外食ニュースクリップ「神戸のいすずベーカリー」(商業界 月刊コンビニ2012年10月号)

7月号で渋谷のヒカリエをご紹介したが、ヒカリエ内のベストロケーションがB2のエスカレーターを降りた場所にある、ル パン ドゥ ジョエル・ロブション(ベーカリー)とRichu濱田家(ベーカリー)だ。数年前までは三軒茶屋の小さなパン屋の濱田屋は品川のエキュートに出店して成功して以来、多店舗展開を行い、米国にも数店舗を出店する勢いだ。濱田屋のパンはロブションと異なり、菓子パンの具にヒジキやキンピラを使うなど和風のテイストが特徴だ。どうしてそのようなアイディアが出てきたのか調べてみたら、創業者の方が1月号で紹介した神戸の老舗ドイツパンのフロインドリーブで修行をしていたことがわかった。
本格的なドイツパン製法を身につけたのに、どうして和風の味になったかを考えてみたら、フロインドリーブの旧本店(中山手)の近くにイスズベーカリーという神戸地元のパン工場があり、その影響を受けたのではないだろうかと思い至った。
神戸出身の人が神戸のパンというと必ず創業60数年のイスズベーカリーを指す。殆どの店が20坪程度の小さなお店を三宮中心に展開しているが、菓子パン・調理パン類の品揃えがすごい。
お店の売り物はウインナーソーセージをフランスパン生地で巻いて焼いたトレロンだ。極あらびき肉を天然羊腸に詰めたオリジナルな燻製にしたソーセージを使う。ビールにピッタリの調理パンだ。
2番目の売り物はカレーパンだ。揚げたカレーパンとして、神戸ビーフカレーパン、牛スジカレーパン、スコッチエッグカレーパン、焼いたものとして神戸どろカレーパン(豚ばら肉のカレーにオリバーソースを混ぜた独特の味 、上には紅い福神漬を乗せている)、となんと4種類のカレーパンがある。
たった20坪程度のお店の売り場には常時100種類の菓子パンや惣菜パン、食パン、フランスパン、が並んでいる。通常のパン屋であれば30種類もあれば多いほうなのに。そして、日々新商品を開発しているようで、イスズベーカリーの商品にはコンビニの製パン担当者は目を離せないだろう。

王利彰(おう・としあき)

昭和22年東京都生まれ。立教大学法学部卒業後、(株)レストラン西武(現・西洋フードシステム)を経て、日本マクドナルド入社。SV、米国駐在、機器開発、海外運営、事業開発の各統括責任者を経て独立。外食チェーン企業の指導のかたわら立教大学、女子栄養大学の非常勤講師も務めた。 有限会社 清晃(せいこう) 代表取締役

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