豚骨ラーメンの発祥の地、久留米に学んだ豚骨ラーメンの系譜は博多ラーメン、熊本ラーメン、鹿児島ラーメンと各地に広がっています。また豚骨ラーメンとして、世界中に広がっています。
久留米市内にも、ラーメンの屋台を始め、複数の専門店が繁盛しています。
中には、街の食堂として、メインを豚骨ラーメン、さらに焼き飯とセットで永年愛されています。
その中の一店が「沖食堂」、40年近く続けてきた創業者の後を継いで3代目の甥っこが新店をオープンしたという記事を昨年9月に書きました。久留米では藩校として歴史のある明善高のそばにあるため、学生にも愛されている店です。
その学生の中から、沖食堂のラーメンが好きすぎて、願いつづけついに「のれん分け」を許された青年がいるそうです。
35年越しの熱意は、千葉県市原市に「三代目沖食堂」として4月オープン予定です。
西日本新聞記事
コロナ禍での営業自粛に慣れてしまい、助成金が出ることで個人商店などでは苦労することもなく現金が手に入ってくるようになり。早朝からの仕込みや、きつい仕事から解放されることを覚えて、店を継続することの意義を忘れてしまった経営者も、相当数いるのではないでしょうか。
一発当てれば大きいと言われてきた飲食業では、その一発に当たる味の組み立てが、基本中の基本で、一子相伝や、のれん分けといった形で継承されて来たものです。大きく稼がなくても良いから、地元の人に愛されて継続していこうと続けて来た店もあります。その典型が沖食堂だと言えるでしょう。
豚骨ラーメンの創成期には、オープンソースとも言えるような技術の伝播がありました。受け手の熱意が最優先だったのでしょう、拡散のスピードは速かったようです。
チェーンビジネスが拡大している現在では、創業者の心を独占してしまうような、ドロドロした動きを見せるチェーンもあるようです。こちらは後味をスッキリさせてくれないと、獣臭だけが気になる豚骨ラーメンが出てきそうです。