12店舗を展開しています。

鼎泰豊を初めて訪れたのは30年以上前、台北ステイがアサインされた時です。当時は松山空港しか無く、初めて降り立った時には、コンパクトでまるで日本の地方空港のようだなと思ったのを良く覚えています。

台北に着いたその日、すでに鼎泰豊は、毎日長い行列ができるほど有名店でしたので、席を確保する為にホテルに荷物を置いたら真っ先にお店に向かいました。先輩達を待たせぬよう、席取りをするためです。30分ほどで席に案内され、8人ほどで大きな円卓を囲みました。いくつもの蒸篭を積み上げて蒸したての小籠包を台湾ビールで流し込み、パーコー麺と海鮮チャーハンで仕上げるのですが、その皿数の多さに周囲の注目が集まります。体力勝負のCAは大喰いですので、いつもの事で、気にも留めず、豪快な宴会が続きました。

この鼎泰豊は今でも台湾に行った際には必ず訪れます。小籠包が名物のレストランは他にも多くできました。しかし、長い間、私は一択で鼎泰豊です。理由は、変わらず安定した良い品質の商品とサービスをいつも提供してくれるからです。あのデリケートな小籠包のように、お客様や食材を丁寧に扱い、繊細で、細かな気配りを徹底しているのです。鼎泰豊を訪れると、胃袋だけでなく、気持ちも満たされるのです。

料理で云うと、18のひだを持つ伝統の小籠包だけでなく、小菜という前菜から、ちょっとした青菜の炒め物、酸辣スープ、麺類やご飯類、デザートまで、どれも良い食材を使い、素晴らしい仕事をしています。高級食材を使うではなく、日常食を愉しむコンセプトですが、同じメニューでも家庭では再現できないプロの仕事だなぁと誰もが感じます。

特に秀逸なのが小菜です。小籠包を待つまでの間に小皿に盛られたおかずを頼むのですが、この小菜のクオリティが非常に高く、そしてお値段控え目で、「お値段以上」の代表なのです。

きゅうりのピリ辛漬け(辣味黄瓜)は皮に隠し包丁を細かく入れたきゅうりを輪切りにし、ピリ辛のタレが絡んだ浅漬けですが、塔のように積まれた盛り付けは美しく、食べるのがもったいないほどです。

干し豆腐の和え物も、もやし、春雨、昆布と豆干(豆腐を干したもの)を細切りにし、まろやかな酸味で仕上げた一品で、さまざまな食感が楽しめます。

この他にも茄子やさっとゆでた青菜など、どれを頼んでもはずれはありません。

グルメのお話のコラムですが、鼎泰豊の真の強さと価値は、「ヒト作り」であること、彼らが「提供する調理、サービス、店舗運営であること」をお伝えしたいと思います。要は従業員がブランドに誇りを持つブランド経営と、実際にその志を従業員と店舗のすみずみにまで行きわたらせるSOPが確立しているということです。JALやディズニー、または、ほしのや以上の存在だということです。実際に鼎泰豊では、SOPからSQP(Q=Quality)、そして独自のDPS(DinTaiFung Prefession System)思考法を確立しており、例えば、店内外の窓ガラスの拭き方まで細かくSOP化し、動画で社内プラットフォームにアップしています。日本同様、人材難の台湾ですが、サービス業での人材獲得が最も困難だとされていています。ですからサービス業のレベルは??という感じなのですが、鼎泰豐に行って不快な思いをしたことは一度もありません。これがどれだけすごいことなのか、在台経験のある方ならきっとお分かりいただけることと思います。だから、大切なお客様をお連れするのに本当に間違いのないお店、台湾に行ったら必ず訪れたいお店となっているわけです。

興味がありましたら、ぜひ鼎泰豊についてかかれた著書をご覧ください。2014年に初刊の本ですが、林靜宜氏が500日もの取材を経て、鼎泰豊の経営とブランドの源泉について詳しく書いています。

「一人ひとりが演出の一部であり、どんな仕事を担当していても、サービスの現場が最後の頼みの綱なのだ」という一文が鼎泰豊の志を表しているようです。

参考:『鼎泰豐,有温度的完美』

http://www.bookzone.com.tw/event/bcb529/index.asp

【飯田真弓プロフィール】

東京で生まれ、10歳より千葉で育ちました。

35年にわたり、国内外の大手外食チェーンをはじめとするグローバルな食産業と、ホスピタリティサービスの代名詞である航空会社に勤務してまいりました。この経験を活かし、現在、成長を目指す企業様にさまざまなアドバイスをさせていただいております。専門分野は、お客様および従業員様を主役にしたブランディングを起点とする企業戦略の策定と結果につなげる実践です。さらに、マーケティングとイノベーションを掛け合わせた商品開発と、何より欠かせないグローバルレベルの品質管理と食の安全は得意分野です。これらを一気通貫させ、企業様の規模に合わせたバリューチェーンのデザインと創出、そしてチェーンのグローバル化やフランチャイズ化の手法など多岐にわたり、お役立ちの引き出しを多く備えております。これらの分野はどちらかというと企業様の成長過程においてなかなか手の届かない、後回しになりやすい領域です。どのように企業運営に組み込んで行くのかについても企業様の状態に応じてアドバイスができます。少し固いお話になりましたが、次の経歴をご覧いただくと、王先生がおっしゃるところの「面白い」を感じていただけるかと思います。

【経歴】

「世界中の美味しいものを食べ歩きたい!」

幼い頃から、よく言えば食への探求心が強く、本当のところただの喰意地のはった究極の食いしん坊で、さまざまな専門料理を「食べる、作る」経験を積んでまいりました。10歳の頃には近所のお母さんたちに公民館で料理を教えるほどの特異な子供でした。そしてそんな喰意地の夢を叶えるために最初に選んだ職業はなんと航空会社の客室乗務員、CA。JALに入社し、目的の食はもちろん、最高峰のホスピタリティとチームワーク、徹底したマニュアルオペレーションと教育システム、ブランドエンゲージメントを習得することができました。国内および国際線パーサーまでを経験できたのはありがたいことです。

思いのほか真面目にフライトする一方で、ついたあだ名は「空飛ぶ胃袋」。お給料のほとんどとフライト以外の余暇はすべて食べることに費やしていました。当時はバブルのさ中でしたので、高価な食事をご馳走になる機会もありましたが、とにかく自腹でピンからキリまで胃袋と時間の許すかぎり食べ歩きました。国内のみならず、CAの特権を活かし、「飛んで行ける全ての地」においてさまざまなジャンル、規模のレストラン、ストリートフード、市場や小売店などを訪れることに多くの時間を費やし、食体験を深めていきました。帰国するスーツケースの中はいつもスーパーで買った食材でいっぱい、検疫で時間がかかるので先輩たちにはとても気を遣いました。同期が蝶よ花よと扱われ、いわゆる玉の輿に乗っていく中、「エンゲル係子」のあだ名もつき、とても対照的な20代を過ごしました。

その後、当時経験する機会の少なかったインド料理と文化をどうしても学びたいと、一念発起、なんとインドの財閥系商社に転職し、2年間を30年前のニューデリーで過ごしました。30年前のインドは想像を絶する世界、生活の近代化のレベルで言えば、若い女性が住むにはかなり厳しい環境でした。そのような中、インドだけでなく、周辺国チベットなどまで足を運び、食を経験しました。追ってこのお話もお伝えしたいと思います。

帰国後、創業者との縁あって日本発祥、海外にもモスバーガーを展開するモスフードサービスに入社しました。「世の中にないものを作る」をモットーに、当時圧倒的なプロダクトアウト力を備えると有名でしたこの会社の商品開発部門の黄金期に加わることができたのです。世界中での食体験を発揮するに最高の環境をいただきました。また、多様な新規事業のメニュー開発、商品企画、海外事業など幅広い経験を積むことができました。このお話も興味深いかと思います。

一方でプロダクトアウトとは真逆の世界、ブランディングとマーケティング戦略を軸に経営戦略を策定、実践を学ぶ環境に身を置き、スキルを身に着けました。その結果、一度は自身のブランドを立ち上げ、経営を行うことが必要と考えて独立。オーナーシェフとして東京都中央区に、無名のところから飲食店を開業しました。2年近くほとんど休みも取らず毎日オープンキッチンに立ち、生のお客様と対峙することで多くの事を学びました。努力が実り、短期間で複数店に展開しました。何より嬉しかったのが、後輩シェフ達を育てることができたことです。同時に専門誌への執筆や企業様へのブランド立ち上げ、業態、メニュー開発などコンサルタントとしての事業も開始いたしました。

このコンサルティング事業をきっかけに、米国大手ハンバーガーチェーンのWendy‘s、世界最大店舗数のサンドイッチチェーンSubwayの国内展開のみならず、アジア地域においてのR&Dイノベーション、調達物流サプライチェーン、品質管理と食の安全を統括する機会をいただきました。世界に展開する米国2大チェーンの本社と働くことで世界の最先端を知ることができました。また、食材だけでなく、包装資材や衣類、消耗備品などのべ2000以上の工場を視察、監査した実績がありますので世界中のあらゆる工場や生産現場、圃場を熟知しています。

さらに、Subwayにおいては店舗、現場を主役とするための営業、オペレーションの統括も任され、約10年にわたる負のスパイラルからの脱出、V字回復を2年間で成し遂げました。グローバルレベルのチェーンビジネス、FCビジネス、その手法とさまざまなパターンを横断的に熟知するに至りました。

現在は飯田真弓事務所を開設し、バリューチェーンの専門家として、サプライチェーンの上位概念であるバリューチェーンおよび各機能の評価、課題解決、戦略策定や実行など、外食のみならず、さまざまな企業様の成長を目指して寄り添い、お役立ちをさせていただいております。

趣味は筋トレとゴルフ。どちらも変態レベルでストイックに攻め、体脂肪率10%未満を常にキープ。ゴルフは2年で90切り。「健やかにしなやかに歳を重ねるコツ」や、「食べても太らない身体作りのヒント」もお伝えできると思います。どうぞよろしくお願いいたします。

飯田真弓

飯田真弓事務所 代表/ フードサイエンティスト/バリューチェーン構築プロフェッショナル

miida@craft-wine.com

https://www.facebook.com/iida.mayumi

(一般社団法人)全日本食学会会員

http://aj-fa.com/

(公益社団法人)日本ヘルスケア協会会員

https://jahi.jp

ライザップBODY MAKEアンバサダー

【特記】

・品質管理、食の安全分野における専門性/GFSIの主要認証、BRCG(旧BRC)ASIAアドバイザリーボード(HACCP,ISOなど食の安全、管理領域含む)

https://www.brcgs.com

・フードサイエンスおよび官能評価技術/英国グローバルリソースであるLEATHERHEAD FRにて取得

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● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー

 読者の皆様のご意見・要望・質問・情報・欄を作成しました。皆様のご意見・要望をぜひお送りください。匿名で掲載させていただきますので忌憚のないご意見をお聞かせください。また皆様が見聞き体験した外食・食材情報もお知らせください。

 このFOOD104を支えてくださっている組織にFSPROと言う食の世界の専門家の方が500名ほどいらっしゃいます。皆様のご質問・疑問に答えられるようになっておりますので、ご遠慮なくご質問などをお寄せください。ちょっと時間はかかりますが回答させていただきます。

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● 食ビジネスニュースリリース ————————————■□

8月1日-8月7日

■やよい軒/新ブランドイメージ鹿児島県1号店「大竹店」8/1オープン

流通ニュース

■王将フード 決算/4-6月売上高7.3%増、価格改定後も客単価・客数好調

流通ニュース

■最近あまり話題にならない「すかいらーくグループ」の強さをあらためて考える

FOODRINK NEWS

https://www.foodrink.co.jp/foodrinkreport/2024/08/0153018.html

■渋谷マクドナルド跡地、韓国チキンバーガーチェーン「マムズタッチ」社長に聞く、とっておきの“戦略”

東洋経済ONLINE

https://news.yahoo.co.jp/articles/fbb26ee27b2c43db3bd16977ef3a7df3bb8f56ce

■F&LC/山本副社長が社長に昇格

流通ニュース

■ラーメン店の倒産/前年から倍増の可能性も、コスト増が直撃

流通ニュース

■F&LC 決算/10-6月増収増益、新規向けコラボや「デジロー」推進

流通ニュース

■京急百貨店「伊勢定」うなぎ食べて集団食中毒 従業員調理前に手洗いせず 横浜市が発表

日テレNEWS NNN

https://news.ntv.co.jp/category/society/c9c09fb8dabb44418affacf14926c1a0

■弁当・集団食中毒で死亡 「一度だけ電話で謝罪されたけどその後、音沙汰なし」「弁当が乱雑に積み上げられていた」被害者が語る“恐怖の土用の丑の日” 当日は責任者もいない杜撰な現場

集英社オンライン

https://shueisha.online/articles/-/251252

■8月6日発売「デリーのすべて」

「デリーのすべて」、8月6日発売 柴田書店より

DELHI 社長ブログ

https://www.delhi.co.jp/bossblog/26820

■株式会社JICUが食の担い手が抱える課題を解決したお礼を食の応援者へ食べ物でお返しするプラットフォーム、ジョブグルメのβ版を開始しました。

ジョブグルメは、農家や飲食店等の食品製造者(食の担い手)がスキル提供の可能なフリーランスや副業人材(食の応援者)から支援を受けるためのプラットフォームです。ベータ版では、事務局が仲介役となり、食の担い手と応援者とのマッチングを行い、依頼から納品までのプロセスをサポートします。

プラットフォームでは下記のような利用の流れとなるそうです。

(1)食の担い手と食の応援者がジョブグルメに登録

(2)事務局がマッチング

(3)事務局が食の担い手の要望を聞き取り、適した食の応援者をマッチング

(4)支援スタート

(5)支援完了後、食の担い手より返礼品を食の応援者に発送

このように食の担い手と食の応援者を同システムで繋ぐことにより、食の担い手が成長に必要な投資を行うことができない問題を物々交換を通じて解決していく形です。

また、サービスの立ち上げを行った株式会社JICUの橋本さん、水田さんはこれまで多くの農家や飲食店の課題解決に向き合ってきた方々です。そこで食の担い手の長時間労働の大変さや金銭的な苦しさを目の当たりにし、一方で地域へ強い愛着を持ち応援したい人達が沢山いる中、多くの独立人材や副業人材が実績を積むフェーズで苦戦されていることを知ったといいます。そして、その方々をマッチングし協力しあえる体制を構築することで、新たな価値創出や地域の食産業の活性化につながるのではないか、という考えに至り、ジョブグルメのβ版を開始したそうです。

このプラットフォーム自体は、食の担い手の課題解決策として魅力的です。ただ、食の応援者からのスキル提供を金銭的に換算した価値に対して、食の担い手がそれに対等なお礼をできるのかという所に疑問を感じます。この点において、食の支援者の「応援したい!」という思いがあってこそ成り立つプラットフォームであり、その人数をどのくらい確保できるのかが、事業拡大のポイントとなると思います。【A】

得意なことで、地域の食と繋がる新しい応援の形 ジョブグルメ、β版をローンチ!

株式会社JICU

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000130767.html

【参考】

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● 日本外食ニュースと米国外食ニュース

<日本外食ニュース>

柏原光太郎(カッシー)さん発行の飲食業界ニュースまとめのリンクです。

 柏原さんは、文芸春秋の編集者として活躍され、2023年3月末で定年退職。1967年から続くグルメガイド『東京いい店うまい店』(私が愛用していた信頼のおけるグルメ本です)の編集長を務め、自身もグルメとして知られる有名な方です。

2018年1月に「日本ガストロノミー協会」を設立し会長に就任しています。

食べログフォロワー数5万人。

https://tabelog.com/rvwr/kotarokashiwabara

飲食業界ニュースまとめ #1589 2024/8/1

https://note.com/kassie/n/nf452f82ee712

飲食業界ニュースまとめ #1590 2024/8/2

https://note.com/kassie/n/n4e7a1cf0f105

飲食業界ニュースまとめ #1591 2024/8/3

https://note.com/kassie/n/nf950c0e97767

飲食業界ニュースまとめ #1592 2024/8/4

https://note.com/kassie/n/n7e9f58f21789

飲食業界ニュースまとめ #1593 2024/8/5

https://note.com/kassie/n/n5a8d4170ea01

飲食業界ニュースまとめ #1594 2024/8/6

https://note.com/kassie/n/n34da36272853

飲食業界ニュースまとめ #1595 2024/8/7

https://note.com/kassie/n/nd69c9100b4d7

みんなの経済新聞

https://minkei.net

日本食糧新聞社

https://info.nissyoku.co.jp

プロの視点(日本食糧新聞社)

https://news.nissyoku.co.jp/column

東洋経済オンライン 外食

http://toyokeizai.net/category/restaurant

フードスタジアム

http://food-stadium.com/

フードリンク

http://www.foodrink.co.jp/news/

フーズチャンネル

https://www.foods-ch.com/gaishoku

日本経済新聞

https://www.nikkei.com

流通ニュース

https://www.ryutsuu.biz

M&A NEWS 食品・外食

https://ma-times.jp/category/manews/food

日本能率協会展示会(FOODEX、HCJ他)

https://www.jma.or.jp/website/exhibition.html

リテールテック

https://messe.nikkei.co.jp/rt

<米国外食ニュース>

QSR マガジン

NRN紙

http://www.nrn.com/

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発行人:有限会社清晃 代表取締役 王利彰

編集:石川史子、金子佐和美

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このマガジンを発行する王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社有限会社清晃(せいこう)は、海外から日本に進出する外食企業、日本から海外に進出する外食企業のサポート、及び、チェーンレストラン、フランチャイズチェーン展開をする企業へのサポートを行っています。

日本の外食企業では、大手ファスト・フードの殆ど、大手居酒屋、大手ファミリーレストラン、大手ホテル旅館、大手食品メーカー、大手食品卸売業、サービス業等へのコンサルティングを行っています。

有限会社清晃(せいこう)業務内容

王利彰 経歴

ご質問、ご相談はeditor@food104.comにお寄せ下さい。

実務的な仕事だけでなく、外食産業を基礎から学びたい、家業の飲食業を企業にしたい、家業の飲食業を継承したい、外食産業に将来就職したい、

将来独立して飲食業を経営したい、将来外食企業の経営者になりたい、

と思っている方にお勧めするのは、

関西国際大学人間科学部経営学科

http://www.kuins.ac.jp/old_faculty/management.html

立教大学大学院ビジネスデザイン研究科

https://business-school.rikkyo.ac.jp

立教大学ホスピタリティ・マネジメント講座(毎年9月~12月、30回、受講料5万円)

http://www.rikkyo.ne.jp/grp/kanken/

大学で外食を含む観光分野をきちんと学びたいという方は

立教大学観光学部

杏林大学外国語学部観光交流文化学科

等で学ぶことをお勧めします。

https://www.rikkyo.ac.jp/undergraduate/tourism

http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/faculty/foreign/

王利彰の長年蓄積した調理機器開発のノウハウは最適厨房研究会

http://saitekiken.jp/saitekichubo/

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