2004.4.07号
Vol. 24 大衆化100年、米国のハンバーガーの歴史といま(13)

○ファスト・カジュアル店の流行

最近日本で良く話題に上がるようになりましたが、ファスト・カジュアルやカ
ジュアルダイニングというタイプの店があります。ニューヨークでもファスト
・カジュアルタイプが好調で、その定義付けはおよそ次のようになります。

「従来のファーストフード店より少々長く待たされても良いから、自分の好み
に合った物を食べたい」「もうちょっと代金が高くても良いから、吟味された
新鮮な食材を使った物を食べたい」「しかし、レストラン形式のテーブルサー
ビスでは時間が掛かるし、チップも置くまではしたくない」−−という贅沢な
要求に応えたものです。

全米チェーンのファスト・カジュアル店もありますが、ニューヨークで成功し
ている一例にマンハッタン内だけで4店舗出しているマンジャ(Mangia)があり
ます。イタリア・地中海方面のイメージとコンセプトで構成されています。

4店舗の中でも五番街に近い立地の57St.店は、カフェ、マーケット、レスト
ラン、ケータリングの複合で、朝7時の朝食から夜10時の夕食デリバリーまで
フルに稼働させています。カフェコーナーではその時間帯(朝食、ランチ、ス
ナック等)に合わせたサンドイッチやパン類が並べられ、店内中央に入らずに
短時間でそれらと飲み物を買うことができ、店内のカフェテーブルで食べるこ
ともテイクアウトすることもできます。

店内の中心部は食品マーケットになっていて、各コーナーでサラダ類、ホット
サンドイッチ類、スープと付け合わせ類、ピザ・コーナー等があり、その場で
盛付けをしてくれ、また一角には惣菜バーがあり、自分で好きな物を好きなだ
け取れるようになっています。

2階はレストランになっていて、アメリカ人のランチに人気のあるサンドイッ
チ、チキン類、ピザ、パスタ類等を扱い、食べ放題のフードバーコーナーもあ
ります。ハンバーガーもメニューにありますが、私はマンジャでは他の食べ物
の方に興味を持っています。

マンジャ以外にも成功しているファースト・カジュアル店は沢山あり、「Cosi
sandwich bar」「Cafe Metro」などが代表ですが、ほとんどの場合サンドイッ
チを高級化し、サラダ、スープなどのメニューが加わり、朝食から夕方までを
中心に客を集めています。マンハッタンの中心地ミッドタウンなどではレスト
ランの朝食も高価格化していて、これらの店で気軽にコーヒーと朝ご飯を食べ
るという賢いニューヨーカーも多いということでしょう。

ニューヨークではワーカーが仕事場に着いてから朝ご飯を食べたり、スナック
や飲み物を飲みながら仕事をすることも当たり前の状況ですから、同じ家賃の
ビルで朝食の売上げを稼ぐことも非常に重要と言えます。ニューヨークでは作
り置きの冷たいサンドイッチを売る、例えばプレタ・マンジェ等は人気がなく
、ファスト・カジュアルはこれからどんどん進化し伸びてていくはずです。

全米チェーンではパネラブレッド(Panera Bread)が好調で、これはパン屋であ
りコーヒーショップである上に、ランチなども気軽に早く食べられるファスト
カジュアルの複合タイプです。ニューヨーク市に進出してくるのも時間の問題
だろうと思います。
(つづく)

→ Vol. 25