○ハンバーガーの誕生
「元祖ハンバーガー」と言い伝えられる2つ目は、1890年頃のこと、ニューヨ
ークの北方2時間ほどの海側の街、コネチカット州ニューヘブン市で、ワゴン
式のレストラン「ルイス・ランチ」を開いていたLouis Lassenが、ステーキ肉
のサンドイッチを作る時の切り落とし肉を無駄にしないため、それをひき肉に
して固めて焼き、ランチには安くて美味い物を短時間で食べたいという客に提
供したと言うものでした。
このアイデアは、客として来ていたドイツ(ハンブルグ)の人から教えられた
そうで、ハンバーグとハンバーガーの名前の由来としても納得がいくものでし
ょう。事実、アメリカは東海岸から合衆国が出来て来たことや、ニューヘブン
は当時東海岸有数の港町であり、ヨーロッパ各地の文化を見聞きしている船乗
りなども出入りした地域であることから信憑性があると思いました。
ルイスはその後1895年に、この街に路面店を構え、更にその店を現在の場所に
移築したものの創業者の3代目と4代目が店を引き継いで営業しており、毎日使
う分の肉だけを挽き、手で丸め、ゆっくり焼き上げてトーストしたパンに挟み
ます。ここではパティは丸いものの、挟むパンは四角い食パンをトーストして
出すことと、パティの焼き方は特殊なガス・ロースターを使い、魚焼きの網の
様なものでパティを挟んで、それが縦になる様に横から入れて調理しているの
が特徴です。挟む具材はチーズ、トマト、タマネギの3種だけが認められてい
ます。ケチャップやマスタードを使うなどはとんでもないことなのですが、野
菜の味と食感がとても良く調和されて、充分納得出来る美味しさだと思います。
日本の頑固オヤジの店に似てるかも知れませんが、これは歴史を守るこだわり
であって、実際に店主はみな気さくで良い人達です。この店は現在も営業して
おり、時間帯によりステーキサンドイッチ(これも元祖)やホットドッグ、ポ
テトサラダやスープなどの限られたメニューを扱います。
3つ目は1892年のテキサスで、ここはカウボーイの本場であることから、これ
だけでもう元祖の様な気がします(最近テキサスの肩も持つ様になりました)。
テキサス州ダラスに近いアテネ(全米には世界各地の都市名を使った街の名が
沢山ある)という街でポークソーセージのレストランを開いていたFletch
Davis(ニックネームはオールド・デイブ)が、夏場のあまりにも蒸し暑い日
に、豚肉の解体と腸詰め作業が出来なかった時があり、たまたま準備が出来て
いた牛のひき肉を、腸詰めにせずスパイスだけで焼いて出した物が評判になり
ました。これが後年のハンバーガーだと言うことです。
テキサスは当時も開拓地で、ビジネスマンも新しいものに目を向け協力しあう
土地柄でした。そこでデイブの客でもあるビジネスマン達が協力し、1904年に
セントルイスで開かれた万国博覧会にデイブを出店させました。ハンバーガー
が万国博覧会で売られたことは資料や新聞で明らかになっており、テキサスと
いうおおらかな土地柄がハンバーガーというアメリカを代表する食べ物を産ん
だと言うのも当然のことかも知れません。
(つづく)
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