外食ニュースクリップ「俺のフレンチ」(商業界 月刊コンビニ2012年9月号)

ブックオフ創業者・坂本孝氏が経営するバリュークリエイト(株)の「俺のイタリアン」と「俺のフレンチ」という飲食店が大ブレークしている。「俺のフレンチ」は5月に銀座6月に神楽坂、7月に恵比寿と立て続けに開店して、行列が絶えない繁盛店となっている。神楽坂店とはいえだいぶ離れた納戸町の店舗を訪問。雨の土曜日で空いているだろうと、予約の電話を入れたが、テーブル席は満席、数日先まで満席。とりあえず、店舗に行けば立ち食いで食べられるだろうと訪問。
なんと、立ち食いも満席、そのほとんどが女性。やっと席を作ってもらえたのだが、数日前に作り上げたディシャプの横、数十センチのテーブルだった。目の前を料理が飛ぶように出ていく忙しい席で目が回りそう。立ち食いの席はまるで出勤時の満員電車のようだ。
人気の秘密は高名なフレンチのシェフが作る本格的な料理をほとんど1000円以下で提供するという価値感だ。通常原材料費は30%くらいだが、なんと45%もかけている。
前菜は380円からで、フォアグラポアレをなんと980円、メインの本日の鮮魚980円、牛肩ロース肉とフォアグラのロッシーに仕立て   1100円、と通常のフレンチの1/3の価格だ。料理は安いがボリュームたっぷりだ。デザートのチョコレートのテリーヌ350円、クレームブリュレ350円も女性を喜ばせている。
料理だけでなくワインの価格もすごい。ボトルワインは通常市販価格の3~4倍程度するが、市価にプラス999円で提供するという気前の良さだ。
立ち食いだから1時間ほどで帰るから、回転率も高い。これが利益の源泉だといわれている。フランス�イタリア料理業界に価格破壊の衝撃を与えている必見のお店だ。

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