ブロードウェイの125St.から川沿いへ2ブロック行くと、元倉庫街の一角にフ
ェアウェイがあります。正確には付近の道路が斜めになっていることから、店
は131St.となります。トマトの卸業から始まったフェアウェイは、ブロードウ
ェイの74St.に本店があり、このハーレム店は96年に出来た支店ということで
す。80年代のバブル期から本格的に始まったニューヨークのグルメブームに乗
り、トマトの卸業から野菜果物全般の食品卸しを経て商品構成を充実させ、グ
ルメ食品の卸業風グルメ店へ変わっていきました。従って本店とともに店舗は
倉庫サイズになっています。
実際に元々冷蔵倉庫であった建物を使っている事から、肉・魚・乳製品等のコ
ーナーは巨大な冷蔵倉庫の中に客が入って買い物をする形です。ハーレム店の
立地的な特徴の一つは、マンハッタンではほとんど不可能な駐車場付きの店舗
で、離れた地域の人も車でまとめ買いに来られる事です。黒人ハーレムの一角
である事から、賃料の安さ、労働コストの安さも大きく、実際に本店までの距
離は車で約10分程であるにも関わらず、商品価格は確実に安く設定されていま
す。フェアウェイの進出もあり、ハーレムのこの付近は良い方向で再開発が進
んでいて、ダイナソウ(恐竜)・バーベキューレストラン等、今までに考えら
れなかった様な開発が起こっています。

店の外に果物や袋詰めのスナック菓子が沢山並び、日本で言うエレクターシェ
ルフにビッシリ商品を詰めている事から安売りの倉庫販売店である様に感じな
がら店内に入ります。元々が八百屋の卸業ということから、入口には非常に新
鮮な青果を山の様に積み、新鮮な食品がどんどん売れている状況をお客に感じ
させます。事実生鮮食品の回転度はニューヨークでトップクラスと言われてい
ます。青果売場の一角はオーガニックコーナーになっていて、これも最近のニ
ューヨークで非常に好調な部門です。
扱い品目は、倉庫式のビッシリ積み重ねる棚の展示方法や、人種のるつぼの中
心地である事もあり、中南米やアフリカ・中近東方面の食品も多く揃え、ニュ
ーヨークのグルメ店では最高のSKU数となります。グルメ店では通常扱わない
缶詰め瓶詰めの類も非常に多く、これはフェアウェイがあくまでも卸業をやっ
ていてそれらをホールセールしている事に関連します。
ここではまとめ買いが出来る事、商品価格、品揃え等でプロ(シェフ)の買い
物客も多く、ミートパッカーから届いたパックそのままの肉のブロックや、箱
ごとの野菜が買われて行く光景も見られます。本店は住宅街の中心にあり、最
近のグルメ店の特徴である惣菜が非常に充実している事もあって、このハーレ
ム店では扱う惣菜が限られたものになります。これはマーケティングを充分考
慮した上での戦略と考えます。
黒人ハーレムでありながら、黒人客が特に多いという事でもないのですが、扱
う惣菜は早朝から大量に作られる丸蒸し焼きチキンや付け合わせのポテトや野
菜類を見ると、ソウルフードの系統も充実している様に思います。チーズ、ハ
ム・ソーセージのデリカテッセンコーナー、スモークサーモンコーナー等は充
実し、最近その部分が拡張されました。(つづく)
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