weekly Food104 Magazine 2021年3月10日号

メルマガバックナンバー

このマガジンは王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社
有限会社清晃(せいこう)が提供しております。
http://www.sayko.co.jp/

発行人の王利彰はその他に

2011年4月より2015年3月まで関西国際大学教授に就任して新しく発足する人間
科学部経営学科のフードビジネスを担当していました。

2004年4月から2009年まで立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の教授
を務め、F&Bマーケティング、サービス・マーケティングなどを教えてお
りました。

立教大学観光学部、杏林大学外国語学部応用コミュニケーション学科観光文化
コース、韓国のSejong大学大学院フランチャイズ学科、女子栄養大学・短期大
学、会津大学・短期大学、等でも非常勤講師をしておりました。

2012年9月に脳梗塞で倒れ、重い嚥下障害を患っており、その顛末と嚥下対策
を月刊厨房に1年間記事投稿したのでご参考ください。
http://sayko.co.jp/article/cyubou/index.html

● 世界・日本各地の食情報
● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー
● 食ビジネスニュースリリース
● 王利彰のレストランチェック
● 日本外食ニュースと米国外食ニュース


              △▼△▼△▼△▼△▼△

● 世界・日本各地の食情報

1)食の宝庫九州から上田さんです

【Travel UNA 第2号「Rice World Kyushu」】

福岡県八女市の旧市街地を保存した一角に、商家をリノベしたセレクトショッ
プ「うなぎの寝床」があります。

取り扱っているのは筑後地区と九州の伝統的な製品、民具、玩具などです。
「地域文化商社」というカテゴリーで地域に眠る技術や製品を掘り起こし紹介
しています。

一番の目玉は、久留米絣の代表的な製品である「もんぺ」です。その機能性と
快適さを現代風にアレンジして若い世代への認知度を上げています。販路は全
国に及び、熱狂的なファンもいます。

八女の旧市街のショップには、各地から、この店を目指していらっしゃる人気
の店になっています。古い木造の商家をリノベした畳の間に、様々な製品が並
んでおり一つひとつに頷きながら買い回りを楽しめます。

その「うなぎの寝床」のグループに加わったのがトラベル事業を行う、UNAラ
ボラトリーズで、そこが出版している旅行本が「Travel UNA トラベルユーナ
」です。

「うなぎの寝床」がある八女市および周辺、また九州に興味を持った方に、ぜ
ひ旅をして欲しい、九州へ足を運んで欲しいということで、テーマを絞って編
集されています。

日英併記の紙面なので、海外からのお客様にも対応している点も素晴らしいと
思います。

第2号は「田んぼ、御飯、日本酒、スイーツ、クラフト、祭り」がテーマで
す。

米のことに始まり、おにぎり、丼と写真を添えたガイドブックになっていま
す。その店に行って食べたくなる、そんな写真がそろっています。

読んでから来るか、読みながら歩くか、どちらも正解。九州に来たくなる、そ
んな思いがつのる本になっています。

うなぎの寝床
https://unagino-nedoko.net/

Travel UNA
https://unalabs.jp/publishing/

【プロフィール】

上田和久

kazz@studiowork.jp

スタジオワーク合同会社 代表

1959年熊本県生まれ、京都、福岡で暮らし、都城の単身生活を終え
福岡に戻っています。
国際HACCP同盟認定リードインストラクター、JHTC認定リードインス
トラクター

上田和久 facebookは
https://www.facebook.com/kazz.ueda

経歴と仕事分野
 厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担
当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年コン
サルタントとして独立。
 主に、HACCPの認証取得が目的ではない、あるいは安全安心な食品
を提供することを目的にした企業に対して、HACCPに基づいた衛生管
理の取り組みを支援している。
 具体的には、食品工場に対し、これまでの計画施工から現場運営
まで経験を生かした新築・増改築についての助言を行う他、製造現
場に対して、クレーム対応、異物混入の原因の究明と対策、再発防
止の仕組み作りの提案を行っている。
 食品工場の抱える問題やこれからますます厳しくなる要求への対
応、それらを一緒に解決していくことを使命とし、精力的に活動し
ている。

2)石川メルマガ159回目

「食」と「まち」と「憩いの場」が混ざり合う新しい暮らし。
先週末、白山事務所で息子の友達と壁のリフォームをしました。コンクリート
打ちっぱなし風の壁紙を4人で貼って、初めてのD I Y体験です。少々不恰好
ですが、雰囲気がガラッと変わりました。まだまだ作りかけの事務所ですが、
少しずつ形にしていく時間は、とても楽しいひとときです。
その日は、とても暖かくて気持ちの良い日だったので、若杉先生、多美さんに
お声がけいただいていた根津の「アキチノキチ」イベントへ行ってきました。
古い街並みの路地裏、3人の男の子達がおしゃべりしながら走っていくので付
いていくと、白いシートを張った素敵な空き地がありました。駄菓子屋さん
や、ゲームボード、キッチンカー3台。お子さん、ご家族、ご年配の方まで、
たくさんの方が遊びに来ていて、下町の懐かしい賑やかさがありました。
思い出したのは昨年の夏、海外有名シェフのお店で閉店が相次ぎ、そこで働い
ていた方が京橋のキッチンカーで料理作ると聞き、お話を伺いに行った時のこ
と。
正直、どんな顔をしてお会いしたら良いのだろうと不安だったのですが、今ま
で厨房で働いていたシェフがキッチンカーで楽しそうに料理を作り、お客さま
とおしゃべりしている姿を見て、キッチンカーは、不思議とコミュニケーショ
ンを産む装置になっていました。
大手では、ハウス食品がキッチンカービジネスに参入するとありましたが、自
由にお客さまのいるところにキッチンカーでお店を開くことができるキッチン
カーは人と密にならずに交わることができる新しい形のシステムです。料理人
にとっては、開業費用が安くて、場所が決まってしまう個店を開業するよりリ
スクが低く魅力的です。
そして、「まちづくり」側からのアプローチが、最初にお話した、武蔵野美
術大学若杉研究室の「アキチノキチ」イベント。こちらでは、子供から大人ま
で、様々な方が自然と集まってくる賑わいを作る方法の一つとして、キッチン
カーの魅力を体感することができました。
ところで、「空き地」って最近増えていると感じませんか?
建物が建っている方が、税金が安いと言われていましたが、自治体によっては
防犯面や、不法投棄の温床になるための衛生的な面などから、問題視されると
ころも出始め、空き家等対策の推進に関する特別措置法(いわゆる空家法)の
効果で、4年半で約7.7万物件の管理不全の空き家の除却等が進んでいるのだ
とか(令和2年4月時点)

調査結果は、以下のURLにてご覧になれます。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_0000
35.html

さて、この「空き地」をどう活用するのか?
この解決方法の一つがキッチンカーだと若杉先生のグループは考えているそう
です。「空き地」を順番に訪問して、街の賑わいを作るのです。キッチンカー
なら、日本全国どこへだって、依頼・許可があれば伺うことができます。毎日
外食する人はいませんが、時々キッチンカーが来てくれるなら、行こうと思う
人は多いですよね。それに、飲食店オーナーにとっても、キッチンカーで料理
を作りながら旅ができるので、楽しそうです。
百聞は一見にしかず、今週末まで根津で行われているキッチンカーイベントへ
ぜひ。青空の下、街の子供・大人と一緒に偶然の出会いがあり、とても楽しい
時間です。

空き地にキッチンカーがやってくる! IN 根津

まちにある空き地の活用可能性を探る大実験!
12台のキッチンカーや4軒の屋台、ワークショップや創作ゲームなど様々なコ
ンテンツが根津の空き地をハック!

日毎に変わる14日間

—イベント概要—
「アキチノキチ」 東京都文京区根津2-22-9
3/1(月) ~3/14(日) 11:00-19:00
※入場無料・雨天決行

食のデリバリーが当たり前になった現代。
「食べ物がくるだけじゃ物足りない!」「キッチンごと来る未来があってもい
いじゃない!」そんな思いからキッチンカーが家に来る未来を妄想して。
「食」と「まち」と「憩いの場」が混ざり合う新しい暮らし。
ご飯を食べるもよし、落書きするもよし、覗きに来るだけでもよし、新しい建
物がたつまで空き地にそびえる秘密基地!子供も大人もみんなで本気の遊び
を!

プロデュース:Exx、white squat
企画運営:ねづくりや、teabreak
-team-
白塗り集団 white squat/武蔵美建築チームteabreak / 地域に根付くねづ
くりや/モビリティカンパニーEXx

【プロフィール】

石川史子 Ishikawa Fumiko (旧姓 戸田)
food field creative
facebook https://www.facebook.com/ffcnippon/
HPとblog http://ffcnippon.com/

 東京都生まれ。立教女学院中学・高校を経て立教大学理学部化学科を卒業後
、東京ガスに入社。最初の基礎技術研究所で材料の研究、次の商品技術開発部
では給湯器がメインでしたが、炊飯器やピピッとコンロの技術評価も担当しま
した。その後、家庭用燃料電池の商品化に向けたプロジェクトのメンバーに加
わり、2003年頃からは、技術戦略、営業戦略、プロモーション、営業を経験。
2010年、業務用厨房ショールーム「厨BO!SHIODOME」のオープンと同時に異動
し、最適厨房研究会の運営等に携わりました。「厨BO!SHIODOME」には稼働す
るガス調理機器があるので、お客様へのプレゼンや、レストランショーなどの
際に有名なシェフの方にお手伝いいただき、厨房設計を支援できる私はフラン
ス料理界のシェフにかわいがられるようになりました。

 2015年秋に東京ガスを退職し、現在はフリーランスのコンサルタントとして
、活動をしています。リケジョとしての能力と、仕事を通じた調理機器メーカ
ー、フランス料理界、居住地の埼玉県の農業と触れ合い、現在の厨房業界や農
業、料理業界のPRに幅広く取り組んでいます。また、立教学院評議員として、
ホッピーミーナさんこと石渡美奈社長や、日比谷松本楼の小坂文乃社長他、校
友会の皆さんと活動しております。幅広い視点で食の光景をご紹介します。

 社内結婚した夫が浦和レッズの熱烈なサポーターのため、浦和で家族と暮ら
しています。趣味は野菜作りで、ご指導いただいている同世代の農家さんとの
交流を楽しんでいます。

その他
MLA豪州食肉家畜生産者事業団 ラム肉PR大使「ラムバサダー」
全日本司厨士協会 埼玉県本部 広報企画部長
全日本司厨士協会 東京地方本部 協賛会員
フランス料理文化センター アミテイエグルマンド 会員
ホテル&ホスピタリテイビジネス衛生管理実践研究会所属
立教学院諸生徒礼拝堂ハンドベルクワイア OBOG会会長
立教大学観光クラブ、校友会企画委員
立教学院評議員
深沢アート研究所 マネージャー

3)南イタリアプーリア便り イトリアの谷の食卓から 第235回

また寒さが戻りまだもう少し暖炉にお世話になりそうです。
南イタリアは太陽燦々の常夏に近いイメージがあるかと思いますが、気温は東
京と変わりません。ただ違うのは夏が乾燥していて冬はジメジメしているとこ
ろです。田園の真ん中にある家はどこも暖炉があります。

毎朝暖炉の掃除をするのも、今年は後どの位だろうと考えると、暖炉で焼いた
肉やトーストしたパンを食べたくなります。屋外でするバーベキューとは違っ
た密かな楽しみというか、火の暖かさを感じながら食卓に近いところで調理す
る楽しさがあり、美味しさが倍増される感じがします。そう言えば日本の鍋料
理などにも通じる感覚かも知れません。

スライスしたパンの上に細かく切ったトマトがのったオープンサンドはブルス
ケッタと呼ばれ日本でもイタリア料理店などではよく見かけるかと思います。
本来は炭火でトーストしたパンの事を指すのがブルスケッタという言葉です。
上にのせるものはお好みで良いのです。

プーリアではこの暖炉の炭火であぶったパンの食べ方に独特のこだわりがあり
ます。材料はトマト、オリーヴオイル、塩、そしてリコッタフォルテというチ
ーズです。中でも欠かせないのプーリア土着品種のポモドーロ・レッジーナと
いうトマト。プーリアの中でも我が家のあるブリンディジ県の中央部の特産で
スローフード認定されています。これは夏に収穫した完熟のものが冬まで腐ら
ない優れもの。厚い皮に守られて中身はジューシーさを保つことができるので
す。へタの部分を糸で絡げて房にし、天井の梁から下げて保存します。この情
景もプーリア独特のもの。
このトマトを半分に切って切り口を炭火であぶったパンに擦り付けます。そし
てそこにオリーヴオイルをたっぷりかけます。塩で味を整えればこれだけでも
美味しいのですが、ここにリコッタフォルテという、沖縄の豆腐窯にも似たこ
れまたプーリア独特のリコッタチーズを熟成したペースト状のチーズを加える
とトマトの凝縮された旨味とチーズの濃厚なコクと辛みがマイルドなプーリア
産のオリーヴオイルと相まって唯一無二の味になります。

シンプルなコンビネーションでありながらこのトマトもチーズもそれだけで食
べるのとは比べものにならない程バランスの良い美味しさになるのが伝統食の
底力というか、長年受け継がれてきた味の奥深さですね。

トマトの品種として栽培するのに必ずしも効率が良いとは言えず一般的な美味
しさの基準からは外れているとしても、このトマトでなければ出せない味とい
うものにこだわる。チーズもそのまま食べるだけではなく長持ちさせて調味料
として使うために工夫されている。地質や天候、歴史など伝統食というコンテ
クストを外れたところからは生まれてこなかったであろうこれらの食材に陽の
目を当てるのがスローフード運動や原産地保護呼称(DOP)の制度です。プーリ
アでは今まで保護するまでもなく当然として受け継がれてきた食生活ですが、
若い世代への食育の必要性の声も上がっています。

大橋美奈子 Facebook
https://www.facebook.com/minako.ohashi

メール・アドレス
minako@da-puglia.com

大橋美奈子さん経歴

 演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人の
ジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、
レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストラン
のビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した
超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業した
ビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。
 そのジョバンニ・パンフィーノと,日本で知り合い結婚し長女を
授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考
え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したので
す。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家
農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽
しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報
発信をしたり、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っておりま
す。

 また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が
惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報を
お届けします。

 ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺り
がプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダ
プーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日
本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人
のヴァカンス先として大変注目を浴びています。
https://www.facebook.com/1438029856464276/photos/a.1438031556464
106.1073741828.1438029856464276/1523683344565593/?type=1&theater

 プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という
方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農
家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料
庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウ
をはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。

 また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山ありま
す。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地
で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係に
あります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、
飲み物たちをご紹介させていただきます。
 我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア
料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好き
なアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。

有限会社ダプーリア 
http://www.da-puglia.com/

大橋美奈子プロフィール 
http://www.da-puglia.com/archives/000047.html

プーリア州の説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E

ダプーリア
大橋美奈子

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● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー

 読者の皆様のご意見・要望・質問・情報・欄を作成しました。皆様のご意見
・要望をぜひお送りください。匿名で掲載させていただきますので忌憚のない
ご意見をお聞かせください。また皆様が見聞き体験した外食・食材情報もお知
らせください。
 このFOOD104を支えてくださっている組織にFSPROと言う食の世界の専門家の
方が500名ほどいらっしゃいます。皆様のご質問・疑問に答えられるようにな
っておりますので,ご遠慮なくご質問などをお寄せください。ちょっと時間は
かかりますが回答させていただきます。

              △▼△▼△▼△▼△▼△

● 食ビジネスニュースリリース ————————————■□

3月4日~3月10日

◆飲食事業者の支援、新規事業としてキッチンカービジネスにチャレンジ。
ハウス食品グループ本社株式会社
外食事業者支援×遊休地活用×ランチのマンネリ化解消 キッチンカープラッ
トフォーム「街角ステージweldi」3月3日より正式提供開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000193.000036263.html

◆実名口コミグルメサービス「Retty」が提案するD X。地方自治体との実証実
験としての導入も。
Retty株式会社
店内モバイルオーダーシステム「Retty Order」4月1日に正式リリース!今な
ら【月額利用料最大3ヶ月無料キャンペーン】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000110.000004025.html

◆「かみむら牧場」は3分間に1回の空気入れ替え実証
ワタミ株式会社
ワタミ、外食初の3D飛沫可視化システム導入
飛沫粒子や空気の流れを可視化、コロナ対策課題を明確化
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000327.000009215.html

◆震災から10年、福島県産米100%使用した「ごはんてりやき」を食べてみた
い。
マクドナルド
おいしい福島県産米を使用した「ごはんバーガー」3種登場!
「フィレオフィッシュ」をごはんに合うよう味付けした
「ごはんフィッシュ 和風黒胡椒」が新登場!
人気の「ごはんてりやき」「ごはんベーコンレタス」も復活
3月10日(水)から「夜マック」で期間限定販売
~妻夫木聡さん志尊淳さん出演の第2弾TVCMもオンエア~
https://www.mcdonalds.co.jp/company/news/2021/0304a/

◆東京駅周辺に、アジア4位の新フレンチ・ビストロが誕生。楽しみです!
フォーシーズンズホテル丸の内 東京
2021年6月にフランス料理「Sezanne」フレンチビストロ「Maison Marunouch
i」2つのレストランが誕生!
2020年「アジアのベストレストラン50」で第4位を獲得、気鋭のシェフ ダニエ
ルカルバートが総指揮
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/39148

◆ニュー・オータニの浮世離れしたニュースリリース配信、新しいタイプのお
金持ちさんが増えているのか?
株式会社ニュー・オータニ
久兵衛の寿司職人をひとり占め!プライベート寿司会席付、春のお花見おこも
りプラン。江戸前寿司の名店 銀座久兵衛の寿司職人がお部屋で握る、究極の3
密回避会食。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001235.000014571.html

◆食べログイタリアン、ラムバサダーのお店も掲載されています。
株式会社カカクコム
「食べログ イタリアン 百名店 2021」を発表
百名店に新たなジャンルが追加、食べログユーザーから高い評価を集めたイタ
リアンの名店TOP100
レストラン検索・予約サイト「食べログ(https://tabelog.com/)」は、2021
年3月8日(月)、食べログユーザーから高い評価を集めた「食べログ イタリ
アン 百名店 2021」を発表しました。
https://corporate.kakaku.com/press/release/20210308

◆ミスドは「最高においしい商品・価値」や「ワクワクする気持ち」を提供。
ダスキン
【ミスタードーナツ】3月12日(金)からmisdo meets 祇園辻利 第一弾『咲
く抹茶』期間限定販売
桜と抹茶の“彩り”をテーマに開発
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000588.000005720.html

◆直近1ヶ月の外食頻度は、週に1回以上が30.2%
株式会社ぐるなび
【ぐるなびリサーチ部】緊急事態宣言解除後の外食意向調査
78.8%が「外食したい」と回答。外食の相手は「家族」、お店のジャンルは
「寿司」がトップ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001049.000001511.html

◆第1位「150gハンバーグ&コロコロステーキ1,288円」は美味しそうで
す!株式会社アレフ
びっくりドンキーに密着Vol.6「鉄板」メニュー人気ランキングを一挙紹介!
お店でしか味わえないジューシー赤身肉、こだわりの秘訣とは?
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000043540.html

◆全国で再販要望が多かった「きんぐカルビ」が、約10カ月ぶりに復活
【焼肉きんぐ】グランドメニューをリニューアル!2021年3月10日(水)より
「4大名物」などの新メニューが登場
物語コーポレーション
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000170.000044964.html

◆おしゃれなスイーツで桜を眺めたいな。
株式会社TRUNK
TRUNK(HOTEL)で桜を愛でる。春を楽しむシーズナル・メニュー&サービスを期
間限定で提供。「SHIBUYA CHEESE STAND」のクリーミーなブッラータチーズ
に、ほんのりと香る桜のジュレと甘酸っぱいグリオットチェリーのコンポート
をたっぷり。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000025317.html

◆鹿児島旅行気分が楽しめます!
しゃぶ葉で「鹿児島旅行」気分はいかが?
株式会社すかいらーくホールディングス
しゃぶ葉では鹿児島産の「黒豚」を食べ放題でお楽しみいただけるコースを期
間限定でご用意。「鹿児島産黒豚」が店内・お持ち帰りに期間限定で登場!
2021年3月11日(木)~4月25日(日)【予定】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000140.000017486.html

◆素敵なライフスタイル体験ができる旅行。寒天作りも学べます。
茅野市
茅野市とランドネが共同開発した長野県茅野市の自然と暮らしを体験できる
『マウンテントリップ』ツアーを3月10日より販売
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000067875.html

◆2018年サンフランシスコでは、言葉を話さなくても、スマホだけでタクシー
やバスに乗って観光ができました。日本も早く、運転や駐車場を気にすること
なく観光や飲食を楽しめるといいですね。
株式会社JTB
ニューノーマル時代の観光周遊を提案!大分県日田市にて観光型MaaS実証実験
を実施。一般社団法人九州観光推進機構、日田市観光課、一般社団法人日田市
観光協会をはじめ地域のご協力のもと、大分県日田市において観光型MaaSの実
証実験を実施。AIを活用したタクシーのオンデマンド・リアルタイム配車サー
ビスの実証や、着地型旅行商品の検索・購入から決済までをスマートフォン上
で完結する基盤を開発し、観光における非接触・キャッシュレスなどニューノ
ーマル時代の新たな観光周遊のあり方を調査・研究するとともに、社会情勢や
地域の環境に応じたマイクロツーリズムや滞在型ツーリズムの推進による地域
への貢献を目指す。
https://press.jtbcorp.jp/jp/2021/03/maas-2.html

◆スキー場でオンラインレッスン、ゲレンデカメラが自動撮影してくれるの
で、目視より正確に指導ができそう。憧れの講師からレッスンを受けられるの
は嬉しい!
合同会社SPARK OUTLANDS
【業界初!】TOSYS・JAPAN-DEMOSKI.comによる、ゲレロクとWEB会議を活用し
たスキーレッスンイベントを3月21日に開催!
ゲレロクを活用したオンラインスキーレッスンをぜひ体験してください!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000065098.html

◆沖縄リゾートの代表企業、ムーンホテルズアンドリゾーツ株式会社とザ・テ
ラスホテルズ株式会社が初めて共同で手掛ける新ライフスタイルホテル4月開
業。
ザ・テラスホテルズ株式会社
沖縄リゾートを牽引する2つのホテルが手掛ける新たなライフスタイルホテル
「MBギャラリーチャタン by ザ・テラスホテルズ」2021年4月1日(木)開業20
21年3月8日(月)正午から宿泊予約受付開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000078.000010787.html

◆開業したばかりのホテルにオープンしたグランカフェフォション(レストラ
ン)はゴージャスな雰囲気と京都の景色を楽しむことができるそうです。
フォションホテル京都
世界初となるフォションの名を冠したスパ「ル スパ フォション」がフォショ
ンホテル京都に 2021年3月中旬開業
https://hotelfauchonkyoto.com/

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● 王利彰のレストランチェック———————————–■□

第4回

<4>環境1 米国の2店舗での研修

 1980年代に入ると社員研修に対する必要性が変わってきた。当時の日本マク
ドナルドで英語を自由に扱って、米国のマクドナルド・コーポレーションと交
渉できるのは、藤田田氏とジョン朝原氏のほか数名しかいなかった。当初はそ
れで問題なかったが、日本マクドナルドの企業規模が大きくなるとそうはいか
なくなった。通常の会社であれば英語ができる人材を外部から採用すればよい
のだが、米国サイドも藤田田氏も単なる英語使いを欲しなかった。マクドナル
ドを理解し、英語がわかる人材を要求したのであった。そのためには社員を短
期旅行でなく長期に米国に派遣する必要がある。当時ファミリーレストランの
ロイヤルでは社員育成のために社員を米国の大学に留学させていた。しかし、
藤田田氏とジョン朝原氏のとった研修は全く違った。

 普段は不仲で意見の異なる藤田田氏とジョン朝原氏が珍しく意見一致したの
が、社員の長期米国研修のやり方であった。それは米国マクドナルドで仕事を
しながら、英語、米国文化、米国マクドナルドビジネスを学ぶという現実的な
やり方であった。大学への留学は話題にも上らなかった。見るだけの勉強よ
り、実際に働くほうが身につくという超現実的な考え方であった。

 働きながら学ぶには2通りがある。一番簡単なのは米国本社に派遣するとい
うものであったが、藤田田はちょっと難しいもう一つのやり方を選んだ。それ
は米国の1店舗を日本マクドナルドが購入し、米国マクドナルド・コーポレー
ションの1フランチャイジーとして運営するという実利を伴うものであった。
米国の現地は反発したが藤田田が強く主張し、実力会長フレッド・ターナーが
承認し、ジョン朝原氏も賛同した。1980年初頭に実現し、サンフランシスコ郊
外のシリコンバレーの中心・サンタ・クララ市に店舗を構えた。現地法人のカ
リフォルニア・ファミリー・レストランという会社であった。店舗を運営する
社員を統括スーパーバイザー、スーパーバイザーから3名ほどを選抜して2年間
程滞在させるという形態であった。

 ジョン朝原氏は最初はあまり乗り気ではなかったが、フランチャイズ化が遅
い日本がフランチャイズ化に乗り出せる一歩になるかもしれないと積極的に関
与するようになった。カリフォルニアは朝原氏の出身の地区であり、地区のマ
ック関係者をよく知っていたからでもある。

 筆者も統括スーパーバイザー時代に2代目の現地責任者として派遣された。
朝原氏は筆者に英語を勉強したほうが良いと常に言っていた。逆らうと怖いの
でいつも「はいはい」と調子よく返事をしているだけであった。ある時に真剣
な顔で本当に勉強する気があるかと聞いてきた。筆者はいつもの軽い考えで「
はい」と言ったら、その2週間後にカリフォルニアに放り出されたのであっ
た。  
 のちに。カナダトロントの店舗も加わり、2店舗体制となった(トロントは
市街地で不採算店であり、筆者が全国統括運営部長兼海外運営部長兼機器開発
部長時代に、実力者フレッド・ターナー氏に直談判し、1990年初頭にシカゴ本
社近くの郊外に移転して、ドライブスルー店舗を開業した)。

<5>環境2 米国本社での研修
上記の店舗での研修が軌道に乗ると、店舗研修の適性を判断し、シカゴにあ
る米国本社での研修や、異なる地域のリージョンでの長期派遣研修をするよう
になった。筆者は、店舗運営、調理機器などの分野を進んだが、人により、さ
らに上の地区本部長の勉強や(東海岸などの地区で数年勤務)、ハンバーガー
大学での勉強、フランチャイズの管理業務、法務の業務、品質管理の業務、情
報機器(POS)などの業務、店舗開発業務、などを学ばせるようになった。
 2店舗の責任者や米国本社での研修者になった人は大変優秀で、後に日本KF
Cの役員や米国ディズニーの東南アジアの責任者になった中澤一雄氏、ユニク
ロ役員(副社長や監査役)の田中明氏、トイザらスの社長になった田崎学氏、関
西有力フランチャイジーの佐藤明氏、横浜地区有力フランチャイジーの李えい
敏氏他たくさんいる。

4)人によって適正にあった教育をする(環境に置く)
 ジョン朝原氏の偉いのは知識不足を認識し、実質部下の日本人社員に彼の知
識を押し付けようとしなかったことだ。日本の会社であれば上司は何でも知っ
ているようにふるまい、自分の知識ややり方を部下に命令して押し付ける。ジ
ョン朝原氏はマクドナルド店舗での経験が1年程度と短く、マクドナルド運営
の知識が不足していたのを正確に認識していた。そこで日本人社員が何かを学
ぼうとすると、米国本社の専門家や、場合によっては外部の専門家を呼んでき
て、直接学ばさせたた。

 朝原氏は、それぞれの社員の要望、希望を聞き、各人にあったキャリアプラ
ンを考え、各人に進路を決めさせた。筆者は最初の米国研修で、食材や調理機
械の違いに気づき興味を持ったので、その分野に進めさせようとしたようだっ
た。筆者が学ばされたのは技術のトップ・ジム・シンドラー氏と国際部バイス
・プレジデントのクラーク・ボールドウイン氏だった。

<1>ジム・シンドラー
 最初の米国研修時に当時のエンジニア部門の責任者の天才エンジニアを引き
合わせてくれた。新型厨房の開発を行っており、彼の開発した店や家を訪ねて
色々勉強させてくれた。この天才エンジニアと話して勉強になったことは仕事
に壁がないということだった。彼の本職は厨房のレイアウトや調理機器の設計
だが、実は店舗デザイン、看板デザイン、にまで手を広げ、その他全自動のハ
ンバーガー調理機器や、全自動のシェークマシン、ロボット調理システムなど
大変巾の広い研究を行っていた。なぜそんなに幅広くやっているのか聞くと、
好きだからだということだった。その仕事ぶりは変人奇人のたぐいで、彼のや
っていた仕事は実は20年から30年以上たってから成果が出るような先進的な開
発ばかりだった。

 一番印象に残っているのは,図面を引く時だった。普通図面を書くときには
製図台に向かって、専用の用紙できちんと書くのだが、彼の図面はマクドナル
ドの大きな紙ナプキンにアイディアやデッサンを書きなぐるのだ。彼は四角四
面の考え方が嫌いで、まっさらな紙に思いついたときに書き上げるという自由
な発想を旨としていた。きちんとした図面が重要なのではなく発想が重要なの
だということだろう。そのスケッチを書いた紙ナプキンを恭しく受け取り、製
図するのだ。

 彼はマクドナルドの創業者のレイ・クロック氏と同じ東欧の生まれで、自ら
ボヘミアンだといっていた。創業者のクロック氏もボヘミアンであったという
事はマクドナルドに大きな影響を与えていた。ボヘミアンだったクロック氏は
音楽を楽しむ楽天家だった。それが50歳を過ぎてからマクドナルドを創業で
きた最大の原動力だったろう。だから、既成概念や大きい組織,官僚的な考え
方が大嫌いだった。特に行動を規制されると言うのが大嫌いだった。だから、
何かをやろうと言ったとき、「それは前例がありません。そんなことは出来ま
せん」という答えは大嫌いだった。まずやってみようというのが基本的な考え
方で、失敗をしても怒られないが、失敗を怖がって行動を起こさないともの凄
く怒られると言う行動重視の考え方だった。だから仕事でも何か必要なことが
あったらそれを誰かに依頼するとか、自分の仕事でないと,自ら行うことがな
いともの凄く怒られた。

 マクドナルド兄弟の最大の功績はセルフサービスのハンバーガーショップに
仕立て上げたことだ。通常のコーヒーショップの売り上げは客席のキャパシテ
ィで決まる。注文してから作り出すと調理に15分ほど必要だ。そして客席にの
んびりと座って連れとお喋りをしながら食べるとあっという間に1時間経過す
る。客席が100席あれば、1時間に最大100個のハンバーガーしか売れない。
 そこでマクドナルド兄弟は、ハンバーガーを売り上げ予測に基づいて製造し
ておき、紙ペーパーに包んで保温し、客が注文をしたら直ちにサービスする仕
組みを作り上げた。客はそれを持ち帰ったり、車の中で食べた。この仕組みに
より客席に縛られない大きな売り上げを得ることが可能になったのだ。

 この仕組みの最大のポイントは客の来店を予測して、忙しくなったらあらか
じめハンバーガーを調理して包装しておくことだ。通常のコーヒーショップの
ように客に背を向けて調理していては迅速な対応ができない。そこでコック
が、客が入ってくる入り口に向いて調理をできるようにした。そのためにはハ
ンバーガーパティを焼き上げるグリドルの向きを変える必要がある。それを実
現するために特別な低い排気フードを開発した。実はマクドナルド兄弟が開発
した最大のポイントはコックが客を見ながら調理できるようにすることだっ
た。

 日本ではマクドナルドは何か特殊な規格を持っているように思われてが、マ
クドナルドで使用している食材はごく普通のものだ。たとえば、ハンバーガー
のミートパティの重さは約45g(1/10ポンド)で、バンズの直径は4インチ(約1
0cm)だ。これはマクドナルドが開発した規格ではなく、米国の一般的な食材
規格なのだ。45gというのは1/10ポンドのことで、1ポンド(約450g)のひき肉
から10枚のハンバーガーパティを作ることから命名された。バンズの直径は4
インチという一般の市販バンズ規格そのままなのだ。米国の食品スーパーに行
くとマクドナルドで使っているのと同じサイズのバンズやミートパティを買う
ことができる(日本でもCostcoに行くと、日本マクドナルドのミートパティを
製造しているオレンジベイフーズの1/4ポンド,113gのクオーターパウンダー用
ミートパティを買える。マクドナルドのものとちょっと形状は異なるが、重量
大きさは同じだ。)

 マクドナルドで使っていたグリドルやフライヤー、シェイクマシンも当初は
通常の市販品を使っていた。しかし、マクドナルドのハンバーガーの人気が高
まるにつれ、売り上げはどんどん増大した。客席サイズに縛られないテイクア
ウトのセルフサービスのお店はものすごい売り上げを記録するようになった。
そこで、すべての調理機器とレイアウトの見直しをすることにした。クロック
氏は同郷の天才エンジニアー、ジム・シンドラー氏をスカウトしマクドナルド
の機器開発部の責任者に任命したのだった。シンドラー氏が調理機器や厨房の
レイアウトで果たした実績は大変なものであった。ジム・シンドラー氏は調理
機器の設計だけではなく、店舗の内外装や有名なMマーク(ゴールデンアー
チ)の設計もしていた。

 現在マクドナルドで使用しているクラムシェルグリル(サンドイッチグリル
と言い、上下の鉄板で焼くので通常の半分の時間で焼きあがるし、アルバイト
でも失敗しない)は元々シンドラー氏が開発した全自動調理器(ハンバーガー
ロボットで無人でバンズ、ミートを焼きあげ、焼けたバンズにケチャップ・マ
スタード・ピックルス・オニオンをドレスして、ハンバーガーを作る)の開発
が原点だ。シンドラー氏の目標は、調理機器は自動化し、レイアウトは交差導
線をなくすことだった。その点で、マクドナルドのライバル、バーガーキング
の厨房の方がはるかに優れており、シンドラー氏はそれらの仕組みを詳細に分
析し、マクドナルドでどのように取り入れるか研究をしていた。

 当時の競合(現在でも第2位のハンバーガーチェーン)のバーガーキング社
は自動調理器のブロイラー(肉を上下の直火焼き上げる)と焼き上げた肉とバ
ンズを蒸気保管庫に保存し、顧客の注文により組み立てて提供する仕組みと作
業導線が交差しないレイアウトで高い生産性とスピードサービスを実現してい
た。その優れたブロイラーを大変気に入ったシンドラー氏は、その製造メーカ
ーのNIECO社にマクドナルド向けの自動調理器を作らせることにした。
https://nieco.com/

 バーガーキング社のハンバーガーパティを焼き上げるブロイラーはグリルで
はなく、直火で上下からパティを焼き上げる形式であった。そこで、シンドラ
ー氏はハンバーガーの大きさの小さな2枚の鉄板にパティを挟んで焼き上げる
方式に変更した。小さな鉄板は自動で上下に動き、コンベアーで冷凍のパティ
が送られ、サンドイッチにされて焼き上がる。
 この自動調理機器は大成功だったのだが、値段が当時で2,000万円と従来の
厨房全体のコストと同じくらい高かった。もう一つの問題は、当時スタートし
た朝食の卵料理を調理することが出来なかったことだ。従来のグリドルは温度
を下げれば卵料理を簡単に作ることが出来るのだが、自動調理機器はそれが出
来ないし、他の調理機器を入れるスペースもない。と言うことで、自動調理機
器をあきらめたのだが、その調理方法の短時間調理能力に注目し、後のクラム
シェルにつながっている。

 ジョン朝原氏は筆者がさらに調理機械に興味を持つように考えた。ジム・シ
ンドラー氏は日本に時々きて建設部(店舗内外装の設計と厨房レイアウト、調
理機器の開発担当。後に設計監理部と機器開発部に分かれる)の指導にあたっ
ていた。日本の郊外型ドライブスルー1号店の環八高井戸店を設計した。シン
ドラー氏は日本が大好きで、日本に長く滞在することが多かったのだ。氏は発
明家だから、常に新型の調理機器の開発に余念がなかった。全自動のハンバー
ガーマシンを米国で開発していたのだが、それとは別なアイディアを日本で実
現しようとしていたのだった。

 米国で開発中の全自動のハンバーガーマシンはミート一枚分の鉄板で上下か
らミートを挟んで焼き上げる形式であった。氏が日本で開発を考えたのは、鉄
板の代わりに向かい合った36本の熱せられた鉄棒の間をミートパティが下部か
ら上部に上がりながら焼き上げるローラーグリルだった。冷凍のミートパティ
を焼き上げるには多大な熱カロリーが必要だ。その主な熱カロリーは肉の70%
を占める水分だ。冷凍の肉を焼き上げると肉内部の凍った水分が溶けて鉄板上
で蒸発し鉄板の熱を大量に奪う。しかしローラーグリルは焼き上げる肉の水分
が鉄板に接しないで下に垂れるために熱効率がよいというコンセプトであっ
た。氏はそのローラーグリルを日本のベンチャー企業に依頼して開発しようと
したのだが、氏は常時日本にいるわけではない。そこで、日本マクドナルドの
建設部にフォローアップを依頼した。

 しかし、日本のエンジニアはその機械を見て、こんな複雑な機械の開発を手
伝わされたら大変だという事で皆逃げ出してしまい、ジョン朝原氏は何もわか
らない筆者に勉強になるからと言ってこのローラーグリルの面倒を見させた。
 筆者の役割は、このローラーグリルでちゃんと調理ができるかの確認であっ
た。当時赤城山の麓にあったベンチャー企業の、粗末な土間に建てた隙間風が
吹き込むプレハブ造りの工場に行ってミートを焼き上げる実験に立ち会い評価
することだった。しかし実際は、ローラーグリルの温度調整準備から、テスト
後の機械の清掃まで筆者がやらなければいけなかった。

 清掃と簡単に言うが、36本もある熱いローラーグリルが冷めるまで待って、
1本づつ丁寧に分解し、こびりついた肉滓を洗い流すという作業だ。冬の赤城
山の冷たい風が吹き降ろす中での冷たい水作業は苦痛であった。筆者は何度も
逃げ出そうとした。しかし、ジョン朝原氏は筆者が逃げ出さないように毎回テ
ストに同行した。
 先方のベンチャー企業の社長は、米国本社のジム・シンドラー氏の代理でジ
ョン朝原氏が立ち会うので一生懸命改良を続けてくれた。このローラーグリル
は温度制御が複雑であり、アナログ回路の温度計測器では応答が遅く、温度計
測に1時間も時間がかかってしまい、温度データを取るだけで一苦労であっ
た。

 当時、大手の温度計測メーカー横川電機社から、計測時間が短いデジタル表
示の温度計が発売されていた。値段が高かったので当時の日本マクドナルドに
は1台しかなく、引くてあまたの人気機種であった。

 あるときに寒風吹きすさぶ赤城山の麓で凍えながら温度計測をしている際
に、アナログ式温度計メーカー芝浦電子の老齢のエンジニアが筆者に合流し
た。芝浦電子はローラーグリルの温度コントロールを作っていたのだ。温度計
測をする際にその老エンジニアに、芝浦電子の温度計と横川電機社のデジタル
温度計を比較してみせ「あんたの会社の温度計は時代遅れだ」と文句を言っ
た。顔色を変えた老エンジニアは「何だそんなもの、俺の会社で作ってやろう
じゃないか」と言う。名刺を交換してみると、何とその老エンジニアは芝浦電
子(現在は上場会社)の創業社長であった。それから芝浦電子を毎週訪問し、
別の取締役エンジニアに温度計のセンサーのレクチャーを受けながら新型の温
度計の設計に共同で取り組んだのだった。勉強しながら、マクドナルドで使用
する温度計の仕様書を作っていった。素人の恐ろしさで、レクチャーを受け、
専門書を読んでいると色々なことが勉強になった。結果、高精度で安価な温度
計を開発成功し全店舗に導入し、店舗の温度計測の基準は大幅に向上し、それ
からの調理機器や食材の品質改善に絶大なる効力を発揮した。
 結果ローラーグリルはパテント取得に成功したが、残念ながら当時の部品の
精度や品質ではものにならなかった。このローラーグリルの開発当初は嫌々で
あったが、成果が出るにつけ、調理機械に興味を持つようになった。またこち
らが一所懸命に働けば、専門家もこちらを尊重してくれ、開発をしてくれると
いう学びであった。これがジョン朝原流の教育だったのだ。

 専門家との付き合い方も体で教えてくれた。ジム・シンドラー氏は発明家で
一風変わっている。ある時、ジョン朝原氏と米国のジム・シンドラー氏の家を
訪問した。午後2時ころであった。家人がシンドラー氏の寝室に案内してくれ
たが、部屋は真っ暗で、シンドラー氏はまだ寝ている。ジョン朝原氏はそれを
起こさず辛抱ずよく椅子に座って待つ。2時間も待ったろうか、やっとシンド
ラー氏は起き上がる。そして我々に「来ていたのか、食事に行こう」と声をか
ける。それからなんと身支度に1時間もかかる。高齢のシンドラー氏はかつら
を着用するが、履くブーツ似合う色を選ぶ。ブーツは蛇や鰐の皮の高価なもの
で、いろいろな色に染めてある。その色と会うかつらを選び着用する。3時間
ほどたって、家を出る。まず氏は、我々を、氏の設計した店に連れて行き、説
明する。さらに数時間たってやっとレストランだ。氏は出身の東欧料理を出
す、チェコスロバキア料理店が贔屓だった。食事をしながら、上機嫌になった
氏は機械開発や店舗デザインの話をするので大変勉強になった。氏は、深夜静
かな中で機械開発や店舗設計のアイディアを練るので昼過ぎまで寝るのだ。そ
れをたたき起こすと機嫌を損ね話をしてくれない。ジョン・朝原氏の思いやり
と辛抱強さをシンドラー氏は好み、我々にも親切に教えてくれる。シカゴは著
名な建設課の、フランク・ロイド・ライトFrank Lloyd Wrightが建てた建物が
あり、シンドラー氏はその影響を受けていた。それを知った朝原氏は、ライト
の設計した建物を見せて回ってくれた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%
83%BB%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88

 ローラーグリルの開発でも教えてくれた。私の言われたのは調理能力の開発
だけだから、長時間の温度調整や、テスト後の機械の清掃まで筆者がやらなけ
ればいけなかった。
 清掃は業者にやらせるべきだと思った筆者は何度も逃げ出そうとした。しか
し、ジョン朝原氏は筆者が逃げ出さないように毎回テストに同行した。その我
々の努力にベンチャー企業も感銘し、大変協力してくれた。また、芝浦電子の
社長と知り合い、温度計の開発もできた。

 クラムシェルの開発も大変時間がかかった。日本でも開発しようと、コメッ
トカトウ社に依頼した。グリル下部の鉄板は問題なかったが、上のアルミ鋳物
の鉄板が難題で、私が統括スーパーバイザー時代に開始し、全国統括部長兼海
外運営部長兼機器開発部長になるまでかかった。今は立派な建物のコメットカ
トウであるが、当時の開発は隙間風の吹き込むプレハブであった。朝原氏はそ
のテストに毎回立ち会う。上のアルミ鋳物の鉄板は冷凍ミートを大量に焼き上
げると反ってしまう。そこで製法に問題があるのだろうとアルミ鋳物を作る工
場まで訪問した。工場は寒い山形の山中にある。その工場見学にもジョン朝原
氏は同行する。冬の寒い日で、積雪の中、有名な山寺に一緒に上った思い出が
ある。工場は当時はみすぼらしく、老齢のベテラン職人が働いている。そのあ
と、米国のオハイオの片隅にある、米国のアルミ工場にも一緒に訪問した。日
米の違いは、働く人の年齢で、米国は若い人がつらい労働に従事していた。そ
の後判明したのは、アルミ板の厚さでようやく解決した。しかし我々の熱心さ
に感銘した、工場責任者は、私がマクドナルドを退職して数年後に山形天童の
旅館に呼んでくれ、一晩昔話をしたくらいだ。

 続く

              △▼△▼△▼△▼△▼△
● 日本外食ニュースと米国外食ニュース    ——————-■□

最新の情報は私のfacebookに掲載していますのでご覧ください。
https://www.facebook.com/toshiaki.oh

<日本外食ニュース>

柏原光太郎(カッシー)さん発行の飲食業界ニュースまとめのリンクです。

 柏原さんは、文芸春秋の編集者で1967年から続くグルメガイド『東京い
い店うまい店』(私が愛用していた信頼のおけるグルメ本です)の編集長を務
め、自身もグルメとして知られる有名な方です。

10月1日にスタートした「文春マルシェ」は柏原さんと食通販サイト「セコム
の食」伝説のバイヤー猪口由美さんがタッグを組んでいます。「セコムの食」
は残念ながらこの3月に閉業。そこで「文春マルシェ」では、これまでが猪口
さんが築き上げたおいしいものの人脈に、柏原さんの有名シェフの人脈がプラ
スされていて、魅力たっぷりに紹介されています。

おいしいは、ニュースだ

「文春マルシェ」
https://shop.bunshun.jp/store/top.aspx

2018年1月に「日本ガストロノミー協会」を設立し会長に就任しています。
https://www.japangastronomy.com/

食べログフォロワー数5万人。
https://tabelog.com/rvwr/kotarokashiwabara/

飲食業界ニュースまとめ #343 2020/3/4
https://note.com/kassie/n/nf249a9a7c8e3

飲食業界ニュースまとめ #344 2020/3/5
https://note.com/kassie/n/n91b85498d780

飲食業界ニュースまとめ #345 2020/3/6
https://note.com/kassie/n/ne025f1a6ab7e

飲食業界ニュースまとめ #346 2020/3/7
https://note.com/kassie/n/nf6779dca79b8

飲食業界ニュースまとめ #347 2020/3/8
https://note.com/kassie/n/nb4bb1720efe4

飲食業界ニュースまとめ #348 2020/3/9
https://note.com/kassie/n/n6fe405805985

飲食業界ニュースまとめ #349 2020/3/10
https://note.com/kassie/n/n2228529e24b1

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編集:石川史子
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に進出する外食企業のサポート、及び、チェーンレストラン、フランチャイズ
チェーン展開をする企業へのサポートを行っています。
日本の外食企業では、大手ファスト・フードの殆ど、大手居酒屋、大手ファミ
リーレストラン、大手ホテル旅館、大手食品メーカー、大手食品卸売業、サー
ビス業等へのコンサルティングを行っています。
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http://www.sayko.co.jp/company/index.html#work
王利彰の経歴は 
http://www.sayko.co.jp/company/work.html
をご覧下さい。

ご質問、ご相談はeditor@food104.comにお寄せ下さい。

実務的な仕事だけでなく、外食産業を基礎から学びたい、家業の飲食業を
企業にしたい、家業の飲食業を継承したい、外食産業に将来就職したい、
将来独立して飲食業を経営したい、将来外食企業の経営者になりたい、
と思っている方にお勧めするのは、

関西国際大学人間科学部経営学科
http://www.kuins.ac.jp/old_faculty/management.html

立教大学大学院ビジネスデザイン研究科
https://business-school.rikkyo.ac.jp/

立教大学ホスピタリティ・マネジメント講座(毎年9月~12月、30回、受講料5万円)
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/kanken/

大学で外食を含む観光分野をきちんと学びたいという方は
立教大学観光学部
杏林大学外国語学部観光交流文化学科
等で学ぶことをお勧めします。
https://www.rikkyo.ac.jp/undergraduate/tourism/
http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/faculty/foreign/

王利彰の長年蓄積した調理機器開発のノウハウは最適厨房研究会
http://saitekiken.jp/saitekichubo/

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