日本とアメリカの消費者動向と考え方には大きな違いがあります。例えば最近
話題に上がる世界最大の小売業であるウォルマートが日本に進出しましたが、
これはかならずしも脅威になるとは言えません。日本の生活パターンはアメリ
カのそれと基本的に大きな違いがあるからで、アメリカ企業はその違いを詳細
なレベルまで理解していない場合が多いからです。
逆の論理を使うと、その違いまで理解したアメリカの企業は成功すると思いま
す。一つ例を上げると、アメリカの家庭では週に1度のまとめ買いなどをする
習慣があるという事はご存知と思いますが、この概念からして日米では決定的
な差があります。ほとんどアメリカ人ファミリーとなっている筆者の家庭でも
買い物は週に1度のまとめ買いをしています。
例えばセールの時に洗剤を10個買い、サランラップ5個入りの巨大なパックを
2個買い、コーラ1ダースで2ドルの時にはこれも10ダース買い、チキンの丸ご
とを10個買ったりします。この場合どれも2〜3ヶ月分の消費量になるのかも知
れませんが、その為の大きなストックスペースが地下室などにあるから可能な
わけです。そして次の週のまとめ買いの時には、在庫が少なくなってきたその
他の日用品である紙製品や他のセールの食材を買う事になります。特別なセー
ルや割引きクーポンは実に有効に使える事になります。言い替えると、2〜3ヶ
月分買ってある在庫を使い切る前に、必要な物のセールを新聞広告等で探して
買い足していくのがアメリカ式の週に1度のまとめ買いと言えます。
こういう事から、コストコや巨大スーパー等で見られるアメリカの大きなパッ
ク商品の理由がお分かり頂けると思います。一部のアメリカ企業は、海外に進
出しても自国の成功を他国に適用しようと考えますが、日本マーケットに関し
ては、初めだけは日本特有の興味本位等もあり好調に見えても、すぐ飽きられ
てしまう事も多々見られます。これを理解しないアメリカ企業に成功はないし
そんな例は私達の周辺に幾らでも見受けられると思います。
アメリカの消費者動向は民族が雑多である事も手伝い、公約数的な大ざっぱさ
になるのだと言われます。その例を挙げると、日本では考えられないこともあ
ると思います。
○店頭の野菜や果物に傷んだものが混ざっていても、その分安ければ客は納得
します(傷んだ商品を取り除く人件費や、そのロスのコスト上昇は商品価格に
跳ね返ると理解し、苦情の対象にしない)。
○ステーキの国でありながら、専門店でもミディアムレアーの焼き加減などほ
とんど実行されません。
○年末に狂牛病が発生しましたが、ニュース報道と異なりほとんどの人は牛肉
の消費を一切抑えませんでした。
○体験者も多いと思いますが、夏の冷房は冷たく、冬の暖房は暑く、デザート
はとことん甘くと、極端です。
(つづく)
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