2004.9.30号
Vol. 28 ニューヨークの生活と「食」事情(3)

先に述べたスーパーマーケット業界では、現在全米で161店舗のチェーンにな
ったホールフーズ・マーケットが好調です。ホールフーズ・マーケットは健康
志向の高級食材を扱いグルメ店に匹敵する商品構成と品質を持っていますが、
業態はスーパーマーケットであり専門店ではないことからグルメストアとは呼
びません。

ホールフーズでは無農薬や自然食品、健康食品などの商品を積極的に扱い、そ
の素晴らしさの一つは商品表示が適確である事です。オーガニックの物とそう
でない物が同じ一角に並ぶ事がありますが、それらの区分や原産地が明確に表
示され、場合によっては栄養分析や生産農家の情報も表示されます。
 
2004年2月にマンハッタン中心部のコロンバスサークルの一角(D&Dカフェ
と同様)に売場面積約6千平米でワインコーナーも併設した最新店舗を開店さ
せましたが、これはニューヨークの食品関連の視察では絶対外せないものにな
っています。最近の消費動向を反映し、惣菜や半調理品、寿司コーナー、パン
・サンドイッチ・サラダ類を特に充実させた商品構成にしました。

店内にはカフェコーナーというセルフサービスのテーブル席を広く設け、購入
した惣菜、サンドイッチ、飲料などをその場で飲食出来るコーナーです。カフ
ェコーナーの一角ではジュースバーが設置され、野菜・果物のジュースをその
場で搾って提供し、ニューヨークではこれが最近特に流行っている傾向にあり
ます。


この新しいシステムでホールフーズはこの地域のスーパーや食品店へ競合して
いるだけでなく、デリカ店、レストランへも競合し、このタイプはまさしく今
話題になっているファスト・カジュアルに他なりません。新しいスーパーマー
ケットのあり方とも言えましょう。 

ニューヨークの郊外では、同様のスーパーマーケット業態で非常に成功を収め
ているウェグマンズ・フード・マーケットというチェーンがあり、ここでは
700品目以上のチーズを扱い、生鮮食品及び惣菜部門という更にリスクの高い
商品をあえて充実させているなど、時流に乗っていると言えます。
(つづく)

→ Vol. 29