イタリア料理専門展(ACCI GUSTOアッチ グスト)に行ってきました。これはイタリア料理協会が主催するイタリア料理に特化した展示会です。規模の大小、一般的なものからニッチなものまで様々な国内外の生産者、輸入業者が出店しています。
プーリア目線で眺めると、特に気になったのは2点。一つは山形河北町が試験的に作り出したというアーモンド。河北町はイタリア野菜を積極的に作っている農家が多いことで業界内ではよく知られていますが、アーモンドやヘーゼルナッツの生産も始めたというのです。桃農家が多い山形では種の近いアーモンド造りはお手のものだとのこと。
プーリアでは食事の最後にチーズや季節のフルーツとカゴに入ったクルミ、アーモンド、ヘーゼルナッツなどと、ナッツ割り器がどんと出てくるのは日常的なことです。ナッツ類は各々自分で割って食べます。
健康的な地中海式食文化の一部として重要な要素であるナッツ類。特にプーリアの中央部、我が家のあるヴァッレディートリア地区はこの地独特のアーモンドの品種が有名。アーモンドミルクやアーモンドシロップ、お祝い事の引き出物にも使われるアーモンド粉100%のクッキーなど地元名物のお菓子もあります。
アメリカ産のアーモンドに比べてコクと風味が濃いのが特徴、形は丸く小さめ。一見でわかる違いがあります。
河北町ではイタリアからの苗が入手しにくいという理由でお味も形状も似たスペインから輸入した苗で作っているとのこと。素材の味はお菓子にしたりせず生のまま食べるからこそ生きてくるというもの。国産ナッツ類をそのまま食べる食習慣が拡がるといいなと思います。
もう1点はムール貝。プーリアの郷土料理、「リーゾ、パテーテ、エ、コッツェ(ムール貝とじゃがいもの焼きリゾット)には欠かせない食材です。生食もされます。GOTOBAR MUSSELS ではオランダで深海養殖されたムール貝を生きたまま冷蔵で空輸しています。
ムール貝と言えばベルギーが有名ですが、生産量ではオランダの方が多いとのこと。冷凍ではなく冷蔵なので味やプリプリ感は抜群でした。
日本ではフランスのモンサンミッシェル産のムール貝が有名ですが、それと比べると深海養殖の特徴として殻が厚く割れにくいので生きたまま輸送するのに適していて品質管理しやすいそうです。
この会社では東京に生簀を作り量り売りで生のムール貝を販売する店も近々オープンするとのこと。嬉しいことにECサイトで1kgから販売しているので家庭でも楽しめます。生食ももちろんできますよ、とのこと。
まだ一般的には知名度も高いとは言えず食べ方なども知られていませんが、最近は国産のムール貝の養殖も増えているようですし、もっと手軽な食材になってほしいもののひとつです。
Zoomでプーリアの我が家のキッチンからお送りするリモートお料理教室を始めて2年目になりますが、プーリアでは手軽な食材でも日本では入手困難というものがまだまだあります。日本で国内調達できるような技術を広めることも含め、これからも地産地消で日本のプーリア料理をひろめて行くのが私のミッションです。