先週、スカイラークグループの新業態飲茶テラス桃菜2号店の報告をしました。なかなかの繁盛店ですが、これが飲茶だと思ってしまうのは困るのでちょっと補足します。
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飲茶テラス桃菜、食べ放題ですが、1皿のポーションサイズが小さく貧弱なこと、焼き物メニューや料理も少ない、しめの掛ご飯や麺が少ないことです。日本料理のマナーではもったいないと食べ残しを嫌うのですが、中国人の食事接待ではテーブルの上に一杯の料理を並べ、余るのが満足感の表明です。
飲茶は土日に友人たちと歓談しながらのブランチです。香港や私の好きなサンフランシスコの飲茶は、平日は夕食に料理をだす大型料理店が、土日の昼にブランチとして提供します。100品目を超える点心をワゴンで次々と運んできます。
軽い点心と一緒にお茶をゆっくり飲みながら友人家族と歓談し、さらに料理を数品とって、締めに中華そばや、かけご飯を食べます。帰りに余った料理を持ち帰り、夜に軽く食べます。人気店の繁盛ぶりはすごいのです。点心が飛ぶように売れていきます。
日本でもワゴンで運ぶ飲茶が開店しましたが成功しませんでした。ワゴンで大量に運んでも日本人はそんなに食べないので、廃棄が多くなるからです。最近日本で人気の飲茶はワゴンでなく注文で作るので無駄がなくおいしいのです。
5年ほど前に日本に進出して現在の飲茶人気に火をつけたのが、W.D.Iが提携して日比谷ミッドタウン前のゴジラ広場に出したティム・ホウワンで、現在新宿にも出して大人気です。
ティム・ホウワン公式HP
ティム・ホウワン画像
ティム・ホー・ワン(WDI経営)の大成功を見て出店したのが、高級な二重橋スクエアービルのヤウメイ(アイエムエムフードサービス 株式会社経営)です。
アイエムエムフードサービス 株式会社はよりカジュアルな飲茶業態ダンプリングタイムを、渋谷ヒカリエに出店していますので訪問。ヤウメイの半分くらいの価格のリーズナブルな点心の店。なかなかきれいで眺めが良いお店です。
席も80席くらいあるのでゆったりと座れます。女性向けのお店ですね。ちょっとした欠点は、小籠包の皮が硬いし、ご飯ものが無いし、麺の種類が少なすぎ(汁なし麺しかありません)ということでしょうね。同行のスタッフの子供はご飯が食べたいというので、コンビニおにぎりを調達して食べさせました。
インスタ映えのする大きな小籠包にストローを刺して汁を飲むスタイルは面白いのですが、蒸し時間が長いためか、皮がカチカチなのが残念です。普通の小さな小籠包も、食べやすくするためか、金属製の小さな皿にのせているので却って食べにくいのです。
小籠包に関しては鼎泰豊に大きく負けています。頑張れ。美味しかったのは野菜メニューですね。和えているソースが美味しいですね。
このヒカリエの6,7階のレストラン街はほとんど入れ替わって、女性向けのお店が増えましたが、日曜日の4時に訪問時はダンプリングタイムはガラガラでした。女性向けのフルーツのお店(満席)やイタリアンのお店は人気があるのに。
ダンプリングタイム公式HP
http://immfoodservice.com/shops/dumplingtimejp/
ダンプリングタイム画像
シェアーした画像
ティム・ホー・ワン公式HP
http://timhowan.jp/menu/
ティム・ホー・ワン画像
ヤウメイ公式HP
YAUMAY
点心専門店”YAUMAY”二重橋スクエアに出店。
ヤウメイ画像
その人気につれられて開業したのが、台湾飲茶のフージンツリー コレド室町店です。
上記の飲茶の4店は飲茶に絞った店で、あまり料理はありません。ヤウメイは北京ダックなどの少ない料理を出していますが。
実はこんな業態は、本場香港や、サンフランシスコ(ダンプリングタイムはサンフランシスコにあるようですが、中華料理になじみない白人向けのお店でしょう)やニューヨークの中華街や、日本の横浜・神戸の中華街にもありません。中華料理の調理師と飲茶を作る点心師は技術が異なるのです。調理師と点心師を雇っているお店は、大きな店になります。
今回は私の大好きな飲茶の店を紹介しましょう。
1)一番好きなのはサンフランシスコの空港そばのHong Kong Flower Lounge Restaurant (香港香滿樓海鮮酒家 )です。東京を日曜日に出て現地時間の日曜日昼前に到着し、すぐに飲茶を楽しんで時差を調整します。3層の大型店でミシュラン一つ星です。
情報HP
ユーザー評価
2)日本では横浜中華街の菜香が一番ですね。
本格的な飲茶レストランは横浜中華街の菜香です。腸粉は今一歩ですが、料理が豊富です。
鼎泰豊は豊富な具材の小籠包と小皿料理に、チャーハンや麺を楽しめます。鼎泰豊は高島屋の外食子会社が運営しているので、店舗数が全国の20店舗ほどと多くお勧めです(グループの香港飲茶の糖朝も美味しいです)。
点心は小籠包が中心で、あとは、焼きと蒸し餃子、シュウマイ、大根餅、春巻きと少ないのですが、前菜に蒸し鶏、クラゲ、腸詰め、揚げ物、野菜炒め、などがあります。〆には粽、豊富な麺、名物の炒飯と充実しています。
菜香公式HP
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3)日本で2番目が麻布十番の富麗華
中国飯店六本木店、三田店、市ヶ谷店、等の高級店を東京都内に展開している、創立40年の歴史をもつ中国飯店グループの旗艦店です。
六本木エリアで長年運営しているので芸能人などのファンが多いですね。内装も立派ですし、広東料理もおいしいですよ。夜はかなり高額ですので私はランチ利用です。高額なお店ですがこのコロナ下、個室があるので良いですね。一階では安い飲茶のコースを食べれるのですが、私のおすすめは6,000円の北京ダックコースです。
中国飯店グループの旗艦店。開業後20年くらい経つけれど健在です。ここは、1階が一般席、2階以上が個室です。個室は6,000円以上のコースです。6,000円の北京ダックコースがおすすめで問題ありません。
公式HP
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4)鼎泰豊
20年前からあるのが台湾から来た鼎泰豊ディンタイフォンです。高島屋が経営し、百貨店を中心に20店舗近くを展開しています。海外からの店は最初はよいのですがだんだん現地化するのですが、鼎泰豊は本部の指導がきちんとして料理の味を維持しています。
台湾の本店で食べるべきものは、小籠包、パラっと炒めるチャーハン、そして烏骨鶏のスープです。
私は本店のこのスープが好きですが、日本のスープは1号店の新宿高島屋の最初はよかったのですが、多店舗展開につれ、セントラルキッチンでの調理移行のためか塩分が強くなりました。注文しても塩分は落とせませんでしたが、数年後塩分が下がり本店並みになりました。でも烏骨鶏だけは無理ですが。
鼎泰豊公式HP
http://d.rt-c.co.jp/
鼎泰豊画像
5)リップスティック
そしてちょっと小さいですが、蒲田のリップスティックです。
オーナーシェフの欧さんは香港で料理と飲茶の技術を習得しているのです。私が飲茶で評価するのは、腸紛(海老やチャーシューを無米粉の皮で包み蒸したもの)です。海老クレープとも呼ばれます。
この腸粉を注文してすぐ出す店は作り置きです。リップスティックは注文後丁寧に作るので30分ほどかかります。また欧さんでないと形が崩れてしまいます。
ここで私が注文するのは、海老腸紛と蒸した海老餃子(ハーカオ)、蟹味噌の鱶鰭スープ、シンガポールビーフン、マンゴープリンです。ランチ時には美味しい定食を安価に楽しめます。コース料理でも4,000円台からあり、1万円も出せば最高の料理が出ます。
公式HP
リップスティック画像
最新の特選3店をご紹介しましょう
1)池袋江記
ミニ中華街は池袋北口に多かったけれど、最近は西口の繁華街のロマンス通りに進出しています。ここは香港の海鮮鍋でコラーゲンたっぷりで美容に良いとの触れ込みです。売り物は花膠『はなにかわ』という大型の淡水魚の胃袋を乾燥させたものの鍋です。コラーゲンがフカヒレの2倍も含まれているとのこと。4,800円(税込)トッピングのえびすり身が香りよく美味しかったですね。
海底楼よりスープにコクがあって美味しいですね。私の大好物の海老腸粉などの点心も焼豚などの焼き物も豊富でよいですね。皮付きの豚肉のローストが最高でした。焼き物では香港式ローストダックや豚の丸焼きもあります。
池袋ミニ中華街の江記。あまりおいしくて2週連続訪問です。香港鍋が売り物ですが、点心も美味しいし、大型の中国窯を備えており、鴨、鳥、豚の、焼き物が美味しいのです。子豚の丸焼きもあります。私の好物は皮付き豚のローストと鴨の焼物、蝦腸粉。
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2)上野の飲茶 粤港美食
上野・湯島界隈に香港料理や飲茶、点心の店が増えていますね。粤港美食 は神保町に2店、上野に1店あります。
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3)代々木の香港飲茶 点心厨房。
シェフが変わったようで普通の味わいでした。メニューが少ないですね。飲茶は点心を楽しんだ後、肉料理や麺やかけご飯を楽しむのですがちょっと少ないかな?でも、もう3店にもなっています。
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以上