年に1、2回必ず訪問する、パークハイアットのニューヨークグリルです。いつもは毎年1月にスタッフの長女のKちゃんの誕生日を祝うのですが、最近は友達と遊び私や親たちと付き合ってくれないのが残念。
本日は、3月生まれのスタッフと私のバースデーでゆったりとブランチ。ここは開業以来私が最も利用したレストランです。年に1回は来ています。直近は昨年1月と一昨年5月です。
ここのおすすめはランチやブランチです。開業後30年近くたちますが今回も満席でした。ランチ、ディナーがありますがオススメはランチビュッフェです。以前は平日は5,000円程度、休日は7,500円でしたが(スパークリングワインが1杯付きます)2年前は平日は6,000円、2023年3月2日の本日は7,200円とちょっと価格が上がっています。
2年ほど前の土日祭日スパークリングワインがついて7,500円と同じくらいになっていました。
使った人の説明
ランチの前菜とデザートのビッフェが、陳列も味も素晴らしいのです。前菜は1階の「デリカテッセン」で販売しているのと同じ料理。デザートは、普通のホテルビッフェでは冷凍の味気ない小型ですが、ここは2階入り口にある「ペストリー ブティック」で販売している本物のケーキ食べ放題です。
ディナーは肉や魚のグリル料理であまりお勧めしません。ランチのメインは牛肉、豚肉、鳥肉、魚、等のグリルです。ちょっと高級な国産牛は追加料金で、高いわりに単調な味であまりお勧めしません。私のおすすめは、豚肉グリルや鶏むね肉グリル、ラムラック(今回はありませんが)です。
ランチのブッフェ料理の陳列が見事で、お勧めは誰も荒らしていない11時半の訪問です。
ここがおすすめなのは訪日外国人の利用です。欧米の人は日本のフレンチや洋風料理でも、「醤油と魚の味がする」と言われ余り歓迎されないのです。
私がマクドナルド時代。フレッド・ターナーの提案でフライドチキンを開発したことがあります。商品開発のターゲットはKFCの圧力釜調理のオリジナルチキンです。私のコレクションの初期のKFCマニュアルと、スパイス専門家による11種類のスパイス解明のおかげで店舗での圧力釜調理は簡単に完成しました。
しかし、生の鳥を店舗で他のハンバーガー類と圧力釜で調理するのは衛生上の問題があることがわかりました。
そこで工場で生の鳥を解体し、大型の圧力釜や、大型コンベアーフライヤーと蒸気を使ったスパイラルコンベアーの低温調理機器を使い大量調理し、冷凍保存します。その冷凍チキンを店舗で特別プログラムした専用スチーム・コンベクション・オーブンで再加熱する方式を開発しました。
その際米国のオーブンメーカーの技術者が何回も来日し、打ち合わせをしました。しかしその技術者はフライドチキンを試食しません。理由を聞いたら、日本のチキンは魚の味がするというではありませんか。そんな馬鹿なと思いましたが、彼の味は間違っていませんでした。
当時の日本はタイから輸入した鶏が主流でした。欧米の鶏の飼育では、早く育てるためにたんぱく源としてトウモロコシを与えます。しかしタイなどの東南アジアでは(日本も)近海で豊富に取れる小魚の魚粉を与えます。魚を食べる日本人や東南アジアの人には気が付かないのですが、魚を食べない欧米人にはわかるのです。
冷凍して間もない鳥は目立たないのですが、古くなると魚のにおいが気になります。特に骨の髄液(血の濃い色)がその匂いが顕著です。そこで魚粉を与えないブラジル産に切り替えざるを得ませんでした。
醤油もそうです。日本のフレンチは日本人に脂っこい料理をさっぱりさせるための隠し味として使っています。
でもこのニューヨークグリルは欧米人に醤油と魚の味がしない評判が高く、私は欧米人の接待に良く使っていました。ビッフェには一品メインディッシュが付いてくるのですが、グリル料理であっさりしすぎて物足りません。
しかし、前菜とデザートでお腹1杯になります。カリフォルニアワインも品揃えが豊富なのもうれしいのです。
4方をオープンにした厨房と、明治神宮、神宮外苑の見事な庭園と渋谷方面などが見える眺望の良さも最高です。夜景の素晴らしい夜の窓際の席は大人気です。
デザインの特徴はこのビルの最上階に3階建ての高い天井を使った開放感です。客席の四隅に掲げた1枚1,000万円もするタペストリーはニューヨークをイメージさせる、ニューヨークヤンキースなどを描いています。3隅に高低差のあるコーナー客席を設け単調さを消しています。
ディナー時間帯には一画を占めるガラス張りのオープンキッチンの横を通して、料理をアッピールします。
ランチは小さな子供が多く、ファミリーにはぴったりです。以前はドレスコードが厳しくて、ジーンズや、スニーカーを履いていると入れてくれなかったのですが、今はかなりリラックスした服装で大丈夫です。
ディナーはメイン料理の肉料理は単調なグリル料理が多くお勧めではありません。あえてディナーで訪問する際は、前菜などのサイドメニューを3皿ほど頼みメインは頼みません。するとスタッフがどれをメインにしますかと聞いてくれます。
レストランは西新宿の都庁に並んだ同じ丹下健三さん設計のビルの52階にあり、景色が最高です。ここは昔東京ガスのガスタンクがあった場所で、ホテルのパークハイアット運営会社も東京ガス子会社です。
できたばかりの時にレストランの予約が取れないときには当時のT常務に無理を言ってとってもらったことが何回かありました。外部の客で満席でも、ホテル宿泊客向けに客席を取っているので、それを横取りという無理難題です。
T常務は私の担当者の仲人をした関係で、無理をお願いしていたわけです。でも宿泊客が食事できないと怒るので、T常務はホテル運営から離れるときに、ホッとしたよと言っていました。
堅苦しい日本のホテルと違いハイアットはカジュアルです。私が初めてハイアットに泊まったのは1970年代に初の海外出張で行ったハワイでした。ワイキキビーチにあったハイアットホテルの内装の色使いの斬新さに驚いた思い出があります。
そのあと訪問したサンフランシスコのハイアットリージェンシーの三角形の高層ビル(ロビーが屋上まで吹き抜け)にも驚かされました。
サラリーマン時代に勤務していたマクドナルドの本社はシカゴにあり、創業者の故レイ・クロック氏や2代目実力CEOの故フレッド・ターナー氏がハイアットの創業家と仲が良く、会社の出張はハイアットに宿泊が義務付けられていました。
また、現在は移転してしまったのですが、シカゴ郊外オークブルック市に構えた本社とハンバーガー大学を訪問する人のために立派なホテルを隣接させ、運営をハイアットに任せていました。
ハイアットは特に朝食が素晴らしく、北京のパークハイアットの朝食が最高でした。六本木のグランドハイアット・フレンチキッチン、京都ハイアットリージェンシー、箱根強羅ハイアットリージェンシー、もお勧めです。
私のレストランの利用で一番多いのがニューヨークグリルと梢のあるパークハイアットです。ハイアットはヒルトンよりも会社の規模は小さいのですが、サービスの品質が安定し、レストランのコンセプトもよいのです。
ハイアットは世界を4つほどに分け、前菜それぞれの地域に合った料理を考えています。日本のある東南アジア地域の基幹ホテルは香港のグランドハイアットです。
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続く