「おっしょい、おっしょい」と例年なら博多の街を熱く盛り上げる祭りの最中の時期なのですが、昨年に続き、今年も追い山を含めた、博多祇園山笠は縮小されて開催されています。クライマックスの15日早朝の「追い山」に注目が集まりますが、祭り自体は6月1日から始まっています。博多の山のぼせのおいさん達が熱くなっていきます。全国各地に祇園さんのお祭りがありますが、タイムトライアルを行うのは、この祭りくらいでしょう。水法被に締め込みの男たちが担いで走るものを「舁き山」、福博の街中に飾られているのを「飾り山」と呼びます。ともに博多人形師による、飾り付けがされ華やかなものです。
追い山の行事は、ご覧になったことがあると思いますが、まあ密の塊です。昨年に続き今年も中止となりました。
歴史を辿ると、700年ほど前、疫病が流行していた博多で、施餓鬼棚の上に乗った聖一国師が、水を撒きながら疫病退散を祈祷したのが始まりとされていますから、山笠で疫病を払って欲しい物ですけどね。
さて、走る山笠と並んで人気を集めているのが「飾り山」です。追い山で走るのは七つの流れ毎の七基ですが、商店街などの団体や、企業が奉納として町内や、ビルの前、一部は玄関エントランスの中など福博の町15カ所に飾られています。
7月1日から追い山の15日まで飾られていますので、いろいろなテーマで飾られた山を楽しんでいただきたいと思います。
さて、その中の一つ、十四番山笠 博多駅商店連合会の飾り山はJR博多駅の正面にあります。
飾り山は、表と見送り(裏)があり、テーマは2つあります。今年の表は『国師泰平を祈願』です。山笠の起源である聖一国師が疫病退散を祈祷する先にはコロナウイルスがいるというタイムリーな話題です。
見送りは『ももち浜ストア「うどんMAP」』という、テレビ西日本の人気番組がテーマです。
「うどんMAP」は、レポーターが街頭でインタビューして紹介された「うどん店」を公共交通機関で尋ねて、うどんを食べていくというもので。毎週、2、3軒のうどん店を紹介しています。毎週紹介できるほど「うどん店」があるのも驚きです。さらに、うどんに詳しい、うどん好きが多いのも重ねて驚きます。
祇園山笠の起源となった、聖一国師が開いたとされる承天寺には、「饂飩蕎麦発祥之地」の石碑 が建てられています。 仁治2年(1241年)に円爾(聖一国師)が宋から帰国した際に技術を持ち帰ったとされ。承天寺には詳細な製粉法を記した古文書水磨の図が残っています。そうです、福岡博多は、日本のうどんの発祥の地なのです。
十四番山笠の、表に聖一国師、見送りに「うどんMAP」というテーマは大いに関連性のあるものでした。
いつもの年なら300万人もの観光客を集める祭りです、ぜひ期間中にいらしてください。と書きたいところですが。
もう一年、我慢してください。
博多祇園山笠“飾り山”2年ぶりに公開始まる 福岡市内12カ所で一斉に
https://news.yahoo.co.jp/articles/61f8a415a57b2072e7fd37f01968df85111d7fd7
テレビ西日本ももち浜ストア うどんMAP
https://www.tnc.co.jp/store/shop/archives/category/udonmap
承天寺うどん発祥の碑
https://fukuoka-yokamon.com/cities/fukuoka_city/joutenji