地域に寄り添う商店街「仙台朝市」

立教大学生インタビュー

月曜日の午前から賑わう「仙台朝市商店街」。仙台駅から歩いて5分ほどの場所に位置し、旅の最初や最後にも立ち寄りやすい場所にある朝市ですが、利用客の多くは地元の常連客です。そんな地域の方に愛されている「仙台朝市」について、仙台朝市商店街振興組合理事長 入間田博さまにお話を伺いました。

戦争によって焼け野原となった仙台の町で、販路を求める生産者が集まり露店を出店したことから始まった「仙台朝市」は、1985年に「仙台朝市通り商店街連合会」として組織化、そして「仙台朝市商店街振興組合」へ発展しながら、仙台の台所として営業が続いています。

晩夏が旬!仙台の“ちゃ豆”
「枝豆コロッケ」

そんな仙台朝市の最大の魅力は、「お客様とコミュニケーションがとれること」「心が通じ合った関わりができること」です。

「こうやって料理したらうまいよ!」という会話や、商品を実際に見ながら悩めることで、安いから今日はこの店で買おうではなく、「この店で買えば間違いないから、この店で買う」という常連のお客様が多いそうです。そして、そのつながりが次の世代へと受け継がれていることで、戦後からずっと変わらず営業を続けているお店もあるそうです。

実際朝市に足を運んだ際も、様々なお店を見て回るのではなく、一直線にお目当てのお店に向かっている方が多いように感じました。

「ホヤ」も多くのお店で販売されていました。

この「心のつながり」は、2011年に発生した東日本大震災の時にも、特に強く感じたそうです。道路が寸断され、食料も確保できないような状況の中でも、いつも足を運び、頼りにしてくれているお客様がいるからこそ、店を開けなければという魂で営業を再開したそうです。そして、被災し、大変な時にもかかわらず、店に並び、待ってくれたお客様には助けられたと仰っていました。

お客様とコミュニケーションをとりながらの対面販売が強みの朝市、未だ感染流行が続くコロナウイルスの発生当初は、天候不順、荷物が集まらない、観光客の減少によって、厳しい状況だったそうです。しかし、宣伝などがなくとも、お店が開いていれば来てくれるお客様がいるという安心感は、仙台朝市の大きな強みとなったそうです。

三陸産の海藻類もたくさん販売されています。

地域に密着し、長く続くお客様も多い仙台朝市ですが、最近ではあまり料理をしないという方が増えてきていることが問題だと感じているそうです。「お家の味」がなくなってしまうと、子供たちも料理をしなくなってしまうかもしれません。これは、食料を買いに朝市を訪れる将来のお客様が減ることに繋がる可能性もあります。それを防ぐためにも、学校教育のひとつとして、もっと「料理」について学ぶ機会が必要なのではないかと仰っていました。

また、環境問題に繋がる「フードロス」についても危機感を感じておられます。長く、美味しく食べられる「良い」商品を販売している朝市の食材を、無駄なく、冷めても美味しく食べられるよう調理する必要が消費者側にもあるのだと学びました。

新鮮な野菜・果物も!

お話を伺う中で、仙台朝市は「震災の時に強い」という言葉が印象に残っています。昨今、どの地域でも予期せぬ出来事が起こる日本において、このような「心のつながり」や「コミュニケーション」は必要不可欠な要素になってくるのではないかと感じました。

みなさんも、「食の宝庫」仙台の海や山の美味しい食材と、温かな「心のつながり」を体験しに「仙台朝市」に訪れてみませんか? 【K】

仙台七夕まつりの「吹き流し」の前で📸

仙台朝市 https://sendaiasaichi.com/

住所:仙台市青葉区中央3-8-5 新仙台駅前ビル 3F 318号室

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