2003.7.2号
Vol. 1 ニューヨークのピッツェリア(1)

今回はニューヨークで一番人気がある食べ物の一つ、ピザについて書きます。

ピッツァと呼ぶべきなどの意見も聞きましたが、今回はピザとさせて頂きます。
筆者が数年来気に入って通っているのは、イースト・ハーレムのピザ屋「PA
TSY」のピザ。ニューヨークスタイル・ピザの典型と言える、薄いタイプで
トッピングが乗らないいわゆる「プレインピザ」です。

ピザはニューヨーカーにとって一番の人気食であるだけに、店舗数もタイプも
非常に多く、今回はニューヨークの特徴が分りやすいように、ピザの専門店で
スライス販売(一切れ売り)もする店を中心に調査しました。
 
調査ではアメリカのピッツァリアの数は約7万軒あり、ニューヨーク市とその
周辺部だけでも2750軒の登録がありました。これはピザ屋(Pizza又はPizzeria)
として職業別電話帳へ登録された数であり、ピザを扱うイタリアン・レストラ
ンという事になると想像出来ない数になると思います。

私の意見だけで正確な調査は出来ないと思うので、今回は沢山のニューヨーカ
ーの意見を聞きました。そこで言えることは、皆が自分の強い意見や好みを持
っていて、彼等の会話は頻繁にエキサイトしてくる程でした。これは最近の日
本で大流行りのラーメン店のベストを競うような状況に通じるものがあると感
じました。

「ピザの発祥はニューヨーク」
アメリカでのピザの発祥と歴史については、何と言ってもニューヨークが中心
になります。ニューヨークで最初にピザを売り始めたのはおそらくGennaro Lo
mbardiで、1800年代の終りにソーホー地区の食品店で働いていたイタリア移民
のLombardiがその日に売れ残ったパンを使って何かしようと考え、ピザの原形
を作って売ったのがはじまりと言われています。その後1905年にロンバルディ
が24歳で独立し、自分自身のピザ専門店「Lombardi's」を開いた事がニューヨ
ークのピザ店の第一店目と言われ、これがそのままアメリカのピザの歴史の始
まりとなります。

ロンバルディがあるソーホー地区は、最近ではブティックや画廊やブランド店
が集まっている事で有名ですが、リトル・イタリーや中華街に隣接していて、
当時は町工場が沢山あり、労働者が長時間働いていました。労働者は朝ロンバルディで丸ごとのピザを買い、朝飯に食べ、残りをスナックやランチ用に箱に
詰めて仕事場に持ち帰り、冬はラジエターストーブの上で保温しておいてつま
み食いをしながら長時間仕事をした等のエピソードがあります。その当時から
ロンバルディでは丸ごとのピザしか扱いませんでした。
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