9月8日はチステルニーノではマトン(羊)とトリッパ(ハチノス)を食べる習慣があります。
この日は中世から続くBomminella (ボッミネッラ)の農業市の日。ボンミネッラとは南イタリアの方言で「お人形のようにかわいい赤ちゃん」という意味で親しみを込めて聖母マリア様を指します。9月8日は聖母マリアの誕生日なのです。そして、その昔は農耕具、生活雑貨を作る職人や種子、動物などの売り買いが1週間ほどの間行われる重要な商業見本市だったとのこと。昔ほどの賑わいはないとは言え、今でも普段の朝市では売っていないような牛につけるベルやサボテンの実をとる器具、高いところになっているイチジクの実をとるために枝をたぐり寄せる先が鍵状になった棒など、この地域以外の人にはちょっと何だかわからないようなものが並んでいて興味のある人には面白いと思います。
ワイン用のブドウやオイル用のオリーヴが最大の収入源だった当時、参加者は収穫で大忙しになる前に美味しくて栄養価の高いものを食べて気合いを入れる意味合いがあったのではと想像します。羊はイタリアではよく食べますが、肉をグリルしたりローストしたりするのはもっぱらラム(仔羊)です、マトン(1年以上成長した羊)肉は主に煮込みやスープにして食べます。トリッパもニンニク、チーズ、香味野菜と一緒に口の中でとろけるぐらい煮込みます。秋風が吹き始めるこの頃にはうってつけの料理です。
宗教的な祝日と季節ごとの生活に根付いたイベントが上手く合わさっているのもイタリア的だと思います。
我が家の庭では緑色のクリのイガが存在感を増しています。ぱかっと割れて落ちてくるのにはまだもうちょっと時間がかかりそうです。今年は去年と比べて数は少ないのですが、大きさは充分。中の実も大きく育っている事を楽しみにしています。マルメロも大きくなって来ました。このところ急に雷雨があったりして昨日は少し雹も降りました。オリーヴの収穫まではあと2ヶ月弱ほどの予定ですが、変わりやすいお天気も気になる毎日です。