プーリア中央部の我が家周辺では3ヶ月も雨らしい雨が降っていないので、実がパカっと割れて収穫どきを示しているので、今日は庭のアーモンドの収穫をしました。アーモンドはプーリアの特産品の一つで、特にお菓子作りに欠かせません。アーモンド粉100%のクッキーや砂糖がけにしたシンプルで滋味深いものが郷土菓子として愛されています。プーリア中央部の我が家周辺では価格安定のためワイン用ブドウの減反政策が実施された1950年代から代わりにアーモンドが植えられるようになったと地元の人に聞きました。数多い品種の中でも小ぶりで丸い形の当地のアーモンドはカリフォルニア産の細長い品種と比べて一口でその味の違いがはっきり分かるほど濃厚なコクのある味です。
元々南西アジア地域原産のアーモンドが南イタリアへ渡ってきたのは2000年ほど前とのこと。バラ科サクラ属のアーモンドはアンズ、モモ、ウメの近縁種です。花を咲かせる2月ごろには一足早くお花見気分にさせてくれます。
ビタミンE、B2、マグネシウム、カリウム、食物繊維、ポリフェノールなど有益な栄養素を沢山含み健康面でも評価の高い食品です。最近はアーモンドミルクなどは日本でも見かける様になりましたね。おつまみとして小魚とミックスした「アーモンドフィッシュ」も一般的です。
日本産のアーモンドはあるのかと調べてみると、私が地域おこし協力隊として関わっている大分県佐伯市とも比較的近いところでは、鹿児島県湧水町でも栽培が行われていることがわかりました。町の観光案内サイトにはアーモンドラーメン(!)が地元グルメとして紹介されていて、興味深々です。東九州と南イタリアの類似点、相違点を探求するワタクシにとって、嬉しい限りです。
漁業、林業そしてラーメンが自慢の佐伯にも、もしかしてピッタリの食品では?
オリーヴと並んで佐伯でも植林/栽培を始めて欲しい植物/食品の一つです。国産品はまだまだ希少価値も高いので有望だと思います。
我が家のアーモンドはお土産に佐伯に持って帰ります。九州産のアーモンドとプーリア産のアーモンド。両方で作ったクッキーの味を比べて見なくては、とも思っています。
プーリア郷土料理の真髄は地産地消とその土地の歴史を反映した料理。そしてシンプルさ。その精神に根差してプーリア料理を日本で作る場合、できるだけ日本国産の素材、それも近いところで生産されたものを使いたいと思います。アジア原産のアーモンドが地球を一回りして、新規に植林され、日本産のものを使ってプーリアのお菓子として供さる、と考えるとロマンチックではありませんか!?