○とんだ勘違いの「フレンチ・フライ」
1904年にセントルイスで開かれた万国博覧会にも出店し、ハンバーガーの元祖
のひとりでもあるオールド・デイブは、この時、付け合せにフライドポテトを
扱っていました。飲食コーナーの屋台スタンドに、ニューヨークトリビューン
紙の新聞記者が取材に来た時の面白い話が伝わっています。
これは、記者の質問にデイブが答えたものですが、「ハンバーガーは俺が発明
したアイデアだが、このフライドポテトは、テキサス州パリス市に住む友人か
ら習ったポテトの調理法だ」と言ったのを、この記者はパリ(本場フランス)
のポテトの調理法と勘違いして「フレンチ・フライドポテト」と新聞に書いた
ことから現在の「フレンチ・フライズ」という呼び方が始まったというもので
した。この間違えをおかした新聞記者(記者としては失格)が、現代ではほと
んどのアメリカ人が好物とされる「フレンチ・フライ」の名付け親ということ
になります。アメリカ(ニューヨーク)ではフライドポテトのことを、単に
「フレンチ・フライズ」、またはもっと簡単には「フライズ」と呼びます。
テレビもラジオ(ほとんど普及していなかった)もなかったその当時では、聞
き慣れないテキサス訛りが通じなかったと言うことかも知れません。この新聞
記事は実際にあるものの、オールド・デイブの名前は載っていません(ここで
もこの新聞記者は失格)。しかし食に関する歴史の研究者等も、この万国博と
この店がハンバーガーを一般化させたことに間違えないと認識しているようで
す。
いずれにしても1900年前後にはハンバーガーという呼び名が使われるようにな
りました。後年それが短縮型のバーガーと呼ばれるようになり、チーズバーガ
ー等のバリエーションが加わったようです。さて、読者の皆さんはどの言い伝
えを支持しますでしょう。
ハンバーグと言った場合に、日本では少々考え方が混乱してる場合があるよう
です。私達日本人はハンバーグ(ステーキ)と言った場合は、パンやバンズに
挟まれず、皿に盛られて出て来るものを考えます。そしてハンバーグをパンに
挟みサンドイッチになった場合をハンバーガーと呼んでいます。でもアメリカ
では、ハンバーガーがほとんどで、ハンバーグ(ステーキ)の形で食べること
はフレンチ・ビストロやエスニック系以外ではめったにありません。そして一
部のアメリカ人は、牛のひき肉をさしてハンバーグと呼ぶ場合もあります。
(つづく)
|