外食ニュースクリップ「JR大阪三越伊勢丹とルクア」(商業界 月刊コンビニ2011年8月号)

東日本大震災後の東京の繁華街は節電の影響で文字通り火の消えたような寂しさだ。それと対照的に大阪は1995年の阪神淡路大震災後の衰退からよみがえろうとしている。その象徴は梅田地区中心の大阪駅に5月4日に開業したノースゲートビルと入居したJR三越伊勢丹百貨店の開店だ。ノースゲートビルは大丸百貨店の入居している従来のサウスゲートビルとの間のホームの上をつなぐ幅広い通路をもうけ時空の広場と名づけた。その上はノースゲートビル側の10階ほどの高さからサウスゲートビルの5階ほどの高さをつなぐ鳥の翼のような巨大な天井を設置した。
この事業の主体はJR西日本だ。JR東日本は東京駅や品川のエキュートなど斬新な商業施設を作ってはいるが、建物そのものは地味でオーソドックスな形状だ。それに比べ、JR西日本の京都駅ビルは独特の巨大な階段状の建物を造り度肝を抜かせたり、名古屋は高いタワービルを作るなど建物には凝っている。今回の時空の広場にはBAR DEL SOLEと言うカフェを設置して、待ち合わせの人や鉄道マニアに大人気だ。また、ノースゲートビルの屋上には庭園を設置し、綺麗な花を植えたりして、その景観には素晴らしいものがある。
その綺麗な庭園を備えた屋上に登ると、周囲に広がる広大な土地にさらに複数の巨大なビル建設中なのがわかる。サウスゲートビル側には老舗阪急百貨店が巨大な百貨店を改築中であり、合併した阪神百貨店とともにJR大阪三越伊勢丹百貨店を迎え撃つ体制だ。

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