ブロードウェイはマンハッタンの南端から北端まで縦断する大通りですが、そ
の中間地点がセントラルパーク付近で、丁度その南の端が59St.になります。
その交差点はコロンバスサークルという複雑に交わった回転型で大きな賑やか
な交差点です。この付近はニューヨーク・マラソンや感謝祭のパレードでも使
われるのでなじみのある光景だと思います。その一角にタイムワーナー・セン
ターというツインタワーのビルが2003年秋にオープンしました。
その地下から4階までが2004年2月にショッピングモールとしてオープンし、有
名ブランド店等と共に、地階にはホールフーズが入っています。売場面積約6
千平米のこのホールフーズには、ワインコーナーとホールボディーというナチ
ュラル志向の化粧品やビタミン・サプリのコーナーが併設されています。同じ
モールの2階部分には大型書店の中にディーン&デルーカ・カフェが入り、4階
のレストラン街にはニューヨーカーにも大きな反響を呼んだ最高級寿司店「ま
さ」が入りました。ディーン&デルーカ本店もやはりブロードウェイにありま
すが、ダウンタウンの立地と少々離れますので、これは次の機会に報告致しま
す。
ホールフーズ・マーケットは1980年にテキサス州で創業し、アメリカの経済好
況と健康志向、環境への配慮等が重なり、彼らの自然食品、健康食品を前面に
押し出すコンセプトで全米に店舗展開し、大成功を納めています。無農薬の青
果物や薬品を使わない飼育法で育てられた動物の食肉などを中心に、顧客が選
択できるように通常の食品も取り混ぜて扱います。その場合に、その商品の情
報がハッキリ分かる様になっていることが重要で、アメリカでも話題に上がっ
ている食の安全はこの位で充分確保されています。
ここでは食品スーパーで自然食品、健康食品を中心にした買い物をするだけで
なく、最近の消費動向を反映して惣菜や半調理品、寿司コーナー、パン・サン
ドイッチ・サラダ類や食品バーコーナーを特に充実させた商品構成と売場にし
ました。
20年以上前に始まったアメリカの健康志向ブームの一端には、寿司の流行があ
りました。当時のニューヨーカーが好んで日本食を話題に上げ、寿司を食べる
(食べられる)亊や箸を上手に使える亊がトレンドにすらなりました。トレン
ドには波があり消えていくものがほとんどの中、寿司はどんどんアメリカの食
生活に入り込んで、そういう意味でも通常の食事の一部になってきています。
言い換えると、現在では日本人・アメリカ人が元々イタリアのエスニックフー
ドであったピザを日常的に食べる様に、アメリカ人が寿司を食べています。
当然のことながらそのレベルは客の味覚に合わせて向上しています。最近のニ
ューヨークの寿司ブームでは、ガーデン・オブ・エデンにちよだ鮨が入った所
でも触れた通り、寿司の微妙な品質も見分けるようになり、従来の冷凍商品や
新鮮さを失ったパック寿司を扱っては取り残されてしまいます。ホールフーズ
ではこの寿司コーナーをゲンジ・エキスプレスと提携し、本格的な寿司を販売
しています。
食品バーコーナーでは、1ポンド幾らという設定で、好きなものを好きなよう
に取り混ぜてサラダボウルに取ったり、テイクアウト容器に取ることが出来ま
す。昼と夕方のピーク時間帯のキャッシャーは非常に込み合いますが、5品目
以下の買い物客用エキスプレスのキャッシャー列と通常のキャッシャー列に分
けたくし形キャッシャーで、非常に上手く客を捌いていきます。キャッシャー
の横には約250席のセルフサービステーブルが用意され、その場で買った食品
を食べられるカフェテリア形式になっています。カフェコーナーの一角ではジ
ュースバーが設置され、野菜・果物のジュースをその場で搾って提供し、ニュ
ーヨークではこれが最近特に流行っている傾向にあります。
ホールフーズはこのコンセプトで地域の食品店へ競合しているだけでなく、デ
リカ店、レストランへも競合し、このタイプは部分的に、まさしく今話題にな
っているファスト・カジュアル・レストランの業態に他ならず、日本で言うデ
パ地下の要素も兼ね備えます。新しいスーパーマーケットのあり方とも言えま
しょう。
今回はブロードウェイとその周辺に面したグルメストアについての情報を中心
にお伝えしましたが、これ以外のローカルグルメ店も相当にあり、フード・エ
ンポリアム、ドアゴスティーノ、アソシエーテッド等、高級スーパーマーケッ
トも数多くしのぎを削ってビジネスをしています。食品店ではなく菓子店です
が、麦の穂のシュークリーム店、ビアード・パパもニューヨークでチェーン展
開を始め、ブロードウェイでは76St.に奇麗なショップ・カフェを出し物珍し
さと奇麗さで好評になっています。
最近のニューヨーカーの間で話題に上がる日本食関連は、前述の高級寿司店ま
さの$350.おまかせメニューや、MEGUやNOBUの高級でトレンディーな和食、反
対にラーメン・うどん等の手軽で安上がりな日本食店やちよだ鮨などの本格的
なテイクアウト寿司、又、どのスーパーでも冷凍品が買える様になった枝豆や
日本のスナック菓子やパン類などが流行るという、両極端な状況が見えていま
す。
今年も既に相当の日本企業などの動きが感じられ、更に最新の情報を集めて皆
さまに提供して参ります。最新情報、詳細、ウォルマートの生の近況等につい
ても、いつでも下城までご連絡下さい。
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