私達ニューヨーカーは、グルメストアと呼ぶにあたり一応の目安を作っていま
す。最近では一般のスーパーマーケットでもチーズを300品目扱う等、品目数
が増えてきました。従ってグルメストアと呼ぶ場合はチーズを400品目以上扱
っているオリーブはパックされたものだけでなく20種類以上の量り売りオリー
ブが用意される等と言われます。一部の高級スーパーマーケットでは、店内に
グルメストアに匹敵するコーナーが設けられている場合も出て来ましたが、グ
ルメストアというSpecialty Store(専門店)とは区別しています。
グルメストアとひと括りに話されていますが、創業時点やバックグラウンドの
違いによって幾つかのタイプに別れ、そのほとんどのタイプで力を入れている
のは惣菜部門(又はHMR)と言えます。ディーン&デルーカに競合するグルメ
ストアでは、ゼイバース、シタレラ、フェアウェイズ、バルダッチ等があり、
それぞれ特徴がはっきりしています。各々、スモークサーモン、海鮮類、青果
・果物・精肉、イタリア系惣菜等を得意な分野とし、事実それらからビジネス
が創始されています。
ニューヨーク市は約800万人の人口と、地下鉄、電車、バス等の公共交通機関
が発達している事から、アメリカの中では数少ない街中を歩いて移動する人の
流れがある都市であり、これは家賃の高さや頻繁な買い物動向などでも日本の
都市と共通する何かがあります。同じくダウンタウンの一角に、ガーデン・オ
ブ・エデンというグルメストア・チェーンがあり、これは住宅とビジネスの密
集地でもある事から、スペースを非常に有効に使った店舗であり日本へもこの
まま持って行けそうなグルメ店と言えます。ディーン&デルーカからは車で5
分くらいの近距離ですが、商圏は別になります。
ガーデン・オブ・エデンは、ニューヨークにたくさん存在するグルメストアと
、普通の町中にある食品店の中間にあたる食品店と考え、実はこれが今までに
ニューヨークに無かったすき間マーケットと言えます。エーゲ海方面出身のオ
ーナーが経営しており、扱い商品にもそれが反映されています。オリーブ又は
オリーブオイル、パスタ類・ソースなどが非常に充実しています。生鮮野菜・
果物は新鮮で品揃えが良く、グルメストアのトップクラスであるディーン&デ
ルーカやバルダッチをしのぐとも言われます。
小さな店舗面積の中で、精肉・鮮魚コーナー、デリカテッセンコーナー、サラ
ダバーコーナーまで押し込んだ感じでもありますが、繁華街で成功するために
はあるべき姿と考えます。店内のディスプレイでは、低目の天井にキッチン用
品やギリシャ神話のエデンの園を思わせる飾り付けをし、主にハロゲンライト
などで商品等を奇麗に浮き上がらせています。これには相当の陳列の技術と手
間と内装費を使っていることを窺わせます。
その売場ではコーナー毎にここでは何を売るという明確な主張があり、品揃え
や商品構成でも圧倒されるものがあります。飲食や小売業では、広い品揃えや
価格での特化も重要なポイントですが、ここでは南ヨーロッパへ来た雰囲気を
作って買い物を楽しませます。系列店としては中心街にカフェ・エデンを今年
オープンさせ、これはサンドイッチと惣菜バーが中心の典型的なファスト・カ
ジュアル店になっています。
(つづく)
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