最近日本で「暗殺者のスパゲッティ(Spaghetti all’assasina)」が話題になっているという事で、お問合せをいただきます。
これはプーリアの州都、バーリの名物料理です。最初に作られたのは1967年なので、伝統的な郷土料理という訳ではありませが、今ではバーリの多くのレストランのメニューに載っており2013年にはアカデミア ディ アッサシーナと呼ばれる協会も作られ本物のアッサシーナ(暗殺者)とは?を真剣に品評しています。
ネットではレシピも数多く掲載されています。wikiには英語版しかなく(2020年に初めてYoutubeで紹介されたらしい)、イタリア語版はないのでイタリアで大人気!という訳でも一般的に知られている料理という訳でもないようです。同じプーリアでも我が家周辺では知る人もいませんでした。(私も知りませんでした。)
興味をそそるネーミング、あろう事か黒く焦げてるヴィジュアル。何はともあれ、このパスタの発祥の店と言われるAl Sorso Preferitoというレストランでいただいてみることに。
名前の由来は殺されるほど辛いからとの事でペペロンチーノが多めに入っていますが、この店の味は濃厚なトマトソースを吸い込んだスパゲッティ(乾燥麺をトマトソースで煮込むという独特の作り方!)の旨味たっぷりで飛び上がるほどの辛さではありません。
お焦げのスモーキーな匂いと香ばしさが好きであれば病みつきになるかもと思わせるB級グルメな一品。
今のところ、イタリアではバーリ以外ではなかなかお目にかかることのできないこの料理、本場の味を試してみたいという旅行者が増えるかも?
それより、このアル ソルソ プレフェリートという店。海辺の町バーリならではのシーフードメニューに加え家庭的でシンプルに美味しい料理。地元の人々と見受けられる老若男女(高齢者、常連率高め)で週日のランチタイムには広めの店内は満席。家族経営ならではのアットホームでクラシックなスタイルのサービスもとても気に入りました。
バーリの中心部、街のシンボルでもあるペトルッツェリ劇場の裏手、海辺のプロムナードにも近いという好立地で周りにはおしゃれなスシ、フュージョン、パブ、カフェなど新しい飲食店も多い地域。歴史ある街の老舗レストランに集まる表情豊かなバーリ人たちを人間ウォッチングするのも楽しく、なんとも絵になる店でした。