NEWSな外食2011「外食産業の海外進出2」(商業界 飲食店経営2011年2月号)
リーマンショック後の景気低迷と人口減少による外食産業の売上げ低迷を打開するために、海外に進出する企業が最近2年で急増している。
日経MJの2010年5月17日付け第36回日本の飲食業調査によれば「すでに海外展開している企業は21・2%にのぼり、その52・0%の企業がさらに海外出店を強化する。また、現在、海外に店を持たない企業も1割が今後の出店を予定する。海外出店を積極化するまたは、今後進出を予定する企業の出店先を複数回答で聞いたところ、65・9%の企業が中国を挙げた。」
また、日経MJの2010年07月14日によれば「NPO法人の日本食レストラン海外普及推進機構(JRO)と日本フードサービス協会が外食企業114社を対象に2009年8~9月に実施した調査では、約35%の企業が海外に出店している。海外進出企業の50%が北米(太平洋地域含む)、東南アジアが45・0%、中国が37・5%とアジア地域は米国と並び、日本食レストランが集中している。」と外食企業の2割以上が海外にすでに進出していることがわかる。
このように海外に進出する企業は多いのだが、必ずしも成功しているわけではない。その海外の状況はどうなのか、米国、韓国、中国における現状を見てみよう。
1)米国 ロサンゼルス地域
日本人移民の多い南カリフォルニア(ロサンゼルス周辺)は和食店が多い。映画で有名な高級な町ビバリーヒルズに松久信幸氏経営の寿司屋のMatsuhisaがある。日本出身の松久氏はビバリーヒルズの一等地ラ・シェネガ通りに1987年に開業しあっという間に人気店となった。そして、俳優のロバート・デニーロ氏と提携し、1993年にNobuと言う店名でニューヨークのトライベッカに開店し大人気となり、米国の和食ブームに火がついた。そのブームを見て日本企業はロサンゼルス周辺に進出を開始した。
2002年に小泉首相が来日した米国ブッシュ大統領とグローバルダイニングの新しい和食店・西麻布の権八で食事をした。そのニュースで一躍権八は有名になった。権八の料理は1、2階が日本蕎麦と焼き鳥がメインの料理で、3階が寿司を中心とする和食のお店だ。その店舗デザインとサービスで日本を訪問する外国人に大人気となった。その外国人の人気ぶりを見て、ロサンゼルスにラ・ボエムやモンスーンカフェをすでに経営していたグローバルダイニングは権八をロサンゼルス地区一の高級地のビバリーヒルズに開業することにした。ラ�シェネガ通りのMatsuhisaの正面に広い土地を購入し、西麻布の店よりも本格的な武家屋敷風の本格的な和食店を開業することにしたのだ。筆者も外国人に大人気の権八であれば、和食ブームのロサンゼルスで絶対に成功すると思ったのだった。しかし、開業までに3年近い年月がかかると言う苦労をした。米国では店舗開店をするには近隣の住民たちによる公聴会が開かれ、そこでの合意がないと開店できないのだ。特にビバリーヒルズ市は映画界に強い影響力を持つユダヤ人の金持ちが多く、街の景観に関しては大変うるさかった。
その苦労あってやっと2007年に開業し、大成功するだろうと思われたが、開店後も閑古鳥が鳴いている惨状だ。その権八の数件隣に元ワタミ常務の江村氏がTokyo Tableと言う和風居酒屋を同時期に開店した。江村氏はハワイですでにShokudoという和食店を開業し、大成功しており、その勢いをかって進出したのだった。中々お洒落で、メニューも現地を研究していたのだったが、成功せず、撤退をせざるを得なかった。
その理由を見てみると、まず、立地の失敗だった。ラ�シェネガ通りのMatsuhisaの隣には40年前から日本のチタカ�インターナショナル�フーズがフランチャイジーとしてロッキー青木氏の開発したBenihanaのフランチャイジーとして経営していたり、ローストビーフで有名なローリーズなどの人気レストランが軒を連ねている。しかし、現在は人気のレストラン通りは移動していたのだった。もう一つの理由は料理の現地化の失敗だった。権八の料理は本格的な手打ち蕎麦や焼き鳥であり、東京を訪問するような知識階級の米国人には人気があったが、現地の普通の米国人には単調な料理に思えたようだ。
最近では梅の花、くら寿司、がビバリーヒルズに進出したが1年と持たずに撤退している。くら寿司は立地とビストロ寿司という業態の問題で撤退したが、場所を代えて回転寿司として再出店している。梅の花は立地選定は良かったのだが、健康的な豆腐料理はまだ現地には受け入れなかったのと、現地で経営を任せた人の力量の問題があった、等だといわれている。
筆者も何回か現地を訪問し、繁盛している和食店を食べ歩いたが、現地で流行っている和食店の料理は日本人の好きな和食の範疇をはるかに超えている。一般的な日本人の方であればNobuの料理は和食ではないと言うだろう。しかし、現地で人気の和食店で食べるとNobuの料理が本格的な和食に思われるほどだ。現地で人気トップの和食店はKOIと言うお店だ。平屋のお店の正面は笹や樹木で囲まれたあっさりとした入り口だ。しかし、店舗の歩道側にはヴァレ・パーキングの受付があり、4~5人の従業員が待機して乗りつける客の車を処理している。乗り付ける車はロールスロイス、ベントレー、BMW,ポルシェ、ベンツなどの高級車が続々だ。来店する客の服装もカジュアルから正装まで人それぞれだ。
店舗の入り口には古ぼけた鉄扉があり、受付の女性スタッフは美人ぞろいだ。受付の手前の庭には池があり、その横のコンクリートの壁には仏陀像の頭部がかけられて、その下には蝋燭がともされている。日本の雰囲気と言うよりはバリやタイなどの東南アジアリゾートの雰囲気だ。
220席と言う広い店内は5つのセクションに別れている。入り口横には暖炉のあるリビングルーム風の部屋があり、ウエイティングバーとして使わう。赤々と燃える暖炉の薪が独特の雰囲気をかもし出している。暖炉の上には3つの大型の巻貝が乗せられており、暖炉の横の壁は竹と小笹で飾られている。
そして、ダイニングは寿司カウンターを中心に4つ部分に分かれている。寿司カウンターの前には4人がけの客席が点在し、正面奥には個室のパーティルームがある。赤いレースのカーテンで仕切られた隠微な雰囲気の個室だ。この個室は人気でハリウッドの映画ロスト・イン�トランスレーションの打ち上げなどで使われた。
寿司カウンターと個室の間の客席天井は半透明のテントが張られ、早い時間には明るいパティオで食事をしている雰囲気を味わえる。その奥には赤い壁に蝋燭をともした暗い部屋があり、落ち着いて食事を楽しめる。
経営者は米国人のNickとDipu Haqneと言う独身兄弟で、本業は医療機から洗車部品まで幅広い部品の販売で、KOIが初めての飲食業への挑戦だ。
開業前に、Haqne兄弟はインテリアデザイナーのThomas Schoos氏がニューヨークで開いたアジア料理のTAOを見て大変気に入り内外装のデザインを依頼した。デザイナーのThomas Schoos氏はドイツ生まれでデュッセルドルフ大学を卒業。大学卒業後は石工やペイントの仕事に従事し、デザイン面ではフランク�ロイド�ライト、フィリップ・スタルク、の影響を受けた。1994年に米国ロサンゼルスに渡り、ビジネスパートナーを得て1996年にスタジオを開設。最初はシャロン・ストーンなどのハリウッドスター達の家をカラフルな色に塗り替える塗装の仕事を始め、1997年にウイル・スミス家のデザインを行い、それ以後、ハリウッドスター達の家のデザインを行うようになった。
2002年に初めてニューヨークのアジア料理のTAOのデザインを担当し、受賞して名声を得た。そして、2作目がハリウッドのKOIだ。このKOIの料理をコンサルティングしているのが、沖縄出身の上地勝也さんで、上地さんは自らもKatsuyaという和食店を経営している。
その上地さんがエンターテイメント企業のSBE社と一緒に開店して大人気なのが有名デザイナーのフィリップ�スタルクにデザインさせ、8億円を投資したのがBrentwoodのKatsuyaだ。入口の勝という漢字のほかに日本を連想させるものは無い。寿司カウンターはあるが、白木ではなく、ガラスを使ったモダンな寿司カウンターだ。
さて、料理を見てみよう。ハマチの刺身にハラペーニョの味付け、巻物はタラバガニとアボガドをマヨネーズの味付けで湯葉で巻いている。米国人が黒い色の海苔巻きの色と、ネーミング(海の雑草)が嫌いだからだ。ヒラメの薄造りにオニオンのから揚げをかけたカルパッチョ、油をひいた鉄板で両面を焼いた飯の上にネギトロをのせたもの、蟹入りチーズの天麩羅、と言うジャパニーズ�カリフォルニア料理だ。このKatuyaの人気料理はKOIでも同じく提供され、米国人に高く評価されている。
2)米国ニューヨーク
93年に開店したNOBUの人気を追随して、ルビー�フーなどのお洒落な寿司屋が続々と開店した。日本外食企業もそれに注目し、グッドウイルグループだったフードスコープ・アメリカ社が2004年3月ニューヨーク市・トライベッカに日本料理Meguを開業した。
着工から完成まで2年をかけ2004年3月にトライベッカに開店したMEGUの内装は、ファッショナブルなレストラン設計を手がける森田恭通氏のデザイン。客席中央には内側が赤く染められた大きな梵鐘がシャンデリアのようにつり下がり、下には赤い花ビラが浮かんだ池に氷細工の仏陀がでんと座っている。その奥には赤い背景の寿司バーが妖しげな和風の雰囲気をかもし出している。
料理も負けていない。米国では体に良いと枝豆がブームで、MEGUは大きな器に敷き詰めたクラッシュアイスを下からブルーの照明が、枝ごと差し込んだ枝豆を照らし出すなどの演出に凝っている。値段を見ると更にビックリ、なんと20ドル近くもするのだ。
銀鱈西京焼きの味付けは甘めで、米国人の好みに合わせている。事前にかなり米国人の嗜好を調査研究しているのだろう。その他の料理も凝りに凝って、料理が出ると米国人の間から歓声が上がる。ある焼き物を注文したのだが、真っ赤な備長炭を持ってきて、目の前で焼き目をつけるサービスをし、客に感動を与える。
このように完全に米国人をターゲットにした盛り付け、味付けだが、サービスも洗練されており、ニューヨークの金持ちや有名人も満足するだろう。客単価はNOBUよりも若干高めの150ドルほどだ。それに日本からの銘酒を加えると場合によっては300ドルを超える価格帯になる。ウオール街などを近所に持つこの店の顧客はかなり裕福なのだろう。
その成功をみて、2005年9月にトライベッカに開業したのがすかいらーく共同創業者の横川紀夫氏が出資しているNinjaだ。同店は赤坂見付に1号店がある。忍者屋敷をテーマにしたレストランで入口の潜り戸を通り抜け橋を渡ると橋が落とされ、天井から忍者が姿を現すと言う趣向を凝らす。食事も和食を中心に東南アジアテイストの料理を提供している。木桶と野菜と石を持ってきた。木桶にはスープが入っており、そこに野菜を入れ、真っ赤に熱してある石を投げ込む。そうするとジュワーという音と煙が立ち上り一瞬のうちにスープが出来る。その味付けはトムヤンクンスープと言う意外な味だ。食事の合間には忍者姿のマジシャンが登場しマジックを披露する。Ninjaは当初から米国や欧州に展開しようとコンセプトやデザインを凝りに凝ったお店だ。そのため、外人客の比率も高くニューヨークに開店したら大成功すると思った。しかし、同年の10月25日のニューヨークタイムス誌のレストランコメントの欄で、「叫ぶ忍者、スープの中の石」と酷評をされてしまい、それ以後あまりぱっとしない。
<米国の注意点>
このLAとNYの事例を見ると、日本人に本当に支持されるデザインや料理では米国で成功しないと言うことだ。たとえれば、日本人に受けるデザインは水墨画(墨画)と盆栽や箱庭の淡い色彩と決めの細かいディテールだ。しかし、米国人に受けるデザインは極彩色のディズニーランドやユニバーサルスタジオのような大規模なものだ。寿司の場合でも魚と醤油の味ではなく、お酢やハラペーニョ、焦がし玉葱を使い、魚くささを消す必要があると言うことだ。
また、日本のようなきめ細かい卸売問屋はいないので、食材の開発は自ら行う必要がある。また、米国のトラック運転手は労働組合に加入しているので、賃金が高く、輸送費に跳ね返っている。そのため、日本のように毎日配送をすることは不可能であり、その分大きな倉庫を店舗に備える必要がある。
店舗の設計でも、身体障害者の保護が厳しいので、店内はもちろん、厨房でも車椅子が通れるような通路の幅が必要であると言う知識が必要だ。また、調理で使う厨房機器は日本からはほとんど持ってくることができない。米国で使う調理機器は電気規格のULと食品衛生規格のNSFの認定を受けていなければいけないからだ。
また、日本のように開店が簡単ではなく、日本の数倍の日時がかかると言うことで、優秀な現地の情報網や、弁護士、不動産業者、料理家、ベテランレストラン経験者、を時間をかけて探す必要があると言うことだろう。
特に注意しなければいけないのは法律だ。成功したMEGUの場合も現地の法律を知らない調理人が女性従業員にセクハラをしたと訴えられ困ったことがあるくらいだ。
3)韓国
韓国は日本の隣にあり、日本にとって身近な国であり、日本の外食企業が進出しやすいように思われているし、過去、大手外食企業が続々と進出をしたが、ほとんどが撤退に追いやられると言う厳しい国だ。
牛丼の吉野家は韓国にいち早く進出していたが、1997年に韓国のIMFアジア経済危機などの影響により撤退した。筆者はもう一つ理由は嗜好の違いだと思っている。韓国の丼料理にビビンバと言う料理がある。野菜の和え物やキムチ、味付けひき肉を丼に乗せたものだ。このビビンバがあるので、韓国も日本の丼文化が受け入れられるかと思うと大違いである。ビビンバと言う料理は実はキムチやおかずを9皿ほどテーブルに並べ、炊き立てのご飯を丼によそり、好きなおかずを自分で丼に乗せてコチジャンなどの味付けで混ぜて食べるのが正式な食べ方だ。最初から乗せて提供することは少ない。また、日本の吉野家はサラリーマンが一人で入ってサッと食べるのが普通だが、韓国人は一人で食べると言う貧しい食事を嫌がるという問題もあったようだ。
もう一つ韓国の習慣で日本と異なるのが、弁当を会社で食べないと言うことだ。ソウルのオフィス街のビルではビル内に弁当を持ち込んで食べるのを禁止している場合も多い。匂いがこもるからだ。また韓国人は冷たい弁当を食べない。温かい料理が当たり前だからだ。そのため、オフィス街の周囲には個人経営の飲食店がたくさんあり、昼時にはサラリーマンが連れたって外に食事に行く。
次にファミリーレストランのケースを見てみよう。韓国のファミリーレストランでは売上げ1位がアウトバック・ステーキハウス、2位がTGIフライデー、3位がベニガンと上位3社は米国系のカジュアル・レストランが占拠している。日本からはココスが韓国の展開権を元に地元企業と提携して早くから展開していたが、すでに撤退をした。米国からはデニーズが進出したが既に撤退した。すかいらーくが財閥企業のCJ社と技術提携してFC展開をして13店舗まで展開したが数年前のCJが事業継続を中止した。
韓国の食形態は米国や日本とは大きく異なっている。米国のファミリーレストランは酒類販売許可を取っていないので、アルコールを置いていない。カジュアルレストランは酒類販売許可(リカーライセンス)をとっているのでアルコールの販売が可能で、その比率が日本の居酒屋ほどではないが、結構高いのが特徴だ。そのため、米国ではアルコールを置いていないファミリーレストランとアルコール販売をするカジュアルレストランのカテゴリーは異なっている。
ところが韓国では食事をするときにはあまりお酒を飲まずに、食後にお酒を提供するバーなどに行く。昔の日本のスタイルだ。そのためカジュアルレストランでのお酒の販売比率がほとんどなくファミリーレストランとカジュアルレストランの区別がほとんどない。
韓国人の大学進学率は日本の50%に対して82%と大変高く、また米国への留学生が多い。その結果、米国文化へ馴染んでおり、格好の良いカジュアルレストランの方が、ダサいファミリーレストランよりも好まれる。
3つ目の理由は嗜好性の違いだ。韓国人の肉に対する嗜好性が大変高い。韓国は牛肉よりも豚肉を好み、その豚肉でも骨付きのリブが大好きで、米国のトニーローマのようなベイビーバックリブに人気がある。
ファミリーレストランではも低価格の料理しか出さないのだが、アウトバックやTGIフライデーズ、ベニガンなどはベイビーバックリブを提供していたので、カジュアルレストランをファミリーレストランとして使い出したのだ。
韓国のベニガンのサービスレベルの高さに驚いたことがある。従業員は笑みを絶やさないし、注文を受けるときには膝をついて客の目線で注文を受ける。これはTGIもアウトバックも同様だ。
サービスの特徴でもう1つ特筆しなければならないのは、バレッ�パーキングだ。ソウル都心でも必ず駐車場が必要なファミリーレストランでは狭い駐車場を有効活用にするために、必ず、係員が車を預かってくれる。運転の下手な女性には評判がよいし、カップルで乗りつけたときに格好が良い。ベイビーバックリブもチキンサラダも米国と同様のボリュームで値段は高いのだが、満足感も高く感じる。
以前、江南にある古いすかいらーくを訪問した。当時13店舗展開していた。江南と言う都心立地だが駐車場がある。しかし、上位3社のようなバレッ�パーキングなどのきめの細かいサービスは行っていないし、駐車場も汚れいていた。
店舗に入ると寂れたがらんとした空間が広がっている。従業員にも笑顔が見えない。着席しメニューを見るとランチにはリブなどはない。日本のようにハンバーグステーキやとんかつなどのセットメニューで、価格は上位3社の1/2程度とリーズナブルだ。しかし、若者に受けるスタイルの料理ではなかったのだ。アウトバックやベニガン、TGIフライデーのように若者をひきつける魅力のある店舗内装やサービス、料理がかけていたということだろう。
さて、ファミリーレストランで首位のアウトバックステーキハウスだが、日本と韓国にほとんど同じ時期に進出したのに現在は日本10店舗、韓国は100店舗以上、と大きな差がついている。韓国の立地は米国と日本とは異なる。日本の東京首都圏(東京テレビエリア)には全人口の35%の人が居住しているが、韓国の首都圏(ソウル・京畿道)には全人口の46%もの人が居住しているように人口集中度が高い。日本ではファスト・フードは繁華街から集中出店して言ったのに対し、すかいらーくやロイヤル、デニーズは郊外へのドーナツ化現象を利用していち早く出店をして成功した。しかし、韓国の首都圏集中を見て、アウトバックは米国のような郊外の安い立地ではなく、韓国の首都圏への人口集中を元に日本のファストフードのような繁華街集中出店で大成功したのだ。このような立地の違いなどその国の特性をよく理解することが必要だ。
また、韓国の法律も日本と異なる。特にフランチャイズチェーン展開には注意が必要だ。
韓国は10年ほど前のIFM経済危機の際に企業のリストラが行われ、多くの職を失った人たちがフランチャイズチェーンに加入するようになり、フランチャイズチェーン企業の数が急増した。現在はそのチェーン本部数は2500と日本よりも多い。
多い分、チェーン本部の体質にも問題があるようで、韓国政府は2002年にフランチャイズ加盟事業取引の公正化に関する法律を制定した。しかし、これではフランチャイジーの保護に不十分だということで2007年に公正化法が改正され(規制が強化され)た。
その内容は
(1)開示書面については加盟希望者に交付するだけでなく、あらかじめ公正
取引委員会に提出しなければならないこととなった(公正化法6-1条~6-5条)この開示書面は加盟希望者からの請求のあるなしでなく、必ず希望者に渡す。(公正化法2条)
この開示書面の交付は以前の法律では契約締結の5日前までであったが、 今回契約締結の14日前となった。ただし、フランチャイジーに弁護士または相談士がついていればこの期間は7日間に短縮される(公正化法7条)
(2)2002年の法律にはなかった加盟金の供託制度の導入
フランチャイザーはフランチャイジーから受け取った加盟金を最大で2ヶ月間金融機関に供託しなければならない。その理由は開示書面に虚偽の記載があった場合等にフランチャイジーが契約を解約し、加盟金の返還を求める権利を保障するためである。
(3)不公正取引の一類型としてフランチャイジーのテリトリー内に直営店や新規のフランチャイズ店の開店に関する規制が付け加えられた
(4)契約不更新の制限については、契約期間の満了180日前を過ぎると「正当な理由」がないかぎり、フランチャイザーは契約更新に応じなければならない事となった。(公正化法13条)
このようにフランチャイジーの保護が大変強化されており、日本よりも厳しいかも知れない。韓国でフランチャイズチェーン展開する場合には注意が必要だ。
また、もう一つ難しいのは、日本のような卸売り問屋や食品加工業者がいないということだ。そのため、チェーン企業は自らセントラルキッチンを持って製造を行い、物流網とデポ、を整備しないとならない。また、代金の決済、資金調達、商品開発、などを自ら行わないといけないという投資コストも問題もある。
食のトレンドも異なる。ファミリーレストランは問題ないが、ファスト・フードは健康によくないというイメージから伸び悩んでいる。韓国独特のウエルビーングという健康志向がファスト・フード業界の不振を招いており、米国系のファスト・フードチェーンですら苦戦を強いられている。
日本ではちょっと客単価が張る健康に良い野菜を使ったブッフェが人気だが、韓国は海鮮料理と寿司の食べ放題のブッフェに人気がある。日本の江戸一が展開しているスタミナ太郎のお洒落な業態で米国でチェーン展開をしているTodaiと言うチェーンをヒントに韓国で幾つかの企業がチェーン展開を開始し大人気だ。ウエルビーングという健康志向といいながら、豪華な海鮮料理と寿司に人気がある。そのため、回転寿司のような業態が難しいようだ。
4)中国
(1)味千ラーメンの成功の秘訣
中国で最も成功している日本外食チェーンは熊本に本社がある味千ラーメンだろう。日本では100店舗ほどのチェーン展開に過ぎないが、中国本土ではすでに500店近く出店しており、香港で上場し総株価は日本のワタミを抜いているほどだ。この成功を見て、日本からラーメンチェーンが続々と中国に進出をしている。日本では抜群の力を持つ王将も大連に数店舗を出店したが、苦戦をしている。その理由は立地の選定とメニューの現地化がうまく言っていないからのようだ。では、成功している味千ラーメンを見てみよう。
2010年2月26日の日本経済新聞夕刊と4月9日の日経MJ(1面)によると、「香港上場の味千中国(アジセン・チャイナ)は重光産業と手を組んだ香港資本の企業だ。株式時価総額が驚くほど大きい。米ドル換算で9億7000万ドルに達し、外食チェーンではアジア太平洋地域で4位。日本マクドナルドホールディングスには及ばないが、牛丼のゼンショーや居酒屋のワタミなど日本食の外食チェーンのいずれをも上回る。2009年半ばに350だった店舗数は今年中に500を超える見通しだ。上海に社員研修所を設置する計画も進む。」
中国の街を歩いているとマクドナルドやKFCの巨大な店(平均客席数200~300)と対抗する規模の大きな味千ラーメンがあるのが目につく。遼寧省では大連、瀋陽に展開するだけでなく、北朝鮮に近い丹東(たんとん)まで開店している。
大連の中心街にある巨大なお店を訪問した。横には日本から進出した王将もお店を構えているし、近隣にはマクドナルドとKFCが2店舗づつ店舗を構えている外食激戦地だ。
試食にチャーシューメン22元と超激辛牛肉ラーメン29元を食べてみた。ラーメンの具材は違いますが、とんこつラーメンのスープの味は同じだ。トッピングの種類が日本より多くて面白い。餃子は日式の手造り餃子9元と辛牛肉餃子12元を食べた。手造り餃子は日本の味だ。この脂っこいラーメンが中国人に人気が出るとは面白いなと感じる。従来の中国のラーメンはあっさりした味ですが、この強い個性の味が受けるとは不思議だ。
メニューは豊富でまるで居酒屋のようだ。メニューの表紙には日本語で「ラーメンはもちろん酒肴も豊富にご用意しました。おいしくて楽しいひとときを味千でお過ごしくださいませ」と書いて、日本料理の店だと強調している。
メニューを明けると最初に、使用している原材料の小麦粉、ニンニク、葱、油、野菜、等を厳選していることを強調している。そして、「医食同源、おいしいだけでなく体に良い食品づくり」と安心や健康を重視しているとしている。
ラーメンも種類が多く、
チーズ焼き肉ラーメン 25元
味千海老ラーメン 35元
阿蘇火山ラーメン 22元
トマトラーメン 25元
激辛味千ラーメン 22元
煮込んだ油揚げラーメン 19元
辛口キムチラーメン 25元
北海道風味噌ラーメン 25元
豚軟骨と筍ラーメン 32元
チャーシューメン 22元
味千焼きうどん 25元
超激辛 牛肉ラーメン 29元
サクサク豚かつラーメン 25元
蟹天ぷらラーメン 29元
薩摩揚げラーメン 25元
あさりラーメン 29元
辛味貝ラーメン 29元
沖縄風海鮮ラーメン 25元
となんでもありだ。
ご飯類
チャーハンが 4種類 23~28元
牛丼、カツカレー、かつ丼 28元
山椒鶏焼き石鍋ごはん 28元
石鍋タコライス 28元
石鍋牛肉ごはん 28元
牛肉と豆腐のキムチ鍋 28元
和風雑炊 28元
味噌汁 6元
お酒のつまみ
味付けタケノコ 10元
味付け昆布 12元
和総菜盛り合わせ 12元
冷奴 8元
緑藻のさっぱり和え 10元
蟹と野菜のサラダ 19元
キムチ 6元
きゅうりの漬物 9元
かに子とコーンのサラダ 15元
蟹サラダのワサビ和え 16元
揚げ物
ワサビ風味イカ下足揚げ 16元
サクサクチーズ豚カツ 18元
鶏唐揚げ照りマヨソース 19元
南瓜コロッケ 12元
海老フライ 19元
キグチフライ 19元
北海道コロッケ 15元
タイ式春巻 12元
鉄板焼き
激辛 手羽焼き 22元
帆立の鉄板焼き 19元
手造り餃子 9元
辛 牛肉餃子 12元
えのきの牛肉巻き 22元
串焼き
チーズ鶏つくね串 14元
焼きトマトベーコン 15元
手羽の七味焼き 19元
手羽元のチーズ焼き 19元
鰻の串焼 19元
串焼盛り合せ 28元
たこ串照りマヨ七味風味 22元
鯵の塩焼き 19元
デザート
フロート類4種 13~17元
パフェ
仙草ゼリー 10元
苺サンデー&仙草ゼリー 12元
抹茶サンデー&仙草ゼリー 12元
アイスクリーム盛り合わせ 19元
かき氷
小豆かき氷 26元
和風イチゴアイス 22元
今川焼と栗アイス 15元
揚げサツマイモのバニラ添え 15元
飲み物
ビール 大瓶640ml 12元
ビール 小瓶355ml 9元
日本酒 300ml 29元
日本酒 180ml 22元
ウーロンミルクティー 10元
マンゴーアッサムティー 12元
ブラッドオレンジジュース 12元
フルーツミックスティー 10元
白桃カルピス 10元
マンゴージュース 10元
ミントグリーンティー 15元
柚子レモンウオーター 12元
ヤマモモジュース 19元
オレンジジュース 12元
キウイジュース 19元
レモンコーラ 10元
レモンセブンアップ 10元
コーラ 6元
セブンアプ 6元
オレンジスカッシュ 6元
と、日本の居酒屋料理、中華料理、タイ料理、韓国料理のミックスのなかなか面白いメニューで、日本でも参考になるかもしれない。日本から中国に進出する際には必ず参考にしなければいけない、店舗づくりとメニュー作りだ。
味千ラーメンの成功の秘訣は、味に関しては日本企業が厳格にコントロールし、店舗展開や現地のメニューに関しては現地の企業に任せるという現地化政策だろう。中国味千ラーメンの潘CEOは「日本のラーメン店だからといって中国で成功するとは限らない。中国のサプライチェーンマネジメントや経営方式などは独特のものがある」と語っているように、現地化が大切なのだろう。
(2)中国の高級店のレベル
中国はまだ新興国であり、貧しい食生活を送っていると誤解をしている日本企業が多いようだ。もちろん13億の人口と広大な土地を持つ中国には貧しい階層も多いのだが、大都市における消費者は大変豊かである。筆者は、北京、瀋陽、大連に行ったことがあるが、現地のレストランのレベルに驚かされた。
遼寧省の大連市は日本からの進出企業が多い街だ。そこに万宝海鮮舫という豪華な店内内装で接待や結婚披露宴にも向いている海鮮料理のお店がある。4人部屋から数十人の部屋まで個室がそろっている。各部屋にはソファやテレビなどが揃えっており、ゆったりと食事を楽しめるようになっている。
開業は2005年で、経営する社長は51歳の若さで、大型のサウナも経営している。この6階建てのお店の総投資額は何と14億円、客席数は2000席、個室は116室もある。建物は内外装に大理石をふんだんに使っている。1階はフロアー、2~6階は個室、各フロアーでデザインコンセプトが異なる。一階は庶民の欧風レストラン。2階は中国の古代風個室。3階は中国の現代風個室。4階はフランス風個室。5階~6階は現代の欧風と、各部屋は内装が異なる凝りようだ。6階の個室で8名ほどで食事をした。豪華なシャンデリアが下がっている欧風の作りで、ミニバーも設置しており、従業員が付きっきりで飲み物をサービスしてくれる。
お店にはメニューがなく、一階のホールにある巨大な水槽で食べたい魚介類を選び、調理方法を詳細に伝える。まず、2kgはある大型の伊勢海老を2匹注文。一つは刺身、一つは蒸して食べることにした。大きい伊勢海老だから濃厚な脳味噌も付いてきた。そして鮑は同じく蒸しと刺身。大型の浅蜊の炒め物、大連名物海老の酒蒸し、殻付き生ウニ、豚足、大型魚の蒸しもの、その他、野菜料理を3種類。
8名全員お腹がいっぱいになった。前回は1人400元ほどだったが、今回は8名で7000元、1人12000円ほどだった。
このような大型で豪華な建物の飲食店はここだけではなく、市内に何箇所もあり、同じ遼寧省の首都瀋陽(元・奉天)にも同じような豪華なお店が何件もあり、中国人の裕福な層は日本の高級店に連れて行っても驚かないのだ。
(3)中国で最も成功したKFC
米国などで元気がないKFC社であるが、中国でマクドナルド社などの他ファストフード企業を押しのけて、中国第1位の外食企業の座を占めており、マーケティング戦略上注目を浴びている。
店舗数でも、売上でも、市場占拠率でも中国KFC社は他社を圧倒している。特に世界各国でマクドナルド社が1位をしてめているが、中国では全く逆転している。2010年末において中国ではマクドナルド社は1100店舗を展開、KFC社は3700店舗(そのうち500店舗がピザハット)を展開している。そして、今後毎年300店舗の新店舗を開店し、その差を広げる予定だ。
中国KFC社は競合に打ち勝っているだけでなく、2007年の売上は親会社Yum!社の売上の20%を占めていた。
上海に本社を構える中国Yum!社(中国、タイ、台湾を含む)The Yum! China Divisionは その規模の大きさから2005年より別に報告をしている。2009年のYum!社の新規出店の数は中国が最も多い。中国Yum!社は2009年に500店舗を越える新店舗を開店し、利益は602ミリオンドル(1ドル90円換算で540億円)である。
中国にはファスト・フードとして初めて1987年に出店を行い、1992年からフランチャイズ展開を行っている。2002年には初めてのドライブスルー店舗を開店した。2009年末で2,870店舗を650都市に展開している。Yum!社は中国本土に毎日1店舗を開店することになる。
ピザハットPizza Hutはピザと洋食を提供する最初のカジュアル・レストランとして1990年に中国に開店した、そして、2001年に ピザの宅配を開始した。現在は中国に500店舗を100都市に展開するカジュアル・レストランの最大手となっている。 中国における総店舗数は将来は2万店舗を予測している。
中国Yum!社の社長を務めるSamuel Su氏は同時に、米国Yum!社の副会長でもある。
中国Yum!社は米国ファスト・フード業態だけではなく、伝統的な本格中国料理のファスト・フード 業態のEast Dawningを18店舗テスト展開している。,同店は朝食、昼食、夕食、軽食を提供している。
では、中国外食ランキングを見てみよう。
中国ファスト・フードランキング企業のトップ50社を見ると、2009年ファスト・フード上位50社の売上高は598.8億元で、中国における宿泊、飲食、小売業売上高のの3.3%を占めている。50社の中、トップ10社の売上高は471.9億元、50位の総売上の78.8%を占めている。金融危機にも関わらずに、中国外食産業(特にファスト・フード業)は元気に伸びていることには注目されている。
1位の百勝グループ(KFC、ピザハット、米国YUM社子会社)の総売上は288億元、前年新店舗500店舗をオープンしている。
ファスト・フード業ランキング50位のうち、上10位は、百勝グループ、マクドナルド、徳克士(中国ファスト・フード)味千ラーメン、真工夫、合興、狗不理、しゅう徳華天、大娘水餃、千嬉鶴だ。
中華風ファスト・フード業の年間売上の伸びは洋風ファスト・フードを超えているが、洋風ファスト・フードの百勝グループ(中国YUMブランド)は依然業界トップを堅持している。
2009年中国外食ランキング50位リスト
ランキング 企業名(簡体字を当てはまる日本語で表記している)
1、百勝グループ中国事業部 (1 百?餐?集?中国事?部)
2、マクドナルド(中国)有限会社(2 麦当?(中国)有限公司)
3、天津頂巧フードサービスコンサルティング会社(徳克士)(3 天津?巧餐?服?咨?有限公司(��克士))
4、味千(中国)株式会社 (4 味千(中国)控股有限公司 )
5、真功夫フード・サービス管理有限会社 (5 真功夫餐?管理有限公司)
6、合興フード・サービスグループ (6 合?餐?集?)
7、天津狗不理ファスト・スード有限会社 (7 天津狗不理快餐有限公司 )
8、聚徳華天株式会社 (8 聚��?天控股有限公司 )
9、江蘇大娘水餃子フード・サービス有限会社(9 江?大娘水?餐?有限公司)
10、河北千喜鶴飲食株式会社 (10 河北千喜??食股?有限公司 )
11、せい江五芳斉実業株式会社 (11 浙江五芳???股?有限公司 )
12、索テイシ中国 (12 索迪斯中国 )
13、永和大王グループ (13 永和大王集?)
14、江西中華式ファスト・フード有限会社 (14 江西中快餐?(集?)?展有限公司)
15、蚌埠(ボンブ)包天下フードサービス有限会社 (15 蚌埠包天下餐?管理有限公司)
16、郷村基国際フード・サービス・チェーン協会 (16 ?村基国?餐???集?有限公司 )
17、丁寧市来必堡(ボウ)フード会社 (17 ?波市来必堡餐?有限公司 )
18、大連亜恵ファスト・フード有限会社 (18 大??惠快餐有限公司 )
19、北京首都空港フード・サービス有限会社 (19 北京首都机?餐??展有限公司 )
20、上海世好フード・ビジネス管理有限会社 (20 上海世好餐?管理有限公司 )
21、丁波海署順旺基フード・サービス会社(21 ?波市海曙?旺基餐???管理有限公司)
22馬蘭ラーメンファスト・フードチェーン有限会社(22 ??拉面快餐??有限公司)
23丁波海署新四方美食有限会社 (23 ?波海曙新四方美食有限公司)
24北京(ジャプ・ジャプ)フード・サービス管理有限会社(24 北京呷哺呷哺餐?管理有限公司 )
25、深せん市嘉旺フード・ビジネス有限会社 (25 深?市嘉旺餐???有限公司)
26、 深せん麺点王飲食チェーン有限会社(26 深?面点王?食??有限公司)
27、常州麗華ファスト・フード有限会社 (27 常州??快餐有限公司)
28、北京老家ファスト・フード有限会社 (28 北京老家快餐有限?任公司)
29、上海斉鼎(でぃん)フード・サービス有限会社(29 上海?鼎餐??展有限公司)
30、山東金徳利グループファスト・フードチェーン有限会社 (30 山?金��利集?快餐??有限?任公司)
31、寧波好味当フード・サービス有限会社(31 ?波好味当餐?有限公司)
32、宝鋼発展有限会社フード・サービス支店(32 宝??展有限公司餐?管理分公司)
33、青島摸錯門フード文化有限会社(33 青?摸???食文化有限公司)
34、桂林人グループ発展会社(34 桂林人集??展公司)
35、ハルピン東方餃子王チェーン経営有限会社(35 哈???方?子王????有限?任公司)
36、ウルムチ市蘇氏企業有限会社 (36 ??木?市?氏企??展有限公司)
37、上海中フード・サービス管理有限会 (37 上海中?餐?管理有限公司)
38、上海新亜ファミリンフード・サービス有限会社(38 上海新?大家?餐?有限公司)
39、武漢鉄鉄グループファスト・フード会社 (39 武???集?快餐食品?料公司)
40、煙台藍白ファスト・フード有限会社 (40 烟台?白快餐有限公司)
41、北京和合谷フード・サービス管理会社 (41 北京和合谷餐?管理有限公司)
42、せい江老娘シュウフード・サービス会社 (42 浙江老娘舅餐?有限公司)
43、北京嘉和一品企業管理有限会社 (43 北京嘉和一品企?管理有限公司)
44、深せん市金谷園実業発展有限会社 (44 深?市金谷????展有限公司)
45、北京金豊フード・サービス有限会社 (45 北京金?餐?有限公司)
46、北京京日フード・サービス有限会社 (46 北京京日餐?有限公司)
47、蘭州金鼎(ディン)牛肉麺有限会社 (47 ?州金鼎牛肉面有限公司)
48、江南小厨フード・サービス管理有限会社 (48 江南小厨餐?管理有限公司)
49、合肥肥西老母鳥フード・サービス有限会社 (49 合肥肥西老母?餐?有限?任公司)
50、山東過橋縁フード・サービスチェーン経営有限会社(50 山????餐?????有限公司)
台湾生まれの元、中国KFC取締役のWarren Liu氏はKFC中国は毎年前年比5割の成長を続けていると語っている。Warren K. Liu氏は台湾で生まれ台湾で育った。後に米国留学で教育を受けた。HarvardでMBA取得。中国を初めて訪問したのは1980年代。Liu氏はYum!社に1997年から3年ほど勤務した。取締役副社長として勤務し、サプライチェーン、新店舗開店等の出店計画、商品開発、品質管理、情報システム、等の責任者として構築を行った。その後、退職し中国におけるKFC成長の秘密を説明する本「KFC in China Secret Recipe for Success」を出版している。
その本の中でLiu氏はKFC成功の理由を以下のように11項目あげている。
<1>KFCの出店時期
1987年11月12日天安門広場に1号店を開店と、マクドナルドより3年早く中国に進出した。9年後の1999年6月100号店を開店。9年後2005年に1400号店開店、前の9年間の14倍の開店数。
<2>人材とチームワーク
当時テロ事件などで動揺して退職者が多かった台湾マクドナルド経験者に注目し採用して中国経営陣の中心に据えた。その後、中国のビジネスの成長を見て現地での教育を充実させ、中国現地のマネージャーを増加させた。
中国に進出する欧米の企業は中国語と言う難しい言語の壁にぶつかる。また、1980年代の中国進出の際には、欧米式のビジネス経験者を中国で見出すことは難しいので、欧米企業は中国語を流ちょうに話せる人材を求めて、中国外の東南アジアに支社を置き、そこから中国に進出を諮った。シンガポールは国の方針で中国語と英語を話せる教育をしている。また、香港は当時英国植民地であり、公用語は英語であり、住民は英語と中国語を話せる。
台湾は蒋介石が中国から移動して以来、中国語の北京語を公用語として教育している。そのため、中国語は流ちょうであるが英語はやや苦手である。
このような東南アジアの国の中で、欧米の企業の多くは香港かシンガポールに支社を構えてそれらの国の人を中心に中国ビジネスを行った。マクドナルド社は香港、シンガポール、台湾に早くから進出をして成功していたので、英語が最も通じる香港マクドナルドに中国進出の役目を与え、現在でも香港に支社を置いて中国ビジネスを行っている。
しかし、シンガポールで使われている中国語は福建語(台湾語と同じ)であり、香港は広東語であり、中国公用語の北京語とは互換性がない。その点に注目したのがKFCであり、当時、テロ事件などで動揺していた台湾マクドナルドから人材をスカウトして中国に送り込んだ。
また、当初から中国KFCのトップに米国で教育を受けた中国人を据えて現地化する姿勢を見せた。マクドナルドは現在も中国部門トップは米国人のままである。また、中国KFCは本社を中国経済の中心地の上海に設置し、香港に中国本社を構えるマクドナルドよりも迅速な意思決定を可能にした。
<3>戦略
当初より長期ビジョンを持ち、急成長している沿岸都市だけでなく、内陸部まで店舗展開を計画した。
<4>提携 地元 政府との関係 危機管理
中国での店舗展開の初期段階では、外資単独では難しいので、地方政府などと提携して各地で合弁会社を設立し、緩い連携で運営を開始した。その後、集中管理を強め、中国政府の外資100%認定と共に中国Yum!社を設立し、早い時点で上海に本社を設立し、教育も同時に行った。
KFCで使用する食材に認められていない着色料の使用が発覚したり、鳥インフルエンザ等の発生に対する、対処として、政府などとの提携を密に保ち対処した。
<5>商品とマーケティング
マクドナルドは5年ほど遅れて1992年に中国に進出した。KFCはマクドナルドに対抗するために商品とマーケティングにおける差別化を行った。中国人の食肉の好みは1番が豚、2番が鳥、3番が羊、4番目が牛だ。つまり、牛肉が中心のマクドナルドよりも、鶏肉が中心のKFCの方が有利であった。
米国や日本のKFCはひな鳥を9個にカットして圧力釜で揚げたフライドチキンが中心、売上の多くが持ち帰りだ。しかし、中国では外食そのものがまだ贅沢な存在であるので、店舗で食事をするのが特別な意味を持っている。そこで、店舗の規模を大型にし、1店舗の客席を200‾300席として、店内飲食のニーズに応えた。また、子供向けに遊具を置くなどのきめ細かい対策をした。
<6>サプライチェーンの構築
中国で外食チェーンを展開するためには、食材の供給、配達、等のサプライチェーンを築かなくてはいけない。欧米や日本では優秀な農家、畜産業者、流通を担う卸問屋、物流業者、等が存在しているが、中国ではそれがまだ育っていない。そこで、中国KFCは自ら食材を供給する優秀な農家、畜産業者と物流を担う卸問屋、物流業者を育成する必要があった。
そこで、Liuはそのサプライチェーンの構築に際して、最初は小さな中国地元企業の育成に努め成功した。マクドナルドは米国の供給業者に中国進出をさせ、初期から巨大な食品工場や流通システムを構築した。そのために、KFCとマクドナルドの食材コスト構造が大きく異なり、マクドナルドはなかなか利益を出しにくい。現在のKFCの店舗段階の利益は人件費が低いため20%と他の国の倍以上の水準であり、これにはサプライチェーンの構築が大きく貢献している。
<7>不動産開発
私有地が認められていない中国では、土地を管理する地方政府との交渉が重要である。そのために、地方政府と合弁会社を作ったり、現地の不動産事情に詳しい中国人をスカウトして対処した。
<8>素晴らしい運営
人材育成に力をいれ、上海本社にトレーニングセンターを設置して、中国人社員の教育に当たっている。年間の最優秀社員は報償として米国本土訪問とCEOのジム・ノバック氏との会食と言う名誉を与えられる。現在では殆どの経営陣と社員は中国出身者が占めている。
<9>ローカライゼーションとグローバリゼーション
米国や海外のKFCの売上の60%がフライドチキンであるが、中国KFCは鶏肉を使ったハンバーガーを数多く開発し、マクドナルドに対する差別化に成功した。
中国における商品開発の点で、上海に本社を構えるKFCは迅速な意思決定を行うことができるし、経営トップに中国人がいるために中国人の好みを理解でき、現地に溶け込んだ商品開発が成功した。
それに対し、マクドナルドは商品開発が中国本土の端にある香港で行ったり、新商品の認可を米国本土にうかがうため、新商品開発で後れをとっている。
<10>本社のサポート
上海にある本社はサポートセンターと言う名称で、各地域を指示する本社ではなく、支援を行う存在であると明らかにしている。
<11>中国文化を融合したリーダーシップ
経営トップと副社長に米国で高度な教育(MBA)をうけた人材を充て、長期経営をゆだねている。
中国Yum!社社長のJ. Samuel (Sam) Su氏が成功のけん引役となっており、その経歴を見てみよう。
Su氏は台湾生まれで国立台湾大学で化学を学んだ。その後、米国に留学しペンシルバニア州立大学でケミカル・エンジリアリングの分野で修士号を取得した。さらにペンシルバニア大学大学院ウオートン校でMBAを取得した。KFCに入社する前にはProctor & Gambleでドイツ、台湾で勤務した経験を持つ。
1989年5月にKFC社に北太平洋地区地区マーケティング部長として入社した。1989年12月より中国KFC 社の責任者も務めるようになった。その時点での中国KFC店舗はまだ4店舗しかなかった。
中国における店舗数が90店舗を越えるようになると、Su氏はマーケティングの仕事を離れ、中国KFC社の経営管理に集中することにした。
1994年にSu氏はピザハット部門の責任者ともなった。当時KFCは飲料メーカーのペプシコーラPepsiCoの子会社であったが、1997年10月にペプシコーラ子会社のレストラン部門を分離して独立の会社として株式公開することにした。そのレストラン部門.にはKFC、ピザハット、タコベルの3社があり、3つの数字にちなんでトライコン社Tricon Global Restaurantsと命名した。後にトライコン社はルート・ビアーとハンバーガーのA&W 社と魚フライのLong John Silver社を買収した。そのため、トライコン社は2002年にYum! Brands, Inc.に社名を変更した。現在Yum! Brands, Inc. はニューヨーク市場に公開している企業である。Su氏が社長を務める中国Yum!社は中国、タイ、台湾を管轄地域としている。
KFC
大連、瀋陽を訪問したが、中心繁華街には必ずマクドナルドとKFCが店舗を構えているが、マクドナルドが1店舗に対してKFCは2店舗を構えている。そのKFCも日本のように小さな規模ではなく、平均300席ほどもあり、店内に入ってカウンターを見てもマクドナルドとKFC特別できないほど類似のデザインと規模だ。
中国KFCの成功の秘密の一つである、メニューの現地化を見てみよう。昼のメニューは鶏肉を使ったハンバーガーが中心だ。マクドナルドもKFCを見習って鶏肉ハンバーガーメニューをそろえているほどだ。そのため、昼のメニューはKFCもマクドナルドもあまり差がない。しかし、朝食メニューはKFCとマクドナルドで大きな差があった。マクドナルドの朝食はマフィンとスクランブルエッグ、ポークソーセージを使った、米国のビッグブレックファストやエッグマックマフィンが中心だ。
しかし、KFCの朝食は何とお粥がある。残念ながら家で食べるような美味しいお粥ではないが、ファスト・フードでお粥を出すとは嬉しい限りだ。昼にはトルティアで揚げた鶏肉を巻いた北京ダック風のメニューがあるが、朝はそのトルティアで巻いた海老卵焼きがあり美味しかった。また、胡麻をつけたパイ生地を焼き上げたものにベーコンエッグや鳥のハムを挟んだサンドイッチがあり、軽い食感がなかなか良かった。翌月には中国人の大好きな「焼餅」を朝食メニューに加えるようだ。中国人が親しむ伝統的な家庭料理を取り入れた朝食メニューは、マクドナルドの米国風の朝食に対して大きな差別化に成功しているようだ。
では、そのメニューを見てみよう。
中国KFCのローカライズメニュー(鶏、魚、海老、牛肉の順)
<昼・夜のメニュー>
オリジナルチキン
1個7.5元
2個13元
4個25元
6個36元
9個52元
田園チキンハンバーガー 9元
ニューオリンズ・チキンハンバーガー 14.5元
ぱりぱりチキンハンガーガー 13.5元
スパイシーチキンハンバーガー 13.5元
鱈バーガー 8.5元
海老ガーガー 15元
四川風激辛牛肉包み 15元
メキシコチキンロール・北京チキンロール 11元
チキンナゲット 11元
うま辛鶏手羽(2個) 8.5元
ニューオリンズ手羽(2個) 9.5元
チキンポップコーン 大15元、中11元、小8元
サイドメニュー
フライトポテト 大9元 中7.5元 小6.5元
卵野菜スープ 5元
マッシュトポテト 3.5元
バターコーン 5元
コーンサラダ レギュラー5元 大13元
ディナーロール 1.5元
デザート
アイスクリーム 3.5元
タルト 7.5元
サンデー(ストローベリー、チョコレート) 7.5元
ドリンク
アイス/ホット 大7.5元 中6.5元 小5.5元
ミルクティー/レモン/仙草ゼリー入りミルクティー 8.5元
雪頂コーヒ/雪頂アイルランドコーヒ 9.5元
フロート
爽茶 6.5元 /オレンジジュース 7.5元
ゆず花蜜茶 6.5元
ミルクティ 8元
紅茶 緑茶 牛乳 ホットオレンジ 6元
エスプレッソ 6.5元
セットメニュー
ニューオリンズハンバーガーセット 25元
スパイシーチキン/激辛チキンセット 24元
メキシコチキンロール/北京チキンロールセット 22元
鱈バーガーセット 26元
四川風牛肉包みセット 26元
ニューオリンズ手羽セット 30元
ホットチキンセット 28元
<朝食メニュー>
ハンガーガー 12.5元
田園鳥肉ハンガーガー 12.5元
ベーコンエッグディニッシューサンド 10元
燻製鶏ディニッシューサンド 10元
チーズガーガー 6元
田園鶏バーガー 9元
チーズポークバーガー 9元
激辛チキンバーガー 13.5元
お粥類
ピータン豚肉粥 6元
シイタケ粥 6元
牛肉卵粥 7元
海老卵粥 7.5元
きのこライス 7元
ドリンク
カフェラテ 6.5元
ミルクティ 8元
オレンジジュース 7.5元
ホット牛乳 6元
紅茶/緑茶 6元
ホットオレンジ 6元
ゆずはちみず 7元
アイスティー 6.5元
タピオカミルクティ 5.5元
安心油条 3元
ポテトボール 3.5元
タルト 5元/1個 25元/6個
卵スープ 5元
ソフトアイスクリーム 7.5元
ベーコン卵餅 7元
ピザハット(必勝客)
KFCの陰に隠れて目立たないのだが、ピザハットも中国では健闘している。店舗は少ないのだがそのオペレーションは抜群だ。2006年3月に北京のカルフール前にあったピザハットを訪ねて、そのサービスの良さに驚愕したことがある。内装はお洒落だし、従業員は何回もテーブルに来て美味しいですかとニコニコと話しかけてくれたのだ。その印象が強くて、大連のピザハットを訪問した。
ピザハットPIZZAHUTは米国YUMブランド社の100%出資の中国百勝グループ(百勝餐飲)の傘下にある。経営しているピザハットPIZZAHUTの中国における店舗は約500店舗あり、カジュアルレストラン業態として人気を呼んでいる。
中国外食状況では調査会社の富士経済が2006年にレポートを出している。それによると「 チェーン型外食産業では、外資系チェーンが急拡大しており2006年の総店舗数は6,900店を超え、前年から約800店舗増加した。KFCやピザハットなどを展開している百勝(中国)投資有限公司は中国国内の外食産業ランキングトップで、2006年の年間売上高が175億元(2,747億円)、総店舗数が約2,400店に達した。」だ。
https://www.fuji-keizai.co.jp/market/07071.html
この百勝餐飲は2009年4月に中国資本最大手の鍋チェーンの小肥羊の株式20%を取得したと発表されている。また、洋風ファストフードだけでなく、お粥のチェーンも独自に開発したりと、現地化ではマクドナルドのはるか先を走っている。
さて、勝利市場の入り口横にあるピザハットでランチをとることにした。平日だが30分待ちの混雑状態と大繁盛です。1時も過ぎたのに、こんなに込んでいる洋風の飲食店はなかなか見かけない。
ピザハットと言うと日本では宅配の安っぽい店舗のイメージだが、中国では200~300席の客席を備えたカジュアルレストランとなっている。米国のカジュアルレストラン並みのお洒落な内装だ。
中国のレストランとの決定的な違いはそのサービスとクレンリネスの基準の高さだ。味千ラーメンは日系レストラン首位、全聚徳は中国高級レストランのトップクラスだが、サービスとクレンリネスの点では格段の差がある。特に北京ダックと言う高級料理でチェーン展開している全聚徳のサービスのひどさと比較するとその力の差が分かる。全聚徳の北京本店のサービスは完ぺきですが、地方の店(特に大連)は写真をとっている筆者を突き飛ばすなど、呆れるばかりのサービス水準だ。
クレンリネスではトイレが重要だ。全聚徳も味千ラーメンもトイレは和式で清掃も不十分。しかし、ピザハットは和風のトイレながら常に清掃員が清掃をしてピカピカだ。
店舗が綺麗だし、サービスも良いのでマネージャーを呼んで説明をしてもらおうと声をかけたら、気楽に客席に来て丁寧に説明してくれた。
客席を眺めていると、日常的な使い方よりも、誕生日や、デートに使う特別なお店の雰囲気だ。
北京のピザハットにはサラダバーがあったが、大連のお店にはないが、メニューは豊富にそろっている。ピザはちょっと小型だが、味は米国と共通。ただしトッピングが異なっているので印象は変わる。その他のメニューは中国風にアレンジしてある。
ではメニューを見てみよう。
前菜(アペタイザー)
スパイシー鶏手羽先 (110g) 24元
カタツムリのオリーブ焼き (50g) 35元
テノリ巻きホタテコロッケ (90g) 24元
骨付きローストスペアリブ (100g) 25元
海鮮いりかぼちゃ焼き (6個) 18元
サーモンと鱈の揚げもの (販売中止中)
烏賊揚げ (129g) 26元
クルマエビの香草焼き (75g) 22元
豆、トマト、トウモロコシ、ソーセージのチーズ焼き(120g)12元
チキンチーズ焼き (140g) 15元
ポテトチーズのグラタン (129g) 12元
オニオン焼き (85g) 15元
ぱりぱり米国風ポテトフライ (85g) 15元
サラダ類
野菜サラダ (220g)15元
海鮮フルーツサラダ (220g)22元
燻製サーモンサラダ (145g)25元
ニ種類のポテトサラダ (220g)16元
マグロサラダ (220g)19元
スープ類
ほうれんそう入りソーセージスープ 15元
アサリバターチャウダー 24元
トウモロコシとハムのスープ 15元
マッシュルームと鳥のスープ 21元
イタリア風ベジタブルスープ 19元
ピザ-類
Aレギュラサイズ
B大きサイズ
Cチーズ入りレギュラーサイズ
Dチーズ入り大きいサイズ
ピザの生地は鉄板(パンピザ)、薄皮(クリスピー)、チーズ(縁にチーズ入り)の3種類から選べる。またはトッピングは2種を組み合わせもできる。
海鮮ピザ
具たくさんピザ 78元
海老入りピザ 78元
肉類ピザ
チキン A49元 B69元 C58元 D78元
ベーコン A49元 B69元 C58元 D78元
黒コショウ牛肉 A56元 B76元 C65元 D85元
豚肉ピザ A49元 B69元 C58元 D78元
キムチピザ(韓国風) A56元 B76元 C65元 D85元
ハムパイナップル(ハワイ風) A62元 B88元 C71元 D97元
鮭ピザ(日本風) A68元 B98元 C77元 D107元
肉料理のメニュー
イギリス風煮込み 36元
アメリカ風焼きソーセージ 30元
ギリシャ羊グリル 48元
柔らかいステーキ 45元
テキサスチキン 35元
メキシコ風海老のスパイシーソテー
スパゲッティー類
くるみパスタ (販売停止中)
ニンジンとサーモンのパスタ 39元
黒コショウシイタケベーコンパスタ 35元
レッドペーパソースチキンパスタ 28元
シーフードトマトソースパスタ 39元
ナスと挽肉のパスタ 29元
カレーパスタ 28元
ライス類
サーモンとアスパラガスのホワイトソース入りご飯 35元
ソーセージトマトソースご飯 28元
炭火焼チキンご飯 32元
豚キムチご飯 32元
海鮮ご飯 25元
イタリア風シーフードご飯 35元
カレーご飯 32元
東南アジア鳥ご飯 25元
デザート
ブルーベリーチーズケーキ 20元
マンゴのムーズ 20元
ナッツ入りチョコレートケーキとバニラアイスクリーム 22元
伝統ドイツ風チョコレートケーキ 18元
くるみケーキ 18元
ティラミス 22元
マンゴムースケーキ 20元
ドリンク類
酢橘ゼリーとゆず 18元
ニ種類ベリーのロマンス 20元
マンゴジュース 22元
ココアミルクジュース 22元
ライチジュース 18元
モモジュース 20元
ミックスジュース 20元
野菜ジュース 19元
ヤマモモジュース 19元
リンゴ・オレンジジュース 18元
レモンティー 16元
ブルージュース 20元
アイスフルーツティー 32元
アルコール類
赤白ワイン グラス:28元 ボトル:118元
青島麦酒 16元
ホットドリンク
ホットミルクティー 30元
ホットフルーツティー 30元
ホットレモンティー 14元
ミルクティー 15元
ココアティー 17元
ほっとカプチーノ 19元
カフィラテ 19元
アイスドリンク
アイスモカ 21元
アイスカプチーノ 21元
ホットモカ 19元
と22種類のドリンクメニューがある。
マネージャにメニューの更新に関して聞いたところ、半年に一回リニューアルするそうだ。また、充実したメニューが選べると誕生日パーティを訴求しています。そのほか、スペシャルメニューや午後のティータイム、を楽しめると利用の仕方をアッピールしている。この新しいカジュアルレストラン業態は、中国本土では全く競合がないと言ってよいだろう。
<中国の外食市場におけるマクドナルドの反撃>
以上のKFCの戦略に対して、マクドナルドは以下の対応策迫られた。
中国法人のCEO交代
2009年3月15日に中国マクドナルドのCEO(社長)が米国人の Jeffrey Schwartz氏からシンガポール出身のKenneth Chan氏に交代した。
Schwartz氏はマクドナルドのCEOを3年勤め、2008年12月に退任予定を発表した。Schwartz氏は2009年4月1日にChan氏が交代するまでCEO職を務める。
Schwartz氏は15歳の時からマクドナルドで勤務を開始し、40年間勤務を続け、出世していき、2005年6月にCEOに就任していた。
新しいCEOのChan氏の経歴はAnglo-Chinese School、Pomona Collegeを出て、米国Harvard Schoolで MBAを取得。その後、ペプシコーラ社のアジア地域の地区責任者
プロクター&ギャンブル社のシンガポール、マレーシア、ボルネオ地域のマーケティング責任者を務め、マクドナルドに転職。現在まで、マクドナルドに12年間勤務している。CEOに就任する前はマレーシア、台湾、韓国、の国のリージョナルマネージャー(地区最高責任者)であり、シンガポールマクドナルドの経営者でもあった。それ以前は、マクドナルドの24時間営業、宅配システム、コーヒーメニュー開発、ブランド浸透、新しいビジネスの開発、などを担当していた。
新CEOのChan氏の中国マクドナルドの新戦略
2010年11月21日CNBC誌のインタビュー
マクドナルド中国社長Kenneth Chanに対する5つの質問
中国マクドナルドの政治的な問題のある中国での成長戦略と競合のYUM(KFC)との競争激化への対応を聞く
質問1:
中国における成長戦略は何か?
答え:
マクドナルドは中国進出後20年経過している。その間に中国における成長のためにインフラ整備に努力をしてきた。人々は素晴らしい配送システムと食品加工工場の整備に力を注ぎすぎていると非難していたが、やっとその成果が見えてきている。この巨大な投資のおかげで、安全で効率の良い店舗運営が可能になっている。その他の店舗運営のシステムや人材教育にも力を入れており、これが中国における成長に寄与している。
質問2:
中国の経済はやや下り坂になっているのにかかわらず、マクドナルドは中国において前年比25%アップの資本投資をして、既存店の改装によりイメージを刷新し顧客の支持を集めている理由は何か?
答え:
我々の中国における目標は長期的なもので、今後3年以内に1000店舗のマクドナルド店舗を開店する予定だ。2013年にはマクドナルドのマーケットで3番目の規模になっているはずだ。我々は交通の要所と住宅街に出店すると言う、正しい戦略を取っている。その他に、中国においてドライブするー店舗の展開は大きな成果を生み出すと思っている。
質問3:
ドライブスルー展開は効果的なのか?
答え:
そうです。ドライブするー店舗の開店は世界中で成功しています。企業イメージの刷新と言う意味では我々の顧客と環境は変化しつつあるのです。現在は競争相手もドライブスルー店舗の展開を開始しています。我々は競合と競争するのではなく、一歩先んじるのです。
質問:
中国中央銀行は過去3年間で初めて、最近、金利を上げました。この影響は中国人消費者に影響を与え、マクドナルドの売上げにも影響するのではないですか?
答え:
ご存知のように、金利の上昇とともに、給料などの物価も上がるインフレーション状態にあります。この金利上昇は我々にコスト面で悪影響があるのは事実です。その反面、
金利上昇は消費者の冨を増加させ、我々の顧客層が増加することも期待できます。我々はどんな状況下においても店舗展開を継続し、その成長に備えなければならないのです。
質問4:競合のYUM(中心はKFC)は中国650市に3500店舗を展開しています。貴方は2013年に2000店舗になると言っていましたが、この恐るべき競合に具体的にどのように対抗するのですか?
答え:
YUMは偉大な競合です。しかし、先ほども申し上げたようにマクドナルド中国は我々のビジネスに集中しているのです。中国の外食マーケットを見てください。その規模は300ビリオンドルになるのです。欧米のファストフードのマーケットシェアはそのうちのほんの少しにすぎないのです。だから我々の西洋式ファストフードのカテゴリーの成長余地はまだ十分にあるのです。
我々は競合よりも我々自身が規律を保って、加速しながら成長することに興味があります。規律とは我々の出店場所選定が正しいということで、そうであれば我々は店舗網を拡大でき、競合に打ち勝てるのです。そのような店舗拡大にはすでに投資した配送システムとうまく投資したものが生きてくるのです。そのために過去数年間努力をしてきました。その結果、店舗段階の採算性は格段に向上し、新店舗展開に拍車をかけることが出来るようになりました。
質問5:
マクドナルドはメニューの現地化をしていますが、KFCに比べればまだ現地化のレベルが今一歩ですね。米国の主要メニューにこだわると言うことは、メニューを現地化することによる収益の悪化を恐れているのですか?
答え:
私は我々が革新的であり続け、新しい取り組みを見せることが出来れば、新しいジャンルを開発できるのです。例えば、我々はマックカフェと言うグルメコーヒー業態を中国で展開を始めました。グルメコーヒーと言うカテゴリーは中国ではまだ小さなマーケットです。しかし、20年後には成長するマーケットになっているでしょう。質問は誰が新しいマーケットを育てるかです。私はメニュの現地化と新しいマーケットの開発の2つのバランスが大事であると思っています。しかし、我々は注意深くなければいけません。もし、貴方の会社があまり多くの現地化のメニューを持てば、地元の飲食店はより安い価格で対抗できるからです。だから、我々は現地化メニューが良い戦略だとは思っていません。
マクドナルドが1990年に深センに一号店を開店してから、現在は1100店を開店し、従業員は6万人になります。我々の店舗改装によるイメージ刷新は中国の巨大な顧客マーケットに浸透するための一つの解決策にすぎません。ファストフードのようなカジュアルな飲食業態の米国での成長率が2~3%に過ぎないのに対して、中国の伸びは年率10%に上るからです。
<中国進出のまとめ>
中国に進出する際の問題点はかなりある。まず、外食企業が成長するに必要な基盤が整備されていないことだ。食材でも和食店を展開するには魚を現地で調達するには苦労する。また、食材メーカーも整備されていないので、自らセントラルキッチンを整備する必要がある。また、日本のような卸売問屋も無いので、商品開発、代金決済、物流、なども自ら行う必要がある。物流の場合も省を跨ぐと税金が課せられたり、荷重の規制が厳しくなったりと難しいことが多い。
また、中国に進出する場合には現地を良く知った企業と合弁を組まないと、政府の政策などの変更による被害を受けることが多い。立地なども同じだ、マクドナルドは北京一号店の出店後に市から移転を強制させられたことがあるくらいだ。立地ではKFCの例にあるように、まだ車の普及が途上であり郊外が成熟しておらず、都心部出店をしなければならないことも日本や米国と大きく異なる点だ。
その他、フランチャイズ展開をする場合には政府の法規制を注目する必要がある。最近中国政府はフランチャイズ方を整備しだしたが、中国内のフランチャイジーからのロイヤルティを日本に送金できるかどうかでもめている。中国の資本経済に対する法整備はまだ途上であり進出に当たっては慎重な研究が必要である。
海外からの再進出
海外から日本に進出して成功した米国外食企業はマクドナルド、KFC、と数えるほどだ。そのため、ウエンディーズなどは数年前に撤退してしまったほどだ。しかし、2010年10月25日に米国で450店ほどチェーン展開しているフーターズHootersが赤坂に開店し、連日行列の出来る繁盛振りを示している。これをみて、また、米国から日本に進出をしようという企業が出ているようだ。
その最有力候補が、ウエンディーズの日本再進出で、現在マーケティングリサーチを行い、提携先の企業を選定している。同じく、一度撤退したカールスジュニアやタコベルも再進出を計画している。
その他、米国で急成長している分野のファストカジュアル業態のトップ企業のパネラブレッドも進出を計画しており、経営幹部が来日してマーケティングリサーチを実施している。
米国景気回復に伴い、日本への進出が増加すると見られている。