米国レストランピリ辛情報 「スタンフォード大学食堂」(綜合ユニコム 月刊レジャー産業資料2005年6月号 NO.465)
スタンフォード大学の学生食堂
サンフランシスコからサンノゼ市に向かって30分ほどで高級住宅街のパロアルトがある。そこには、鉄道王リーランド・スタンフォードによって1891年創立されたスタンフォード大学がある。3300ヘクタール(後楽園球場の800倍)という広大な所有地に大学、病院、住宅、スタンフォード・ショッピング・モールが点在している。高級なオープン型のショッピングモールはノードストロム、ブルーミングデール、メイシーズ、ニーマンマーカス、など4つの百貨店を中心に、カルチェやティファニーなどのブランドショップが軒を並んでおり、日本からの観光客がよく訪れる。http://www.stanfordshop.com/flash.htm
敷地内には高級食品スーパーのアンドロニコスが入居しており、入り口のカフェで甘いケーキを楽しめる。http://www.andronicos.com/ レストランは
PFチャンやカリフォルニア・カフェ http://www.californiacafe.com/ などの繁盛店があり、ショッピングの合間に食事を楽しめるが、ちょっと奥に足を伸ばすと思いがけないレストランがある。
ショッピングモールの奥の広大な敷地に大学と大学院の建物が散在し、17000人の学生が在籍する。大学の周辺の家賃が高いため学生の多くは構内の寮に滞在しており、学生に対する食事の供給は必要不可欠だ。同大学は食事の量的な供給だけでなく、料理の質や環境も大事であると2年ほど前に構内の2つの食堂を改装したので、今回は学生食堂の食事を紹介しよう。学生食堂と言うと揚げ物中心で美味しくないと言うイメージがあるが、この最新の学生食堂はその先入観を覆す存在だ。
1つ目は大学生の集まる広場にはUnion Squareというフードコートだ。自営のレストランと大手ファストフードの店舗を並べている。自営のコーナーはFour Corners(テキサス風スモークビーフ7.25ドル、グリルサーモン7.25ドル、ローストチキン6.95ドル),Twisted Sproutサラダプレート6.95ドル、ローストリブかローストターキー7.25ドル),Wrap Bowl(レッドチリビーフラップ7.25ドル、ベジタリアンカレー6.95ドル),Sushiki(寿司パック3.6~5.25ドル),Paradaise Pizza(ピザスライス2.75~3.75ドル)の5ヶ所に、ペットボトルのドリンク冷蔵庫が並んでいる。
ファスト・フード・コーナーはバークレー生まれの老舗グルメコーヒーのピーツコーヒー(スターバックスの創始者が修行した)、ジャンバジュース、サブウエー、ヌードルズ、が並んでおり、サブウエーの人気が高い。店内には290席の客席があるが、200席ほどのオープンテラスがありカリフォルニアの快適な気候の中でゆっくりと食事を楽しめる。
2つめは研究センターであるクラークセンターのLinxという食堂だ。大学院生や研究員、教員などの年配の方が多いので、落ち着いた食事ができるように240席を用意し、薄茶のタイルの床にグリーンの壁、白のテーブル組み合わせたモダンで明るい内装だ。
入り口を入ると曲線を描いたカフェテリアラインにアメリカ料理のMain Street、アジア料理のPao、イタリア料理のMosaic、が並んでいる。オープンキッチンを覗くとホテルの厨房と同レベルの最新の調理機器を備えており、ステンレスはぴかぴかに磨かれている。本日の料理はMain Streetが目の前でカットしてくれるスタッフド・ロースト・ポークのオレンジソースかけと2つの付け合わせで6.95ドル、Paoは卵スープ4.25ドル、鯰のチリソース丼6.95ドル、うどん6.25ドル、Mosaicはスタッフド・チキンのマリナラソースがけ、6.95ドル、パスタ5.50ドルだ。カフェテリアラインの手前には大きなコールドテーブルがあり、包装された寿司、豊富なサラダバー5.50ドル、フルーツバー、スープバー2.95ドル、ドリンクバーが並んでセルフサービスで選ぶ。カフェテリアラインと客席の間にある5台のレジで会計しテーブルにつく。もちろんクレジットカードを使用できる。
大学構内は広いので、合計で10ヶ所ほどの食堂がある。中国系の留学生が多いためか構内には中華弁当のスタンドもある。野菜や肉をいためてご飯にかけた弁当か麺を4.5ドルで売っており、学生は部屋にもって帰ったり、オープンテラスで食事をとる。教授陣向けにはクラブがありフルサービスの食事を提供している。運営は大学傘下のResidential & Dining Enterprisesが自営で取り仕切っている。http://www.stanford.edu/dept/hds/
学生食堂という概念を覆す施設であり、サンフランシスコを訪問する際にはぜひ訪問していただきたいものだ。
以上