小さな庭の隅に、茗荷が繁っています。放っておいても毎年生えてきます。
この季節になると藪を掻き分けて、茗荷の芽を摘んで、そうめんなどの薬味に使ったり、酢漬けにしたりと(茗荷の花も酢漬けに出来ます)楽しんでいます。SNSに写真を上げると、熊本の友人から葉っぱを分けて欲しいとリクエストが届きました。
なんでも「みょうが饅頭」を手作りするらしいのです。
熊本県中南部の八代、宇城地方では、いま時分、田植えの後などに一服する時に食べて来たのだとか。白玉粉と小麦粉を練った生地で餡子を包んで蒸し、さらに茗荷の葉で包んで蒸す。野良に持って行く際はベタつかず持ち運ぶことが出来る。茗荷の葉は調理器具でもあり、包装材でもあり、さらにほんのり香る調味料でもあるのです。笹で包む、饅頭やちまきはありますが、茗荷の葉で包むというのは、身の回りにあるものを使い切る先人の知恵ですね。
また、饅頭に使う白玉粉は、熊本県中南部が産地になっており、製粉会社が数社あります。八代周辺は、江戸時代から干拓地を拡げている米どころです。収穫された、うるち米やもち米を、九州脊梁山地から流れる豊富な水で挽いているのが八代の北東部にある宇城市小川町あたりの製粉業者なのです。
地形的に扇状地になっていて、西には干拓地が広がり、八代海を挟んで三角半島や天草諸島が望める場所です。先人達は、汗をかいた一仕事のあと、ひと息いれながら、この風景を眺めていたのでしょうね。
写真をさがしていたら、なんと農林水産省のページにありました。
農林水産省 茗荷饅頭
水の国 熊本
火乃国製粉
http://siratamako.com/index.html
日の出製粉
白玉屋新三郎