アルバイトが作った作業手順書

(商業界 飲食店経営1997年1月号掲載)

体験的店長実務ステップアップ講座第5回目

アルバイトが作った作業手順書

ダンキンドーナツとマクドナルドではマニュアルが異なる。ダンキンドーナツのノウハウは職人技を標準化し、短期間で育成できるようにしたことだ。ドーナツ製造の仕事は社員のドーナツ職人が製造し、アルバイトは販売とドーナツ製造補助に携わる。売り上はマクドナルドに比べ低いので、店舗の従業員の人数も10人前後とこじんまりしている。ドーナツの製造に必要な調理機器は、フライヤー、プルーファー、ミキサー、ジェリーフィリングマシン、カッティングテーブルなどだ。調理機器のメインテナンスも必要ないし、開店前、閉店時の清掃、準備作業もごく簡単なもので、作業手順書もシンプルだった。

マクドナルドのマネージャーの仕事はマネージメント中心で、100人を越えるアルバイトの配置、スケジューリング、発注在庫管理、売上管理、利益管理、などだ。調理、清掃、準備作業に従事することはない。

前回も述べたが、シェークマシン等の調理機器は複雑で朝の開店時まえには1時間の準備時間、閉店後1時間30分間の清掃時間が必要だった。店舗のクレンリネスを完璧に保つためには夜通しの店内清掃作業が必要だった。

それらすべての作業をアルバイトが行うわけだから、きちんとしたマニュアルが必要だし、それに基づいた作業手順書が必要になるわけだ。マクドナルドではまだ作業手順書が整備されていなかった。そこでアルバイトに作成させたわけだ。ではどうアルバイトを選定し作成させたか見てみよう。

アルバイトの仕事は営業中のハンバーガー類の調理と販売、開店前の準備作業、閉店後の清掃作業と3つのグループに分けることができる。おもしろいことにこの3つのグループのアルバイトの性格は大きく異なる。昼間の調理や販売に従事するアルバイトは、大学や高校に行って余った時間を働いて小遣いを多少稼げばよいと言うタイプで、企業に対する忠誠心はあまりない。朝に入るグループは専門学校や、大学の午前中の授業がない人間が多く、一般的にインテリで要領が良く仕事を覚えるのが早い。閉店作業のアルバイトは夜遅く、汗だくになる肉体労働の清掃作業が主な仕事の肉体派の人間が中心だ。どちらかというと要領の悪い人間が集まっていた。

開店時間が8時だから朝の6時半には店に入らないといけない。繁華街の店舗だったから郊外から通ってくるアルバイトは朝の5時頃には起きないといけないわけだ。夜の閉店後の清掃作業が終了するのは11時半、店を出るのが12時だから、翌日学校に行くためには殆ど寝ることができない。そんな、時間的に厳しい条件でもきちんと働く人はよほど忍耐力があるか目的がしっかりしているわけだ。そういう意味で、朝夜のメンバーはオープニング、クロージングメンバーとして、アルバイト仲間で尊敬されていた。

開店時の準備、清掃作業を担当するアルバイトは2名いた。朝のアルバイトというのは一言ですべてを理解するようなタイプが多かったが、その開店メンバーにいやに鈍くさい奴が入った。ふつうの人間が開店業務を担当すると、1時間で簡単に終了するのだが彼が担当すると開店しても終わらず、開店後までどたばたとしている。しかし、仕事は遅いが毎日休まず時間通りにくる。今までさんざん、遅刻に苦しめられていた筆者は多少仕事が遅くてもちゃんと来るだけましだと思い我慢していた。だが、あまり仕事を覚えるのが遅いので、まわりのアルバイトや、社員は止めさせてくれと言う。

そこで何とかしなければいけないと思い彼の仕事ぶりをじっくり観察してみたら遅いわけが分かった。何か手順が理解できなかったり納得行かないと、何故だろうと考え込むのだ。何か分からなければそれを後回しにして他のことをやればよいのだが、その分からない場所で理由を納得しないと先に進められないのだ。そしてしばしば質問をしてくる。そして納得行かないと理解できるまで質問責めをする。朝の忙しい時間にじっくり質問をされるものだから他のアルバイトや社員は音を上げたわけだ。しかしながら、いったん納得すると、その通りに正確に手をいっさい抜かないで完璧な作業を行う。普通のアルバイトはマネージャーが見ていないと適当に手を抜くのに彼はいっさい手を抜かない。しかも、仕事をしながらメモを取り、休憩時間等にそれをきちんと整理している。そのメモを見てみたら図入りで仕事のこつ、段取りを細かく書いてある。

今は遅いがこんなにまじめだったら何とかなるんではないかと思い他のアルバイトや社員にもう少し我慢してくれとお願いした。そして彼には仕事になれるまで30分早くきて仕事をするようにさせた。数ヶ月すると時間通りに仕事が出来るだけでなく、完璧な状態に仕上がるようになった。

次に新人の教育を任せてみたら、仕事の手順だけでなくどうやったり失敗しないかのこつをしっかり教えることが出来て、新人の教育が順調になった。そこで彼に朝だけでなく夜の閉店作業も分析させ作業手順書を作らせてみた。

例として閉店時のシェークマシンの洗浄殺菌を見てみよう。シェークの作業は先回も述べたが複雑な作業を必要とし、いい加減に行うと汚いだけでなく、大腸菌が残留し、保健所の検査により営業停止を命じられるから、きちんとした清掃業務のトレーニングが必要不可欠だったわけだ。

<シェイクエリアの清掃作業手順書>

1.道具
2.中性洗剤
3.次亜塩素酸ナトリウム溶液
4.ブラシ
5.ハケ
6.バケツ
7.ダスター
8.ナプキン
9.ペーパータオル
10.計量カップ
11.サービスカップ

<閉店作業準備(8:00PM)>

1.テーラーマシン及びマルチミキサーのまわりを出来るだけ清掃する。
2.マルチミキサー台の下の部分
・下にあるものを整理してすべての部分を拭く。
・特に水がこぼれている時もあるから。
3.マルチミキサーのリフター、スピンドルをきれいにしておく。
4.マネージャーの指示により、フロートフィードアッセンブリーを横にする。サービスカップに炭酸水を入れ、シールリング2個つける。
・日曜日、祭日はマルチミキサー3台、テーラーマシン2ー3台使用するのでマネージャーの指示により各々1台残して閉店作業準備を行う。
5.グリルのプリパレーション(右)にシロップタンクを置き、また、台の上にペーパータオルをしき、その上にカップディスペンサーの残りのカップをうつぶせに置く。
6.シロップレイルを引き出し、壁や床をきれいにする。
7.シロップレイルをきれいにする。

<閉店清掃作業 (10:00PM)>

1.マネージャーの指示により、シェークマシンのスイッチを切る。
きれいにしたダストボックスを用意し、まず、ミックスホッパーカバー、ミックスレベルインジケーター、ハウジン2.グミックスインジケーター、フロートアッセンブリーをテーラーより取り出して入れる。

3.ミルクミックスを出す。(廃棄ミックスをはかる)
1)  WASHボタンを押しっぱなしにして、ミルクミックスを出す。
バケツに水を入れ、ホッパーにこびりついているミルクミックスを出す。(WASHのスイッチを時々(3ー5秒)入れる)

注1)水の量とバケツの重さ(0.6kg)を忘れないように

2)  再度、ホッパーの中を水でリンスする。

4.ホッパーの中にフロートフィードアッセンブリーの下まで水を入れ、中性洗剤を計量カップに60cc用意し、その半分の30ccを水と一緒に流す。その後、ホッパーの中に水を3分の1くらいまで入れ、残りの30ccを入れる。
1)  ホッパー内をブラシでよく洗う。
2)  ホッパーの上の口の部分もよく洗う。
3)  ホッパーの穴もブラッシングする。
4)  WASHのスイッチを時々入れながら(一回3ー5秒)、液をドロゲートより、バケツに抜く。(下水道に捨てる)
5)  その後、水をホッパー内にため、泡が出なくなるまでリンスする。(2ー3回)
注1)この時もWASHのスイッチを時々入れ、水を抜く。

5.再度ホッパーの中にフロートフィードアッセンブリーの下まで水を入れ、次亜塩素酸ナトリウム溶液を計量カップに110cc用意し、その半分の55ccを混ぜる。
その後、ホッパーの中を水で満杯にし、残りの55ccを入れる。

1)  ホッパー内をブラシでよく洗う。
2)  ホッパーの上の口の部分もよく洗う。
3)  ホッパーの穴もブラッシングする。
4)  そのまま10分間放置する。
―― この10分間にマルチミキサーの清掃をする ――

・平日は2台(右から)使用するので清掃準備作業で1台片づける。
_  a. マルチミキサーのスイッチを切り、コンセントを抜く。
_  b. スピンドルの上部を中性洗剤でシロップやミルクミックスのこびりついているのを落とす。
_  c. 水で中性洗剤を流し、次に次亜塩素酸ナトリウム溶液で殺菌する。
_  d. さらに、リフター、スピンドルその他のまわりを水洗い(リンス)する。
_  e. ヘッドカバーを取り、リフターを抜き、サービスカップを用意しコーラディスペンサーより炭酸水を取り出す。_  f. その中にリフターをつけ、マルチミキサーの後方に置く。
_  g. ヘッドカバーを外したまま、その中も手のとどく範囲でダスターで拭く。
_  h. ヘッドカバーをはめ、そのヘッドカバーと横の面を炭酸水とハケを使って炭酸水をかける。
_  i. その後、ペーパーナプキンで拭き取る。
_  j. マルチミキサーの台も清掃してその上にペーパータオルをしく。
注1)この仕事はしゃがんで下部もきちんと清掃すること。

_  k. あらかじめ、マネージャーの指示でコンセントを抜いておいたシェイクキャビネットの清掃。
_      a)   次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸したダスターで拭く。
_      b)  その後、ぬれたダスターでさらに拭き取る。
_  l. ミルクストッカーもシェイクキャビネットに同じ。
注1)下の水のたまる容器をシンクへ出すのを忘れないように

_  m. 周りのシェイクの飛び散りに注意。(よくふきとる)
_  n. リッドを元の場所にもどす。

6.その後10分過ぎたら、すぐホッパーの中に次亜塩素酸ナトリウム水を中性洗剤と同じように流す。そして、ホッパー内に水をため、同様にリンスする。(2ー3回)
・ホッパー内に水をためる間の時間はボケーとしないで10分間に出来なかったところを清掃。
7.ドロープランジャーをあげて水を抜き、水が出なくなったら次にトロンボーンアッセンブリーの下のスクリューのネジを4個ゆるめて水を抜く。
注1)下にバケツで受けとめるのを忘れないように。

8.全てのアッセンブリーをはずす。
1)  トロンボーンアッセンブリーを上に持ち上げながら、スクリューを4個はずす。
2)  ドローゲートよりドロープランジャーを抜く。
3)  サービスカップに炭酸水を入れ、ドロープランジャーよりシールリング2個を取りはずして炭酸水につける。
4)  トロンボーンアッセンブリーをはずす。その裏にくっつけてあるガスケットを取る。
5)  ビーターアッセンブリーを右に回しながらスクレーパーブレードを3枚取る。
6)  ドライブシャフトを取りだし、シールリング1個を炭酸水につける。
7)  ドライブシャフトの穴を次亜塩素酸ナトリウム溶液を浸した堅いブラシでブラッシングする。
8)  トロンボーンアッセンブリーを取り出した口をペーパータオルでフタをする。また、ホッパーカバーをシンクに1) 出している間は、パックライナーでホッパーの口を覆うこと。
9)  シンクに出すもの。
ダストボックスに入れて出すもの(テーラーマシンの部品)
・ ミックスホッパーカバー
・ ミックスレベルインジケーター
・ ハウジングミックスインジケータ
・ フロートアッセンブリー(これは離さないこと)
・ ビーターアッセンブリー
・ ドライブシャフト
・ スクレーパーブレード
・ トローンボーンアッセンブリー
・ ドロープランジャー
・ プラスチックカラー
・ ガスケット
・ スクリュー
・ フロートフィードアッセンブリー
その他
・ シロップレイルのシロップ受け(中と外)
・ タオルパン
・ リッド受け
・ ミックス受け
・ ドリップパン(テーラーの横のフタを持ち上げるとある)
9.シンクから戻ってきたアッセンブリーの水を切り、あらかじめ引いておいたマルチミキサーの台の上のペーパータオルの上に並べ、自然乾燥させる。さらに全てのアッセンブリーの上をペーパータオルで覆う。
10.その時、全ての部品の数を確認する。
11.マネージャーのチェックを受ける。
その他の仕事
1)  マルチミキサーの台の下に置いてあるシロップ缶について
・開封のものはサランラップをかけて。ウォークインの冷蔵庫へ片づける。
2)  シロップタンクは、リーチインの冷蔵庫へ片づける。
以上の用に細かい洗浄方法の手順を作成してきた。できあがった手書きの作業手順書は図も入った細かいものだった。それを、字の綺麗な女子アルバイトに清書させ、コピーして使用するようにした。

しかし、作業手順書を作ってアルバイトのトレーニングするだけでは完璧な作業は期待できない。毎日作業が終了した後で、その仕事をチェックし評価する必要がある。できていなければ基準に達するまでやり直させ、よくできていたら誉める。また、点数をつけるなど、何時も見ている、評価をしているという事が大事だ。しかし、評価がマネージャーによって異なるとやる気をなくしてしまう。そこで評価のばらつきがなくなるように作業のチェックリストをアルバイトに作成させた。彼らはどうすれば手を抜いてもばれないかという裏を知っているから最適なのだ。敵の裏の手口を知ることが肝要なわけだ。

A.フライヤーセクション

1.電源ガスの元栓は切ってあるか。
2.ショートニングは汚れたままでないか。
3.ステンレス部分にショートニングがついていないか。(特に開き戸、フタなどに)
4.バギングステーションの鏡は光っているか。
5.バギングスクープなどは洗ってあるか。
6.ポテトバッグ、アップルパイカートンなどが散乱してないか。
7.バスケット類はきちんとかかっているか。(上段…ポテトバスケット、中段…アップルパイ、下段…フィレ)
8.バンスティーマーの中はきれいか。
9.バンの置き台にバンクズが落ちていないか。
10.バンの置き台及びその下にバンズが残っていないか。
11.スティーマーは水漏れ、漏電していないか。
12.ダクトの周辺に油カス、カーボンなどがついたままになっていないか。(火災の原因になるので、週1回カキ落とすようにする)

B.グリル

1.ガスの元栓は切ってあるか。
2.グリル板はムラなく清掃してあるか。
3.ダクト周辺(内側、上部)に油滴がたまったりしてないか。
4.エプロンの中に、油カス、カーボン、ミートの破損などがたまってないか。
5.バントースターの内外に、バンズが残っていないか。
6.バントースターのネジのゆるみはないか。
7.タイマーはきちんと作動しているか。
8.バントレイ、スパチュラなどはきれいに洗ってあるか。
9.ドレス台の汚れはないか。(足まできちんと拭いてあるか)

C.シェイク

1.マルチミキサー周辺
1)  スピンドルのツメは12本あるか。(CO2液の中に)
2)  ターンテーブルの中まで拭いてあるか。(ターンテーブルのゴムの粉、ミルク、シロップなどで汚れるため)
3)  タオル、パンの中に汚れはないか。
4)  リッド、ホルダーの表裏とも拭いてあるか。
5)  とびらの中は整頓、清掃されているか。
_  a.電源コード、リッド、ティラールーブなど
_  a.チョコ、シロップはきちんとラップしてあるか。

2.ティラーマシン
1)  ホッパー内の清掃はOKか。
2)  シリンダー内にミルクのカスが残っていないか。
3)  シリンダーの奥に青カビはないか、ティラーループがついたままになっていないか。(指を入れてみる)
4)  受け皿は洗ってあるか。

3.シェイクストッカー、その他
1)  トローンボーン、その他の機具類にルーブ、ミルクなどがついたままになっていないか。
2)  ブレードの刃は、破損カ所はないか。
3)  Oリングはきちんとはずされているか。
4)  バケツの中に次亜塩素酸ナトリウム溶液は入っているか。(その中に、バケツブラシ、スプーン、カップ類は)
5)  シロップタンク周辺に、シロップのこぼれ、シェイクカップなどが落ちていないか。
6)  プッシュボタンの破損カ所はないか。

D.ウオーミングビン 周辺

1.ウォーミングビンの内外の清掃は。(ケチャップ、マスタードが付いたままになってないか)
2.ラッピング・ペーパー類はきちんと所定の場所にしまってあるか。
3.ヒートランプの汚れはないか。(油滴、ケチャップなどで)
4.コーヒーマシン
1)  電源は切ってあるか。(2カ所)
2)  デカンタはきれいに洗ってあるか。
3)  ノズルの清掃はどうか。
4)  電源皿にコーヒーがこびりついたままになっていないか。
5.ホットチョコマシン
1)  ホッパー、パーツ、受け皿、フタなどは洗ってあるか。
2)  湯口内ノズルにチョコパウダーが付着してないか。
6.コーヒー、チョコパウダー、シュガー、クリープなどは整理整頓されているか。(注:必ず乾燥した場所に置くこと)
7.ホットアップルパイ、マーチャンダイザー
1)  表看板、上部に汚れはないか。
2)  回転板に汚れはないか。
ヒートランプの清掃は。
8.ミルクストッカー
1)  内部は全面、殺菌消毒してあるか。
9.コーラーディスペンサー
1)  キャップ、口金などのパーツは取り外してCO2液に入れてあるか。
2)  受け皿の中に湯又はコーヒーの残りを流してみぞ掃除をしているか。(コーラのカスが詰まりやすいので要注意)
3)  氷入れホッパーの中は、殺菌消毒し、清掃してあるか。

E.シンク周辺

1.シンクタンクの中に、油、ゴミなどが付着したままになっていないか。
2.シンク周辺にブラシ、スポンジ、タワシ、ダスターなどが散乱したままになっていないか。
3.空き缶は全てつぶし、整理してあるか。
4.サイドボードの中の整理整頓は。(ブラシ、スポンジ、包丁、アルミホイル、サランラップなど)
5.ダクトアミに油カス又は油がたれたままになってないか。
6.プラスチックボックス(ゴミ箱)は洗ってあるか。
7.ウェイストボックスは汚れたままでないか。
8.カートリッジ、ホルダーは洗って冷蔵庫に保管してあるか。
9.ケチャップ、マスタードディスペンサーなどは洗ってあるか。

F.その他の清掃

1.冷凍庫の清掃
1)  庫内の整理、霜とり
2.冷蔵庫の清掃
1)  チーズ、シロップ缶、ケチャップ缶などにサランラップがかけてあるか。
2)  庫内の整理、霜とり。
3.R-800の上にカップ、#50バッグ、計量器などが放置されたままになってないか。
4.カウンター上にダスター、リッド、クリープ、シュガーなどが散乱したままになってないか。(カウンター上はレジスター、ストロー、ナプキン、ディスペンサーのみ)
5.レジスター・トッパーは取り外してあるか。
6.Back-Roomの清掃。
1)  カップ、ストロー、スーパーバックなどは整理されているか。
2)  ウィンドーブレイカー、シャツ、クルーハットなどが放置されたままになってないか。
3)  洗剤などがこぼれたままになってないか。
4)  工具入れ、掃除用具入れの整理整頓は。
5)  パックライナーが入口に散乱したままになってないか。

筆者の能力不足が生んだアルバイトによる作業手順書とクロージングチェックリストの作成は思いがけない効果を生みだした。作業手順書を作成するに当たっては、当然の事ながら筆者たちの社員と打ち合わせをしなければならないし、アルバイト同士で集まってディスカッションをしないとならない。従来の店舗の問題点はアルバイトのモラルが低いと言うことだった。それを性急に解決しようと古いアルバイトの解雇をしようとして失敗し、社員とアルバイトが対立して店舗の雰囲気がぎくしゃくしていた。それが作業手順書を作成するという共同作業により、店舗に一体感が出てきた。アルバイト同士で打ち合わせをすることにより、アルバイト同士のチームワークも出てきた。店舗は遊びに行く前の友達探しの場所だという認識から、仕事をしっかりやるのだという達成感を求めるようになった。

後に、アルバイトにマネージャー業務を任せるというスイングマネージャー制度が誕生するわけだが、朝の開店作業か閉店作業をできる人間の中から選んだ。頭と要領の良い人間と、忍耐力のある人間の両方が必要だったからだ。当然のことながら朝と夜の時間に働けないと社員の代わりにならないからでもある。

何でも社員がやるというのではなく、アルバイトにも責任を持たせて、何かを一緒にやり遂げるという一体感を持つというのが一つのこつだと言う貴重な勉強を体験出来たのだった。

続く

お断り

このシリーズで書いてある内容はあくまでも筆者の個人的な経験から書いたものであり、実際の各チェーン店の内容や、マニュアル、システムを正確に述べた物ではありません。また、筆者の個人的な記憶を元に書いておりますので事実とは異なる場合があることをご了承下さい。

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