マックのマニュアル18

レストランチェック

エネルギーマネージメントの続きです。

 エネルギーマネージメントの重要なポイントは、電気、ガス、水道の正確な使用料を把握することです。毎週、月半ば、月末に、金額だけでなく使用料を把握し、過去の流れと矛盾ないか見ます。

 創業者のレイ・クロックがマクドナルドの経営をペニービジネスといったように、細かな水の一滴までの節約管理が必要です。

エネルギーコストの高い日本では電気代に目が行きますが、水代が高いのです。水の使用量に応じて、下水代がかかるので馬鹿にならない額になります。

 <数値管理の徹底が必要>

 まず損益計算書を月次で作成させ,その責任を店長に負わせることです。マクドナルドでは経営管理で重要な数値を毎週、月半ば、月末で、把握し、流れを追います。月末一回の管理ではコントロールできないからです。月半ばで問題があれば修正しないといけないのです。水道光熱費は金額管理でなく、使用量で追求します。

毎週、毎月半ば、毎月末に検針し、月次と週単位の売り上げと水道光熱費の使用量を,昨年と比較してみる。次に同程度の規模や売り上げの他店舗と比較して何が問題かを明確にさせなくてはならない。

必要なのは新店舗からの過去の水道光熱費の使用量のヒストリー・変化をしっかりとっておくことだ。さもないとどの時点で水道光熱費が変化しているかが分からないからだ。売り上げや客数、調理機器があまり変わっていないのに使用量が大幅に増加していれば何かがおかしいという事が分かるからだ。

 <教育>

 各調理機器、空調機器、照明などの作動原理を教え、どうやったら合理的に節約できるかの教育が必要不可欠だ。社員だけでなく、アルバイトにもきちんと教えることがポイントだ。

先号でも述べたが、水冷の機器が多くの水を使用する。夏場に暑くなると水の使用量が増加するのは飲み物が売れるだけでなく、水冷の機器が水を垂れ流しにするからだ。

調整が悪かったり、老朽化すると必要以上の水が垂れ流しになり多額の請求書が来る。水冷の機器であっても必要以上の冷却水はかえって効率が悪くなると言うことを知らないと無駄な金を払うことになる。

 <合理的、科学的なアプローチ>

 人間でも定期的に健康診断を行い、異常がないかを発見し、病気になる前に対策や治療を行ったりする健康管理を行っている。水道光熱費も同様に問題がある前に異常を発見するという定期的な健康診断が必要だ。その為には各調理機器のチェック項目を明確にして、カレンダーに何時どんなやり方でチェックするかを入れておく。

そして、水道光熱費が異常値を示したり、機械が壊れる前に対策を立てることにより,水道光熱費の削減だけでなく、機械の修理代を節約することが可能になる。

 <効果を出すための秘策>

<1>正しい評価

 水道光熱費の削減の秘策は省エネルギー機器や特殊なノウハウを導入することだけではない。一番効果があるのは従業員にやる気を起こさせる事だ。

 社員に対しては毎月、面接で評価を伝えて、水道光熱費も評価の対象なのだと伝えるのが基本だ。アルバイトであっても評価を行うことにより管理を徹底させることは可能だ。

<2>インセンティブ

 正しい評価には報奨が伴わなくてはならない。評価というのは金で換算できるからだ。社員であれば、ボーナス、昇給、昇進で、省エネルギーへの努力を金で換算する。勿論インセンティブというのは金だけではない。

一緒に省エネルギーに取り組んだり、良い仕事をしたら誉めてやったり、ゲーム感覚で仕事をする楽しさも有効な手段だ。場合によっては表彰をしたりしてやる気を向上させられる。

 アルバイトも同じだ。時給を上げたり、アルバイトマネージャーにしたり、タイトルをつけると言うことはやる気を出すために必要不可欠だ。

<3>成果の配分

 省エネルギーは誰か1人の社員やアルバイトの力だけで出来る物ではない。従業員全員のやる気と参加がなくてはならない。省エネルギーで節約した金の配分を適切に行うことが最も効果がある。

 省エネで節約できた金を1/3づつ分配すると効果がある。従業員の給与報奨として1/3、会社の利益として1/3、そして残りの1/3を店舗の設備投資や、広告宣伝費、改装費などに当て、売り上げが伸びるようにする。このバランスをとることにより、従業員はやる気をだし、かつ、店舗の売り上げが上がり、経営者も利益が上がりハッピーになる。

 省エネの基本は参加者全員が楽しくなると言う工夫が必要だと言うことだろう。是非ゲーム感覚で取り組んでいただきたい。

 <一番効果のある対策>

夏場を迎えて一番効果的な対策は以下の項目だ。

<1>エアコンの温度調整

 温度を26-28℃に設定し、客にとって快適と感じる温度にする。暑いからと行って温度設定をそれ以下に下げても効果がないし、暇な時間帯に冷えすぎて無駄なエネルギーを使用する。温度設定をこまめにチェックするのが最も効果がある。

窓にはブラインドを設置し、直射日光を遮る。空調の温度設定を低くしても直射日光が当たると暑く感じるからだ。ブラインドをきちんと設定すれば暗くならずに太陽光を遮断できる。

<2>エアコンや冷却機器のコンデンサー、エバポレーターの清掃

 電気を一番消耗するのがエアコン等の冷却機器だ。コンデンサー、エバポレーターを頻繁に清掃し、効率よく冷却できるようにしよう。外部設置の室外機は空気の流れを良くし、吸い込みの空気温度をチェックする。外気温よりも冷却の吸入温度が高い場合、機器の設置を変更する。周囲に風の流れを妨げる物がないように時々チェックが必要だ。

 空調機器が古い場合や水冷機器の場合、新しい機器に変更することはエネルギー消費を減らせる。

<3>厨房機器のこまめなスイッチON,OFF

 特殊な省エネルギーの機器より、きめ細かにスイッチをつけたり、消したりすると言うのが基本的な省エネだ。グリドルやフライヤー等の調理機器はサーモスタットがついていても、周囲に熱を放熱してガスや電気を消耗する。

何も調理をしなくても最高出力の30%位のエネルギーを消耗するから、使用しない場合はこまめに消すという手間暇を惜しんではいけない。調理機器を消したら、それに会わせて換気扇のON,OFFを忘れないこと。

<4>照明等のこまめな調整。

 昼間から看板がついていないか、閉店後は看板や、外部の照明を消しているか、人が居ないときに休憩室や倉庫の電気がついていないか細かいことにも気を配ることが基本だ。

<5>無駄な水漏れのチェック

 時々、排水マスなどをあけて、機械が動いていないときに無駄な水が流れていないかチェックをする。水冷の機器管理には有効な方法だ。トイレの水も同じだ。トイレを使わないでも水が流れる場合にチェックする。

水が漏れだしたら直ちに対処することにより大きな出費を防ぐことが可能だ。製氷機など水冷機器を空冷で外部における室外機にすると効果的だ。製氷機の場合、製氷方法により、電気代、水道代が大きく変わるので機器変更も有効だ。

以下は先週紹介したエネルギーマネージメントのつづきだ。

第12節 冷却ユニット

 冷凍庫と冷蔵庫は正しく作動していれば大きな経費のかかるものではありません。しかし正しいメインテナンスを行っていなかったり、正しく使用していなかったりするとコストはかなり増えることになります。

 ウォークインの冷凍庫、冷蔵庫に当てはまる省エネルギーのテクニックは、ドリンクマシン、シェイクマシン、サンデーマシンなど、冷却に関係する全てのエクイップメントにもあてはまります。

 冷却ユニットの中は整理整頓しておき、ボックスやパッケージには正しく表示しておきます。こうするとドアやカバーを開けたままで、ものを捜す時間が短くなります。

 冷蔵庫や冷凍庫には、どれくらいの頻度で原材料を取りに行くか計画を立て、ドアを開閉する回数をできるだけ少なくするようにしてください。

◆調整テクニック

 ウォークインとリーチインの冷凍庫のデフロストサイクル(霜取り)のタイマーを正しく調整し、エネルギーの使用量を抑えるようにしてください。デフロストサイクルに”正しい”時間というものはありませんが、4サイクルになるようにし、コンプレッサーとデフロストサイクルに用いられるエネルギーが有効に活用されるようにしてください。

デフロストサイクルに選ぶ時間は、冷凍庫に人の出入りがない時間にしてください。またデフロストが正しく作動しているか確認してください。なお、自動デフロストサイクルのタイプは調整できません。

◆ON-OFFテクニック

 ウォークインの冷凍庫に原材料を入れる時には、コンプレッサーを切らないでください。(この場合、ストックした後で庫内を冷やす方が、スイッチを入れたままにしておくよりコストがかかります。)

原材料を入れる時や、インベントリーの時にはドアを開け放しにしないでください。搬入ドアがあればそれを使い、ビニールカーテンをつけておかなくてはなりません。

 ミートストッカーのような小さな冷凍庫は、夜間、スイッチを切っておいてください。その際、原材料はリーチイン、またはウォークインの冷凍庫に移して一晩保管します。(こうして小さなキャビネットの霜取りを定期的にしておくと、スイッチが入っている時間によけいなエネルギーを使わなくてすみます。)

・メインテナンステクニック

 空調機と同様に、冷却ユニットも十分メインテナンスをすることがエネルギーコストの削減に最も効果があるやり方です。しかもエクイップメントをより長い期間、問題なく使っていく上で重要なことです。

 プランドメインテナンスカレンダーのメインテナンスプログラムに従い、かつ以下の点に注意してください。

 ドアのパッキンを定期的にチェックします。汚れや屑を取り除き、ひびが入っていたりして老朽化していないかチェックします。

次にドアを少し開け、外壁に紙幣を当て、ドアを閉めた時にそれが外壁とパッキンの間に挟まるようにします。

 ドアを閉め、紙幣を抜き取ってみます。簡単に取れる場合は、パッキンがしっかりしていないので空気が漏れるということです。パッキンがしっかりしていれば、紙幣を抜き取るのが大変なはずです。このテストをドアの両サイドと上下について行ってください。

ウォークインのテストをする場合は、中に入り、ドアを閉め、ドアの端から光が漏れてこないかみてください。

注:但し、ウォークインのドアは真空状態にならないようにするため、下の部分が6.4mmから9.5mm開いています。

パッキンがしっかりしていない場合は、業者にみてもらってください。ドアの回りからのもれの原因としては、痛んだパッキンやラッチのゆるみ、バネの壊れた丁番などが考えられます。こうなっていた場合は直ちに修理してください。

本体は必ず水平になるようにしてください。正しく取り付け、メインテナンスを行っていれば、ドアは自然に閉まるように作られています。

冷却ユニットのサーモスタットの温度チェックは定期的に実施し、定められた温度が維持できるようにしてください。

  冷凍庫  -18℃から-22℃

  冷蔵庫    1℃から4℃

 冷却ユニットのコンデンサーとエバポレーターコイルは、常にきれいにしておかなくてはなりません。これはウォークインの冷凍庫、冷蔵庫だけでなく、ソフトドリンクのエクイップメント、アイスメイクマシン、シェイクマシン、サンデーマシン、その他の冷却ユニットにも当てはまります。

 コイルは厨房内やダクトのそばにあるとグリースがつきやすく、グリースがつくと、そこにほこりが吸い寄せられてしまいます。コイルをチェックするには懐中電灯を使い、両サイドを見て、汚れた部分が残らないようにしてください。コイルは内部もきれいになっているかよく見てください。

 水冷式のコンデンサーについては”ウォーターシステム”のセクションを参考に、エネルギー、つまり水の無駄をしないようにチェックしてください。

プランドメインテナンスカレンダーにエバポレーターとコンデンサーの清掃に関するスケジュールが出ています。これらの清掃方法としては、ブラシをかける、掃除機で汚れを取る、水をかけて洗う(油汚れがひどい場合は洗剤で)、洗剤を吹きつけるなどがあります。

 また、冷却ユニットの壁の断熱材がずれたり、水がしみこんだりして断熱効果がなくなってしまうことがあります。この種の問題はユニットの外壁を時々触っていると発見できます。冷たい部分があった場合、そこには問題があります。

戸外の冷凍庫は、天候、落下物、悪行、その他の原因によって損傷を受けやすいものです。戸外のユニットの上部や壁に傷ができると熱が漏れてしまうので、以上のような問題が生じた場合は業者に連絡してください。

第13節 プロダクションシステム

 電気やガスで冷凍食品を調理するには大量のエネルギーが必要で、厨房は店舗の中で最も多くエネルギーを使うところです。ここでは全エネルギー使用量の30から40%が消費されており、節約できるエネルギーの約半分はここで使われているエネルギーの中にあるでしょう。

 電気の調理機器を使用している店舗では、厨房機器のメーターが別になっていない限り、厨房でどれくらいのエネルギーが使われているかを正確に判断するのは難しいでしょう。

 ガスの場合は簡単です。全て厨房関係であり、メーターの数値を見るとエネルギーがどれだけ効率的に調理に使用されているかを判断することができます。

 タイマー、インジケーターライトを含む全ての厨房機器を正しくカリブレーションし、クレンリネス、メインテナンスを怠らないことは、よいエネルギーマネージメント(そして商品のクォリティ)にとって極めて重要なことです。店舗には必ずそのためのツールを全て用意しておき、日々のクレンリネス作業がきちんと行われるようにしてください。

・調整テクニック

 厨房機器を正しく調整しておくことは、よいエネルギーマネージメントにとって必要不可欠なことですが、厨房での手順を調整することもエネルギーコストの削減に役立ちます。

 シェイクのミックスタンクカバーも、できるだけかけておくとよいでしょう。

プロダクション関係のエクイップメントについて最も重要な調整テクニックは、温度のカリブレーションです。グリルとフライヤーのカリブレーションは、プランドメインテナンスカレンダーに従って定期的に行ってください。

・ON-OFFテクニック

 店舗の調理機器は、ピークの時間帯の製造量をこなせるよう考えて作られています。常にピークの状態で運営しているわけではないので、時間帯によってはスイッチを切ってあるエクイップメントもあるわけです。(例:予備のグリル、フライヤー、スチーマー、トースター)

 スローな時間帯には、使用していないエクイップメントがないか捜してください。その際は、この章の第9節で既に説明したファイヤーアップスケジュールを参考にしてください。

エクイップメントの使用スケジュールの正しい手順と、それを最も効率的に行う重要性をクルーに十分理解させてください。エクイップメントのスイッチはできるだけ間際に入れてください。

 自店舗に最も合うスケジュールを作るには、修正を加えなくてはならないかもしれません。最も効率のよいスケジュールは、これまで使っていたものより幾分複雑になるでしょう。

そして、それによりコストは低く抑えられ、これまで以上のプロフィットを得られるようになるのです。(エネルギーコストにならなかった金額は、全てプロフィットになります。)

 それには、パイマーチャンダイザー、ホットチョコレートマシンなど、全てのスモールエクイップメントのスイッチを夜間切っておくことから始めるとよいでしょう。

プロダクション関係のエクイップメントのスケジュールが最終的に決まったら、各エクイップメントに”ON””OFF”の時間を示したラベルを貼るとよいでしょう。

・メインテナンステクニック

 エネルギーを使う他のエクイップメントと同じように、厨房機器も正しくメインテナンスしていると、経済的に使用する事ができます。

 排気ファン、スタック、ダクトは常にきれいにしておきます。――グリルとフライヤーのメッシュフィルターは最低1日3回、必要に応じてそれ以上清掃してください。バッフルフィルターは最低1日1回、クロージング後に清掃してください。

プランドメインテナンスカレンダーのスケジュールに従って、全てのエクイップメントの温度カリブレーションを行います。

 ガスを使っている厨房では、バーナーの調整をチェックして、効率的に燃焼するようにしてください。パイロットバーナーの調整、バーナー清掃、ガス圧チェックも行ってください。(ガス圧チェックはスーパーバイザーと実施してください。)

フライヤーとラジアンツ、バーナーチューブなどをチェックしてください。ラジアンツが赤くならなかったり、破損したり、端が焼け切れたりした場合は、直ちに交換してください。ドリンク類のマシンとアイスメイクマシンは、冷却のセクションの説明に従ってメインテナンスしてください。

グリル表面やフライヤーの中にカーボンがたまると、クッキングタイムが長くなるばかりでなく、エネルギーの使用量も増やすことになるので、メインテナンスを怠らないようにしてください。

第14節 照 明

 店舗の照明はかなりのところでマーケティングツールとなっています。照明を明るくしておくことは、お客様を引きつけるのに役立ちます。

・調整テクニック

 蛍光灯の方が白熱灯より効率がよく、1ワット当たり4倍の光を出し、同時に放出する熱は白熱灯よりも少ないのです。

 新しい店舗やリモデル、リフレッシュをした店舗は、照明の使用をできるだけ抑えるために明るい色や、鏡、オープンスペースを多く用いています。古い店舗では効率のよい照明を使うことがエネルギーコントロールの鍵となります。蛍光灯は演色性の高い温白色を使うと店内が明るく感じられ、料理の色もおいしそうにみえます。

・ON-OFFテクニック

 屋内の照明については、それほど大きな要因はなく、必要のない時には短時間でも消しておくというのが原則です。専門的には照明をあまりつけたり消したりしていると、寿命が短くなるということがありますが、節約できるエネルギーはそれ以上です。

客席の照明は”機能的”な照明なので、日差しの明るい時間は消しておくことも可能です。

その他の装飾用ライトは営業時間中はつけておき、客席をクローズしたら直ちに消してください。店内の照明の明るさが調整できるようになっている場合は、明るさは保ちつつ、できるだけ落としてください。

 屋外の照明は、営業時間中の必要と思われる時間に限って使用してください(セキュリティー用の照明は除く)。

メインテナンステクニック

 ピンが2カ所にある蛍光灯を取り付けるに時は、蛍光灯が切り口にしっかりはまるようにしてください。正しく取り付けられていないと蛍光灯の寿命が短くなってしまいます。

 反射板と蛍光灯が汚れていると、十分な明るさが得られないので常にきれいにしておき、店内が明るくなるようにしてください。

第15節 ウォーターシステム

 電気にしろガスにしろ、水を温めるにはエネルギーが必要です。しかも水自体も大きな経費となることを忘れてはいけません。

・調整テクニック

 水を不必要に使わないようにすると節約ができます。そしてそれがお湯の場合は電気代とガス代を節約できることになります。洗面所の蛇口も水を無駄にする可能性があります。この蛇口はいっぱいに開けた時で1分間に2ガロン(7.6リットル)以上の水が出ないよう調整されていなくてはなりません。

 洗面所の洗面台やシンクの温水及び冷水の流れは、蛇口を一つずついっぱいに開け、1分間に流れる水量が2ガロン(7.6リットル)以下であればOKです。それよりも多い場合は蛇口を調整してください。

・ON-OFFテクニック

 水(あるいは水を温めるのに使うエネルギー)の無駄を防ぐために役立つテクニックでありながら軽視されがちなのが水漏れの修理です。トイレのタンクの給水バルブや蛇口、つなぎ目、バルブから水が漏れていると予想以上に水を無駄にすることになります。もれに気づいたら、そのままにしておかないで直ちになおしてください。

 ウォーターシステムで使うエネルギーを節約するもう一つの方法に、できる限り温水の使用量を減らすということがあります。ポリベールなどのゴミを入れているものを洗うには温水の方が適していますが、窓を洗うなどの通常の清掃は水で十分です。

・メインテナンステクニック

 水冷式のコンデンサーを使用している場合は、各マシンのコンプレッサーにある自動給水弁を定期的にチェックしてください。自動給水弁が正しく作動していないと水やエネルギーを無駄にすることになります。

 まず、冷却ユニットの電源を切り5分おきます。水冷式のコンデンサーのドレーンからは水が出てこないはずです。水が出続けている場合は、自動給水弁が正しく作動していないということです。

 次に電源を入れ、コンデンサーを動かして5分間おきにドレーンから出る水の温度を計ってください。100度F(41℃)以上の場合は水が少なく、効率的に作動していないので、電気代が上がり機械の故障の原因にもなります。このような場合は自動給水弁が正しく調整されていないので、自動給水弁のスプリングのネジを調整します。

注:水冷式のテーラーマシンの場合は水漏れのチェックだけ行います。水冷式の温度は状況によってかなり異なりますので調整しないでください。

第16節 建 物

 店内の温度が上がりすぎたり下がりすぎたりするのは、排気要因になることが多いのですが、建物はそれ以外の形でも熱を運んでいます。そのような問題は断熱することによりかなり解決できます。

 建物の断熱効果を確認するために、店にあるドアとウィンドーの目詰めの状態とドアの閉まるまでの時間もチェックしてください。

ドアの目詰めは、特にドアの下の方が磨耗します。ドアの周囲から光が漏れていたり、すきま風が入ってきたりしている場合は目詰めを交換してください。(ドアの業者に作業を依頼しなくてはならないかもしれません。)

ドアは、いっぱいに開けた状態から約3秒で閉まるように調節してください。(自動ドアの場合は約4秒で閉まるように調節してください。)

また、ドライブスルーのウィンドーは代金の授受、商品の手渡しの時以外は閉めておくような習慣をつけてください。

 屋根裏をチェックする時には、ダクトが外れていないかも見てください。こうなっていると店内ではなく、屋根裏も暖房したり冷房したりすることになってしまいます。

エネルギーサーベイ

 このエネルギーサーベイを使うと、どのような店舗も徹底的なエネルギー調査を行うことができます。この調査は営業中に行ってください。

この調査はあくまでも数多くある重要なエネルギーマネージメントのテクニックを”スポットチェック”するためのものであり、店舗のエネルギーマネージメントに利用できる全てのテクニックを総合的に示したリストではないということをご理解ください。店舗で効果的なエネルギーマネージメントを行うには、以下を注意して読んでください。

この調査を実施するには、懐中電灯、温度計、サーミスター、ドライバーセット、レンチが必要です。

・エネルギーを使用する上で知らなければならないこと         YES NO

各ユーティリティーメーターの正確な検針方法を知っているか?

メーターを検針し使用量の算出ができるか?

各ユーティリティの単価を知っているか?

前年の実績とその月の予想使用量を把握しているか?

・ツアーはまず各ユーティリティのメーターが設置してある場所から始める

・ガスメーター

ガスメーター設置場所____ 現在のメーター指数____ 日時____

・電力メーター

電力メーター設置場所____ 現在のメーター指数____ メーター乗数____

日時____

・水道メーター

水道メーター設置場所____ 現在のメーター指数____ 日時____

・次のことをやったことがあるか?

・週ごとにユーティリティーの検針を行い、記録しているか?

・毎週または、毎月、ユーティリティーの使用量をインベントリーしているか?

・エネルギー使用スケジュールとエクイップメントのメインテナンスは、省エネ上重要なテクニックである。

・店舗のエアコンと各エクイップメントに関するファイヤーアップスケジュールを計画したことがあるか?

・P.M.C.に基づき、プリベンティブメインテナンスを行ったことがあるか?

・厨房機器のエネルギーツアー

・各エクイップメントのファイヤーアップスケジュールを熟知しているか?

・アイドルタイムには必要のないエクイップメントを一時的に切るようにクルーをトレーニングしているか?

・エグゾーストファンの各スイッチには、使用機器名が明記してあるか?

・必要のないエグゾーストファンの”OFF”について理解しているか?

<グリル>

・アイドルタイムに必要のないグリルは”OFF”にしているか?(アイドル時、3フィートグリルは1時間ごとに約4,986kcalのガスを使用)

・使用していないグリルのパイロットフレームは消えているか?

・使用していないグリルのエグゾーストファンは”OFF”になっているか?

<トースター、スチーマー>

・必要数だけ使用しているか?

・スチーマーの水漏れはないか?

・アイドルタイムに不必要なトースターは”OFF”になっているか?

・アイドルタイムに不必要なスチーマーは”OFF”になっているか?

<フライヤー>

・アイドルタイムに必要のないフライヤーは”OFF”になっているか?

・使用していないフライヤーのパイロットフレームは消えているか?

<リーチイン冷凍・冷蔵庫>

・温度設定は適正か?

・内部外部の壁面にくぼみや穴はないか?

・外壁にコールドスポットがないか?

・ドアのラッチは確実に作動しているか?

・ドアのパッキンは磨耗していないか?

・P.M.C.プランドメインテナンスカレンダーに基づき、霜取りを行っているか?

・コンデンサーの清掃をしているか?

<シェイクマシン>

・シェイクマシンのファイヤーアップスケジュール作動開始時間は守られているか?

・水冷機器の自動給水弁の調整は適正か?必要以上の水を流さない。冷却ガス圧をチェックしながら既定の水量温度に設定する。

・コンプレッサーが停止している時、水が流れていないか?

・コンデンサーの清掃をしているか?

<サンデーマシン>

・サンデーマシンのファイヤーアップスケジュールは守られているか?

・空冷の場合P.M.C.に基づきフィルターの清掃をしているか?

・コンデンサーの清掃をしているか?

<コーヒーマシン、ホットチョコレートマシン>

・マシンの抽出温度は適正か?

・マシンの抽出時間は適正か?

・マシンの抽出量は適正か?

・必要ないマシンは”OFF”になっているか?

<クラスコディスペンサー・ジュースディスペンサー>

・セールスパターンに合わせて1-3連のマシンを使っているか?

・コンデンサーの清掃をしているか?

・予冷したオレンジドリンク、またはアイスコーヒーを使用しているか?

<トランスファービン ハンバーガー保温庫>

・トランスファービンの作動時間ファイヤーアップスケジュールは守られているか?

・温度設定は適正か?

<アイスメイクマシン>

・自動給水弁の調整は適正か?必要以上の水量を流さない

・水温に合わせ製氷時間を正しくセットしているか?

・できあがった氷の状態を見てタイマーをセットしているか?

<リモート1500 コーラディスペンサーの冷却システム>

・アイスバンクが厚く張りすぎていないか?

・P.M.C.に基づき水の交換を行っているか?

・コンデンサーの清掃をしているか?

・フィルターはきれいになっているか?

<湯沸かし器>

・定期的にフレームのチェック、調整を行っているか?

・湯温は80℃以上で使用していないか?

・湯洗いする必要のないものに湯を使用していないか?

・必要のない時”OFF”になっているか?(種火はついていないか?)

・厨房内のエネルギーツアー

<分電盤>

・分電盤の各スイッチのインデックスは明記してあるか?

・給排気ファン電流計の指針に異常はないか?

・ネジのゆるみはないか?

・ドットシステム・作動時間管理は完璧か?

<照明関係>

・照明器具の清掃を定期的に行っているか?

・省エネタイプの電球、蛍光灯を使用しているか?

・各セクションごとに配線し、必要に応じた照明の”ON/OFF”が可能か?

・照明の”ON/OFF”に関する規則があるか?

<シンク>

・蛇口、シャワーヘッドの整備は完璧か?

・水漏れはないか?

・排水栓のパッキンに磨耗はないか?

・シンクに必要以上の水をためていないか?

<全てのエクイップメント>

・P.M.C.に基づきカリブレーション、調整、メインテナンスを行っているか?

・全てのクルーが正しい操作方法を知っているか?

<ウォークイン冷凍・冷蔵庫>

・温度設定は適正か?

・内部外部の壁面にくぼみや穴はないか?

・外壁にコールドスポットがないか?

・ドアのラッチは確実に作動しているか?

・ドアのパッキンは磨耗していないか?(ドアを少し開け外壁の間に紙をはさみドアを閉めた時にはさまるかチェックする。)

・コンデンサーの清掃をしているか?

・霜が付着していないか?

・エバポレーターファンは正しく作動しているか?

・霜取りタイマーのセッティングは適正か?

<その他>

・ドアの無駄な開閉はないか?

・ドライブスルーのウィンドーの無駄な開閉はないか?

・空調に関するエネルギーツアー

・空調のファイヤーアップスケジュールはできているか?

・冷暖房の運転は適正か?

・サーモスタットの調整は行っているか、また、サーモスタットにほこりやグリースがついていないか?(座った時の頭の高さで測定:冬18℃、夏28℃が目安)

・アネモまたはレジスターの風量調節を各セクションごとに行っているか?

・パッケージ本体内部は清掃されているか?

<水冷用冷却クーリングタワー>

・必要に応じて”ON/OFF”しているか?

・P.M.C.に基づいたメインテナンスを行っているか?

・水位は適正か?(多少オーバーフローしていること)

・水は汚れていないか?

<屋外ユニット>

・カバーに錆がついていたり、合わせ目にすき間があいたりしていないか?

・全てのネジがきちんと留めてあるか?

・コンデンサーフィンに曲がりはないか?

・コンデンサーフィンに汚れや付着物はないか?

・P.M.C.に基づきメインテナンスを行っているか?

・ファン付近に障害物はないか?

・ファンにほこりや葉などがついていないか?

<エグゾーストファン・排気ファン>

・Vベルトのチェックは定期的に行っているか?

・モーターは正しく作動しているか?

・ダクトに破損はないか?

・P.M.C.に基づいたメインテナンスを行っているか?

・全てのネジがきちんと留めてあるか?

・回転軸、ペアリングの磨耗はないか?

・回転軸、ペアリングに異常音はないか?

<屋外ユニット>

・コイルは曲がったりしていないか?

・フィンに曲がりはないか?

・フィルターが汚れていないか?

・コイルやフィンの清掃をしているか?

<その他>

・外気給気口のスクリーンに汚れや破損はないか?

・冷媒のラインで断熱材の破損はないか?

・冷媒ラインのつなぎ目から冷媒が漏れていないか?(冷媒が漏れている場合は、つなぎ目にオイルがたまっている。)

・アネモ天井吹き出し口などに汚れはないか?

・コンプレッサーは正しく作動しているか?

・シロッコファン(ブロワー)は正しく作動しているか?(エグゾーストファンを作動させている時は必ず排気ファンも”ON”にしておく(エアーバランスが崩れる)。しかし、必要以上”ON”にしていると浪費につながる。)

◆客席の省エネルギー

<トイレ>

・トイレの水が必要以上に流れていないか?

・手洗い用の水圧をコントロールしているか、また蛇口から水が漏れていないか?

・換気扇は正しく作動しているか?

・換気扇の清掃は定期的に行われているか?

・ハンドドライヤーは正しく作動しているか、また空気取り入れ口は清掃されているか?

<客席照明>

・蛍光灯が正しく取り付けてあるか?(正しく取り付けていないと寿命が短くなる。)

・ルーバー及びライトの清掃を定期的に行っているか?

・高演色性温白色の蛍光灯を使用しているか?

・場所にあったワット数の電球を使用しているか?

・各セクションごとに配線し、必要に応じて照明の”ON/OFF”ができるか?

・”ON/OFF”に関する規則があるか?

<その他>

・全てのドアは、いっぱいに開けた状態から3秒で閉まるか?(自動ドアは4秒)

・全てのドア、窓は確実に閉まり、枠にしっかりフィットしているか?

<屋外照明の省エネルギー>

・屋外照明には決められた電球が使われているか?

・日没時間の変化を考慮して”ON”にしているか?

・閉店後、直ちに”OFF”にしているか?

<マネージャールーム、クルールーム>

・冷暖房の使用に無駄はないか?

・照明に関する無駄はないか?

◆省エネルギー対策がマネージャー、クルー、メインテナンスパーソンまで徹底しているか?

続く

王利彰(おう・としあき)

王利彰(おう・としあき)

昭和22年東京都生まれ。立教大学法学部卒業後、(株)レストラン西武(現・西洋フードシステム)を経て、日本マクドナルド入社。SV、米国駐在、機器開発、海外運営、事業開発の各統括責任者を経て独立。外食チェーン企業の指導のかたわら立教大学、女子栄養大学の非常勤講師も務めた。 有限会社 清晃(せいこう) 代表取締役

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