NEWSな外食2006「若手経営者の海外進出」(商業界 飲食店経営2006年2月号)
昨年の11月号でBYOえんと、フード�スコープのMEGUがニューヨークに進出したことをお伝えした。西海岸のロサンゼルスではグローバルダイニングが巨大な権八を高級レストラン街に開業準備中だ。その目の前には日本料理の名声を世界に轟かせたMATSUHISA(他の土地ではNOBU)が未だに予約の取れない店として君臨している。また、日本企業が東海岸の寿司チェーンを買収しつつあるという噂も流れてきた。日本外食企業は日本の逼塞した経営状況に満足できず、続々と米国などの海外進出を計画しているのだ。
企業だけではなく、最近は外食企業の管理職を経験した方が個人で米国進出にチャレンジしだしている。先日、ハワイに居酒屋を開業し、次にロスアンゼルスに進出を計画中の元居酒屋チェーン大手常務のA氏が帰国したのでお話をする機会があった。A氏は「日本は何か新しいことをやっても直ぐに真似をされるが、米国は参入するのに大変なだけに真似をされにくいので進出をしたのだ。また、日本人の開発力は料理も、内装もサービスも今では世界に自慢するべきレベルに達している。その日本人の素晴らしい能力を発揮すれば立派な和食店をチェーン展開するのは可能だろう」と語っていた。また、東京で映画監督をテーマにしたコンセプトで2店舗経営している蕎麦居酒屋の創業に携わったB氏が退任し、単身ロサンゼルスに渡り、蕎麦居酒屋開業準備中だ。世界的に名前が通った映画監督のテーマレストランは映画の都ハリウッドでは効果抜群だし、マクロビオティックなどの日本発のダイエットがブームの米国で日本蕎麦ブームになりつつある背景を考えると成功する可能性が高いだろう。
しかし、米国でビジネスを展開するのは容易ではない。日本の豆腐懐石のチェーン展開をしているC社がロサンゼルスに店舗を構えたのだが、たった10ヶ月で撤退に追い込まれた。また、大手ファミリーレストラン創業者が個人的に出資している時代劇をテーマにしたレストランが「えん」meguに続けと、ニューヨークに進出したが、ニューヨークタイムズ紙に酷評されてしまった。
資金力に勝る企業とアイディアと気力のある個人とどちらが米国進出で成功するか楽しみだ。
NY Times のコメントは
http://events.nytimes.com/mem/nycreview.html?pagewanted=1&id=1125996610747