2004.2.18号
Vol. 17 大衆化100年、米国のハンバーガーの歴史といま(6)

○ハンバーガー・チェーンのはじまり
ハンバーガーの誕生日と大衆化は以上の通りですが、ハンバーガーにはその後
に数回の大きな出来事がありました。1910年代の第一次世界大戦頃には、円形
のパティに合わせたバンズを使ったハンバーガーが登場し、現在のハンバーガ
ーに更に近付いてきました。そして大きな出来事はハンバーガーのチェーン展
開が始まったことです。

1916年にホワイトキャッスル・レストランがカンザス州でオープンし、後にハ
ンバーガーも扱うようになりました。このハンバーガーが好評で、1921年にハ
ンバーガー専門店をオープンさせました。その当時のハンバーガーは1個5セン
トだったそうです。


1921年開店当時のホワイトキャッスル チーズバーガーと専用パッケージ

この時点では、全米のほとんどのアメリカ人がハンバーガーを知っていたはず
です。その後ホワイトキャッスルがこのハンバーガー専門店をチェーンに発展
させていきましたが、これがアメリカのハンバーガー・チェーンの始まりとな
りました。しかし調査では、その当時一部の人には、ひき肉に対する不安や、
脂っこくて汚いというイメージがあり、ホワイトキャッスルでは、店内と食べ
物の清潔さを打ち出すのが大きな課題だったそうです。噂というのは、「付近
の野良犬が少なくなった」などと、まことしやかに言われていました。

それを払拭するために彼等がしたことは、従業員全員が白い制服を着て、にこ
にこテキパキと働き、店内の掃除を几帳面にしたこと、そして店の外観はホワ
イトキャッスルの文字通りで白いお城の様にし、タワー飾りも付けました。外
観はどうあれ、ファスト・フードチェーンの一番重要な要素である「テキパキ
働き、清潔なこと」は、この時すでに始まっていたわけです。最近のファスト
・フード・チェーンでは、これが守られていない場合も多く見られます。

商品は、他の大手ハンバーガー・チェーンと違うユニークさがあり、まずはそ
のサイズが1口サイズ(正確には3口くらい)であることです。業界初の冷凍パ
ティを開発し、その四角いパティは約28グラムの小ささで、5つの穴が開けて
あり、素早い調理が出来るようになっています。バンズも四角型で、スチーム
加熱して調理し、ハンバーガーを個別に紙の箱に入れて出します。テイクアウ
ト用の冷凍ハンバーガーも各店で扱うという新しいアイデアもどんどん出して
来ました。

現在ハンバーガーは49セント、チーズバーガーは65セントで、各々約50グラム
と60グラムです。バンズはスチームしてあり、しっとりしていて、実際の重量
より軽く食べられるようになっています。

値段だけを言えば、大手が常に目玉商品で出している大型ハンバーガーの$1
セール(マクドナルドのダブルチーズバーガーは約180グラムで、現在$1セー
ル)に、立ち打つ術はないものの、当地では、例えば低所得層住宅地に出店す
るなどの戦略で特殊性を出し、人気があります。業界初の折畳みペーパーキャ
ップ(店員の帽子)も開発しました。

ホワイトキャッスルは現存するハンバーガー・チェーンでは最も歴史の長いチ
ェーン店です。筆者は今でも時々無性にこれが食べたくなり、ふらっと立ち寄
って10個ほど食べてきます。
(つづく)

→ Vol. 18